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超特急 ライヴレポート

【超特急 ライヴレポート】 『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022 Progress』8号車の日 2022年8月8日 at 東京ガーデンシアター

2022年08月08日
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今年の6月にデビュー10周年を迎えた超特急。『Progress』は約3年振りのホールツアーとなり、全国10都市で18公演が行なわれた。8月8日に開催された東京ガーデンシアターでのライヴは追加公演。超特急ファンの呼称である8号車にちなんだ“8月8日=8号車の日”に相応しい濃密な内容であった。

オープニングムービーを経て、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシが登場。「a kind of love」がスタートすると、会場は瞬く間に一体感で包まれた。そして、さわやかなムードを一気にハイテンションなものに切り替えたのが「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ~るど」。続いて「Secret Express」「SAY NO」「Beauty Spider」「Four Seasons」も届けられ、8号車やステージ上のメンバーたちの笑顔がどんどん輝いていく。楽曲の多彩な魅力を存分に体感できるオープニングであった。

「Drive on week」「Summer love」「Kiss Me Baby」「キズナアルゴリズム」「浮つきWAVES」「CARNAVAL」が怒涛の勢いで駆け抜けるスペシャルメドレーを経て迎えたMCタイム。ステージセットのあちらこちらに隠れている11羽のウサギの位置がスクリーンに映し出されて、“そんなところにもウサギがいたんだ!”と8号車が沸いたりもした場面を経て突入したのは、謎のグループとしてこのツアーに毎回登場して各地を盛り上げていた5人組“ぴょん特急”によるライヴだった。披露されたのは「ウサギミック」など4曲。本来ならばダンサー4人による曲であるはずの「Добрый день」をヴォーカルのたかぴょん(気のせいだと思うが、タカシにどこか似ている...)が急遽ひとりで踊ることになるなど、キュートな観どころが満載のステージを繰り広げてくれた。

タカシの歌とカイのラップがロマンチックな空間を作り上げた「Chill out@JP」を経て、ステージ全体を覆った紗幕。映像とリンクしたパフォーマンスでメンバーたちが遊園地のアトラクションを表現したコーナーは、華やかな遊び心で満ち溢れていた。そして、「超えてアバンチュール」を皮切りになだれ込んだ終盤はアツいナンバーの連続。エネルギッシュに鳴り響いた「BREAK OFF」、ハイテンションな5人が興奮の限界突破へと誘ってくれた「バッタマン」、客席内で掲げられたペンライトがものすごい勢いで揺れた「Don’t Stop 恋」。そして、“10年間の感謝と、これからの10年間への感謝を込めて”というリョウガの言葉が添えられて、本編ラストに届けられた「クレッシェンド」。超特急のこれまでの軌跡と、未来へ進む意志をじっくりと伝えてくれる曲であった。

アンコールで「Burn!」と「走れ!!!!超特急」の披露後、手を振りながらステージをあとにしたメンバーたち。エンディングムービーが流れて終演を迎えたのかと思いきや、イメージカラーのスーツを着た5人が戻ってきた。そして、メンバーを代表して大切な発表をしたリョウガ。ツアーの初日に新メンバーオーディション『超特急募』が行なわれる旨がアナウンスされ、着々と進められていたメンバー選考が終了し、ついに新メンバーが決定したのだという。“新メンバーをこの場でみなさんに発表していきたいと思っております”という言葉を聞いて、8号車はドキドキしながらステージを見つめていた。

バックヴォーカル・11号車シューヤ、メインダンサー・12号車マサヒロ、メインダンサー・13号車アロハ、メインダンサー・14号車ハル――4人が加入し、一気に9人編成になるというのは、おそらく多くの8号車にとって予想外だったに違いない。ステージに現れた新メンバーたちは、活動に懸ける強い気持ちを言葉にして伝えてくれた。

“僕は音楽番組でタカシくんのアツい想いを聞き、“タカシくんの隣で歌いたい、この人を支えたい”と思い、オーディションを受けました。そして今日、ここに立てることを本当に嬉しく思っています。今日までの超特急、10年間に感謝と敬意を持ち、東京ドームを目指して全力で走って行きます!”(シューヤ)

“このステージを楽しみにして来ました。これから9人でパフォーマンスをしていきますが、8号車のみなさまに勇気と元気をお届けできるように、全力でパフォーマンスをしていきます。温かい応援をよろしくお願いします!”(マサヒロ)

“僕は超特急に憧れて今の事務所に入りました。こんな夢のようなオーディションに参加できて、今こうしてメンバーになれたことが本当に嬉しいです。10年間で築き上げてきたこの空気感を大事にして、これから頑張っていきます。8号車のみなさま、スタッフのみなさん、メンバーのみなさん、よろしくお願いします!”(アロハ)

“初心を忘れずに、8号車のみなさまを含め、周りの方々に感謝をして...僕はまだ17歳ですが、“超特急というチームを引っ張っていくぞ!”という気持ちで、これからもっともっと頑張りたいです。ぜひ応援をよろしくお願いします!”(ハル)

4人の挨拶に続いて、先輩5人も想いを語ってくれた。

“人の人生を左右させてしまうことって初めてだったので、押しつぶされそうになったりもしたんですけど、こうやって9人と同じ舞台に立てているということが本当に嬉しいです。ひとりひとりの個性が強いです。“負けたくない!”“俺はもっと強くなれる!”って思える新メンバーを選ばせていただきました”(タカシ)

“10年って本当に長かったけど、まだ諦めていないんですよ、夢。8号車のみんなと一緒にまだまだ目指すところがあるので。絶対に東京ドーム、日産スタジアムに立つ夢も叶えて、みなさんと進んで行きたいと思っています。5人の場所も大切にしながら、新しく入ったメンバーといっぱい最高の思い出を作っていけたらいいなと思っています”(ユーキ)

“この4名は最終オーディションで僕に感動を与えてくれました。審査員としてそれはどうなのかなと思うんですけど、泣きそうになってしまいました。“こいつらと一緒ならもっともっと夢の先に行けるんじゃないかな?”って心の底から思いました。4人の挨拶を聞いて分かると思うけど、めちゃめちゃいい子たちなんで、応援してあげてください”(タクヤ)

“この合格が正解だったのかは、今はまだ分かっていません。正解にしていくべきだと思っているし、正解にしていくためには今この瞬間を大事に積み重ねて、未来につなげていくことが大切だと思っています。まだ出会っていない8号車にも出会いたいけれど、今までかかわってくれた人たち、ここにいるみんなをまずは連れて行くべきだと思っています。信じてついてきてください”(カイ)

“この9人になることで今までの5人の超特急は“終わってしまう”という言い方をするとあれですけど、終わってしまいます。でも、超特急の歴史自体はどこまでも、いつまでも続いていきます。この9人、8号車の方々を合わせた俺たち超特急なら絶対に大丈夫です。これからもこの9人をよろしくお願いします!”(リョウガ)

9人各々の言葉が、8号車の心を強く動かしているのが周囲の空気から伝わってきた。そして、“まだ一曲残っております。9人で初めて披露する曲。俺たち超特急ならどこまでも行けます。レールの先の先まで”とリョウガが言い、ステージ上の9人と会場にいる8号車たちが一緒に“僕たちが超特急です!”と言ったのを合図に「gr8est journey」がスタート。様々な新鮮なフォーメーション描きながら繰り広げられた9人のパフォーマンスは、超特急の新たな旅が始まったことを強く実感させてくれた。

全曲を披露して、ステージを後にした9人の超特急。最後までステージに残っていたタカシが去り際に発した“まだまだ諦めへんからな!”という言葉が力強かった。そして、スクリーンに映し出された発表。10月12日にニューシングル「宇宙ドライブ」をリリース、9月にリリースイベントを開催、アリーナツアー『新世界 -NEW WORLD-』を12月24日に国立代々木競技場 第一体育館と12月25日に大阪城ホールで開催――新体制となった超特急は、全速力で走り続ける。今後の彼らの動きからも目を離せない。

撮影:米山三郎・笹森健一/取材:田中 大

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