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LIVE REPORT

家入レオ

『家入レオ LIVE at Zepp 2016 ~two colours~』

2016年02月02日
@Zepp DiverCity Tokyo

家入自身もプレイヤーとして加わった、3本のアコースティックギターアンサンブルで幕を開けたステージ。「サブリナ」でのこの新たな試みが鳴り響いた瞬間から、今回のツアーがネクストレベルのフェーズに入ったことを物語る。ツアーに向けて彼女は“歌をしっかり聴かせたい、届けたい”という話をしていたのだが、その言葉通り、ポップとハードの両極に振り切っていくパフォーマンスは抑えられ、歌を完全に主軸として、それを最良のかたちで生かす楽器とのコラボレーションで全体像の構築が進められていた。スツールに腰掛け、ピアノをバックに静かなる熱さをもって切々と歌い上げられたシンディ・ローパーのカバー「Time After Time」は、それをもっとも象徴的に表していた一曲と言えるだろう。

カラフルな実験が楽しい実を結んだ楽曲「オバケのなみだ」をやわらかいアクセントとして置いた中盤戦を経て、圧巻だったのはバイオリン奏者を迎えて繰り広げられた「Silly」に始まる後半から終盤への流れ。家入とふたりのギタリストによるトリプルエレキギターが炸裂した「純情」、オリジナルのスタイルのようでいて、バイオリンが入っていることで結果ここでもニューバージョンへと進化していた再びの「サブリナ」は、とりわけ鮮やかな昇華を見せていた。

そして、彼女の“覚醒”がそのまま歌に、言葉に、音になった「Hello To The World」。覚醒と解放を体現した爽快で伸びやかに抜ける歌声は、この日の終わりに“新たな始まり”を宣言する、美しいシーンを描いた。