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LUNA SEA ライヴレポート

【LUNA SEA ライヴレポート】 『LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019』 2019年12月22日 at さいたまスーパーアリーナ

2019年12月22日
@さいたまスーパーアリーナ

12月21日(土)と22日(日)の2日間、結成30周年のクリスマスライヴ『LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019』がさいたまスーパーアリーナで開催された。12月18日には渾身のニューアルバム『CROSS』がリリースされて、この公演では豊富な経験を持つベテランとしての貫禄に加え、瑞々しいエネルギーがみなぎるパフォーマンスを観せてくれた。その最終日をレポートする。

会場が暗くなり、荘厳な讃美歌が流れる。会場の両サイドには、いくつもの円盤状のライトが下りてきた。真矢のドラムのカウントが入り、RYUICHIの伸びやかなヴォーカルとSUGIZOのスペイシーなギター、INORANのバッキングギターが重なる。そこにJのベースが加わり、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』第一弾OPテーマでもある「宇宙の詩~Higer and Higher~」がスタート。壁を突き破るかのような勢いで会場をあっと言う間にLUNA SEAの色に塗り替えられていく。イントロの音に合わせてステージ上で火花が上がった「The End of The Dream」では、オーディエンスは拳を突き上げて、会場の空気が一層ヒートアップする。

“クリスマス2日目、今日も昨夜を越えていきたいと思います”と宣言してネクストソングと紹介されたのは、彼らの代表曲の「ROSIER」。さらに「DESIRE」とシングル曲がプレイされ、「Sweetest Coma Again」では会場全体が赤く染められる。この公演では照明と映像も濃密に作られていて、彼らの演奏がより際立って見えた。

そして、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』第三弾オープニングでTM NETWORKによる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』主題歌のカバー「BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~」を演奏。この曲は2019年9月に行なわれた『GUNDAM 40th FES."LIVE-BEYOND"』で披露されていたが、ワンマンライヴではこの2デイズが初めて。続いて『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』第二弾OPテーマ「悲壮美」。浮遊感のある前曲に対し、こちらは大地にしっかり根差したようなバラードナンバーであり、楽器の音と溶け合うRYUICHIのロングトーンがオーディエンスの心を震わせた。

SUGIZOが空気を切り裂くようなヴァイオリンを奏で、INORANの憂いを帯びたギターが始まる。2017年リリースのアルバム『LUV』に収録されている「闇火」だ。RYUICHIのヴォーカルが加わると、3人の演奏の切迫感が次第に増していく。そして、真っ暗となり、静まり返る会場。ステージ上では炎が灯される。感情を叩き付け激しく奏でる5人の音が絡み合い、高みを目指していくーーその鬼気迫る圧巻の表現力に圧倒され、オーディエンスは放心したように余韻に浸った。

ドラムソロパートでは真矢は粋に着物を羽織って登場。そこに笛、小鼓、大鼓、太鼓の雅楽隊の4人が加わった。6月1日に武道館で行なわれたアニバーサリーライヴでのお囃子とのパフォーマンスが再び蘇る。実はこのライヴで真矢は発売予定のPearlの電子ドラム『e/MERGE』を使用。コンサートでこのドラムを使ったのは彼が世界で初めて。そんな真矢が大きく腕を振り上げてドラムを叩く姿は、まるで舞を踊っているようだった。そして、静寂が一転、ドラムからスモークが吹き上がって真矢は激しく連打! それを受けてJのベースソロに突入し、バックスクリーンには巨大なクロスが浮かび上がった。EDM調のサウンドに合わせて重低音を響かせるJ。スクリーンにクリスマスメッセージが綴られて、締め括りには「ジングルベル」の一節を奏でるという温かい演出を付け加えるのが、いかにもJらしい。

“クリスマスだし、30周年だし、俺はなんかテンション高いし!? このままの勢いで次の曲、コールさせてもらいます!”と言い放ったあと、ニヤリと笑い“Jesus,don't you love me!”とJが叫ぶと客席からも歓声が上がり、強烈な躍動感にあふれる「JESUS」へ。『機動戦士ガンダム』40周年を記念して書き下ろし、アルバム『CROSS』にも収録されている壮大なナンバー「THE BEYOND」では、RYUICHIは“一緒に!”とオーディエンスにコーラスを促す。2月からスタートするツアーを経て、この曲がどんなふうに育っていくのか楽しみだ。

MCでRYUICHIはこれまでのことを振り返った。“俺たちは、この30年の中で終幕というものを経験しました。1度ある意味壊れてしまった関係ではあるんだけれど、復活した7年振りのドームで確信したものがあったんだよね。やっぱりこの音だな。これが血を騒がせるグルーブなんだなって”...が、ここでSUGIZOの機材にトラブルが起こったということで、一旦中断。メンバーは真矢がJのモノマネをするなどユニークな会話を織り交ぜて、ライヴをつないでいく。それは“今日は神回だよ! 30年間でこんなライヴ1回もないから!”というJの言葉を聞いて、心配するオーディエンスからも笑い声が起きるほど。そんな中、RYUICHIがこの時間にメンバー紹介をすることを提案。SUGIZOのギターはまだ使えなかったが、“ギャイーン!”と叫びながらエアーギターをするというレアな姿を披露し、さらにマイクを使わず“サイコーに愛してるぜ!”と生の声で伝えると言う場面も。

ライヴは生き物。何が起きるかわからないことを改めて実感する。しかし、そんな深刻な状況の下でもメンバーはスタッフやオーディエンスを気遣いながら明るくふるまう。しばらくしてSUGIZOは“ディレイが出ているスピーカーのキャビが1台やられたみたいで、ディレイがまったく出ない”という状況を説明。SUGIZO、LUNA SEAサウンドの肝は使えないが、後半はそれがない中でライヴを続行することを決断したのだった。

RYUICHIは“さいたま、盛り上がっていこうか!”と気合を入れ直し、「BLACK AND BLUE」へ。もちろん彼らの演奏だけで自然と心は高揚するのだが、オーディエンスは“任せておけ!”と言わんばかりに、より盛り上がる。長年支えてきたSLAVE(ファンの呼称)とバンドの信頼関係を目の当たりにした瞬間でもある。また、「STORM」ではSUGIZOがソロを弾く場面ではRYUICHIとINORANがSUGIZOの両脇に来て、笑顔で彼をサポート。Jは逆サイドでオーディエンスを盛り上げ、真矢は中央で支え続ける。各自が即座に自分ができることを判断し、それに徹する5人の姿に強固なチームワークを見せてもらった気がする。そして、本編は彼らのメジャーデビューシングル曲「BELIEVE」で締め括られた。

もはや『LUNATIC X’MAS』では恒例となったオーディエンスによる「きよしこの夜」の合唱が起こり、会場中でスマホライトが照らされる。LUNA SEAのクリスマスソング「HOLY KNIGHT」ではメンバーの提案によって、オーディエンスのスマホのライトを灯したまま演奏されることに。「I for You」後には、先ほどのトラブルの時のメンバー紹介でできなかった真矢を紹介。“今日のトラブルは30年の俺たちの絆をちょっと試されたね。そして、その時間を俺たちは笑顔で過ごせたね。これは何よりも俺たちが培った30年の、本当に結晶だと思います。いい時間だった”と振り返る真矢。また、SUGIZOは今年RYUICHIが病気や喉のポリープ手術を乗り越えたことに触れた。“メンバーが命に関わる病気で生還してきたってことは、これだけバンドの絆を強くするんだなと。俺たちはひとり欠けても、もう自分たちの人生を歩めないくらいすごく強い、運命的なつながりを持っているんだなと、2019年つくづく痛感しました”と話し、RYUICHIに“筋トレのやりすぎは注意して”と付け加えた。

そんなRYUICHIは客席に向かって“俺たちがこれから50代、60代とカッコ良い洋楽のバンドみたいにやっていくとしたら、やっぱりいい作品を作っていきたいしね。それはみんな、本当に期待していてね”“どこまでいけるか分からない。だけど、LUNA SEAはずーっと上っていこうとするから。みんなと一緒に、いい?”と言葉を掛ける。今回、『CROSS』というものすごいアルバムが完成した。ツアーが控えているとはいえ、果たしてこの先はどうなるのかと思っていたファンにとって、メンバーが未来のビジョンについて力強く言及したのは非常に心強かっただろう。そして、どんな素晴らしいキャリアを持っていても現状にとどまらず、まだまだ上を目指していこうとする飽くなき向上心こそ、5人の強さの源だと思う。

通常のライヴで最後を飾ることが多い「WISH」がプレイされ、これで終わりかと思いきや、会場は明るくならない。ステージの上方を見上げ両手を掲げ、祈りを捧げるようなRYUICHI。そこで流れてきたのは、なんとアルバム『CROSS』の1曲目「LUCA」のイントロ。最後にこの曲が来た驚きとともに、客席から大歓声が上がる。「CROSS」をプロデュースしたスティーヴ・リリーホワイトはこの曲を“つぼみが開いて花が咲いていく”と例えていたが、幸福感あふれる音に共鳴して、会場にいる人たちの顔がほころんでいく。RYUICHIが《二人の息 出会い 呼び合い 支え合う様に》と軽やかに歌い、その歌詞の意味を改めて噛み締める。まさに30年の歴史と、これから始まるLUNA SEAの未来を示唆しているようだった。そんなクライマックス、作曲を担当したINORANは“みんな歌ってくれよー!”とオーディエンスに歌声を求め、RYUICHIは“一緒に行くよ!”と力強く導く。彼らの歌に寄り添うように客席からコーラスが起こり、みんなの歌声がひとつになって昇華されていった。

2020年2月からはニューアルバム『CROSS』を引っ提げた待望のツアーがスタートする。新しい旅に向かう5人とどんな景色を見ることができるのか。楽しみに待ちたい。

撮影:田辺佳子、橋本塁、清水義史
取材:キャベトンコ

LUNA SEA

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。

SET LIST

試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1. 宇宙(そら)の詩(うた)~Higher and Higher~

  2. 2

    2. The End of The Dream

  3. 6

    6. Sweetest Coma Again

  4. 7

    7. BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ ※TM NETWORKカバー

  5. 10

    10. Dr.Solo & Bass Solo

  6. 17

    <ENCORE>

  7. 18

    1. HOLY KNIGHT

  8. 19

    2. White Christmas 〜 I for You

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