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LIVE REPORT

LACCO TOWER

『独奏演奏会』

2016年02月11日
@TSUTAYA O-EAST

メジャー1stシングル「薄紅」のリリース記念の独奏演奏会は同時に、昨年暮れのワンマンライヴ『LTS82総選挙』の2日目、喉を痛め歌うことができなかった松川ケイスケ(Vo)をはじめ、メンバーたちにとってはその雪辱戦でもあったようだ。開始早々、“この日が待ち遠しかった!”と言い放つと、ファン投票でセットリストを決める『LTS82総選挙』の上位3曲に選ばれた「鉋」「弥生」「螺旋」を含む新旧の楽曲を熱演した。昨年7月の独奏演奏会で精一杯の演奏をしながら、さらに大きな舞台を目指せる可能性を印象付けた彼らはLACCO TOWER史上最大キャパとなった今回、ドラマー以外の4人が広いステージを縦横無尽に使い、激しいアクションを見せるパフォーマンスで、その可能性をさらにダイナミックにアピール。そして、“日本武道館に行こう!”と塩崎啓示(Ba)は新たな目標を言葉にした。2階席からそんなバンドの熱演とそれを受け止める観客の姿を見ながら改めて感じたのは、観客の気持ちを鷲掴みにする歌の力だ。観客をのせ、盛り上げることが第一に求められる今のロックシーンの最前線で活躍しながら、同時にじっくりと聴かせられる曲をこれだけ持っているバンドがどれだけいるだろう。それは昔懐かしい歌謡曲風のメロディーによるところが大きいのかもしれない。切ない曲と思わせ、残酷なドラマが展開する「茜」のような叙情ナンバーのみならず、モッシュしている観客の横で「非幸福論」のような激情を迸らせる曲をじっと聴き入っているファンの姿は、彼らがどんなバンドなのか今一度考えるきっかけになったのだった。