吾輩は…である。名前はまだ無い。

 2024年4月25日に“感覚ピエロ”が3rd FULL ALBUM『NULL』(ヨミ:ヌル)をデジタルリリースしました。感覚ピエロの約2年ぶりとなる今作は、昨年公開された宮藤官九郎脚本、映画『ゆとりですがなにか イン ターナショナル』主題歌や、大人気ゲーム『テイルズオブ』シリーズ最新作『Tales of ARISE - Beyond the Dawn』テーマソング、映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』挿入歌など新旧含む全12曲を収録。
 
 さて、今日のうたではそんな“感覚ピエロ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 第1弾はメンバーの滝口大樹(Ba.)が執筆。綴っていただいたのは、自身が作詞を手掛けた収録曲「名無大行進曲」にまつわるお話です。今までとは少し違ったアプローチで生まれた歌詞。そこに描きたくなったものとは…。ぜひ歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。



4月25日に3rdアルバム『NULL』をリリースしました。
その中で1曲、アルバムとしても1曲目「名無大行進曲」を作詞しました。
ややこしいですね。笑
とりあえず、1です。
 
個人的には#HALのカップリング「ミステリアスに恋をして」以来の作詞なので結構久々に書いたのですが、今まで僕が書いてきた歌詞って愛だの恋だのといったものを取り上げた内容ばかりだったんですよ。
 
それにはまあちゃんとした理由も一応ありまして。
まず1つ目に、うちのメンバーの歌詞って曲によって様々な内容のものがあっても、一貫して自分の中から出てきた感情とか言葉ってのを綴ってるんですよ、多分。笑
 
なので、同じ方向から同じ方法でアプローチしても面白みがないとゆうか仕方がねえなってことで、大多数の人間が共感し易いであろう恋愛物をベーシックに、歌詞を書き始める前にまずはざっくりとした登場人物や設定、フィクションの物語を組み立てから、その中にほんの少し、コンマ0.数何ミリかだけの事実を織り込んで嘘付くの上手い奴みたいなやり方で歌詞を書いてきたんです。笑
 
あとは純粋に僕は書きたいことも伝えたいことも無いから。
根本、ベースだけ弾けたらそれでいい人間で逆を言えば別にそれ以外したくないんです。
誰かの背中を押せるようなそんな大層な言葉は等身大の僕の中からは出てきませんし、勝手に強く生きろよ!少年少女よ!!とゆう感じです。笑
 
だったのですが、今回は少しアプローチの仕方が変わりました。
僕がこの曲の歌詞を書くとなった時、仮歌詞にあった<いざ行け 大行進ピーポー>とゆうワードを生かしてほしいってオーダーがメンバーからあったんですね。
 
「大行進」と言われて思い浮かぶもの…
僕は兵隊さんの大行進列が浮かんだんです。
右向け右と言えば全員が右を向いて、跪けと言えば全員が跪く。
そういった姿が、様々なシチュエーションで「同調圧力」に従った大多数派の人間の姿と重なったんです。
その時に、はじめてふわっと自分の中から何となくですが書きたいことが出てきました。
 
なので、今回は100%自分の中から凝縮して出てきた言葉を綴りました。昨今のSNSの在り方やマジョリティへの僕なりのイメージや考え、そしてサビでは今は「まだ」何者でもない者達の背中を押せずとも、少しでも前を向けるような、そんな曲になってます。
 
名無し達が、アルバムを通して色んな感情に触れて育っていく。そんなひとつの物語だと思えばとても素敵なアルバムだと、そう思いませんか?
 
<感覚ピエロ・滝口大樹(Ba.)>



◆紹介曲「名無大行進曲
作詞:滝口大樹
作曲:横山直弘

◆3rd FULL ALBUM『NULL』
2024年4月25日発売
 
<収録曲>
01 名無大行進曲
02 壊れたハートに火をつけろ
03 咲き乱れ Boys&Girls 
04 Can You Secret
05 the light
06 KARASAWAGI(feat. 小野武正 from KEYTALK) 
07 スラムジャパン
08 ナンセンス
09 Break Together
10 LOVELESS
11 ノンフィクションの僕らよ
12 We Still