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  • YOAKE
    でも、ごめん。私は…あなたじゃない人が好き。
    でも、ごめん。私は…あなたじゃない人が好き。

    YOAKE

    でも、ごめん。私は…あなたじゃない人が好き。

     2023年7月21日に“YOAKE”が新曲「ボーイズ ドント クライ」を配信リリースしました。同曲は、モテたくてもモテない勘違いZ世代男子に捧げる青春ポップ。誰かをどうしようもなく好きになった時、暴走気味でみっともなくても一生懸命な想い。そんな想いを歌に込めた楽曲に仕上がっております!    さて、今日のうたコラムでは最新作を放った“YOAKE”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回は【前編】です。綴っていただいたのは、新曲「 ボーイズ ドント クライ 」にまつわるお話。好きなひとの好きなひとになりたいのに、なぜか“じゃないひと”が振り向いてしまう。そんな状況に陥っているあなた、もしくは“じゃないひと”にしかなれないあなたへ。 気にしすぎて、うじうじして、神頼みしたくなる。 そんな経験したことありませんか? 伝えたいことをうまく言葉にできなくて、思い通りにはいかなくて、ひとりになって後悔したり。 あれ? どこかで間違えたかな? 発言が気に障ったかな? と不安になったり。 自分は調子がよくても、もしかしたら相手は落ち込んでるかもしれない。人と人の関係って、ふたりだけで完結してるわけじゃない。だから神頼みしたくなることが多いですよね。 そんな、恋に落ちている時の心の揺れ動きを歌に詰め込みました。   じゃあ、相手側の気持ちはどうなのかな? 違った角度でこの楽曲を見てみるといろんな想いが想像できました。 こんな気持ちになったことありますか?     『神様お願い。 あの人からの返信を早くさせて。 話してる時、楽しそうにさせて。 いろんなところへデートさせて。 …こっちへ振り向かせて。   ああ、違う。 神様、この人じゃなくて…。』   贅沢な悩みだなって思うけど実際にあったらガッカリしちゃう。 神様から意地悪されてるんじゃないかって。 ちょっとした神様の“勘違い”ですかね。     『優しい人が好き。 いつも笑顔な人が好き。 面白い人が好き。 私を大切にしてくれる人が好き。 全部当てはまってるね。 でも、ごめん。   私は…あなたじゃない人が好き。』   『どうしても好きになれない人がいる。 性格もいいし、顔も悪くない。 私のことをいつも大事に考えてくれるし、この人と結婚したら絶対幸せなんだろうなって思う。 だけど、どうしても好きになれない。   そんな人から好かれた時が一番悲しい。』     自分の理想に全部当てはまっているのに、 何故か恋愛対象にできない人。 ワガママでもなくって、違った特別な存在。 言葉じゃ言い表せないそんな人っていませんか? これもある意味での“勘違い”。 運命の人は見落としているかもしれないよ!って思ったりします。     『好きな人に好かれたいだけなのに。 可愛くなればなるほど。 性格を良くすれば良くするほど。 好きじゃない人に好かれるのは、どうして? この恋にキミが気づいてくれないから。 私は今日もアイツの好意に気づかないフリをする。』   『好きな人に「好き」って言われたい。 好きな人に「好き」って言いたい。 ただ、それだけなのに。 今日も私は聞きたくなかった「好き」に「ごめんなさい」と返す。』   ザッツ“勘違い”。 アナタじゃないですよ! でもそういうことってありますよね。 自分の行動や好意が誰に取られるかは受け取り側の自由ですもんね。     『LINEの返信が早かったのも。 よく笑ってたのも。 何も考えずにいられたからなの。 本当の私は『好きな人』には駆け引きしちゃうし。 必要であれば落ち込んだフリもする。 そんな本当の私を引き出すあの人が「思わせぶりだ」なんて言ってくるから。 ごめんなさい。 私、今日からアナタに素っ気ない。』     本当に好きな人に言うことって色々考える。 こんなこと言ったら嫌われちゃうかな? 引かれないかな?とか。 逆に恋愛対象として見てない人の方が何も考えずにすぐLINE送れたりして。   気になってる人から「思わせぶり」なんて“勘違い”されたら心の中でガッツポーズ。     共感してもらえるものはありましたか? こんなことを妄想していたら今回の「ボーイズ ドント クライ」ができました。   それぞれの解釈で自分に照らし合わせて聞いてもらったり、 勝手な恋愛ドラマを妄想してもらったり、 いろんな“勘違い”をこの曲に投影してもらえたら嬉しいです。 <YOAKE> ◆紹介曲「 ボーイズ ドント クライ 」 作詞:YOAKE P 作曲:YOAKE P 

    2023/07/24

  • バウンダリー
    普段どんなに自信が持てなくても、無敵になれる瞬間がある。
    普段どんなに自信が持てなくても、無敵になれる瞬間がある。

    バウンダリー

    普段どんなに自信が持てなくても、無敵になれる瞬間がある。

     2023年7月12日に“バウンダリー”が1st Full Album『あしあと』をリリースしました。今作には全10曲が収録。リード曲「足跡」は、彼女達のバンド活動を振り返るような歌詞と映像が印象的な1曲。これまでの思い出も紆余曲折も全部を花束みたいに抱え、これからを駆け抜けていく彼女達から目が離せません…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“バウンダリー”の中道ゆきによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作のタイトル『あしあと』に通ずるお話。メンバー3人のそれぞれ異なる人間性。10年間バンドを続けてきた今の想い…。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください。 「アリが10匹」 これは今回のアルバムの、不採用になったタイトル。 「あしあと」 改めて、こっちの方がしっくり来る。   私達はバウンダリーというバンドをやって気付けば10年。 3人、そりゃ感じ方や考え方も違うしキャラクターも全く違う。 同じなのは150センチの背丈くらい。 それなのにずっと一緒に音楽をやっている事、本当に奇跡みたいだと思う。   さくちゃんはエンターテイナーだから、どんな時もさくちゃんであることをサボらない。 ライブの打ち上げも、スタジオ練習の帰り道も、そうだな、偶にさくちゃん自身が落ち込んでいる時も。 全力でおちゃらけていて笑っちゃうし、心がぽっかぽかになって実はよく泣きそうになる。   ふうちゃんはしっかり者だから、道が逸れそうになったら引っ張って戻してくれるし、 お目目2つ以上あるんじゃないかってほど周りを見ていて、心くばりが温かい。 あと嬉しい時に一番に喜んで、悔しい時、一番に熱い涙を流してくれるのもふうちゃんだと思う。   私はというと、めちゃめちゃ引っ込み思案。 例えば小学生の頃、国語の授業の音読で自分の番が回ってくる度に心臓が飛び出しそうだった。 なのにこのバンドでボーカルをやっている。 幼い頃から、前に出るのが得意じゃないくせにステージだけは大好きで別物の感覚だった。 普段どんなに自信が持てなくても、無敵になれる瞬間がある、あの不思議な空間には。   …どれも私目線だけど、そんな3人です。   これまで色んな楽しい場面があった、けど苦しい思い出も沢山あり。 それが薄れないように時々、あの出来事は必要だったって言い聞かせるように、思い返す。 それが無かったら今は無いし、無理矢理にでも受け止めて少しでも前に進めているとしたら胸を張りたい。   頑張っている事、夢中になっている事、小さな事でも誇りを胸に、 全員でレッドカーペット歩こうぜ! そんな気分で一曲が出来ました。   まだまだ小さな私達を見つけてくれて、好きになってくれちゃったりなんかして、 皆の愛があるから、バウンダリーという物語がつづくんですよね。   <バウンダリー・中道ゆき>   ◆1st Full Album『あしあと』 2023年7月12日発売   <収録曲> 1. 足跡 2. こんな言葉じゃ 3. でたらめ 4. あの言葉 5. バルーン 6. 儚い夢 7. ゆきさき 8. 暗闇 9. 気まぐれ 10. 音楽よ

    2023/07/21

  • mol-74
    ふと、あの日に帰りたくなって“あの曲”を聴いてしまう。
    ふと、あの日に帰りたくなって“あの曲”を聴いてしまう。

    mol-74

    ふと、あの日に帰りたくなって“あの曲”を聴いてしまう。

     2023年7月9日に“mol-74”がnew mini album『きおくのすみか』をリリースしました。今作は自主レーベル「11.7」の設立後初となるミニアルバム。そしてアーティスト写真とジャケット写真は、今回のコンセプト「あるひとつの集合住宅を舞台とし、住人それぞれの“記憶”に纏わる物語」をなぞったビジュアルとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“mol-74”の武市和希による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今作の収録曲「 0.1s 」にまつわるお話です。この曲の制作時、ふと結びついたある夏の思い出とは…。あなたにとって、心をタイムスリップさせてくれる楽曲は何ですか?   ふと、あの日に帰りたくなって“あの曲”を聴いてしまう。 音楽にはそんなタイムスリップをさせてくれるような魔法がある。   高校や大学の通学時によく聴いたあの曲。 昔の恋人が好きだったあの曲。 適当にかけていたラジオから流れてきたあの曲。 仕事終わり、電車に揺られながら聴いたあの曲。   そんな“あの曲”を久しぶりに聴いてみると、懐かしい景色や音が蘇ってくる。そんな経験がみなさんにもきっとあるのではないだろうか。 僕にもそんな“あの曲”がいくつか思い当たる。 中でも、特にこの季節になると聴いてしまうのがBase Ball Bearの「BREEEEZE GIRL」という曲だ。   高校を卒業してから製菓の専門学校に通っていた僕は、卒業したその年の夏に、クラスメイト5人とレンタカーを借りて三重県の鳥羽に1泊2日の旅行に出かけた。僕にとってははじめて友人たちと出かけた旅行ということもあって、その思い出自体がとても特別なのだけれど、道中の車内で友人が流してくれたBase Ball Bearの「BREEEEZE GIRL」という曲は、今聴いてもあの日のレンタカーの車内に連れ戻してくれる。   車内から眺めた高速道路の風景、サービスエリアで食べたソフトクリーム、旅館で嗜んだ贅沢な料理の数々、夜遅くまでチューハイを飲みながら打ち興じたくだらない話や笑い声。曲を聴いたその瞬間だけでなく、朧げながらもあの日のハイライトが瞼の裏や鼓膜の奥を駆け巡る。   昨日、僕たちは新しいミニアルバム『きおくのすみか』という作品をリリースした。昨年12月に自主レーベル「11.7」を立ち上げてからはじめてリリースしたミニアルバムだ。僕たちとしては珍しく夏をテーマにした曲も収録されていて、中でも「0.1s」という曲は、mol-74の曲として最も爽やかで疾走感のある夏らしい曲に仕上がった。   そんな「0.1s」の歌詞を書くために何度も繰り返し仮歌の入ったデモ音源を聴いていると、あの夏、友人たちと鳥羽に出かけたときの記憶と結びついた。勿論、この曲が昔から存在していた訳ではないし、あの日聴いた訳でもない。でも、そんなことが僕にはよくある。メロディーが生まれたのはたった今なのに、なぜか遠い記憶と重なったりする。理由は分からないけれど、そんな時は素直にその記憶をなぞって歌詞を書いてみる。そんなふうにして「0.1s」も、あの夏の記憶をなぞって、当時の自分の視点で歌詞を書いた。   この「0.1s」という曲をあなたは、いつ、どこで、誰と、どのようにして出会ってくれるだろうか。   高校や大学の通学中だろうか。 恋人のスマホのスピーカーからだろうか。 適当にかけていたラジオからだろうか。 仕事終わりの電車の中だろうか。   もしかすると、友人たちとの旅行中の車内だろうか。   「0.1s」という曲が、あなたが今目にしている、耳にしている景色をまるごと閉じ込めて、いつの日か、またその瞬間に帰ってこられるような“あの曲”になってくれたら、僕としてはとても嬉しい。 「BREEEEZE GIRL」が僕にそうしてくれたみたいに。   <mol-74・武市和希> ◆紹介曲「 0.1s 」 作詞:武市和希 作曲:mol-74  ◆new mini album『きおくのすみか』 2023年7月9日発売   <収録曲> 1.忘れたくない 2. 0.1s 3.Summer Pages 4.花瓶 5.此方へ 6.アンニット 7.ひびき  

    2023/07/20

  • ミセカイ
    伝えたい想いが大きくなるほど、ありきたりな言葉に集約される。
    伝えたい想いが大きくなるほど、ありきたりな言葉に集約される。

    ミセカイ

    伝えたい想いが大きくなるほど、ありきたりな言葉に集約される。

     2023年7月19日に“ミセカイ”が6thデジタルシングル「藍を見つけて」をリリースしました。彼らは“ビジュアルからインスパイアされた曲を作る”をコンセプトにした男女混声ユニット。ユニット名を「未世界」「美世界」「深世界」と⾊々と表現できるように、モチーフとなったイラストや写真の持つ「未体験感」「美しさ」「深層⼼理」といった世界観をいろんな曲調で表現していきます。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ミセカイ”のアマアラシによる歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「藍を見つけて」にまつわるお話。自身のなかにキーワードとしてある“ありきたり”という基準と、どのように向き合ったのか。そして、元イラストの世界観を表現するために歌詞にどんなこだわりと想いを込めたのか…。また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 「伝えたい想いが大きくなるほど、ありきたりな言葉に集約される」 歌詞を書くようになってから幾度となく思い知らされてきた。   端くれなりにも詞を綴るものとして自分なりの表現を持ちたいと足掻くことも多けれど、 喜怒哀楽の枠組みから逸脱することは到底できないままでいる。   それどころか 僕が音楽に触れずに育った世界線があるとして、 その僕が読んだのなら“稚拙だ”と吐き捨てられるのではないか。 と自分自身の物差しが分からなくなることも珍しくない。   さらにミセカイは「ビジュアルからインスパイアされた楽曲を作る」をコンセプトとしているので、あくまで元イラストに寄り添う為に 今までの自分が積み重ねてきた言葉のカタチを壊さなければいけない場面が多々あった。   そうやって今までの楽曲では自分なりの“ありきたり”という基準とどこか戦いながら詞を綴ってきた。 けれど今回の「藍を見つけて」という楽曲は今までのように戦うのではなく、 “ありきたりでなければならない”と自ら道を譲って行くような感覚が強くあった。   最初に書いた通り「伝えたい想いが大きくなるほど、ありきたりな言葉に集約される」のであれば、伝えるにはそれ以外無駄なものは必要ない筈で、 あとは聞き手それぞれの人生・生活に置き換わるその言葉の受け取り方に委ねるしかないと思った。   誰にでも別れは訪れるもので、別れによって生まれた新しい未来をどんな心持ちで迎えるかでその記憶の透明度は変化するのだと思う。   そしてそれが少しでも儚く美しいものであって欲しい。   どれだけの強がりであれ、偽善であれ、 想いそのままの言葉を遠くに響かせるようメロディに乗せられたのなら元イラストの世界観と繋がってくれると信じて <いつまでも笑っていて>というサビの一文を綴った。   しかしそれと同時に、その強がり装った一文の裏側にある感情を無碍にしてしまう気がした。   フランスの作家マンリー・パーマー・ホールが記した 「智慧とは物事を見る事ではなく、見抜く事であると言える」 という一文をなぞるのであれば、 より多くの聴き手の生活や人生に落とし込んで欲しいのなら ありきたりであるのと同時にそこに含まれた感情を見抜く術も添えなければならないと思った。   そうして生まれた<泣き顔を見せて>という対文をコーラスワークを用いて差別化し、 誰もが大切な人を前に抱えたことがある“思いやる気持ち”と“苦しみ抱える気持ち”の両側面を表現することで改めて聞き手に受け取り方を委ねられる詞となってくれたと思う。   しかしここまでのことはあくまで曲中の詞の表現の話であり、 そもそもミセカイは大前提として全体を通し元イラストに寄り添い綴っていく。   特に今回の楽曲は制作開始前からリリース時期を決めていたので、 どう足掻いても大きすぎる“夏”という枠組みを考えない訳にはいかなかった。   けれど所謂“夏らしい音楽”を作るのはインスパイアの形として適切ではない事は元イラストを見れば納得してくれることと思う。   だとするならば僕がこのイラストから表現できる“夏”はなんなのか。   自問自答し向き合い続けた結果「藍を見つけて」という表題が生まれた。     藍という色は、沈み行く夏の空の色。 藍という植物は、秋口に花を咲かせる。 花言葉は「美しく装う」     捨て去るにはあまりに大きすぎる夏の思い出を、 精一杯装いながらこの唄と共に手向けとして、 あなたなりの秋を迎えられますように。   僕にとってのこの曲が強がりを美しく装うお守りのような唄であるように、 この曲があなたの行く日々を穏やかに包んでくれることを願って。   <ミセカイ・アマアラシ>

    2023/07/19

  • tonari no Hanako
    夏、屋上、燃え殻にもなれなかった花火と恋のおはなし。
    夏、屋上、燃え殻にもなれなかった花火と恋のおはなし。

    tonari no Hanako

    夏、屋上、燃え殻にもなれなかった花火と恋のおはなし。

     2023年7月12日に“tonari no Hanako”がMajor 4th Digital Single「半人前の恋」をリリースしました。今作よりtonari no HanakoのVisualを務めるHanakoが変わり、新たな世界を伝えるフェーズへ突入。新曲は、アレンジにボカロPとして活動する“内緒のピアス”が担当し、疾走感のある中に切ないフレーズが随所にちりばめられた、季節にピッタリの楽曲が仕上がっております。    さて、今日のコラムではそんな最新作を放った “tonari no Hanako”のame による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 半人前の恋 」にまつわるお話です。あなたには誰の目にも触れないで消えていった想いはありますか? たとえ互いに想い合っていても、口にすることのなかった恋の記憶はありますか…? 誰の目にも触れないで消えていく流れ星が、この世にどれくらいあるだろう。   そんなことを、夏の夜空を見上げながら考えたことがあった。     Aちゃんは可愛らしくて愛嬌があり、それでいて責任感の強い、太陽のような女の子だった。 Bくんは優しくて繊細で、他人の痛みにも敏感な、月のような男の子だった。 サークルの同期で、いつも男女10人ちょっとのグループで遊んでいた。 毎年夏は決まった島に行き、その島にあるお馴染みの宿を予約して数日間を過ごすのが恒例だった。 そう、あの、最上階にある広い屋上付きの大部屋だ。 彼らが青春を煮詰めたような、濃く淡い時間を過ごした場所だ。   海から徒歩3分という距離にあるその宿の屋上は、 絶えず波の音が響き、海の香りがする湿った風を運んでくる。 宿の庭でBBQをし、日が落ちて夜が来れば、海辺に出てみんなで花火をする。 甲高い笑い声が響き、鮮やかな火の光が流れるなか、火薬の匂いを体に何重にも纏っていく。   その後は、屋上にみんなで寝転んで、ぼやけた星空を見ながら語り合う。 サークルのこと、単位が危ないこと、 先輩カップルの噂話、見事なまでにフラれた後輩の武勇伝、 片想いで頭が狂いそうになっている友達の愚痴、 たっぷりと残された朝までの時間を、だらだらと皆で過ごすのが、彼らの夏のメインイベントだった。   Bくんは、Aちゃんのことが好きだった。 おそらく、出会った当初から。 そしてAちゃんも、Bくんが自分に好意を寄せることに気付いていた。 だけどあくまでAちゃんは、Bくんに告白させる隙のない雰囲気を作ることに努めていた。 冗談を言ってはカラリと笑い飛ばす明るい彼女の振る舞いは、友達としての距離感を強調しているようだった。 二人がふざけ合えば合うほど、それが私にはすごく切なく感じられた。 Aちゃんも、本当はBくんのことが好きだったからだ。   彼女は、仲良しグループの輪のバランスが壊れることを何より恐れていた。 Bくんのことを好きな女の子が、そのグループ内にいたからだ。 人間関係が混乱し、みんなの日々の楽しい時間を自分が壊すことはできないと、私にそっと漏らしていた。   そしてBくんは、持ち前の繊細さと優しさで、Aちゃんの意図を感じ取り、その決断を尊重した。 だから、Bくんもその恋心を卒業まで彼女にぶつけることはなかった。 二人とも、何事もなかったかのように、あくまで友達として時を共にし、卒業していった。 お互い卒業まで、他の誰とも付き合うことはなく。     いつの日か、海辺で火をつけようとしたけれど、湿気のせいか上手くいかず、 結局そのまま力尽きた手筒花火のことを、私はずっと覚えている。   結局私は、華やかに燃え上がり、色鮮やかな思い出を皆にもたらした花火よりも、 燃え殻にすらなれなかった1つの花火のことが、どうしても忘れられなかったのだ。 シュンとしているように思えて、胸がキュンとなったことが、今も胸を抉っている。 だけどあの時、何事もなく燃え上がっていたら、きっと特別な存在として、私の記憶には残っていないかもしれない。 皮肉なようだけれど、その切なさが私の心を揺らし続けているのは事実だ。 物事は、予定調和で上手く運べば良いというものではないのかもしれない、と思う。     もし、数年の時を経て、大人になった今またあの二人が再会したら、 その恋は動き出すのだろうか。 環境も、立場も、大切なものも、きっとあの頃とは違う二人は、 今なら何て言うだろうか。 きっと、何も言わずに優しく笑い合っているんだろうな、と勝手に想像する。 太陽も月も、いつだって同じ距離で、それぞれを見守っている姿に二人を重ねてしまう。 胸がキュッと苦しくなるけれど、 感情も思い出も、年を取れば、甘酸っぱく味わえるようになる…のかもしれない。   想い合っていても、口にすることのなかった恋心。 誰の目にも触れなかったけれど、確かにそこに存在していたことを、 墓石を建てる思いで、この曲の中に遺しておきたい。   <tonari no Hanako・ame> ◆紹介曲「 半人前の恋 」 作詞:ame 作曲:ame

    2023/07/18

  • Panorama Panama Town
    記憶がこびりついた道を歩く。
    記憶がこびりついた道を歩く。

    Panorama Panama Town

    記憶がこびりついた道を歩く。

     2023年7月5日に“Panorama Panama Town”が2ndフルアルバム『Dance for Sorrow』をリリース!今作は約4年ぶりのフルアルバム。EP『Rolling』以降の作品からセレクトした楽曲と新曲含む全12曲を収録したフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Panorama Panama Town”の岩渕想太による歌詞エッセイをお届け。今回は【後編】です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Knock!!! 」にまつわるお話。あなたにとって“何かしらの記憶がこびりついた道”というとどこが思い浮かびますか? そして、何故か懐かしい気持ちになる場所ってありませんか…? 何かしらの記憶がこびりついた道を歩くということを俺はよくする。   高校卒業し、大学で神戸に行くという直前の日、通っていた中学校の方へ歩いて行った。夕日を浴びたグラウンドを観ながら、ここで野球部の辛い練習をやっていたな、とか、錆びれた浄水器を見て、なんか使うのを嫌厭していたんだよな、とかそういうことを思った。別に何かが埋まる行為でもないし、今思い返せばかけがえのない記憶とか、そういうものでもない。ただ、記憶がこびりついた道を俺は歩きたくなるのだと思う。   大学を卒業し、2年間住んだ東京の町田駅周辺。あの辺りは最近歩いた。町田を出る時はとても疲弊していたし、なんだか次の街にいくぞという気概の方が大きかったから、バタバタと街を飛び出してしまったが、今でもたまにあの辺りを歩きたくなる。   駅前の喫茶店に行き過ぎて、店員と顔見知りになってしまい、誰かを連れて行く時、「今日は一人じゃないんですね」とか言われて気まずかったな、とか、当時のドラムに連れて行かれたラーメン屋がピンと来なかったこととか、そんな何でもないことを思いながら街を歩く。   体の中の記憶が大事に保管されている部分、そこを彷徨う深海魚のようにふらふらと。ゴツんと大きな岩にぶつかることもあれば、遠くの方、見えるか見えないかの海底に綺麗な珊瑚礁を見つけたりする。   町田時代を算入するならば(ここは審議が分かれる所だけど)、東京に来てからもう7年になる。思い入れがあるところは沢山できたが、やはり自分が心の底から好きだと思える場所は新宿だ。   新宿の街を歩いていると、何だかとても懐かしい気持ちになる。生まれ育った北九州と似ているから、とか、映画館や気楽に入れる喫茶店が多いから、とか、色んな理由をつけてみたけど、どれもあまりピンと来ず。最近、俺は存在しない記憶の中を歩いているんじゃないだろうか、ということを思う。   学生時代、若い頃の両親が新宿に遊びに来ていたという。よく通っていたらしい「DUG」というジャズバーは今でも靖国通り沿いにあって、俺もたまに歌詞を書きに行ったりする。若い頃の親が、同じ椅子に座っていたかもしれないと思うと、それだけで寂しさと浪漫の入り混じったよく分からない気持ちになる。   店が長くそこにあり続けること。道がそこに通じ続けていること。そういった浪漫と、二人がそこでコーヒーを飲んでいたその瞬間は、もう二度と戻ってこないという寂しさ。そういったことを安易に言語化したくないけど、とにかくなんとも言えない気持ちになるのだ。   「DUG」は村上春樹の『ノルウェイの森』にも登場する。主人公と、友人の女性は大学のドイツ語の授業が終わって、この「DUG」にウォッカトニックを飲みにくる。これは小説の中の話なので(体験談かもしれないが)、実際には起こっていないことだ。ただ、「今ここにない瞬間」という点で、俺の両親の話と共通する。   俺は味わってない、新宿近郊での学生生活というものが、自分の中に架空の記憶として存在して、俺はその中を歩くことができる。両親も都内の大学に通っていたこともあり、重ねている面もあるのかもしれないが。   新宿歌舞伎町の深夜営業の喫茶店でコーヒーを飲む時、花園神社の境内に座る時、テアトル新宿から出ると一面の夕焼けだった時、俺は一瞬、存在しない記憶の中を彷徨う。あるのかも分からない惑星に飛ばされたロケットのように、オロオロと現実から離れていく。   何とも言えない気持ちになる。   どうしても埋まらない隔たりを感じることで辛くもなる。西陽が差し込むグラウンドで耳を傾けてみても、チームメイトの掛け声や小気味のいいトスバッティングの音は聞こえない。   ただ、その隔たりを確かめたいのだ。どうやっても辿り着けない距離を、その遠さを、俺はこの足で確かめたいのだと思う。この道も、通っていた学校もいつかは無くなってしまう。それなのに、今ここにあることと、それなのに辿り着けない距離を、全身で感じる。   そして、その歩みがこの先いつか振り返る参照点になる。「今ここを歩いている俺」に向かって誰かが遠い未来から、絶対に届かないボールを投げてくる。 < Panorama Panama Town・ 岩渕想太> ◆紹介曲「 Knock!!! 」 作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太 ◆2ndフルアルバム『Dance for Sorrow』 2023年7月5日発売   <収録曲> 01.Run 02.King's Eyes 03.Rodeo 04.Black Chocolate 05.SO YOUNG 06.Cranberry, 1984 07.Melody Lane 08.Bad Night 09.Faceless 10.Sad Good Night 11.Strange Days 12.Knock!!!  

    2023/07/14

  • ゆいにしお
    「好き」と言う勇気
    「好き」と言う勇気

    ゆいにしお

    「好き」と言う勇気

     2023年6月21日に“ゆいにしお”がMajor 1st Single『ワークライフアイランド』をリリースしました。今作は新曲3曲を通して“社会人女子の夏”を描くコンセプチュアルな作品になっており、さらに「ゆいにしお presents summer 2man tour "DAILY ISLAND"」は今作のリリースをひっさげたツアーとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 アイスコーヒー 」にまつわるお話。自分にとっての「好き」を、誰かに伝える一歩がなかなか踏み出せないあなたへ。このエッセイと歌詞を受け取ってください。また今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください! 大学生の頃、映画館でバイトをしていた。そこで、「好き」と言う勇気を持ったことで、充実した日々を送ることができた。   なんだか、告白してバイト内で恋人ができたかのような書き方となってしまった。実際のところは、好きな音楽を打ち明けたことで、同志を見つけただけのことだ。   映画館での業務はおもに、お客さんが出た後のシアター内の清掃。映画を観た後、ポップコーンの空き容器を回収してくれる人を見かけたことがあるかもしれないが、あの役割だ。   お客さんが出てくるまで、私たちは劇場の扉の外で待機をする。その待機時間は、もっぱらバイト同士で雑談する時間だった。「大学どこですか?」「サークル入ってますか?」など、他愛のない世間話の中にも、私を苦しめる質問があった。   それが「音楽なに聞きますか?」だった。   「メインカルチャーばっかり通ってきてるわけじゃないんで…」というスタンスで生きてきたひねくれこじらせサブカル(死語)には答えづらい質問だ。前までは、その質問に出会うたびに、自分の好きなテイストに近い、メジャーシーンで活動するアーティストの名前を出していた。   だけど、ある時急にその質問をされて、勇気を持って「はっぴいえんど」が好きだということを言ってみたのだった。そうしたら、質問をしたその人ははっぴいえんどについて知っていた。それだけでなく、じゃあティン・パン・アレーは?とか、吉田美奈子は聞く?とか、たくさん話を広げてくれて、さらには私が好きであろうアーティストの音源を貸してくれた。勇気を持って「好き」と伝えたことで、思わぬ扉が開いた瞬間だった。   その後も、その人伝いに私が音楽好きなのを知り、映画館の中の音楽好きが話しかけてくれるようになった。Apple Musicのアカウントを教え合って聞いている音楽を知ったり、業務の合間に「森道市場行きますか?」「ミツメのエスパー聞きましたか?」とか雑談したり。そのうち、映画館の音楽好きたちは、私のライブにもきてくれるようになった。軽音サークルでもないのに、自分の好きな音楽を思うままに話せるコミュニティができるとは、思ってもみなかった。   6月21日にリリースした『ワークライフアイランド』に収録されている「アイスコーヒー」。夏に泣くぐらい印象に残る恋愛がしたいのなら一歩踏み込む勇気を持ってみては、という曲だ。   私が映画館で勇気を持って伝えた「好き」が思わぬ扉を開いたように、このままでは何にもならない関係に一区切りをつけられるのではないでしょうか。   <ゆいにしお> ◆紹介曲「 アイスコーヒー 」 作詞:ゆいにしお 作曲:ゆいにしお ◆Major 1st Single 『ワークライフアイランド』 2023年6月21日発売   <収録曲> 1.We Are Girls Forever! 2.SUMMER TUNE 3.アイスコーヒー

    2023/07/13

  • 吉澤嘉代子
    これは歌ではない
    これは歌ではない

    吉澤嘉代子

    これは歌ではない

     2023年7月12日に“吉澤嘉代子”がニューシングル「氷菓子」をリリースしました。タイトル曲は映画『アイスクリームフィーバー』主題歌として書き下ろされた新曲。ジャケット写真を手掛けるのは映画『アイスクリームフィーバー』監督の千原徹也で、ビジュアルには出演キャストの吉岡里帆・モトーラ世理奈が登場しております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“吉澤嘉代子”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 氷菓子 」と映画『アイスクリームフィーバー』にまつわるお話です。今作のジャケット写真やミュージックビデオも手掛けた監督・千原徹也との出会いとは…。 千原さんが初めて映画を撮った。 “これは映画ではない”というフレーズとともに。   千原さんとの出会いは10年ほど前。事務所で業界用の分厚いアートディレクター図鑑を広げていた時に「千原徹也」という名前が目に止まった。今も言葉にするのは難しいけれど「この人のつくるもの好きだなぁ」と思った。   初めてお会いする千原さんはアートディレクターという肩書きのイケイケなイメージとは裏腹に、おっとりはんなりとしていて緊張を解いてくれる人だった。   次作のジャケットの打ち合わせだったけれど、好きな映画の話をたくさんしてくれたことが印象に残った。以降、私のアートワークをたびたび手掛けていただくようになる。   ある日「僕が初めて撮る映画の主題歌を書いてほしい」と言ってくれた。それから出演者の候補や途中の脚本を見せてもらっていたけれど、時代の影響や大人の事情もあり何年か経った。   千原さんは絶対顔には出さないけれど苦しいことが一杯あったと思う。一人で資金集めをして各所に連絡を取っていた。   やっと映画製作が前進しクランクインを迎えたときの感動は忘れられない。ほんとうに私が歌っていいんだと思った。   制作期間中は毎日アイスを食べて、舌がひりひりする冷たさは熱さと似ているんだなと気づいた。冷たいものが熱いものになり、甘いものが苦いものになる矛盾を曲の中に封じ込めたかった。   でもなかなか形にならない。焦る。   千原さんの映画を自分事にしたかった。その熱を真正面から受けとめたかった。 私はなんのためにこの歌を書くのだろうと自分に問うた。   そのうちに、映画の主題歌として書くのではなく、個人的な贈りものとして書こうと思った。   千原さんがディレクションしている『キストーキョー』の"キス"や、ジャケットを手掛けた桑田佳祐さんの『がらくた』というアルバム。千原さんが書いた本にあった"僕は魔法使いなんかじゃない" というフレーズ。千原さんのお子さん三人のお名前も散らばせた。 れもんらいふの事務所で一人黙々と編集作業をしている千原さんを浮かべながら言葉をかき集めた。   歌を聴いた人がわからなくてもいい。気付いてもらいたいのは一人だけ。千原さんの言葉を借りるなら、これは歌ではない。千原さんに宛てて手紙をしたためるように書いた。   試写会0号。劇中の一番いいシーンで「氷菓子」が流れた。私も千原さんも泣いていた。 人生は優しく繋がっているって、今日のことだなと思った。   <吉澤嘉代子> ◆紹介曲「 氷菓子 」 作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子 ◆New Single「氷菓子」 2023年7月12日発売      ◆配信サービス一覧: https://jvcmusic.lnk.to/yoshizawakayoko_korigashi   ◆CD VICTOR ONLINE STOR限定パッケージ: https://victor-store.jp/item/37127 (CD+DVD)  NZS-926 ¥4,400(税抜¥4,000)   <収録曲> M1.氷菓子 (詞曲:吉澤嘉代子 編曲:野村陽一郎)   [DVD] 出張・すなっく嘉代子(時短営業) 2021年8月14日 青山 月見ル君想フ   ・月曜日戦争 ・怪盗メタモルフォーゼ ・鬼 ・らりるれりん ・ニュー香港 ・ルシファー ・えらばれし子供たちの密話 ・サービスエリア ・よるの向日葵   <出演> ママ 吉澤嘉代子(Vo) 常連 君島大空(Gt) ◆映画情報 【7月14日(金)TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイント他にて全国ロードショー】    映画『アイスクリームフィーバー』 吉岡里帆 モトーラ世理奈 詩羽(水曜日のカンパネラ)/ 松本まりか   監督:千原徹也(SNSリンク: https://www.instagram.com/thechihara/ ) 原作:川上未映子「アイスクリーム熱」(『愛の夢とか』講談社文庫) 主題歌:吉澤嘉代子「氷菓子」   エグゼクティブプロデューサー:千原徹也、山本正典、木滝和幸 プロデューサー:勝俣円、塚原元彦 宣伝プロデューサー:小口心平 脚本:清水匡 音楽:田中知之 撮影:今城純   制作:れもんらいふ 制作協力:DASH、doors  配給:パルコ c 2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会 映画公式サイト: icecreamfever-movie.com 映画公式SNS:@icecreamfever_m  

    2023/07/12

  • THE BEAT GARDEN
    あー、歌詞ってどうやって
    あー、歌詞ってどうやって

    THE BEAT GARDEN

    あー、歌詞ってどうやって

     2023年6月14日に“THE BEAT GARDEN”がフルアルバム『Bell』をリリース! 前作『余光』から約2年ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバムとなる今作。大ヒットを記録したドラマ『六本木クラス』挿入歌「Start Over」をはじめ、初CD化となるデジタルシングル曲(「ROMANCE」「それなのにねぇなんで?」「初めて恋をするように」)に加え、新曲5曲を含む全9曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“THE BEAT GARDEN”のUによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 第1弾は「歌詞を書く」ことにまつわるお話。第2弾は「恋愛」についてのお話。そして最終回の今回は、歌詞に対する今の素直な気持ちを明かしてくださいました。ぜひアルバムと併せて、エッセイをお楽しみください。 本当は歌詞の何かをちゃんと記せたら良いと思うのですが、やっぱりどれだけ考えても自分の書き方や法則も正直なくて、ごめんなさい。読んでいて面白くも発見もないかもしれないですが、思うことを素直に書かせてください。   僕は何かの天才ではないし、子供の頃は得意分野に明け暮れて極めた同級生が、全体発表で見せる笑顔が羨ましいなーってただただ見てたし   今では負けそうになると、そうだよな人それぞれ好きなものは違って最上も最高もダサいもかっこいいも自分で決めていいよな。ってかそういうの、人に堂々と平気で言えるセンスこそヤバいんじゃね? などとすぐに開き直ったり閉じこもったりしています。   ただ何十曲か書かせてもらって、言葉も洋服みたいに合わせ方で届き方が変わったりして、思い切り狙い過ぎても良くないし“白Tにデニム”みたいに飾らないものこそ届く場合だってあるんだなーとか。   発酵食品みたいに、あの時もらった言葉が長い時を経て納豆みたいに糸を引いて後々大きな栄養になったりする。みたいな経験をさせてもらいました。   でも、こんなわかった風に語る自分とか超気持ちわるかったりするので、中学のときムカついたらはぁ? と言い返せたように、幼い時もっと泣き喚くことができたみたいに、歌詞もわがままに何も知らない感じで思い切り書き殴っていきたいのが今の本音!   マックグリドルみたいな甘いとしょっぱいが譲り合わず殴り合うから起きる爆発みたいな。ああいうのがやりたい!目指せマクド!   きっとこれからもTHE BEAT GARDENの歌詞を書かせてもらうと思うしそうでありたいけど   なんか嫌だなーってなったときも まじ全然わかんねー!ってときも   私たち本当にうまくやっていけるのかな、、 ってお別れするんじゃなくて、 道明寺みたいに(急に花男)「うまくやっていく気があるかどうかだろ。」と言い放って歌詞さんと歩んでいきたいと思っています。   前回、前々回とコラム三部作にて虫やおっぱいのお話をさせてもらいましたが、歌詞について話せてないかもです。すみません。でもすごく楽しかったです。   歌ネットさん インタビュー やコラムもいつもありがとうございます。とっても嬉しいです。   読んでくださったみんなありがとうございます! またどこかで再会させてね!     あー歌詞ってどうやって書くんだろ!笑     わかりたいし、わからないままでもいたいなー     <THE BEAT GARDEN/U> ◆4th FULL ALBUM『BELL』 2023年6月14日発売   <収録曲> 1.Start Over 2.心音 3.あかり 4.初めて恋をするように 5.夏の三角関係 6.High Again 7.それなのにねぇなんで? 8.ROMANCE 9.ラブレター

    2023/07/11

  • 挫・人間
    夏と天使と私と
    夏と天使と私と

    挫・人間

    夏と天使と私と

     2023年7月5日に“挫・人間”が新曲「夏・天使」を配信リリースしました。同曲は渋谷CLUB QUATTROで開催されたワンマンLIVE「挫・人間(新)メンバー募集2023 -バンドやんない?-」で初披露された楽曲で、挫・人間史上初となるサマーソング。疾走感溢れるバンドサウンドとキャッチーなメロディが夏にフィットしており、引きこもりバンドとして夏と無縁の存在であった挫・人間にとっての新機軸となる楽曲に仕上がっています。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“挫・人間”の下川リヲ(Vo,Gt)による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今作「 夏・天使 」にまつわるお話です。夏と天使という、下川リヲとっての憧れに繋がる、幼い頃の夏の記憶とは…。 バンドマンが夏の歌を制作している時、日本中が冬であることをご存知だろうか。   アレンジやレコーディング、ジャケット制作あれこれ、あらゆる行程を経てリリースされる夏の歌は、夏に作ったんじゃ夏のリリースに間に合わないのだ。   つまり、夏に猛威を奮う人気アーティスト達も、コタツに入ってミカンを剥きながら「真夏のジャンボリー」だとか綴っていたのかもしれないのだ。   事実はどうであれ、少なくとも僕は『夏・天使』という曲を2023年の1月頃に書いた。   なんとなく作ったデモに、これまたなんとなく『夏・天使』と名付けた。   夏と天使は、僕にとって憧れの二大巨頭だ。夏と天使と阪神タイガースの歌しか歌いたくない僕は「これは良い歌詞にせねば」と思う。   ところで、僕は人生の後悔ばかりを歌詞にしてしまうような人間なのだ。それでも出来るだけうつくしい歌詞を書きたいと思った時、いつも手に入らなかったものを書いている。   制作当時、バンドは2人体制になったばかりだったのもあり、リスタートの気分で自分の原点がよく分かるものを作りたかった(そのうち一曲が、前回コラムに書いた『下川くんにであえてよかった』なのだが)。   となると、やはり! 夏である。我々は皆、夏休みにときめくようなメモリアルがなかったせいで読み返す小説や擦り切れたヴィデオに焼かれた物語の夏を生きてしまっている。   そうしていつからか夏の記憶は、憧れの夏と幼い夏の記憶が時間とともに混ざりあい、僕の中で現実と妄想の区別がつかない「何か」になっていた。   例えると、皆さんがインターネットで見たことがある「夏の美しい画像スレ」に貼られる神絵師の夏イラスト、あれは実は皆さんひとりひとりの集合的無意識が作り出した幻想であり、僕の記憶そのものだ。   そしてこれは間違いなく経験したことだが、幼い頃近所に住んでいた幼馴染の女の子と毎日遊んでいた。夏休みは毎日夕暮れまで冒険の連続だった。   オレンジ色の屋根の家を探して町内を歩き回ったり、映画館で貰えるブラックウォーグレイモンのカードを自慢したりした。マクドナルドの油でベタベタな64のコントローラーは「しんだら交代」の誓いで交わされ続けた。   蚊柱たつ下り道を突き抜けたところに廃ビルがあり、ある日ドキドキしながら忍び込んだ。「元の生活に帰れなくなったらどうしよう」と不安になった。だだっ広い空間に立ち止まったきみ、差し込む夕陽が影を伸ばしていく、不意にきみが振り返る。   そのとき何かを言ったような言ってないような、しかしなんとなくこの瞬間を忘れないでいるような直感があり、それはある意味呪いのような形で脳内に残り続けた。   そしてあの日隣にいたきみは、妄想にすりきれて、いつのまにか天使になってしまった。 おれの、夏の天使。   二十歳の頃、彼女と再会した。ふたりで今度は夜のプールに忍び込んだ。水面に月がゆらゆら光っていた。 好きな人の話を聞く。随分と普通な恋をしていた。それでいいのだよ、と僕は思う。   ……ということを作っている最中に考えていたのかは謎だが、『夏・天使』はそういう歌である。つまりは青春である。   そして確かなことは、現実と妄想の区別が完全に付かなくなっていることは、作詞にリアリティが出て便利だということである。   ただ、ひとつの真実として、思い出したりもしないのに心の奥底から浮かんでくるような景色や記憶が誰かにとっての天使なのだ。   生きてて良かった思い出は天使になって僕を守ってくれた。この曲を聴いてみんなも心の中の天使と、この夏、再会しよう!   え? 結局全部お前の妄想で共感出来ないって? バカ野郎!!!!!!!   みんなちがって みんないい   Diversity   <挫・人間・下川リヲーヌ> ◆紹介曲「 夏・天使 」 作詞:下川リヲ 作曲:下川リヲ・マジル声児  

    2023/07/10

  • 空白ごっこ
    めちゃくちゃ逃げたいタイミングランキング1位。
    めちゃくちゃ逃げたいタイミングランキング1位。

    空白ごっこ

    めちゃくちゃ逃げたいタイミングランキング1位。

     2023年6月28日に“空白ごっこ”が新曲「ファジー」を配信リリースしました。同曲はドラマ『スイートモラトリアム』の台本を読んで書き下ろされた楽曲。恋愛や生き方に不器用な主人公たちの心情が揺れ動く様子やその曖昧さを、浮遊感のあるサウンドで表現したエモーショナルなミディアムナンバー。ドラマに寄り添って書かれたセツコの歌詞は、人間関係や選択に迷う多くの人にも共感できる仕上がりとなっているので注目を…!    さて、今日のうたコラムでは“空白ごっこ”のセツコによる歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ファジー 」にまつわるお話です。決断を迫られたとき、どうしても優柔不断になってしまう。大事なものの前で怯えてしまう。そんなあなたへ。この歌詞とエッセイを受け取ってください。 めちゃくちゃ逃げたいタイミングランキング1位って「決断を迫られたとき」ではないでしょうか…。   私は強気にものを言うことが多く、決断もテンポ良くスパスパできると思われがちです。間違いではないのですが冷静かと問われるとそれは別で。人生において大事な何かを決めた後は決まって胃痛で立てなくなりますし、トチ狂って全てを間違えます。思い出したくないことがたくさんある。   時間はよく「過去・現在・未来」で三等分されて順に並べられますが、タイムトラベルができない私たちにはどう頑張っても輪切りの断面しか見えなくて、その現在が延々と連続されているとすらも認識できません。   そんな体なのに、世は目の前に対する一つ一つの選択で何手か先の景色が勝手に構築されていく仕組みで、理不尽だなーとよく思います。将棋じゃないんだからさぁ…。   待って、ってしてる間に決断すらさせてもらえなくなるなんてざらにあるし、時間はタイムトラベルさせてくれないくせにケツを蹴り続けてくる。あたふたしてる間に周りの人の顔がどんどん曇ってきて、その度にもっと焦る。   誰しもそうだと思うのですが、折角なら最善を選択したいしなんなら全てを得たい。スーパーマリオでいうと行き道に転がってるアイテムとコインを全部ゲットしたくなるし、その上で優雅にピーチ姫を助けるスマートな結末でいてほしくて、取りこぼすものはなくあって欲しい。   そうやって一瞬一瞬の全てを何度も抱き抱えようとして気づいたのは、私はそこまで器用じゃないということでした。   容量オーバーのものは必ずあぶれてしまう。腕から溢れてしまった瞬間のモヤっとした痛みは何を溢しても感じてしまいますし、悲しそうな顔を向けられた時には耐え難い激痛が走ります。   もうこんな思いしたくないからと全部の行動が不安定になって、余計に選択も絞れなくなって、取りこぼしては激痛を食らって。 器用ではないのに鈍感でもないというこの曖昧さに縛られては、また苦い思いをすることになるという最悪ループを何度やったことか。   ちょっとダラダラ書きすぎなので無理やり締めますが、「ファジー」の歌詞にはこういう自分の優柔不断な部分を素直に言語として残すことで、同じような苦しみを繰り返さないようにという自戒を込めています。   といっても否定するようなものではありません。 ここまでくるとこういう痛みはもう付き物なんでしょうし、自分の弱さや甘さを生真面目に責めてきたからこそ、正直な言い訳に目を背け続けて自分を過信したって意味がないと気づきました。   また大事なものの前で同じように怯えてしまった時、この羅列された言い訳の歌を「分かる~」と気休めに使ったあと、ちゃんと「ダサ~」と思えるようになりたいのです。 歌詞の最後の<分かりきった最後>というのは、私にとっては何度も繰り返している心底嫌な結末のことで、意思表示で詞を終わらせています。   作詞者の特権を使って拙い長文をめちゃくちゃ書きましたが、歌詞とかはそういうものなので、皆さんも都合良いように乗っかってください。   <空白ごっこ・セツコ> ◆紹介曲「 ファジー 」 作詞:セツコ 作曲:空白ごっこ  

    2023/07/07

  • ゆいにしお
    INFPらしいINFP
    INFPらしいINFP

    ゆいにしお

    INFPらしいINFP

     2023年6月21日に“ゆいにしお”がMajor 1st Single『ワークライフアイランド』をリリースしました。今作は新曲3曲を通して“社会人女子の夏”を描くコンセプチュアルな作品になっており、さらに「ゆいにしお presents summer 2man tour "DAILY ISLAND"」は今作のリリースをひっさげたツアーとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 SUMMER TUNE 」にまつわるお話です。最近よく目にする「MBTI」というワード。ゆいにしおが自身の性格診断の結果に基づく“あるある”を読んでいくうちに、気づいたこと、感じたことは…。 また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをご堪能あれ…! 最近ネットを騒がせている性格診断がある。 いくつかの質問に答えることで、16種類の性格に分類される、というものだ。   「16Personalities」という無料で受けられる診断がネットにあり、ネット上では「MBTI」とよばれている。正確には「MBTI」という名称ではないので、診断の際は留意していただきたい。詳しいことは調べていただき、ご自身の判断で診断を受けてください。   そんな診断、友人が突然ハマって、私にも半ば強制的に受けさせた。 結果は「仲介者(INFP)」だった。16種類の性格は、4文字のアルファベットで表記される。アルファベットそれぞれにも意味があるのだけど今回は割愛。   「16Personalities」によると、「仲介者型気質の人は、真の理想主義者で、極悪人や最悪の出来事の中にさえも、常にわずかな善を見い出し、物事をより良くするための方法を模索しています。落ち着きがあり控えめで、内気にさえも見られますが、内には激情と情熱があり、まさに光を放つ可能性を秘めています。」とある。   共感や調和を大切にしながらコミュニケーションを取り、自分の妄想の世界に引きこもる、といったところだろうか。創作をする人にはぴったりな性格じゃないか、と診断結果が出た時は誇りに思ったものだ。   そこから診断にハマって、SNSにも診断についての話題をよく目にするようになった。「◯◯(診断結果)あるある」と、それぞれの結果に当てはまる性質を簡単にまとめたものも多い。   私の診断結果である「INFP」は、「生産性のないことしか考えていない」とか「提出物の期限がいつのまにか過ぎている」とか(今もギリギリで原稿を書いている)、内向的で直感型の性格を表すからか、わりと散々な言われ方をしている。   時間を食い潰して見ているうちに、「本音を言おうとすると泣きそうになる」とか「親しい人にすら考えていることを話せない」といったあるあるにふと目が止まる。 自分だけが特別苦手なことだと今まで思っていて、社会で生きづらい原因となっていることだったからだ。 あるあるとしてまとめられていたのは衝撃的だった。   正直、診断はかなり簡易的なので、こういう「あるあるネタ」は、昔流行った「A型は真面目☆」みたいなのとなんら変わらない。信憑性は0といっていい。   だけど、今まで社会と馴染めずモヤモヤしていた部分が言語化され、さらに同じ仲間がいることがわかっただけで気持ちが楽になった面はある。   そんなふうに、「◯◯らしい」はときどき何かを救う瞬間がある。   6月21日にリリースされた『SUMMER TUNE』も、忙しい毎日の中の休息を、海なんか行ったりすることで夏らしさを取り戻す、という曲だ。 誰かの勝手に決めた枠組みがしんどければそこから離れて、それがふと寂しくなれば枠組みにおさまればいい。そうやって切り抜けていこうじゃないか。   ただし、人に「あなたは◯◯だから◯◯だよね」と押し付けるのは、この性格診断に限らずよろしくないことなので控えましょうね。   <ゆいにしお> ◆紹介曲「 SUMMER TUNE 」 作詞:ゆいにしお 作曲:ゆいにしお ◆Major 1st Single 『ワークライフアイランド』 2023年6月21日発売   <収録曲> 1.We Are Girls Forever! 2.SUMMER TUNE 3.アイスコーヒー

    2023/07/06

  • ENVii GABRIELLA
    私はその魔法が使いたくて、音楽家になりました。
    私はその魔法が使いたくて、音楽家になりました。

    ENVii GABRIELLA

    私はその魔法が使いたくて、音楽家になりました。

     2023年6月28日に“ENVii GABRIELLA”がメジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』をリリース。本今作には既発シングルの「BL」「Symphony」「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」「オリビアを聴きながらを聴きながら」「APHRODITE」に新曲5曲を加えた計10曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“ENVii GABRIELLA”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回、執筆はTakassyが担当。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 90's 」にまつわるお話です。歌詞内に90年代の様々な名曲が登場するこの曲。Takassyはどんな思いで「 90's 」を作ったのでしょうか。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 私が音楽に対して「自分の好み」を意識し出したのは、小学2~3年生の頃だったと思います。   両親が音楽好きだったので、家では「TOTO」「JOURNEY」「マイケルジャクソン」「山下達郎」「サザンオールスターズ」「中島みゆき」「松任谷由実」邦楽洋楽問わずあらゆる曲が三軒先まで聴こえる大音量で流れていました。   CDを自分で買い始めたのは、もちろんお小遣いをもらえるようになってからだけど、レンタルショップやレコードショップに行っては、視聴機で何度も同じ曲を聴いたり、テレビの音楽番組を録画して聴き続けたり。   深夜には親が起きないように「CDTV」を欠かさず観たりしていました。   私の子供時代は90年代も後半に差し掛かっていたけど、その頃はネットもなかったから、ヒットソングは年をまたいで流行っていたし、おいそれと何十曲も新曲を家で聴けなかったから、一曲ごとの聴き込み方が半端なかった。   90年代の音楽チャートは、「おもちゃ箱をひっくり返した様な」というよくある例えがピッタリ。   1位から10位までのジャンルは全くバラバラで、11位以下になれば、もう聴いたこともない様なジャンルがひしめき合ってた。 そして、友達はみんなそんな雑多な曲を一緒にソラで歌うことが出来た。   カラオケに行けば、新曲を上から我先に歌おうとリモコンの奪い合い。 店員さんに「新曲リストのページください」って言いに行ったりしてた(その当時は新曲ページはシールになっていて、「新曲」と言うページに貼り付けられてた)。     私は、そんな子供時代に、歌手になろうと思った。 そして歌詞を書き始めて、曲を作り始めた。 空想の中では、あらゆる音楽番組に出たし、インタビューも受けた。   そして、今でもその頃の音楽を聴くと、自分の夢の始まりや、語り合った仲間たちを思い出して初心に戻ります。   子供の頃に持っていた、未来へのモチベーションとかって、今では忙しさに追われて忘れちゃったりする時もあります。   私たちと同世代の人たちは(もちろんそれよりも上でも下でも同じように)、ちょうど下と上の間にいたり、登り出したキャリアの坂道で目的地を見失っていたりする人が多い気がしました。   私たちもそういう話よくするしね。   だから私はとりあえず、家のCDラックみたいに、思い出の曲を並べ立てて、いつでも好きな時に取り出せるような曲を作りたいなって思ったので作りました。   どうして私は音楽が好きなのかっていう原点を思い出すように。   そう、こうやって懐かしい音楽を思い出せば、その頃の自分に戻ることができるから。だからこの曲は私にとって一際パーソナルで大事な曲です。   歌はそういう力を持っているんだって信じてるから。 だから私はその魔法が使いたくて、音楽家になりました。   これは頑張りたい時のお守りみたいな曲。 疲れた時に軽く口づさめる簡単なメロディと、なんてことないキーの曲で。   私もこの曲ではエンガブには珍しいキーでラフに歌ってるから、新鮮なんじゃないかなと思いますよ。   そして一緒に昔の友達との話のネタにしてくれてもいいし、一緒に歌ってノスタルジックになってくれてもいいしね。   この曲で出てくる曲を知らない子たちは、ぜひ探して聴いてみてほしいとも思う。素敵な曲が沢山だから。 それでその頃の曲を沢山掘り出してみたら、絶対に楽しいと思うよ。   この曲で、ちょっと一休みしてもらえたら嬉しいです。   <ENVii GABRIELLA・Takassy> ◆紹介曲「 90's 」 作詞:souljuice 作曲:souljuice ◆メジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』 2023年6月28日発売   <収録曲> 01.APHRODITE 02.オワッテンネ 03.Toxygen 04.PAY ME 05.90's 06.BL 07.オリビアを聴きながらを聴きながら 08.The Crown -No necesito, No queiro- 09.あなたが私を綺麗にする訳じゃないの 10.Symphony  

    2023/07/05

  • 佐藤千亜妃
    「線香花火しようよ。」
    「線香花火しようよ。」

    佐藤千亜妃

    「線香花火しようよ。」

     2023年6月28日に“佐藤千亜妃”が3rdアルバム『BUTTERFLY EFFECT』をリリースしました。様々な音楽ジャンルの要素をちりばめながら、ポップスに昇華させるメロディと、心の機微や情景描写を見事に表現する中毒性もある言葉選びは健在。新たなフェーズへ突入した彼女が次なるスタンダードを目指す大切な1枚に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“佐藤千亜妃”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 線香花火 feat.幾田りら 」にまつわるお話です。“線香花火”というタイトルの歌詞を書く上でのこだわりや、表現の仕組みを明かしてくださいました。ぜひ、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! 正直、好きな人と線香花火なんて、したことがない。今まで書いた曲の中で言えば、「金木犀の夜」だって、金木犀の香りすら知らなかった。それでもイメージして、曲にできた。不思議なもので、本物を知らないからこそ膨らむ想像があるということだ。   そう、だから、好きな人と線香花火をしたことがないからこそ、細かいディティールを記憶しているかのように描けるのかもしれない。現実はきっと、そんなに細かいことは覚えていなかったりするかもしれないし、自分にとって都合のいい記憶しか残らないということもあるだろう。   状況は創作で、感情は本物を描く、というのはよく聞く話だし、自分もそういうふうに作ることが多い。時折、創作に見せかけて、実体験も忍ばせながら。だからたまに、「これは実体験ですか?」と聞かれると、どう答えるか凄く迷う。少し悩んで、「半々ですかね」とかなんとか、はぐらかしてしまう、大抵。だって、どの部分が実体験かなんて、教えたくないでしょう。自己開示が苦手だからこそ、音楽表現をしているみたいなところが自分にはあるし、それを紐解かれるというのは、どうも苦手だ。   何の話だっけ? となっている頃かと思うので本題に戻ろうと思う。そう、「線香花火」。この曲は、タイトルから決まっていて、シチュエーションと、そこにまつわる感情をどのように接続して、線香花火を浮かび上がらせるか、ということを考えながら作っていった。   歌詞をよく読むとわかると思うが、歌詞の中には“線香花火”というワードが一切出てこない。これは私のこだわりだ。線香花火というタイトルが決まっていて、それについて音楽にするなら、線香花火をそのまま線香花火という言葉で説明したら負けだと思ったのだ。“線香花火とは、線香花火のことです”。そんな国語辞典、あったら嫌でしょう。まあ、国語辞典ではなく、あくまで歌詞なのだけれど。   私は大学時代、室生犀星という詩人にハマり、卒業論文のテーマにしたりもしていた。なので、作詞に影響を受けていると言っても過言ではない。室生犀星は、情景描写のみを連ねながらそこに湧き立つ感情を想起させるのが、とても魅力的な作家だと思う。   今回の「線香花火」もそういう部分を意識している。“線香花火”を描いているのか、今この瞬間始まりそうな“恋”についての描写なのか、どちらともとれるように余白を持たせた歌詞になっている。線香花火の火花をイメージさせつつ、感情の盛り上がりをそこに重ねて読める仕組みだ。   そして、もしかしたらもっとアダルトに読むとするならば、ワンナイトラブ的な大人の夜の駆け引きにも思えるかもしれない。色んな人の感じ方がある中で、どんなふうに捉えられるのか楽しみな歌詞だ。ちなみに昔から親交のある音楽仲間からわざわざ、「線香花火」の歌詞めちゃくちゃ良いね、と連絡が来たのはとても嬉しい出来事だった。   余談だが、ディレクションさせていただいた、デジタル配信用のジャケット撮影は本当に大変だった。そもそも海辺で、潮風の中、線香花火を撮ろうなんていう企画に無茶があったのだ。様々な線香花火を五十本も用意していただき、風のせいで消えたり落ちたりする線香花火と悪戦苦闘しながら何度もトライして、なんとか撮影できた奇跡のショットがジャケットになっている。   風から線香花火を守るために何人ものスタッフが必死に囲ったり、線香花火をカスタムしたりと、本当に沢山の人の努力の結晶でできあがったジャケットなので、思い入れもひとしおだ。いいショットが撮れたあと、みんなと打ち上げで飲んだレモンサワーとお刺身の美味しさは、忘れられない。達成感もありつつ、なんだかちょっと夏を先取りしたような気分だった。   「線香花火」が、聴いてくれる人の中で、今年の夏を彩るアンセムのような楽曲になっていってくれたら嬉しいなと思う。   「線香花火しようよ。」が、令和版「月が綺麗ですね。」になったらいいな。   < 佐藤千亜妃> ◆紹介曲「 線香花火 feat.幾田りら 」 作詞:佐藤千亜妃 作曲:佐藤千亜妃 ◆3rdアルバム『BUTTERFLY EFFECT』 2023年6月28日発売   <収録曲> 01.ECLOSE 02.線香花火 feat.幾田りら 03.夜をループ 04.S.S.S. 05.タイムマシーン 06.花曇り 07.真夏の蝶番 08.PAPER MOON 09.1DK 10.EYES WIDE SHUT 11.Cheers!Cheers!

    2023/07/04

  • saji
    忘れようとする度、僕らはそれらの過去と出会わなくてはいけない。
    忘れようとする度、僕らはそれらの過去と出会わなくてはいけない。

    saji

    忘れようとする度、僕らはそれらの過去と出会わなくてはいけない。

     2023年6月16日に“saji”がNew Digital Single「スターチス」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『Helck』第1クール エンディングテーマです。誰かにとって永遠であることを誓ったミディアムバラード。さらに7月1日には「フラッシュバック」をリリース。こちらはTVアニメ『AYAKA - あやか -』エンディングテーマであり、己の弱さや過去と対峙し、前に進む決意を込めたダンサンブルな1曲となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“saji”のヨシダタクミによる歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、新曲「フラッシュバック」にまつわるお話。どうして人間は厭なことほど思い出してしまうのでしょうか。それを思い出すことにどんな意味があるのでしょうか…。また、今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 人間は厭なことほど思い出してしまうという。 これは古くから云われてきていることであり、化学的にもある程度裏付けがされているそう。   そもそも人間の脳というのは、目にした耳にした情報をすべて一時保存する性質があり、 その上で留めておく必要があるもの、削除しても良いものを無意識のうちに選別している。 これは何故かと言うと、脳の仕組みとして古い情報よりも新しい情報を常に収集することに特化しているからだ。   新しくて有益な情報を得ることで人間は生存競争で勝ち抜いてきた。 トライ&エラーの果てに僕たちは 言葉を得、武器を得、文明を得たのだ。 ちなみに人間以外の生き物でほぼ唯一、 音の組み合わせを持つのは鳥だけだそう。   鳥の場合、求愛のためだけにさまざまな鳴き声やジェスチャーを組み合わせて発信する。 目的以上のことに何故特化したのかというと、過剰なエネルギーの表現をすることで 他の鳥よりも子孫を残せますよ。生命力が高いですよ。という事をメスに伝えようとしているのだ。   この“伝える”という言葉。 僕は昔からとても深く、そして難しい言葉だなと思っている。 人に心を届ける と書いて 伝心 心というものは自分ですら見えないものなのに、それを誰かに届けようとするのだから、 理解を求めること自体がそもそも間違いである気もする。   だが僕ら人間は、思いを共有することで今日まで生きてこられた。 人が人と過ごすには理由が要る。 家族、恋人、友人、仕事仲間 それが例えか細い糸だとしても、 自らと誰かを結ぶものによって僕らは生き合っている。   その結ぶ糸こそが言葉であり、心なのだと僕は思う。 すなわち伝えるとは、糸を紡ぐ行為なのだ。   話が大分横道に入ってしまったが、 今回の主題であるフラッシュバックとは 心の傷跡、心に刻まれた傷であり、 記憶である。   冒頭でも書いた通り 人間は厭なことほど忘れ難い。 これは何度も何度も思い出してしまうことにより、大切な記憶として脳がより深くより堅牢な引き出しにバンクしてしまうから。   忘れようとする度、僕らはそれらの過去と 出会わなくてはいけない。 人間は新しいものを手に入れることで 困難を乗り越えてきた生き物であるから、 昨日を越える為に僕らは過去を背負わなくてはいけないのかもしれない。   傷は消えずとも癒えぬことはない。 明日へ期待して生きることもまた 人間という生物としての正しき本能であると僕は思っている。   <saji・ヨシダタクミ> New Digital Single「スターチス」 2023年6月16日発売   New Digital Single「フラッシュバック」 2023年7月1日発売

    2023/07/03

  • 新山詩織
    約束
    約束

    新山詩織

    約束

     聞くひとの心を捉えて離さない、染み入る歌声と歌詞が多くのリスナーを惹きつけるシンガーソングライター・新山詩織。そんな彼女が2023年4月17日にメジャーデビュー10周年を迎えました! そして来たる7月5日には10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』のリリースが決定!    さて、今日のうたコラムでは、メモリアルイヤーを記念して“新山詩織”による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!その第7弾です。なぜかよく置き忘れてきてしまう傘…。みなさんもどうしても守ることができない「約束」ってありませんか…? 今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 私は傘をよく忘れる。   行く先々でお手洗いに入った時 傘掛け用のでっぱりにかけていたものの 扉を開ける時にはもう忘れたまま   電車に乗った数分後に 「あっ....」ため息。   これを呆れるほど 何度も繰り返していたので 絶対になくさないようにと念を込めて   当時、大好きだった ドット柄とネイビーの組み合わせの 少し細く綺麗めな傘を一本、買った。   もう、絶対に手放さない。絶対…。   そう心に決めて雨の日は過ごしていた 大切に大切に肌身離さず...なのに   ある日、お手洗いに入った日に、また なんとその傘を置き去りにしてしまった。   本当に大事にしていたし 大袈裟でなく、それまでのなかで 一番お気に入りの傘だったのもあり かなりショックだった。   それからというもの 傘という傘は持たず、確実に鞄に入る 折りたたみ傘を持ち歩くようにしている。   安易な約束はしてはいけない そんな事を思う6月であった。   傘といえば...       両親が新婚旅行で訪れたイギリスにて 父が母にバーバリーの傘を 買ってあげたものの   日本に帰ってすぐ 母はそれを無くしてしまった。   父はその事をずっと覚えていて 何かにつけて   父は母にそれを言い続けている。       <詩織> ◆10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』 2023年7月5日リリース <収録曲> 1.何者 2.Spotlight 3.夜の魔法 4.あなたに 5.Hate you 6.Keep me by your side 7.約束 8.Free (feat. 山崎あおい) 9.I canʼt tell you (feat. 和久井沙良)  

    2023/06/30

  • 小林私
    言葉選びの必然性について
    言葉選びの必然性について

    小林私

    言葉選びの必然性について

     2023年6月28日に“小林私”がメジャー第1弾となる3rd ALBUM『象形に裁つ』をリリース!今作には4月に先行配信された「杮落し(よみ:こけらおとし)」をはじめ、既にライブやYouTubeなどで披露され、以前から音源化希望の声が大きかった「繁茂」「目下Ⅱ」「biscuit」などの全8曲が収録。アレンジャーとしてSAKURAmoti 、白神真志朗、シンリズム、トオミヨウら、豪華な顔ぶれが参加しております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“小林私”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。歌詞エッセイを書くにあたり、小林私が事前にSNSでアンケートを実施。いくつかの質問への答え、そして、韻を踏んでいる楽曲を例に“言葉選びの必然性について”を綴っていただきました。今作と併せてエッセイをお楽しみください…! ◆ひとくち?Q&A◆   Q. 「火星ソーダ」は小林の書く歌詞の中では比較的ひらがなと口語が多いように感じる。なにか狙いがあってそうしたのか聞いてみたい。   A. 2019年くらいに書いた曲ですね。ダジャレからスタートして書き始めて、ダジャレ以上の何かにならなかった記憶があります。この時点ではまだ狙いとか意図とかを含める余裕はなく、とにかく曲らしきものを書き上げてみる、という時期でした。今見るとかなりおぼこさがあります。全然良い曲だとは思うんですけどね。   Q. 歌詞を書くのにどれほどの言葉を調べていますか? もしかして全部頭の引き出しに入っている…?   A. 作詞をする人は結構やってる気もしますが、初めに浮かんだ言葉からより適当な言葉を探したい時には「〇〇 類語」で調べることが多いです。知っている言葉でも忘れていたり意味が曖昧だったりするので、疑問に思ったら都度ネットで調べて、それから改めて辞書で引き直すこともよくあります。自分の心身に伴っていない言葉を使うのは控えるようにはしつつ、反面、使わないと身に付かないものでもあるので、知らなかった言葉を使いたいときは一層気を付けています。     さて、今回で小林私の歌詞についてのエッセイは最終回。 前回、前々回で加えていた「ひとくちQ&A」をなんとなく最初に持ってきてみた。こうすると、なんとなく最終話感がある。 「花も咲かない束の間に」「四角」は書いた当時のことを結構覚えていたので、比較的すんなり書けはしたが、最終である今回のテーマにはとんと困ってしまった。   エッセイとして書きやすい曲は他にも幾つかある。   怪作「アニメ漫画研究部の姫は俺のことが好きなんじゃないか」は面影ラッキーホールをどうにかオタクナイズ出来ないか、と思案した結果の曲で割と書きやすい。 「生活」「悲しみのレモンサワー」辺りも人に贈るという名目があって書き上げたものだから、これも理由を含めて書きやすい。   とはいえ、これらは自分の中の外れ値のような曲ゆえ他の作品に活きていることがあまりない。せっかくなら全体を通して言えることを書いておきたいという欲も捨て難い。 前回「いい加減あの曲について言葉にすべきか否か…」と思わせぶりに書いていたのは「サラダとタコメーター」という楽曲のことなのだが、これがどうにも上手い文章が思いつかない。 一文一文を説明していくというのはあまりに野暮の極みであるし、じゃあ最初っからそう言えと自分でも思ってしまう。     そんな中でこんな質問が送られてきた。     Q. 小林は楽曲の中で韻を踏みながら「今私は韻を踏んでいます」と曲の中でメタ的な視点を取ることがあると思います(具体例を挙げるなら「冬、頬の綻び、浮遊する祈り」、「スープが冷めても」など)。 そうかと思えば思いっきり韻を踏んでいる曲もあるわけで(「サラダとタコメーター」など) 小林にとって曲の中で韻を踏むという行為はどういう行為なのか気になりました。     ひとくちで答えようと思っていたが、やたら長くなりそうだったので、今回はこの質問を取っ掛かりに書いていこうと思う。 まず「メタ的な視点で韻を踏んでいる」例に挙げていただいた曲の該当箇所を見てもらおう。     「冬、頬の綻び、浮遊する祈り」(以下「冬」)   やけに浮遊感があるのは勘違いじゃないな 言葉にすれば凡庸で貴方に云うのもこれきりにしたいよ 寄せては返す波のように訪れる あてどないこの暮らしに流せないのはクラシック 洒落じゃないんだ     「スープが冷めても」(以下「スープ」)   悩んでも部屋はまた狭くなる 時間の止まったカレンダー 嗚呼、君は可憐だ 駄洒落た台詞も詩も歩調も 愛せてしまうんだ、熱を帯びる間は     「冬」では<あてどないこの暮らしに流せないのはクラシック 洒落じゃないんだ>の箇所。   言うまでもなく<暮らし>と<クラシック>を掛けたダジャレ。そこに<洒落じゃないんだ>と続けている。文字通りジョークではないという意味と、「洒落にならん!」みたく“笑えない”という意味が掛かっている。まあ、結果的にどちらも洒落ではあるが…。   クラシックと聞くとクラシック音楽が真っ先に頭に浮かぶかもしれないが、ここではどちらかと言うと“古典”だとか“広く認められているもの”みたいな意味が強い。つまり「俺の日々はこんなんなのに、ふざけんじゃないよ!」みたいなことを言いたそうだ。   「スープ」では<時間の止まったカレンダー 嗚呼、君は可憐だ 駄洒落た~>の箇所。   <カレンダー>と<可憐だ>のダジャレ。こちらは「冬」とは打って変わって<駄洒落た台詞も詩も歩調も愛せてしまうんだ>と続けて、曲中でもダジャレであることを認めている。   この曲は、ざっくり言うと“熱をもって取り組んでいたこと・ものに対する執着”を歌っている(ラブソングだと時々聞かれるが、そのつもりは全くなかった)。 つまり「くだらない感情あるいはその発露の持つくだらなさは情熱によってあやふやになっている(それも含めて好ましい)」と、そういうことを言いたいのだろう。     もう一つ例がある。     「biscuit」   こんな建碑に無我夢中だと言うそのニュアンスの五里霧中感の ヘイトスピーチ程度の不一致蹴っ飛ばしてなんて大抵酩酊性から 成る酌量、かっから鳴る錫杖、月並みな方々の言うがらんどう また腹減るならベル並べるのべつ幕なしのマクベス斯くあるべし   とか遊んで結んで開いたって誰にも伝わらぬカタストロフィ たった一人の実績解除に誰も彼も興味ない     これも「メタ的な視点」で<とか遊んで結んで開いたって>が当てはまる。 (余談だが、YouTubeにこの曲を載せた際、<カタストロフィ→トロフィー→実績解除>の遊びに対する言及があり、よく気が付くなあと思った。)     さて、長々と例を見せたがここからが本題。 「曲の中で韻を踏むという行為はどういう行為と認識しているか」について。 言い換えると「言葉選びの必然性」であろう。   これは本当にひとくちでは言い難い。言うなれば音楽上の宗派の問題だからだ。 その上で現在の私個人の意見を述べるとすれば「韻を踏むこと自体に大した必然性はない」だ。 その宗派を仮に、乱暴に二分するとメロディ重視かリリック重視か。 ジャンルにもよるが、耳が気持ちが良く音楽的に格好いいのであれば意味は大した問題ではない、というのは正当だ。 でも、せっかくなら意味を通して必然性も持たせたい…持たせたくない? というのが作り手としての私の美学である。   「冬」におけるダジャレの必然性は、大きくは雰囲気の維持と考えている。この詞は割と変えようがあるので、メロディを少し無視して適当に改変してみる。     “あてどないこの日々を彩れないビビッドの色 洒落じゃないんだ”     “ あてどないこの生活が入り交じり暗い清濁に 洒落じゃないんだ ”     一応こういうのでも成立する。 ではどう取捨するのかというと <暮らし・クラシック><日々・ビビッド><生活・清濁> と並べて見た時の空気感が曲に合っているかどうか。 ビビッドと聞いたときに思い浮かぶ色は楽曲全体のバルールに合ってない感じがする、清濁も相反する意味が気になって流れが悪くなるような…といった消去法による必然性。はじめからベストな言葉が見つかることもなかなかない。   「スープ」におけるダジャレの必然性は分かりやすい。 くだらないことも喜びと思える感覚を歌うなら、とびきりくだらないことを言っておきたいからだ。   「biscuit」も近しい。遊びを入れる必然性への疑問に対して一度遊びまくる(あくまで理想的な伝わり方をしている前提だが)。これによって説得力を持たせたい意識。 「こんなに苦しいのに報われない」みたいな曲に「どう苦しい・なぜ苦しい」が抜けてると、なんだかなあと思うからだ。     ここまで作中の言葉選び(特にダジャレ・韻)の必然性について書いたわけだが、これはタイトルにも勿論言える。 タイトルについて綴られた文章では『題名の社会史 : 芸術作品と題名の機能/村田千尋』や『タイトルの魔力 作品・人名・商品のなまえ学/佐々木健一』がメチャ面白いので読んでほしい。   現代のタイトルはその曲の何を標榜しているのかを明快にするシステムが多く取られている。 小林私の楽曲で見てみると、「悲しみのレモンサワー」は分かりやすい。作中にも散りばめられている大きい軸をそのままタイトルにしている。 「アニメ漫画研究部の姫は俺のことが好きなんじゃないか」も同様。描かれている物語に対する題名だ。 「目下」は作中にも含まれているが、テーマ、その状態を表す。また「目下Ⅱ」は「目下」というが曲をベースに、そのシリーズであるような印象をつける。   「冬、頬の綻び、浮遊する祈り」は少しややこしい。このままのセンテンスは作中には一切登場せず、明快にテーマを表しているわけでもない。当然「雪、無音、窓辺にて。」のオマージュでもあり、風景に対して風景と付けるような、記号化に対する逃避である(「雪、無音、窓辺にて。」の意図は分からないが)。「冬、頬の綻び、浮遊する祈り」は就活生に向けたタイアップの曲だったので、そのような意味を込めた。   このように歌詞であれ題名であれ、言葉一つとっても色々なことを考えるしろがあって楽しい。 こういうことを思索するのも言うなれば私の趣味であり、同じ趣味の人が増えてくれるともっと楽しくなる。     と、普段考えていることをつらつらと起こしてみたが、いかがだったろうか。 三回にわたってだらだらと理論立ててみたり、それらしいことを書いてみたりもしたが、最終的な判断は己の思う「なんとなく良い方」に従うべきだとは思う。私は音楽理論も大して分からないし、勘で曲を作って、感情に論理を追わせる、ある種無粋なことをしてしまう人間だ。 それに自分で作ったルールに縛られて何も書けないようじゃ意味がない。幸いなことにその国の王は自分自身であり、立法も司法も行政も思うがまま。モンテスキューもびっくりだ。   どの言葉をどのように扱うかというのは、はじめっから上手く出来る人もなかにはいるが、少なくとも私は現在も含めてそうじゃない。よく「語彙は小説からですか」と聞かれるが、そんなことはない。小説、俳句、漫画、アニメ、お笑い、あるいはゆっくり実況とか、友達が話してたことだとか、立て看板、辞書の序文、言葉にまつわるものは無限に広がりを見せている。その一端に触れ続けながら、その領域を少しでも広げられるようになれればいいなと思っている。究極は、それが楽しいからだけれども。   ということで最終回終わり。回を追うごとに長くなってるのはご愛敬。 読んでいただき、アンケートのご協力もありがとうございました。ここで取り扱わなかったものも有り難く拝見しました。 そしてこのような機会はなかなか自分では作れません。俺ってこんなこと考えてたんだ、と文章にしてみて初めて気付いたことも山ほどありました。ご依頼くださった歌ネットさんもありがとうございました。   それではまたインターネットで会いましょう、小林私でした。   <小林私>  ◆3rd ALBUM『象形に裁つ』 2023年6月28日発売   <収録曲> 収録曲: 1.杮落とし 2.可塑  3.線・辺・点 4.四角 5.繁茂 6.biscuit 7.目下Ⅱ 8.花も咲かない束の間に

    2023/06/29

  • ENVii GABRIELLA
    タダじゃないの。
    タダじゃないの。

    ENVii GABRIELLA

    タダじゃないの。

     2023年6月28日に“ENVii GABRIELLA”がメジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』をリリース。本今作には既発シングルの「BL」「Symphony」「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」「オリビアを聴きながらを聴きながら」「APHRODITE」に新曲5曲を加えた計10曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“ENVii GABRIELLA”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第2弾、執筆はTakassyが担当。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 PAY ME 」にまつわるお話です。Takassyが音楽を作る上で大切にしているマインドとは。みなさんは自分の価値をお金に換算してみたことはありますか…? 私、音楽を作るって仕事してる。 仕事っていうくらいだから、お金もらってる。   でも、スーパーに並んでいる商品のように目に見えるものじゃないものを作って売ってるから、その価値が正当に評価されなかったり、蔑ろにされたりする時もある。   「ちょっと歌ってよ」 「ちょっと曲作ってよ」 「ちょっと動画作ってよ」 「ちょっとやってよ」   幾らくれるの? 市場価格をご存知? 私の価値をあなたが考えてお金に換算した時に幾ら?   タダっていうことは私の才能は無価値だって笑って言ってるってことなの。   軽く頼んでくるけど、その仕事をするのに 私が何日、何時間費やしてるか考えたことある?   タダじゃないの。   私の時間はあなたと同じように消費されてるの。     私が今の作品を生み出すために、自分の価値を高めるために、どのくらいの月日とお金を掛けたか、考えてみてよ。   どんなに馬鹿にされても、蔑ろにされても、無視されても、歯を食いしばって、涙を堪えて自分を磨いてきた。   何度もやり直しては、行き詰まってやっとの思いで絞り出してる。   そんなことわざわざ言わせないでよ。     毎月美容代に幾ら掛けてるかわかる? 身につけるものを自分で稼いだ金で揃えてる。     何十年と修行した料理人のお店には大金を注ぎ込んで食べに行く人が、私には「高くない?」って言うの。   馬鹿にしてる。     私は私のために無償で作品を生み出すこともある。それが一見誰かの依頼だったとしてもね。 最終的に自分の利益になるなら。   でもそれを決めるのは私でしかない。 私は覚えてるよ。ちゃんと。     ねえみんな。   自分の価値を 誰かのために犠牲にした自分の作業工数を 悪意なく無礼に使われる自分の存在意義を 過去の自分の苦悩を、努力を、涙を   その全てをお金に換算したことある?   ないよね。 賤しい意地汚い話だと思う?   そんなことない。 評価は正当に受けるべき。 認められる価値は主張すべき。   あなたの優しさが消費されてゆく前に、あなた自身があなたを救うの。 あなたがあなたの価値を信じるの。   「私なんか」「私の技術なんか」「私の存在なんか」 そんなこと思わないでいい。だって世界はあなたが何もしなかったら、全く違う形になってしまう。 私がこんな好感度ダダ下がりな文章を書くこともない世界になっていたかも。 (それはそれでいいかも)   あなたが砕いた優しさで誰かが、得をしてる。 感謝もなくね。   悔しいじゃない?   だからこのマインドよ。   「金出しな。」     そうそう。 世の中には適正価格ってもんがあるから、そこんところは上手くやりなさいね。 <ENVii GABRIELLA・Takassy> ◆紹介曲「 PAY ME 」 作詞:souljuice 作曲:souljuice ◆メジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』 2023年6月28日発売   <収録曲> 01.APHRODITE 02.オワッテンネ 03.Toxygen 04.PAY ME 05.90's 06.BL 07.オリビアを聴きながらを聴きながら 08.The Crown -No necesito, No queiro- 09.あなたが私を綺麗にする訳じゃないの 10.Symphony  

    2023/06/28

  • Panorama Panama Town
    音に揺られる。会話は要らない。
    音に揺られる。会話は要らない。

    Panorama Panama Town

    音に揺られる。会話は要らない。

     2023年7月5日に“Panorama Panama Town”が2ndフルアルバム『Dance for Sorrow』をリリース!今作は約4年ぶりのフルアルバム。EP『Rolling』以降の作品からセレクトした楽曲と新曲含む全12曲を収録したフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Panorama Panama Town”の岩渕想太による歌詞エッセイをお届け。今回は【前編】です。綴っていただいたのは、今作の『Dance for Sorrow』というアルバムタイトルにも通ずるお話。なぜひとはダンスをするのでしょうか。たとえそれが気味の悪い場所だとしても、なぜそこに惹かれてしまうのでしょうか…。 雑踏、夜のパブ。 まばらだが、それなりに多くの人が音に乗って揺れている。 タバコの煙に満ちた店内は奥まで見渡すことができず、奥の方では何か怪しげな男女がくっついている。   カウンターでお金を払い、ウイスキーソーダ割りを頼む。 安いウイスキー特有の頭蓋骨に響く味だ。 「どこから来たの?」とは尋ねられなかった。 そんなこと尋ねたくなる連中が、他にもゴロゴロいるからだ。   流れている音楽は、ハウスミュージックのようだが、ローが強調されすぎている。 軋む窓。揺れるウォッカのボトル。 四方八方、トイレの個室に至るまでキックの4つが支配して、会話を挟む隙がない。 趣味の合わない女と乗るレンタカーみたいだ。   「初めまして」とか「いい天気ですね」といった会話の修飾部は、音に飲み込まれ、「おい!」とか「やあ!」と言った本質だけが残る。 ここにいる人々は皆その二語を使って会話をしているようだ。   「やあ!」と刺青の入った大男に背中をどつかれる。 「誰ですか?」とか「何してる人ですか?」とか聞ける訳もないので、私も精一杯の「やあ!」を返す。 ニコッと笑いながら、ビール瓶を渡される。 ありがたく受け取り、ウイスキーを持ってない方の手に瓶を握る。 何やってるかは知らないが、悪い奴じゃなさそうだ。   両手が埋まり、タバコが吸えないので適当なテーブルを探す。 店内に4つだけある樽でできたテーブルはどれもグラスの水で濡れていて、こんなところで確定申告をしたくはないなと思う。   椅子に腰掛け、グラスを置いて、アメリカン・スピリットに火をつける。 アメリカの精神、という名前のタバコを強く吸い込む。 吐き出した煙はどぶ色のため息だ。   ウイスキーの角張った酸味とキックのローが頭の中で混ざり合っていくのを感じる。 新しいカクテルみたいだ。 鈍痛に支配された脳内が、少しずつ気持ち良くなる。   流れている音楽の、シンセサイザーが、丸っこいベース音が、安っぽい注射針に刺されたように、徐々に体の中に入ってきて、ビートを奏でる。 ダンスの時間だ。 俺は今日これをやりに、こんな気味の悪いところにやって来たんだ。   音に揺られる。会話は要らない。 皆、今日これをやりに、こんな気味の悪いところにやって来ている。 そう思うと、途端に周りの奴が愛おしく見える。   音に揺られる。会話は要らない。 皆、それぞれの虚しさと闘争し、逃走しながらここまでやってきた。 俺もそういったところだ。愛おしく見えるだろうか。   朝まで踊る約束をした。 誰にしたわけでもない。帰りたくなったら勝手に帰る。 流れている音楽は最悪だ。ローが強調されすぎてるところが特に悪い。   こんなことは決して美しくはない。 再現性がない。なのに人を惹きつける。 蛾のように集まり、光が消えれば解散する。   そしてそれは、安いウイスキーを飲みたくなることと似ている。 <Panorama Panama Town・岩渕想太> ◆2ndフルアルバム『Dance for Sorrow』 2023年7月5日発売   <収録曲> 01.Run 02.King's Eyes 03.Rodeo 04.Black Chocolate 05.SO YOUNG 06.Cranberry, 1984 07.Melody Lane 08.Bad Night 09.Faceless 10.Sad Good Night 11.Strange Days 12.Knock!!!  

    2023/06/27

  • ゆいにしお
    3kg
    3kg

    ゆいにしお

    3kg

     2023年6月21日に“ゆいにしお”がMajor 1st Single『ワークライフアイランド』をリリースしました。今作は新曲3曲を通して“社会人女子の夏”を描くコンセプチュアルな作品になっており、さらに「ゆいにしお presents summer 2man tour "DAILY ISLAND"」は今作のリリースをひっさげたツアーとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 We Are Girls Forever! 」にまつわるお話。<ヘソ出しの服を着て あと少しだけ痩せなきゃなって 思いこんで>いるあなたへ。この歌詞とエッセイを受け取ってください。 また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをご堪能あれ…! 去年の夏、5kg減量した。 人によっては大したことのない数値だが、私にとっては急に年収が3億になったのと同じぐらい大きな出来事である。本当に褒められたい。   そこから1年、3kgリバウンドした。ざまあみろ。 人によっては大したことのない数値だが、私にとっては急に年収が5億になったのと同じくらい大きな出来事である。本当に誰にも見た目について言及しないでほしい。   26年生きているからわかる。 なんだか体が重たいな、温泉のガラスに映ったシルエットがなんだか太いな、そう感じた時点でたいてい3kgは太っていることが。   3kg太ると、明らかに顔の余白が広くなる。 かがんだときにお腹の肉がほんの少し邪魔をする。 加工しないとインスタにおいそれと写真をあげられなくなる。 そこからようやく重い腰を上げるまでに1~2kgほど太り、合計5kgほど蓄えたところでダイエットをはじめるのだ!   そもそも3kg太ったのは、毎日やっていた有酸素運動を辞めたうえ、食べ物に救われる生活をしていたからだ。   新譜リリースのタイミングでラジオ出演などのために地方へ行く機会が多くなってきて、地方の地酒や地のものをカオナシのように喰らい尽くした(特に北海道はずるい。北海道に行けば誰だって太る)。   深夜に帰宅して飲むビールに、生きている実感を得た。明日への気力が残ってないと、松屋のカレギュウやビッグマックを摂取した。レコーディングの合間にはチョコを食べて自分を甘やかした。毎日どんな美味しいものを食べようかと考えながら、楽しく暮らしていた。   そうして、増量した3kgのなかにもたくさんの思い出がある。 そう思えば、3kgの脂肪の塊も愛おしく思えてくるというものだ。   太ったからといって痩せる必要はどこにもないのです。ちまたではローライズのパンツも流行りつつあるけど、ぷよんとしたお腹を出すのだってきっとかわいい。スタイル神・爆美女の隣だって全然笑顔でいられる。   しかしツアーを控えている身としては、ライブでは身軽な姿でみんなに会いたい。 だから、ジムでこの曲を流しながらトレッドミルの上をハムスターのように駆けたいと思います。   聴いてください、ゆいにしおで「We Are Girls Forever!」   <ゆいにしお> ◆紹介曲「 We Are Girls Forever! 」 作詞:ゆいにしお 作曲:ゆいにしお ◆Major 1st Single 『ワークライフアイランド』 2023年6月21日発売   <収録曲> 1.We Are Girls Forever! 2.SUMMER TUNE 3.アイスコーヒー

    2023/06/26

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