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LIVE REPORT

lynch.

『MAJOR DEBUT 5TH ANNIVERSARY 「THE RECKLESS MANEUVER」 -完全無料東名阪-』

2016年09月20日
@豊洲PIT

自分たちの魅力をより多くの人に伝えるためにはどうするか。lynch.が辿り着いた結論は、極めてシンプルなものだった。彼らがいかに強力なステージを繰り広げているのかは、ファンならばよく知るところだろう。その温められてきたプランが、メジャーデビュー5周年のタイミングでついに実行に移されることに。それが“無謀な策略”なる意味の言葉が冠された、今回の東名阪での無料ライヴである。

最終日の東京公演は台風の影響による悪天候の中で迎えたものの、3000超のキャパシティーを持つ会場にはかなり多くの人が集結。言い換えれば、その状況は高い期待度の表れに他ならないが、序盤からバンド側もアクティブなパフォーマンスで場内の熱を上昇させていった。

妖艶かつダークな世界観、ハード&ヘヴィなサウンド、アグレッシブなアンサンブル、スタイリッシュなビジュアル。lynch.を構成する要素は多彩だ。それらが融合したパーソナリティーが、彼らの楽曲には息付いている。代表曲とされるお馴染みのものばかりでなく、この日はライヴにおける即効性がより高そうなマテリアルが詰め込まれたアルバム『AVANTGARDE』からも「F.A.K.E.」「UNELMA」「THE OUTRAGE SEXUALITY」を10月から始まる全国ツアー『THE NITES OF AVANTGARDE』に先駆けて披露。ステージでの実演を何よりも重要視してきたバンドゆえの特性が、改めて際立って伝わってきた。

アンコールの際、大観衆を前に葉月(Vo)は“ありがとう。これがlynch.です”と口にした。その時の自信に満ちた表情が全てを物語っている。ただ、その満足感をさらに高めるよう、自らを鼓舞するのもいつもの彼らだ。lynch.の攻勢はまだまだ続く。