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LIVE REPORT

超特急

『BULLET TRAIN ONEMAN SHOW SUMMER LIVE HOUSE TOUR 2015「~fanfare to you~」』

2015年08月28日
@渋谷公会堂

“春に行なったツアーは、ひとりひとりが役を演じてひとつの作品を披露するかたちだったのが、今回はライヴ感のある、8号車と作り上げるライヴ。おかげで、改めて8号車のみんなのパワーを感じました”

アンコールでリーダーのリョウガが語ったこの言葉が、このツアーの全てを物語っていたように思う。12月23日、24日の国立代々木競技場 第一体育館2デイズという念願のアリーナ公演を発表した直後に臨んだ夏ツアーで、あえて全国のライヴハウスを回った7人。そこには“fanfare to you”というツアータイトルが示すように、ドラマ仕立ての大がかりな演出に頼らず、己の肉体的パフォーマンスのみで8号車の背中を押したい、その毎日を彩りたいという想いがあった。結果、全公演がソールドアウトとなり、迎えたファイナルは追加公演の渋谷公会堂。レーザーが会場中を飛び交う中登場した7人は、幕開けの「Shake body」からタイトル通り、身体を激しくシェイクする熱量の高いナンバーを繰り出して、モニターに大写しになる顔に早くも汗を滲ませる。ジタバタとバッタのように手足をバタつかせる動きに、カロリー消費量が超特急イチとの呼び声もある「バッタマン」まで、頭4曲を休みなく畳み掛けるのだから相当の炸裂メニュー。さすがガリガリ担当のリョウガいわく、裏テーマに“痩せるライヴ”を掲げているだけのことはある。

一転、「スターダストLOVE TRAIN」からはグッとアダルトに艶っぽく攻め、さらに「Secret Express」からは明るくハッピーに、「One Life」や「Billion Beats」では“8号車とともに生きていきたい”という感動的なメッセージを広げて、多彩なムード変化でも楽しませる。加えて、5号車ユーキが投げキスをしての「Kiss Me Baby」、“まだ夏は終わんないよ!”という1号車コーイチの台詞からモニターに青空が広がっての「Summer Love」など、曲間の滑らかなつなぎも見事だ。また、支えてくれる8号車に元気や力を返したいというツアーテーマを楽曲化した「fanfare」に、凄まじいメンバーコールが場内から沸き上がる「Burn!」の曲中では、“8号車大好き!”“東京サイコーだ!”との叫びがポロリ零れるシーンも。メンバー同士の微笑ましいコンタクトも随所に見られ、常にも増してリアルタイムの感情があふれるパフォーマンスは、正真正銘の“ライヴ”だった。

アンコールではマーティー・フリードマン氏をギターに迎えた最新シングル「Beautiful Chaser」で、従来の彼らにはなかったハード&ダークな世界観を展開。先程まで絶え間なくコールを贈り、サイリウムを振っていた8号車が食い入るようにステージを見つめる姿に、また新たな引き出しが超特急に加わったことを確信できた。最後は“代々木で僕たちの夢が待ってます。このまま走り続けようね!”(コーイチ)と、「走れ!!!!超特急」で8号車との合唱も交えた心温まるフィナーレへ。互いの力を原動力として、これからも8号車と超特急は、ともに手を携えて突っ走ってゆく。

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