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LIVE REPORT

GLAY

『GLAY ARENA TOUR 2013 JUSTICE & GUILTY』

2013年05月06日
@さいたまスーパーアリーナ

来年メジャーデビュー20周年を迎えると聞けば周囲は成熟期に入ったとか簡単に位置付けがちだが、このバンドが抱いている精神はいい意味で安定とは無縁のようだ。

ヒットナンバーをあえてセットリストには入れず、ニューアルバム『JUSTICE』、そして『GUILTY』収録曲中心で臨んだ今回の全国アリーナツアー。

バラードやアコースティックナンバーも披露されたが、エッジの立ったギターサウンドとハードなビートとで奏でられるロックチューンが大半で、全体を通しては攻めの姿勢が強調されたライヴだった。個人的に印象に残ったのは2本のギターのコントラスト。ギタリストがふたりいるバンドながらそこで語られることはあまりなかった気がするGLAYだが、タイプの異なるギタリストがしのぎを削ることで楽曲全体に凄まじいまでの緊張感が生まれる。

それは「JUSTICE [from] GUILTY」「My Private“Jealousy”」「傷だらけの太陽」辺りに顕著に表れており、こうしたスリリングなバンドサウンドを感じることができることこそライヴの醍醐味ーー“こういう瞬間に立ち会いたくてライヴにきてるんだよ!”というTERUのMCに嬉しくなった。もっともこれはボトムを支えるリズム隊がしっかりとしているからこその成せる業とも言えるわけで、ここにきてバンドサウンドがさらに強靭になっていることの証明とも言い換えることができる。

つまり、今回のツアーでGLAYはロックバンドとしての矜持をしっかりと示してくれたわけだ。あえて定番曲を外し、新曲中心で構成したライブは大きなチャレンジだったに違いないが、その試みは成功したと言えるし、今回の挑戦は5年後、10年後のGLAYに何か大きな作用を及ぼす気がしてならないーーそんなことを思わせるツアーのフィナーレでもあった。