【アルバム『儚く脆いもの』セルフライナーノーツ 歌詞編】

藤巻亮太
【アルバム『儚く脆いもの』セルフライナーノーツ 歌詞編】
2025年3月26日に“藤巻亮太”がニューアルバム『儚く脆いもの』をリリースしました。今作には、「真っ白な街」「朝焼けの向こう」の他、昨年開催の『THANK YOU LIVE 2024』にて披露され話題となった「桜の花が咲く頃」や、同年開催の『Mt. FUJIMAKI 2024』にて完成したばかりの新曲として披露されていた「新しい季節」など藤巻が信頼を寄せるミュージシャンと共にバンドサウンドに拘った計10曲が収録されております。 さて、今日のうたではそんな“藤巻亮太”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。第2弾では【アルバム『儚く脆いもの』セルフライナーノーツ 歌詞編】を綴っていただきました。全収録曲それぞれの歌詞に込めた想いやその背景にあるものを受け取ってください。 アルバム『儚く脆いもの』 自分の足元を見つめ、どこへ進むかを模索する中で生まれる曲がある。ニューアルバム『儚く脆いもの』にとっては「新しい季節」がそんな曲だ。 歌詞を書きながら自分の心にある気持ちに気がついたり、想いを整理したり、時に自分を鼓舞しながら言葉を紡いだ。最も前向きな歌に仕上がった。この曲が生まれてアルバム制作のスイッチが入り、どんどん曲をつくっていった。 ディレクターさんと話しながら、自分で蓋をしているような心の部分を、あえて歌詞の世界で描いてみないかという話があった。その頃、世界ではガザ侵攻が報道され始め、その光景を連日のように眺めながら人間の闇というものが迫ってきた。それは自分自身の闇と呼応しはじめて「メテオ」ができた。遠い国の他人の出来事ではない何かが胸に迫ってきた。 時系列はバラバラだが、「真っ白な街」「桜の花が咲く頃」「Glory Days」「ハマユウ」など別れがテーマの曲も多い。切なさや痛み後悔など、確かにあまり向き合いたくないような心象が浮かんできた。 けれどそういった強い感情の渦に飲み込まれても消えない光があるような気がした。一回しかない人生で出会えたことや、共に過ごした時間の中に、確かにかけがえのないものもがあると思った。 「儚く脆いもの」は、15年前にケニアのナイロビで医師・國井修さんと出会ったことがきっかけで生まれた曲だ。現在、世界に20億人もいる感染症に苦しむ人たちにワクチンを届ける仕事をされている。 國井先生からの、「この病気を世界で唯一克服した事例があってそれが山梨なんですよ。」という言葉に衝撃を受け、日本住血吸虫症を扱った『死の貝』という本を読んだ。およそ100年もの時間をかけてこの病気と戦い克服した先人たちの歴史に胸を打たれこの曲は生まれた。 「愛の風」は同級生たちが集まった時の何気ない会話が心に残っていて、そこから生まれた曲だ。社会に出たらみんないろんな想いを抱えながら生きているし、過去とうまく付き合いながら未来に向かって懸命に今を生きている姿が胸に浮かんだ。 「以心伝心」は曲調が面白いので、メロディーに引っ張られるままに歌詞を書いていった。いい意味であまり何も考えていない感じが軽やかでいい。 「朝焼けの向こう」はウクライナ侵攻が始まった頃に書いた。明らかにそれまでと世界の空気は変わってしまったし、「戦う」というテーマはこれまでに直接扱ってこなかったが、あくまで自分にとっての戦いという目線で、整理したい気持ちを歌詞にした。 <藤巻亮太> ◆ニューアルバム『儚く脆いもの』 2025年3月26日発売 <収録曲> 01. 桜の花が咲く頃 02. 朝焼けの向こう 03. Glory Days 04. 愛の風 05. 真っ白な街 06. 以心伝心 07. 儚く脆いもの 08. 新しい季節 09. メテオ 10. ハマユウ ◆藤巻亮太 LIVE TOUR 2025「儚く脆いもの」 詳細: https://www.fujimakiryota.com/live/?id=189