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LIVE REPORT

家入レオ

『5th LIVE Tour~WE|ME~』

2016年12月10日
@国際フォーラムA

水の音、鳥のさえずり、雷、通過する電車、カツカツと鳴る足音...。さまざな音が現れては消え、やがて渾然一体となって鼓動の高鳴りとなっていく。それがピークに達した瞬間、“東京!”という突き抜けるような声とともに姿を表した家入レオ。鮮やかに登場し、伸びやかに歌い上げるオープニングナンバーは「Brand New Tomorrow」。そして、笑顔で細やかに観客とコミュニケーションをとりながら、「ミスター」「シティボーイなアイツ」とポップチューンを立て続けに披露。ここ1年のインタビューで何度も口にしていた“覚醒”の体現が、明快に明確に伝わってくる。この“覚醒”が軽やかさや明るさを弾けっぷりが増したということにとどまらず、痛み、哀しみ、怒り、苦悩を凝縮したような「Silly」をより聴き手に届くような表現へと昇華させていたことは、彼女のさらなるしなやかな進化が感じられた。

また、“静/動”“光/影”が共存したオルタナサウンドの「恍惚」から、SEをはさんで「we」をピアノの弾き語り、ロングスカートを翻しながら楽しそうに歌う「サブリナ」への緩急ある流れも大胆でありながらとてもスムーズ。曲と曲との相乗効果とその最大限の活かし方、そこにかなり緻密にこだわったであろうことがよく分かるシーンだ。

そして、包み込むように大きく深い愛を感じさせた「Every Single Day」を本編ラストに、この曲と対になっている「僕たちの未来」をアンコールのラストに選んで披露したことには、彼女のファンへの想いがとりわけ強く表れていたように思う。そう、“未来”...この日のステージの最後には、本人と天井から降りてきたバックドロップで、初の日本武道館ライヴ(2017年4月30日)も発表された。彼女の夢がまたひとつ開花する日、“僕たち”は必ず再び集うだろう。