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LIVE REPORT

BUCK-TICK ライヴレポート

【BUCK-TICK ライヴレポート】 『BUCK-TICK 2018 TOUR No.0』 2018年7月26日 at 国際フォーラム ホールA

2018年07月26日
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現在進行形の伝説ーー。全国ツアー『BUCK-TICK 2018 TOUR No.0』の追加公演として7月26日に開催された東京国際フォーラムホールAでも、そんな想いをまざまざと実感させる圧巻のパフォーマンスで満員の観客を魅了した。

今年3月にリリースされたアルバム『No.0』を引っ提げて行なわれた全国のホールを回るツアーの最終日。各地でライヴを重ねてきたことで、同作に収録された新曲群がより進化したかたちで披露されるのは予想できたものの、オープニングの「零式13型「愛」」が始まるや否や、バンドは期待を遥かに超える求心力でオーディエンスを惹き付けていった。

今井寿(Gu)と星野英彦(Gu)は、ステージを右へ左へとアクティブに動き、樋口豊(Ba)とヤガミトール(Ds)も同調しながらさまざまなグルーブの根本を生み出していく。もちろん、櫻井敦司(Vo)の舞台俳優であるかのような振る舞いや鋭い視線もお馴染みだ。

プロジェクションマッピングや多彩な照明・映像などを交えた驚愕の演出も、彼らの音を幾重にも後押しする。『No.0』のマテリアルを耳にしていた時に浮かんできた映像が、的確に具現化されるのである。「Ophelia」の際に揺れ動いたミレーの絵画『オフィーリア』、「IGNITER」の際に激しく放射された8本の火柱に驚かされた人も少なくなかったに違いない。ただ、それもBUCK-TICKが醸し出す絶対的世界観があるからこそ、相乗効果が生まれる。本編を締め括った「ゲルニカの夜」と「胎内回帰」は彼らの深遠なる音楽表現が特に極まった時空間だった。

今秋からはスタンディング形式でのツアー『TOUR No.0 - Guernican Moon -』がスタートする。これが今回の続編的位置付けなのか、新たな概念を提示するものなのか。今から大いに期待しておきたい。

撮影:田中聖太郎写真事務所/取材:土屋京輔

BUCK-TICK

バクチク:1987年にメジャーデビューを果たし、以降メンバーチェンジすることなく、日本のロックシーンの第一線で活躍し続ける。不動であり孤高であるその姿は、後続するアーティスト達にも多大な影響を及ぼしてきた。89年にリリースされた3rdアルバム『TABOO』でチャート第一位を獲得、デビュー後わずか2年の間に日本武道館、東京ドームと席巻し、名実共にトップアーティストの仲間入りを果たす。その後も独特なポップセンスとダークな世界観を深く掘り下げていく一方で常にその時代の先鋭的な要素を積極的に取り入れ、まさにBUCK-TICKでしか成し得ない独自の音楽性を提示しながらも、今なお進化し続けている。

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