2015年12月、冬眠前最後のステージでメガマソが残した言葉は“おやすみ”。そこから1年間の冬眠期間を経てファンのもとへと戻ってきた彼らの目覚めの挨拶は、“おはよう!”だった。
再会の場となった会場は祝福に駆けつけたファンで埋まり、緊張感とそれ以上の期待感が充満している。バンドの空白期間にファンも少なからず不安を抱いていたことであろうが、そんな心配も「ザセカンドニムバス」が鳴った瞬間にどこかへと吹き飛んでしまった。公演直前にリリースされたばかりの新曲を掲げて始まる頼もしさ。ここから新たな境地を切り開いていくんだ、という決意を感じられるスタートダッシュで幕を開けた。
前半はインザーギ(Vo)のハイトーンな煽りが映える楽曲など6曲をノンストップで展開。深い感謝の気持ちを言葉にしたMC後は、深層部まで染み渡るような音が響き渡った「水没寺院」、冬眠前のツアー会場限定でリリースされた「フロスチ」など、バンドのエモーショナルな一面を繰り出していく。そうかと思えば、ハードなナンバーで会場を扇動し、メロディアスなナンバーで大合唱を巻き起こすなど、めまぐるしく展開。メンバー同士のアイコンタクトも多く、幸せな時間を噛み締めるように客席を見渡す3人の笑顔が眩しかった。
アンコール明けのMCでは、“お久し振りです! 寝すぎた!”と寝起きモードのGou(Ba)、このライヴでファン全員と2秒目を合わせると宣言する涼平(Gu)など、それぞれのキャラクターも炸裂。“会いたかった人?”という問いかけに、客席から勢いよくたくさんの手があがったことも特筆しておきたい。
彼らにとって冬眠期間の1年は決してネガティブなものではなく、新たなフェーズへと駆け上るために必要な時間であったことを改めて実証したステージだった。公演後には早速、3人のバースデー公演を含む全国ワンマンツアーの開催も発表。2度目のアンコールでインザーギが放った“今日から始めようぜ!”という言葉の通り、ここからまた、メガマソの新しい物語が紡がれていく。