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LIVE REPORT

LUNKHEAD

『LUNKHEAD ONEMAN TOUR 2016「アリアル」』

2016年12月09日
@赤坂BLITZ

高い熱でパンパンに膨れ上がった魂が、炸裂しながら疾走する。そして、その熱の伝導のスピードは息継ぎする間もないくらいに速い。赤坂BLITZで迎えたツアーファイナルは、まさに“全身全霊”という言葉が相応しいエナジーの塊のようなライヴだった。

切れ味が良く、しかも踊れるナンバーである「月明かりに踊る君を僕はただ見ていた」で幕を開けた瞬間から、ステージとフロアーをつなぐ空気がピンと引き締まり、ギュッと濃縮されていく。LUNKHEADの核を研ぎ澄ませた「空白」と「存在?」に到るまでの前半戦...そう、メンバーはみんな、自らと闘っているようだった...で、すでにワンステージ分のエネルギーを燃焼させたのではないと思うほど、高揚感が凄まじい。そして、三連でやわらかなタッチの音を奏で、テンポチェンジからゆっくりとスケールを広げていく「いつか知らない誰かを愛しても」や、小高芳太朗(Vo&Gu)の弾き語りから始まる「空中線」の滲みながら浸透していくサウンドからは、このバンドのもうひとつの真髄である温かみのあるやさしも真っ直ぐに伝わってきた。

桜井雄一(Dr)の刻むビートが導き、山下 壮(Gu)と合田 悟(Ba)の掛け合いで再びフロアーをヒートアップさせた「潮騒」からの後半戦は、「うぇいうぇいうぇい」「スターマイン」のお祭りディスコロックの二連発でバンドもオーディエンスもフルスロットルで果てなく突き抜けていく。熱情がほとばしり、生命力が漲るパフォーマンスを見せた「アルピニスタ」での完全燃焼で完結...と思いきや、タフネスぶりを発揮してアンコールはダブル! このライヴのツアーの最後に披露されたのは、デビュー曲の「白い声」。“アリアル=在り、在る”の原点をも感じさせるような、凛とした締め括りだった。