2時間半に渡るライヴをやり終え、最後にJESSE(Vo&Gu)は堰を切るように熱く語り始めた。“20年前に新宿LOFTのイベント(日本武道館)に出て、誰も俺らのことを知らなくて、悔しい思いをした。その時ふたり(JESSE、金子ノブアキ)で、バンドを組んでいつか武道館でやろうと決めた。夢は絶対に叶うから!”と。
2017年はRIZE結成20周年を迎え、ついにバンド初の武道館公演を決行。JESSE、金子ノブアキ(Dr)、KenKen(Ba)、Rio(Gu)が揃うと、最新アルバム『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』収録の「帰ってきたサンダーボルト」でスタート。それから陽気な「Good Day」、カバー曲「ピンクスパイダー」を豪快に解き放つ。中盤には市原隼人、Def Tech、ラッパ我リヤ、Zeebra、FIRE BALL、E.D.O.とコラボを繰り広げ、RIZEの20周年を盛大に祝う。その後、JESSEはアコギ弾き語りで「missing you」を披露。その曲中に“再婚して、男の子を授かりました”とサラッと告げ、これには観客もどよめいた。
後半は「日本刀」「カミナリ」と畳み掛け、爆発的なバンドアンサンブルを轟かせる。アンコールのラスト曲「NAME」においてはアリーナで肩を組んで踊る人たちや、スタンド席を巻き込んで全ての観客がジャンプする壮観な光景が広がった。この日のライヴは火柱やスモークなどの演出はあれど、装飾過多にならず、真正面から観客と対峙する潔いショーで、カッコ付けも背伸びもない、ありのままのRIZEに心底感動した。バンド20年の歴史と現在をつなぎ合わせ、未来へ羽ばたこうとするピュアな音楽衝動を響かせた素晴しい一夜となった。
撮影:RIZE IS BACK OFFICIAL/取材:荒金良介
RIZE
ライズ:1997年、JESSEと金子ノブアキにより結成。2000年、シングル「カミナリ」でメジャーデビュー。06年よりKenKenが参加。ロックの“現在”(いま)を圧倒的な熱量で表現する彼らの姿勢は多くのリスナーから支持を得ており、全米、アジアツアーを成功させるなど海外での評価も高い。結成20周年イヤーに突入する16年、メジャーデビューレーベルであるEPICレコードジャパンに復帰した。