“俺らライヴバンドなんで、ライヴだけは続けるんで、ジジイになってもやり続けるよ。よろしく頼むぞ!”。会場の温度がヒートアップし続ける中で叫ぶJESEE(Vo&Gu)に、観客は大歓声で呼応する。その熱い信頼関係は、ごまかしが一切通用しない生の舞台を主戦場にして生きてきた“ライヴバンド”だからこそ作り出すことができるものだろう。
そんなステージの幕開けを飾ったのは、新曲「THE SUN」。一体感のある轟音に言葉の弾丸が重なり、優しい感触のハーモニーが広がる中で光が射し...ビートが一気に加速! 圧巻のスケール感が目の前に迫り来るオープニングナンバーから、RIZEの歴史を凝縮したような新旧織り交ぜた楽曲群が続く。あのへヴィなギターリフが鳴り響いたコカコーラのTVCMも記憶に新しい「ZERO」を始めとする、2010年のアルバム『EXPERIENCE』からのナンバーを繰り出したかと思えば、「Japonican」ではレゲエ調のリズムでフロアを揺らし、「heiwa」はまさにタイトル通り、シリアスな空気感を伴って響く音色に綴られたリリックは、“平和”とは何かを聴き手に問うているかのよう。痛快極まりないハイテンションなステージであるとともに、RIZEのライヴはただのエンターテインメントではない。激しさや楽しさの中にも、聴き手の心に深くて重い聴き応えを残す。“この曲を馬場育三に捧げます。みなさんにも捧げるぜ!”とKenKen(Ba&Vo)の叫びとともに披露した、アンコールの「ピンク スパイダー」も感動の一幕。hideも、馬場育三も、このエネルギッシュ極まりない夜に遠い空から拍手を贈ってくれたはずだ。