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LIVE REPORT

BUCK-TICK

【BUCK-TICK】 『BUCK-TICK 2017 "THE PARADE" 〜30th anniversary〜』 2017年9月23日&24日 at お台場野外特設会場J地区

2017年09月23日
@お台場野外特設会場J地区

今年デビュー30周年を迎えるBUCK-TICKが開催した単独野外ライヴ2デイズ。初日は“FLY SIDE”、最終日は“HIGH SIDE”とサブタイトルを掲げ、これまでの軌跡を彩る代表曲をセレクトした、まさにスペシャルな内容となった。そんな2日間のライヴで実感したのは、やはりこのバンドの特異性だ。タイトで安定感抜群のリズム隊がボトムを支え、異端なギタリストと正統派ギタリストが絡み合って艶やかなサウンドスケープを描き、そこに妖艶なヴォーカリストが扇情的な歌声を乗せて届けられる、30年分の振り幅とも言える楽曲の数々。それらが放つ色は実にカラフルで、ポップに弾け、パンキッシュに攻め、ミディアムで魅せ、ディープに酔わせ...しかも、それが極端なまでに振り切ろうがBUCK-TICKという芯が煌々と輝いているのだ。もちろんそれぞれの音世界は凄まじく圧巻で、このバンドが圧倒的なまでに孤高であることも再認識した。また、「FLY HIGH」をはじめとする初期のビートの立ったナンバーが現在のバンド力でプレイされたことで、聴く者のノスタルジー云々レベルではない爆発力や飛翔感を誇っていたことも特筆すべきところ。30年のキャリアがもたらしたバンドの進化&深化もまざまざと見せつけられた。

そして、この2日間のハイライトは最終日のオーラス。櫻井敦司(Vo)が“30年前にビクターに声をかけてもらって、人生が、バンドが変わりました”と語ったあとに“新しい世界へ行きましょう”と披露されたのが「New World」だった。まさに30周年に向けてのプロローグとして、この曲が届けられたと言えるだろう。この瞬間、新たなバクチク現象が幕を開けたーー。

撮影:田中聖太郎/取材:土内 昇

BUCK-TICK

日本のロック・シーンが急激に加速し始めた1980年代中頃から活動を続けるワンアンドオンリーなロック・バンドで、現代のアーティストたちにも多大な影響を与え続けている。1985年に結成。自主制作盤の発表やライヴ活動を経て、87年9月にライヴビデオ『バクチク現象 at LIVE INN』でメジャーデビューを果たし、11月にアルバム『SEXUAL×××××!』を発表。89年1月にリリースされた3rdアルバム『TABOO』は、オリコン週間チャート1位を獲得。“バクチク現象”が起きる中、バンドは名実共にトップ・アーティストへ。同年12月には、東京ドームでライヴを敢行し、43,000人を動員する。90年2月、4thアルバム『悪の華』を発表。耽美的な世界観が一気に開花したこの秀作は、オリコンチャートで週間1位に輝く。以降もコンスタントにアルバムをチャート上位に送り込み、ファンを獲得していく。2007年9月には、初となる主催大型ロック・イベント『BUCK-TICK FEST 2007「ON PARADE」』を横浜みなとみらい・新港埠頭特設野外ステージで開催。2012年、不動のメンバーでデビュー25周年を迎え、新レーベル<Lingua Sounda(リンガ・サウンダ)>を設立。7月にトリビュートアルバム『PARADEII~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』を、9月にアルバム『夢見る宇宙』を発表。さらに9月には、トリビュート・アルバムに参加したアーティストと共に『BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE』を千葉ポートパーク内特設ステージにて開催。2013年6月には、デビュー25周年を記念したドキュメント映画『劇場版BUCK-TICK~バクチク現象~』を公開する。2013年12月、14年連続となる日本武道館公演を達成。2014年6月、19枚目のアルバム『或いはアナーキー』をリリース。独特なポップ・センスとダークな世界観を深く掘り下げつつ、インダストリアル・ロックの要素を取り入れるなど、今なお進化は止まらない。

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