月と砂漠

うなるネック
問いかける時の残骸
回りつづけてく現実―
揺らめく影 ひからびた太陽

無限に降りてくる月の幻影
宙に舞い上がる愛の跡
すべて大地の鼓動のうねになる

剥がして海に投げつけた空
見えないはずの自由が広がってる
いつもそこにある

銀色の流体に呑み込まれて
自由の意味を探りつづけた

時は記憶の吹く海の中に
遠い記憶の巣食う渦の中に

廻る 廻る 架空の限界
ついに舞い降り立つ 真実
宇宙が この一粒の細胞だとしても

時は記憶の砂に埋もれて
冷たくなった自分 転がってる
いつかそこにくる

あてのない夜に怯えて
音のない森にさまよえば

静かに月照らし出してる
静かな月ただそこにある

赤茶けた月が昇る日は
いつになればやって来るだろう
溢れ狂う人ごみの中で
羽根のない自由がはびこる

あとどれだけ生きられるのか
あとどれだけ許されるのか

ただそこに在るのは―
ひからびた風と大地と海とヌケガラ
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