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    性根が腐っているので、じゃあどうしてやろうと考えたわけです(笑)。
    性根が腐っているので、じゃあどうしてやろうと考えたわけです(笑)。

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    性根が腐っているので、じゃあどうしてやろうと考えたわけです(笑)。

     2019年6月19日に澤部渡によるソロプロジェクト“スカート”がニューアルバム『トワイライト』をリリースしました。今日のうたコラムでは、そのインタビューを第1弾~第4弾に分けてお届けいたします!第1弾ではスカートの軌跡と音楽性について、第2弾&第3弾ではニューアルバム収録曲について、第4弾では澤部さんの作詞論についてお伺い。本日は、第3弾をご堪能ください! ― アルバムでもっとも暗く響く「花束をかえて」の前に収録されている「それぞれの悪路」も悲しい響きを持っていますが、これはどんなきっかけから生まれたのでしょうか。 これはねぇ…、お話しようか迷ったんですけど、うちの実家で飼っていた猫が死んじゃって。それを歌えないかなと思ったことがきっかけなんです。でも直接的すぎるとあからさまに悲しいだけの歌になっちゃうから、いろいろ考えたんですね。で、実家から「そろそろ猫がダメかも」と連絡をもらって「わかった、今すぐ行きますわ」って高速道路に乗って、実家へ向かったときの気持ちを思い出したんです。 その高速がなんというかねぇ…今まで走ったことがないような道に思えたんですよ。そこでふと浮かんだのが、サン=テグジュペリの『夜間飛行』という小説で。荷物を運ぶ飛行船で働いているひとの話なんですけど、彼らは危険な仕事に携わっているんですよ。いや、これは話すと長くなる(笑)。とにかくその小説になぞらえながら、猫の死をなんとか歌詞にできないかと思って出来上がったのがこの曲なんですよね。 過ぎてゆく時間と 折り合いがつかなくて 頭の中ではオンボロ飛行機が往く 何処へ急ぐ? ああ この窓から 君の街が見えたらいいのに ああ きっと違う道だってあったな 雲の切れ間 見つけたいのに 「それぞれの悪路」 ― お話を聴いてから改めて歌詞を読んでみると、すごく腑に落ちます…。 あと、飛行機で雲の上に行ったとき<雲の切れ間>があれば、そこに山脈とか障害物がないとわかって、下に降りていくことができるんですね。でもそれがないと、ずっと切れ間を探して飛び続けるか、イチかバチか突入していくしかないんです。そのうちに燃料が切れそうになっていく…というイメージで。実は曲も、よく聴くと最後の1音まで演奏しているのってドラムだけなんですよ。最初にギターがいなくなって、次にベースもいなくなって、だんだん飛行機の部品がボロボロ落ちていく状態を表現してみました。 ― 悲しい…。 そうそう、そういうあらゆる部分で悲しみを表した曲なんですよ。これは地味だし、あまり多くのひとに好かれる歌詞ではないと思うんですけど、とっても気に入っていますね。この歌だけは自分で録音もしているんですよ。パーカッション以外の全部の楽器。すごくプライベートなことが源になっている歌だからと思って、最初からこれだけは自分で録ることを決めていましたね。 だから「花束にかえて」も含め、わりとアルバムのB面は暗いです。スカートのアルバムは毎回、前半後半をA面B面として考えて曲順を組んでいるんですよ。B面は「高田馬場で乗り換えて」で少し景気のイイ感じで幕を開け、「ハローと言いたい」「それぞれの悪路」で徐々に落として、「花束にかえて」を最も暗く聞かせて、そして「トワイライト」がエンドロールで、「四月のばらの歌のこと」は後日談みたいな位置づけです。 ― なるほど!最後の「四月のばらの歌のこと」は解釈が難しかったのですが、後日談というイメージだったのですね。 そうなんです。作詞という面だと、この歌が昔の歌詞に近いかな。すごく抽象的ですよね。わりとここ最近は物語っぽく書いているつもりだったので、そこからハミ出た、昔のやり方で1曲書きたいと思って。スタジオの空き時間でスラスラっと書きました。 ― では、アルバムのなかで「書けて良かった」と思うフレーズを教えてください。 もう違う景色か それでも夕暮れは私たちを等しく染めない 「トワイライト」 ここかなぁ。当たり前のことなんだけど、別々の場所にいれば、たとえお互いどんな景色を見ていようが、どんな気持ちでいようが、夕暮れには等しく染められないんだと。かなり良い表現ができたなと思っています。あとは「沈黙」で急に<不安になる>って言い出すのもすごく好きなんですよね。 破れた金網の 隙間から何が見えた? ああ なんて言葉! 不安になる 「沈黙」 ― その前の<ああ なんて言葉!>というフレーズで、主人公はどんな言葉を聞いてしまったんだろうかという想像も膨らみます。 ね(笑)。もしかしたら<口に出せば 消えてしまいそう>な言葉だったのかもしれないし。あと誰かに言われたんじゃなくて、こんなことを言おうとしてしまった自分に対する言葉なのかもしれないし。さらに、スカートの歌詞であまりなかった表現としては「高田馬場で乗り換えて」で“環七”って道路の名前をふいに入れられたのも良かったな。 この歌は“マルコメ”味噌のタイアップで書いた曲なんですけど、ほとんど制約がなかったんです。歌詞に少しでもマルコメの要素があれば何でも大丈夫みたいなことを言われて。自分は性根が腐っているので、じゃあどうしてやろうと考えたわけです(笑)。で、マルコメの本社が高田馬場にあるところに目を付けたんですよ。 いちばん 好きな コートを羽織って いつもの通り 高田馬場で乗り換えれば 馴染みの発車メロディが 背中を押すんだ 「高田馬場で乗り換えて」 ― あ~!だから“高田馬場”なんですね! で、西武新宿線の高田馬場駅の<発車メロディ>はマルコメCMソングの“マルコメマルコメマルコメマルコメ~♪”なんですよ。出来上がったときは「やってやったぞ!」と思いました(笑)。この目線で書くひとはいないだろうなぁって。そして、こんなふうに東京のローカルを歌えるというのも、東京のローカルバンドとしての役目だったんだろうとも思いますし。今回のアルバムではそんな歌も収録できてよかったです。 【第1弾】はコチラ! 【第2弾】はコチラ! 【第4弾】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆Major 2nd Album『トワイライト』 2019年6月19日 初回限定盤 PCCA-04799 ¥3,200+税 通常盤 PCCA-04800 ¥2,600+税 <収録曲> 01.あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?) 02.ずっとつづく 03.君がいるなら(映画『そらのレストラン』主題歌) 04.沈黙 05.遠い春(映画『高崎グラフィティ。』主題歌) 06.高田馬場で乗り換えて 07.ハローと言いたい 08.それぞれの悪路 09.花束にかえて(映画『そらのレストラン』挿入歌) 10.トワイライト 11.四月のばらの歌のこと 【アルバム歌詞一覧】

    2019/06/20

  • スカート
    「こんなにスカートっぽい歌詞がまだ書けるんだ!」って。
    「こんなにスカートっぽい歌詞がまだ書けるんだ!」って。

    スカート

    「こんなにスカートっぽい歌詞がまだ書けるんだ!」って。

     2019年6月19日に澤部渡によるソロプロジェクト“スカート”がニューアルバム『トワイライト』をリリースしました。今日のうたコラムでは、そのインタビューを第1弾~第4弾に分けてお届けいたします!第1弾ではスカートの軌跡と音楽性について、第2弾&第3弾ではニューアルバム収録曲について、第4弾では澤部さんの作詞論についてお伺い。本日は、第2弾をご堪能ください! ― ニューアルバムのタイトル『トワイライト』とは“薄明かり”を意味する言葉なんですよね。 あと“夕暮れ”や“黄昏”の表現で使われることも多いみたいで、今回はそういう意味合いでも使いました。これは収録曲のタイトルにもなっているんですけど、すごく迷ったんですよ。僕は毎回タイトルで苦労するんですけど、「トワイライト」はとくに苦しみましたね。 夕暮れを切り取った内容なので、それにふさわしい言葉を考えて考えたんです。でも日本語にするなら、そのまんま「夕暮れ」とかにせざるを得ないし、それだと直接的すぎるなぁって。そんななかでちょっと自分にとって不思議なワードのひとつだった「トワイライト」という言葉が浮かんで。日常の会話では使わないんだけれども、結構みんな聴いたことがあって、なんとなくほの明るい雰囲気も想像できる。そこが良いなぁと思って、決めましたね。 ― 今作には映画『そらのレストラン』主題歌「君がいるなら」と挿入歌「花束にかえて」も収録されております。映画を観ましたが、どちらの曲も流れるシーンにピッタリ寄り添っていて心地よかったです。 あ~よかった!実は最初「花束にかえて」をエンディング(主題歌)にできないかなと思っていたんですよ。まだ歌詞をつける前だったんですけど、すごい良い曲ができたから。でも3分半ではエンドロールに時間が足りないという話になりまして(笑)。とはいえこの曲はもう完全に3分半で出来上がっている作品だから「新しい曲を書きます」と新たに「君がいるなら」を書いたんです。 何もなくても 君がいるなら 僕はまだ歩いてゆける はじまりなら いつでも傍に 転がるような気がするよ 「君がいるなら」 ― この2曲の歌詞は正反対の性質である気がします。まず「君がいるなら」はこのアルバムでもっとも明るく響き、<君>が絶対的な希望ですよね。 そうそうそう。多分、普段の自分だったら<君がいるなら 僕はまだ歩いてゆける>なんて歌えてないんですよ。ここはもう作品に歌わせてもらったという感じがしましたね。物語に寄ったというか、ここで楽曲が前を向かなくてどうする!って思って。その感覚は結構おもしろかったですね。タイアップだからこその明るい言葉が引き出されました。 防波堤の影に腰おろす二人 せめて波は私の味方でいてよ 「花束にかえて」 ― 一方で「花束にかえて」は<君>が隣にいるのに<せめて波は私の味方でいてよ>と、強い孤独感が伝わってきます。 はい、行く当てのない、感情の拠り所のない二人を俯瞰で描きました。どちらも言いあぐんでいる感じが良いなぁと思います。なんかどちらかというと「君がいるなら」より「花束にかえて」のほうがスカートらしくて、出来上がったときに「こんなにスカートっぽい歌詞がまだ書けるんだ!」ってビックリしたと同時に、大きな手ごたえを感じたんです。逆に「君がいるなら」のほうは完全に『そらのレストラン』があったからこそ生まれた曲ですね。 ちょっと今回のアルバムの場合、この2曲が全体の性質を決める宿命を背負っていた気がします。とくに「花束にかえて」が出来たとき、次のアルバムは全体でこの歌が最も暗く響くような構成の作品にしないといけないなって、直感的に思ったんですよ。そして結果的に、うまくそういう流れを作り出すことができたんじゃないかなと。 ― アルバムの入り口である「あの娘が暮らす街(まであとどれぐらい?)」は、歌詞に<あの娘が暮らす街まであとどれぐらい?>というフレーズがありますが、タイトルではなぜあえて“( )”を使っているのでしょうか。 これは、僕が好きなビーチ・ボーイズの曲に「Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder)」ってタイトルがあるんですけど、昔のロックだと結構そういう括弧書きが多くて。なんかそれ…良いなぁって。主題としては「あの娘が暮らす街」だけでも十分なんですけど、そのあとに(まであとどれくらい?)ってつけたら、急に情緒が出る気がするんですよ。僕は2つ前ぐらいのアルバム収録曲でも同じことをやっていて「想い(はどうだろうか)」っていうタイトルがあるんですよ。それも完全に同じ理由ですね。味をしめました(笑)。 なにかが変わる予感は今はしないけど 間違っててもいい 果てまで行こうよ 「ずっとつづく」 ― 2曲目「ずっとつづく」はここがキラーフレーズですね。 先ほど「自分が思っていることなんて、1曲のうちに1割も入っていない」と言いましたけど、この曲は珍しく僕の感情がわりとない交ぜになっていて、とくにここのフレーズはそうなんですよ。今31歳なんですけど、そういう年齢感がふいに出ましたね。 僕はマンガが大好きで、歌詞を書くときは結構、参考にするために読み返したりするんですね。なぜか少女マンガ中心に。で、あるときにそれをワーッと読み切ったあと「なんで僕はこの世界(マンガの世界)にいなくて、この世界で結婚していないんだろう。これはおかしなことだ!」と思って書いた歌詞なんですよ(笑)。 ― なぜマンガの主人公じゃないのかと(笑)。 多分、現実だったらうまくいかないこともあるし、不安なことしかないんだろうけれども、マンガの世界だったらそういうのを乗り越えて、どんな逆境も二人で手を取り合ってやっていけるのに…!みたいなね(笑)。そんなリアルと理想が入り混じった気持ちで書きました。だからすごくナードな歌詞なんですよね。 ― この<なにかが変わる予感は今はしないけど>というフレーズもそうですが、澤部さんはあまり大きな希望を与えるような言葉をお書きにならないですよね。ザ・応援歌のような。 うん、絶対に嫌です(笑)。なんでなんだろうな。やっぱり無責任って思っちゃうんでしょうね。自分が責任を持てるのは、架空の世界を描くことだけなんだろうな…っていう悲しい事実にまたぶち当たるわけです。となるとやっぱり、スカートの音楽なんて必要なひといるのかな!?とか思っちゃうんですけど(笑)。がんばろ。 ― いやいや、必要なひといます。わたしは「ハローと言いたい」も好きです。 嬉しい!結構ね、自分でもこの歌詞はうまく書けたと思えるんですよ。何か<君>と気さくにやり取りをしたいという気持ちなんだろうけど、それをいろいろ考えてみたところで「ハロー」としか言えないみたいな。そういうもどかしさもあるんだろうなって。この歌における「ハロー」は言葉というより記号ですね。主人公が頭のなかで描く親しさの象徴みたいなね。 いつからか僕ら 口数も減って 歩く速さも変わってしまったのかな 「ハロー」「ハロー」 気休めに問うばかり 「ハローと言いたい」 あと、個人的には<そこから僕を見てて 何か見えなくなりましたか?>というフレーズも気に入っています。パッと書いてみて、言いたいことが言えた感じがしました。まぁこの歌って悪く言うと、関係性を強いているんですけど、そういう<僕>をみてどう思うかということを知りたいんでしょうね。あと“僕はちゃんと変わっていけているのか?”とか。変われていないんじゃないかと思っている自分を誤魔化している部分もあるかもしれない。 ― うまく言語化できない想いを「ハロー」というワードに託しているところといい、言葉にできない部分の余白があるのもこの歌の魅力ですね。 ありがとうございます。本当にどの主人公も、言葉に出来なかった、言葉にしなかったなりの“何か”が必ずあると思います。あと僕は歌詞における余白ってすごく大事だと思っていて。あまり言葉にしすぎず、ある程度は曲に任せたいなという気持ちが大きいですね。 【第1弾】はコチラ! 【第3弾】はコチラ! 【第4弾】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆Major 2nd Album『トワイライト』 2019年6月19日 初回限定盤 PCCA-04799 ¥3,200+税 通常盤 PCCA-04800 ¥2,600+税 <収録曲> 01.あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?) 02.ずっとつづく 03.君がいるなら(映画『そらのレストラン』主題歌) 04.沈黙 05.遠い春(映画『高崎グラフィティ。』主題歌) 06.高田馬場で乗り換えて 07.ハローと言いたい 08.それぞれの悪路 09.花束にかえて(映画『そらのレストラン』挿入歌) 10.トワイライト 11.四月のばらの歌のこと 【アルバム歌詞一覧】

    2019/06/19

  • スカート
    常々、音楽を通して“自分じゃなくなりたい”と思っている。
    常々、音楽を通して“自分じゃなくなりたい”と思っている。

    スカート

    常々、音楽を通して“自分じゃなくなりたい”と思っている。

     2019年6月19日に澤部渡によるソロプロジェクト“スカート”がニューアルバム『トワイライト』をリリースしました。今日のうたコラムでは、そのインタビューを第1弾~第4弾に分けてお届けいたします!第1弾ではスカートの軌跡と音楽性について、第2弾&第3弾ではニューアルバム収録曲について、第4弾では澤部さんの作詞論についてお伺い。まず本日は、第1弾をご堪能ください! ― 澤部さんは2006年からこのプロジェクトを始動させたそうですが、今さらながら、なぜ“スカート”というアーティスト名になさったのでしょうか。 当時は単に思いつきだったんですよ!大学で音楽活動をスタートするにあたって、何かバンド名を考えなきゃなぁと思ったときに、パッと“スカート”って良いんじゃないかなと。でも後付けで考えてみると、子どもの頃からずっと女性的なモノへの憧れが強いということは理由のひとつだったかもしれません。セクシャルな面ではなく純粋に「どうして自分は女性ではなかったんだ?」という気持ちがどこかにあって。その思いの象徴が「スカート」という言葉だったんじゃないかなと。 ― もう高校の頃から宅録はなさっていたんですよね。一番最初にオリジナル曲を作ったのもその頃でしたか? 遊びで作ったものならもう少し前にもありましたけど、今でもちゃんと形として残っているような曲を作り始めたのはその頃からだと思います。歌詞は今よりもっと抽象的でしたね。まぁ今でもそうなんですけど、何を言っているのかよくわからない感じといいますか(笑)。かつ、情景というより、もっと感情寄りでした。あとは単純に言葉の雰囲気だけで綴ったりとか。そういう歌詞が好きなんです。 ― 他のインタビューで「いまだに誰がスカートを聴いているんだろうと思っている」とおっしゃっていたのを拝見したのですが、そもそも作り始めた当初は“こういうひとに聴いてほしい”というような願望ってありましたか? う~ん、難しいなぁ、あったのかなぁ…。僕はどういうつもりで作っていたんだろう。いや、なんか…自分のためだった気がしますね。自分が聴いて、自分が良いと思うものを作っていたと思います。実際に出来上がったものを何度も繰り返し聴いていましたし。 ― ご自身が好きなものとはどのような音楽だったのでしょうか。 ずっと意識していたことがひとつあって。僕の同級生や先輩は、わかりやすくロックやパンクにかぶれて、いわゆる「学校なんてつまんない」とか「大人は敵」とかそういう反発心を歌っていたんですね。でも、それって絶対に10年後に同じ気持ちではないじゃないですか。だから自分は、10年20年経っても、同じ気持ちで歌えるものを作りたいと思ったんです。もちろん最初の頃の歌詞を今読んでみるとちょっと照れくさいところはあるんですけど、でも不自然ではないというか。 ― 先ほど「昔の歌詞は今よりもっと抽象的だった」とおっしゃっていましたが、澤部さんの歌詞は今でも設定や物語をあまり固定しすぎないところが魅力のひとつだと感じました。 はい、しっかりと描き切ってしまうよりは、それぞれの尺度で聴くことができるものにしたいということは未だに思っていますね。性別や結末もボンヤリさせることが多いです。ただ果たしてそんな歌をどれだけのひとが必要としているのか…(笑)。 ― そんなネガティブな…(笑)。 なんか…やっぱりインディーズでやっていた頃と違って、少しずつ聴いてくれるひとが増えてくればくるほど、音楽って“共感”とか“共有”の重要度が大きいんだなって実感するんです。そして悲しい気持ちになるんです(笑)。僕としては、そうじゃないと思っていたんですけどね。大人になるにつれて、あぁみんなそういうものを求めているのか、と。 ― 澤部さんにとっては、音楽ってどのような存在・役割のものなのでしょうか。 音楽を聴くことによって、自分の視点じゃないものが手に入ることが新鮮だと思うんですよね。それがすごく気持ちいいなぁって。マンガとか映画とか文学とかでも同じなはずなんですけど。でもなぜか音楽だけは、聴いているひとに“寄り添う”という役割を強く求められている気がして。その事実を、最近までは自分の中でも掴めていませんでした。でもまぁ、どうしたって僕はその“共感型”の音楽に寄ることはできないので、しょうがないなという気持ちなんですけどね。 ― 歌詞の中で、感情の面だとどこを切り取って描くことが多いですか? そこもまた「哀しみ」とか「怒り」とかわかりやすく一つの感情を描くことって少なくて、あらゆる感情の中間を表現している歌詞が多いと思いますね。昔はよく「曇天の美学」だとかいう話をしていました。晴れてもいないし、雨も降っていないという。そのときそのときの微妙な感情の揺れを、普段みなさんが耳にするような言葉で表現して、ザラつきを持たせられたらいいなと。そういう性質がずっとスカートの音楽にはあると思います。 ― また、歌詞を読んでいて、澤部さんご自身の気持ちを全面に描いている曲って少ないような気がしたのですが。 そうそう、その通りです。とにかく僕は常々、音楽を通して“自分じゃなくなりたい”と思っているので(笑)。だから描くのはあくまで歌の登場人物の気持ちです。自分が思っていることなんて、1曲のうちに1割も入っていないですね。あんまり「自分はこうだ!」みたいなことを書くのも得意じゃなくて。アーティストによっては、そこに今の自分の一瞬を記録するという美しさもあると思うんですけど。僕の場合はそれよりも“長く聴けるものを”という気持ちが強いんですよね。 【第2弾】はコチラ! 【第3弾】はコチラ! 【第4弾】はコチラ! (取材・文 / 井出美緒) ◆Major 2nd Album『トワイライト』 2019年6月19日 初回限定盤 PCCA-04799 ¥3,200+税 通常盤 PCCA-04800 ¥2,600+税 <収録曲> 01.あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?) 02.ずっとつづく 03.君がいるなら(映画『そらのレストラン』主題歌) 04.沈黙 05.遠い春(映画『高崎グラフィティ。』主題歌) 06.高田馬場で乗り換えて 07.ハローと言いたい 08.それぞれの悪路 09.花束にかえて(映画『そらのレストラン』挿入歌) 10.トワイライト 11.四月のばらの歌のこと 【アルバム歌詞一覧】

    2019/06/18

  • イチオシ!
    アーティストにとっての“理想の恋愛像”とはどんなもの!?
    アーティストにとっての“理想の恋愛像”とはどんなもの!?

    イチオシ!

    アーティストにとっての“理想の恋愛像”とはどんなもの!?

    あなたが夢みてた 理想の恋ってなんだったっけ? いい事ばかりじゃない 教科書にも書いてないよ 「恋を諦めかけているあなたへ」/erica  6月17日の誕生花は、スイカズラ。別名を忍冬(ニンドウ)といい、花言葉は【献身的な愛】だそうです。突然ですが、みなさんが夢みている<理想の恋>とはどんなものですか? 与える恋。与えられる恋。リードする恋。ついてゆく恋。イーブンな関係の恋。それぞれ理想が浮かぶでしょう。なかには、まさに【献身的】であることを理想となさっている方もいらっしゃるはず。  さて、今日のうたコラムではそんな“理想の恋愛像”に注目してみました。これまでの歌ネットインタビューをもとに、冒頭で歌詞をピックアップしたericaをはじめ、10名のアーティストの【理想の恋愛とは?】の回答を一挙ご紹介。ときに頷きながら、ときに心のなかで反論を唱えながら(?)、10個の“理想の恋愛像”をご一読ください…! <erica(2019年取材)> 私はですねぇ、理想と現実が違うんですよ。理想は、毎日スキンシップをし合えるような関係。手も繋ぎたいし、一緒に寝たいし、休日もベタベタしたい。だけど実際の経験を振り返ってみると…まず連絡さえくれない(笑)。人前でベタベタしたくないひと、自分のやりたいことを優先しているひと、何故かそういうひとを好きになってしまうんですよ。だから「 あなたへ贈る歌2 」には私の“こうでありたい”という願望も入っています! <黒木渚(2017年取材)> やっぱり理想と現実って違うなぁと思っていまして…。哀しいことに、私はかなりダメ男に引っかかる率が高いんです。年下とかバンドマンとかに「してやられたぁ!」みたいな経験がわりと多くて…。だからこそ憧れるのは、ちょっとおじさんと呼ばれるくらいの年齢で、余裕のある男性とお付き合いをすることですね。本当にただほんわかと思い合いたい。あと、子供みたいに扱われたい(笑)。大体、私がいつも上になってしまうパターンが多かったので、そういう恋愛が理想ですねぇ。 <家入レオ(2018年取材)> もし、刺激だけを求めるのであれば、思い切り好きになって、なんでもしてあげたい!みたいに思えたら良いかなぁ。でもそれってホント続かないんですよね、全然(笑)。それに私は音楽でやりたいことがまだまだたくさんあるし…。って考えると、お互いそれぞれやりたいことがあるというのが理想です。 <MACO(2017年取材)> 理想の恋愛かぁ…。やっぱり「 僕だけのBaby 」にある<僕には君がいないと 君には僕がいないと お互い一瞬でダメになる>みたいな、お互いがいないと絶対に無理くらいの関係が一番の理想ですね。これ以上の人には絶対に出会わないと思えるような関係。すぐ壊れちゃうような軽い恋愛は絶対にイヤですね。だからこそ、信頼し合えていなきゃダメだなぁと思います。 <chay(2016年取材)> 何気ない小さな幸せを共有できる人がいてくれたらいいなぁと思います。すっごいオシャレなデートをするよりは、素朴で他愛もないことで一緒に盛り上がれるような恋愛をしたいですね。 <ハジ→×井上苑子(2017年対談)> Q.色々なラブソングがある中、自分だったらこんな恋愛してみたいな~!って思う歌はありますか? ハジ→:やっぱり苑ちゃんの歌になっちゃうけど「 ふたり 」とか「 大切な君へ 」の学校感!ああいうのを聴くと学生に戻りたくなるよね。僕は男子校だったんですよ。だから高校には女子がいなくて。中学時代も野球一筋だったからまったく恋愛とかしてなかったし。だからそういう意味でも、いいなぁ、こんな恋愛してみたかったなぁ、って思いながら聴いていますね。 苑子:私は「 指輪と合鍵。feat. Ai from RSP 」が羨ましいですね。指輪と合鍵もらいたい!とか思うし。めっちゃもらいたい。合鍵とかもらいたい!もらったことなーい!!! <高橋優(2016年取材)> 僕の理想は…う~ん、話していて面白い人がすごく好きなので、なんか同じ映画を観たあとに、いつまでも話が尽きないような時間とかいいですねぇ。 <片平里菜(2016年取材)> 「 そんなふうに愛することができる? 」という楽曲でも描いているような恋愛かなぁ。男女間の愛情って、すごく“所有”や“独占”の欲が強いし、好きだから近づきたい、触れたい、という感情は当たり前だとは思うんですけど…。でもそれより、お互いを認め合うとか、その人と一緒にいて心穏やかで、自由で自然な自分でいられるとか、そんな関係がもしあるのなら、そういうものを信じたいですね。 <back number・清水依与吏(2016年取材)> そのテーマは長らく考えていなかったですねぇ。20代前半くらいに置いてきてしまっている気がします。昔はもっとスラっと言えたのになぁ。理想のシチュエーションの妄想とかはほとばしるんですよ。でも理想の恋愛って聞かれて、今何も思い浮かばない事態に自分でも驚いています(笑)。まぁ楽しいのが一番だし、出来ればずっとイチャイチャしていたいですけどね!ただ結局はひとつの感情だけじゃ数ヶ月しか一緒にいられないというか、幸せな時期は続かないということを思い知っちゃっているからかなぁ…。 でも、だからこそずっと一緒にいるためには“好き”って気持ちよりむしろ、お互いのダメなところとか喜怒哀楽の相性の方が重要なのかもって思うところはあるかもしれないですね。いい加減なところとか、ワガママなところとか。で、長いこと続いていくなかで、マンネリっぽくなってきて(あぁこのまま終わっちゃうのかなぁ…)って時に“結婚”ってものがあってもいいと思うし…、なんか、語り尽くせないですね。すみません、話がまったくまとまらなくて(笑)。でも、答えが出せないからこそ、まだまだ歌っていけるのかもしれないなぁとも思いますね。 誰かが言うような 理想の恋人とは程遠い 鈍臭い僕なのに 一緒にいて笑っている君をずっと見つめてる 「君の背景」/高橋優  いかがでしたでしょうか。様々な“理想の恋愛像”を知っていただき、みなさんもご自身の理想を浮かべていただいたかと思います。しかし現実では、高橋優「君の背景」に綴られているように<誰かが言うような 理想の恋人とは程遠い>ひとが、生涯の伴侶になることも多々。だからこそ面白いのが恋愛なんですよね…!この記事を読んでいるあなたとどなたかが、ともに幸せになりますように。

    2019/06/17

  • 平井堅
    誰かが君の名を適当に呼んでた、僕が呼んだ方が君に近い気がするよ。
    誰かが君の名を適当に呼んでた、僕が呼んだ方が君に近い気がするよ。

    平井堅

    誰かが君の名を適当に呼んでた、僕が呼んだ方が君に近い気がするよ。

     2019年5月29日に“平井堅”が配信シングル「いてもたっても」をリリースしました。この曲は、映画『町田くんの世界』主題歌。平井堅が脚本を読み、主人公・町田くんの見ている世界に音をつけられたらという気持ちで書き下ろした楽曲です。そんな主人公・町田くんは、運動も勉強もできないけれど、たったひとつの才能を持っております。  その才能とは【すべてのひとを分け隔てなく愛する】こと。しかし【ひとが大好き】な優しさ溢れる彼が、あるきっかけで【ひとが大嫌い】な女の子に出会ったことにより、初めて【わからない感情】と向き合うことに…。そして、恋を知り、自分自身を知り、彼はまわりのすべてのひとを巻き込みながら、驚天動地の物語を動かしてゆくのです。 いつもはストンと眠りに落ちるのに 心臓のコトバが気になって眠れない 君も知らないね君の耳たぶが 時々ほら僕に笑いかけて困ります 誰かが君の名を適当に呼んでた 僕が呼んだ方が君に近い気がするよ 僕もまだ知らないこの揺れる気持ちが 時々ほら僕を追い越して困ります 「いてもたっても」/平井堅  そんな町田くんや、初めての恋に落ちたすべての方の想いを描くのが、平井堅「いてもたっても」です。実はこの曲、歌詞のなかに一度も【好き】というワードは綴られておりません。なぜなら<僕>はおそらく、胸の内にある“何か”が【好き】という感情だということも<まだ知らない>から。でも“初恋”ゆえの変化は次々と実感せざるを得ないのです。    まず<君>がいるときもいないときも<君>への【好き】は、四六時中<僕>の日常のそばにあるようです。ひとりで眠るときも、その<耳たぶ>を見つめているときも、どこかで<誰かが君の名を>呼ぶ光景を目にしたときも、もう<僕>は当たり前のようにいつも<君>が【好き】なのでしょう。つまり<僕>の日常は<君>まみれ状態。  すると<僕>自身にも【好き】の副作用が表れます。これまでの“感性”がグッと広がり、大きく変容したのです。だから<心臓のコトバが気になって眠れな>かったり、<君の耳たぶ>が時々<僕に笑いかけて>いるように感じたり、さらには<君の名>の呼び方にさえ敏感になり、初めて“嫉妬”という感情の芽が揺れたり。新しい<僕>の心の扉が何枚も何枚も開いている様子が伝わってきますね。 いつももっとここに あともうちょっとここに いて欲しくてコトバを 探す 探す 探す 「いてもたっても」/平井堅  いつも相手が気になる、目で追ってしまう、妄想が広がる、嫉妬が芽生える、もっとここにいて欲しいと想う。それらの症状を起こす原因は、紛れもなく【好き】という感情です。だけど<僕>にはまだその原因がわかりません。それでもとにかく<君>のそばにいたい。それゆえに、うまく声にならない<心臓のコトバ>をなんとか“翻訳”して伝えようとしているのが、この歌の<僕>なのではないでしょうか。 君が「またね」と言うたびに 君が「ごめん」と言うたびに だっていてもたってもいられずに なんでか泣きそうになる 君が瞬きするたびに 君がくしゃみをするたびに ただ聞き流してた恋の歌 なんでか口ずさむ 誰も教えてくれないし 本当は誰も知らないし だっていてもたってもいられない 今だけ下さい 会えば会うほど足りなくなっていく 会えば会うほどわからなくなっていく もうこれは僕じゃない 「いてもたっても」/平井堅  そして“翻訳”した<心臓のコトバ>が溢れ出すのがサビフレーズ。なんで<泣きそうになる>のか。なんで<ただ聞き流してた恋の歌>を<口ずさむ>のか。それは【好き】だから。そう多くの方がわかるでしょう。でも恋をするとどうしてそんな状態になってしまうのか、そんなときはどうしたらいいのか、そもそもなぜ恋をするのか、それは<本当は誰も知らない>のかもしれません。    誰しも当たり前に恋をしているように思えますが、実は<もうこれは僕じゃない>と大きな“変化”を何度も繰り返しながら、常に新しい自分を作り上げているのでしょう。恋とは。好きとは。改めてそんなことを考えさせてくれる、平井堅「いてもたっても」を是非、あなたの恋心も重ねながらご堪能ください…! ◆紹介曲「 いてもたっても 」 2019年5月29日配信 作詞:平井堅 作曲:平井堅

    2019/06/14

  • 椎名林檎
    ねえせめて愛されてみたかった。ひと度でも。
    ねえせめて愛されてみたかった。ひと度でも。

    椎名林檎

    ねえせめて愛されてみたかった。ひと度でも。

     2019年5月27日に“椎名林檎”がデビュー20周年のラストを飾る、5年ぶりオリジナルアルバム『三毒史』をリリースしました。今作には、番組やCMのテーマ曲を含む全13曲が収録。テーマは、人間の内面に巣食う三つの煩悩【貪(貪り)・瞋(怒り)・癡(愚かさ)】です。今日のうたコラムでは、そんな【三毒】溢れる新曲「TOKYO」をご紹介いたします。 同じ夢で目覚めた。なぜ今また昔の男など現れる。 眉や目でさえ憶えていない相手じゃ遥か朧の月。 曖昧模糊。そんな顔を見て過ごしていた、妙な場面。 夢は十中八九晴れ模様清々しく。精々願望を映し出しているようで、 莫迦に幸せそうに燥いでいたっけ。 ああしんどいわ。頭のみ冴えている。 どことも誰とも繋がらないこの命。ああ重いわ。 持て余した自我。急いで夢の途中に戻して。起きていたくない。 「TOKYO」/椎名林檎  夢からの目覚めで幕を開ける歌。ここから徐々に主人公の【三毒】が明らかになってゆくのです。まず“<同じ夢>を見る”という現象には、心の奥に抱えている想いや叶えられない願いが反映されていることが多いんだとか。つまり強烈な【貪(貪り)】の表れ。そして、その“求めているもの”は、今さら夢に現れる<昔の男>が象徴しております。  夢占いにおいて、必ずしも“昔の恋人が夢に出てくること=相手への未練”ではありません。この主人公にとっても<昔の男>は<眉や目でさえ憶えていない相手>であり<曖昧模糊>であることから、彼に特別な感情を抱いているわけではなさそう。そうではなく“昔の恋人が夢に出てくること=恋愛の象徴・理想”である場合があるのです。  だからこそ<夢は十中八九晴れ模様清々しく><莫迦に幸せそうに燥いでいた>主人公。そんな恋愛を強く求め続けてきた証でしょう。しかし、現実にあるのは<どことも誰とも繋がらないこの命>と<持て余した自我>のみ。もはや夢でもいいから幸せでいたい。起きていたくない…。<同じ夢で目覚め>るたびに、手に入らぬものを思い知り、現状を拒絶する姿から、いっそう【貪(貪り)】が際立ちます。 微熱を帯びた瞼が居直ると、現の世界は荒れ模様忌々しく。 傘も携え用意周到だった。だのに濡れている自分。不幸なんだって。 まあしんどいよ。しとどに泣く足。どこへも誰へも続いていないこの道。 まあ酷いよ。踏み外した過去。行けども帰れども責められて 失せてしまいたい。そう当座凌ぎに必死の人生。 悲しくてもう耐えられない。ねえせめて愛されてみたかった。ひと度でも。 「TOKYO」/椎名林檎  さらに【瞋(怒り)】と【癡(愚かさ)】も色濃く描かれてゆきます。怒りの矛先は<現の世界>です。<傘も携え用意周到だった>のは、自分を護るため。いつか隣を歩く誰かを護るため。平凡に幸せに進んでゆくため。でも、そのどれも叶っておりません。日々を一緒に行く人も、たどり着くべき場所もない。傘なんて意味がないほど荒れた自分の人生の<不幸>を痛感する。そして「どうして?」という怒りが湧いてくるのです。  また【癡(愚かさ)】のひとつは<踏み外した過去>にあるのでしょう。それはきっとどんなに月日が立っても逃げられないような、逃げても逃げても誰かに見つかって指をさされるような出来事。主人公はその【癡(愚かさ)】を<責められ>るたび必死に<当座凌ぎ>をして、いつだって「もう許してください」という気持ちだったのではないでしょうか。神様や世間に。  だけど「どうして?」と「許して」の人生は<悲しくてもう耐えられない>という限界まで今、来ているのです。溢れ出す<ねえせめて愛されてみたかった。ひと度でも。>という【貪(貪り)】の声。ひと度でも、ということは、夢に現れた<昔の男>とのかつての恋愛でも“愛されていた”とは感じられなかったということでしょう。すがる“愛された思い出”さえ見当たらない、深い深い孤独が伝わってきますね。 どんな最期を迎えて死ぬんだろう。変わらず誰にも甘えず、 ずっとひとりなら長いわ。高が知れた未来。 短く切上げて消え去りたい。飲み込んで東京。 「TOKYO」/椎名林檎  こうして幕を閉じてゆく歌。ここでさらなる【癡(愚かさ)】が綴られている気がします。希望を放棄し<高が知れた未来>と自分を見限ってしまう愚かさです。人生を放棄し<短く切上げて消え去りたい>と願ってしまう愚かさです。しかし、この主人公のように【三毒】にジワジワと侵されて“東京に飲み込まれてゆく”人間は、少なくないのでしょう…。 有難う 果てしのないこの世に宙ぶらりん 醜いも甘いも全部知り尽くしたい 愛そう愛し愛されて食べて飲んで きもちいいおいしい頓知 生きていりゃもう御の字 「ジユーダム」/椎名林檎  尚、そんな「TOKYO」と相反するアルバム収録曲が「ジユーダム」です。どうか「TOKYO」の主人公が、ドン底の今をもう少しだけ踏ん張って<食べて飲んで>生きてゆけますように。そして、いつかは<生きていりゃもう御の字>と思える日がやってきますように。 ◆紹介曲「 TOKYO 」 作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎 ◆紹介曲「 ジユーダム 」 作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎 ◆ニューアルバム『三毒史』 2019年5月27日発売 初回限定生産盤 UPCH-29327  ¥3,600(税抜) 通常盤 UPCH-20513 ¥3,000(税抜)

    2019/06/13

  • Superfly
    格好いい私になれ。
    格好いい私になれ。

    Superfly

    格好いい私になれ。

     2019年6月12日に“Superfly”がニューシングル『Ambitious』をリリースしました。タイトル曲は歌詞先行公開中【注目度ランキング】の首位も記録。現在放送中の吉高由里子主演ドラマ『わたし、定時で帰ります。』主題歌として書き下ろされた楽曲です。ドラマに登場するのは、それぞれ悩みを抱え、もがきながら毎日を過ごし、懸命に働く人々。 すれ違う スーツの群れは夜よりダーク 白い靴 踏まれそうになる駅のホーム うつむいて 画面のリンク スケートしながら あの人の悪い噂を拡散中 「Ambitious」/Superfly  そんな登場人物や、今を生きるすべてのひとへの希望を歌うのが、この歌です。タイトルの「Ambitious」とは【野心を持って・大きな望みを持って】という意味の言葉。若い頃や新しく物事を始めようとするとき、わたしたちはみんな「Ambitious」の精神を胸に、まだ誰にも何にも汚されていない<白い靴>で歩みはじめるのではないでしょうか。  しかしその<白い靴>が、永遠に真っ白なままであるのは難しいこと。それは<夜よりダーク>なものに<踏まれそう>になったり、ぶつかったり、流されたり、ときには潰されてしまったりするから。ここはドラマの内容とリンクし“<夜よりダーク>なもの=<スーツの群れ>”であり、仕事のブラックな面に侵されている人々をイメージさせます。  また、本当は様々な心の疼きがあるはずなのに<スーツの群れ>の一員となると、没個性的。やがて当人も気づかないまま、誰かの“<白い靴>=純真な想い”を踏みそうになっている現状も伝わってきますね。そして、誰しも自分の心を保つため、間違った方法で現実逃避する可能性があるのです。たとえばSNSで<あの人の悪い噂を拡散>したり。無自覚のうちに没個性に陥り、同時に誰かの個性や気持ちにも鈍くなってしまっているがゆえでしょう。 ねぇ、今宵も夜空に月が綺麗ですよ? 見上げてごらん Cry Cry Cry オー ノー ノー 「Ambitious」/Superfly  でも、だからこそSuperflyは<うつむいて>いる人々に呼びかけるのです。「月が綺麗ですね」という言葉が「I LOVE YOU(愛しています)」を意味することは有名ですが、するとこの歌の<今宵も夜空に月が綺麗ですよ?>とは“愛を忘れていませんか?”というメッセージを伝えようとしているように思えます。その声が届き、スマホから目を離し、ふと空を見上げたとき<Cry Cry Cry>…やっと心が涙になって溢れ出すのです。 今はきらい oh yeah でも私は生きている 簡単に手に入るほど未来は楽じゃない 心配ない oh yeah 明日も起きようね 憧れを手放さないでね 格好いい大人たち 「Ambitious」/Superfly 夢はきらい oh yeah ほら、急かさないでちょうだい 憧れを手放さないでね 大変ね 大人たち ひらひら 星は流れる ゆっくり歩いてゆけばいい この手になんにもなくたって 「Ambitious」/Superfly  今はきらい。夢はきらい。それが、ほんの少し<白い靴>に傷や汚れがついた現在の<私>の本音なのでしょう。さらに<スーツの群れ>のうちの誰かもまた、同じ想いを抱いているのかもしれません。だけど傷や汚れは必ずしも悪いことではありません。痛みや汚れを知って得るものもある。そしてまた歩んでゆけるように心を手入れすれば良いのです。何度でも<生きている>限り。  心配ない。明日も起きよう。憧れを手放さないで。ゆっくり歩いてゆけばいい。この手になんにもなくたって大丈夫。そんなひとつひとつの言葉が心を洗い流している気がします。自身を鼓舞し、自信を取り戻している気がします。そうやって流れる星を<ひらひら>と感じられるようなしなやかな心が、息づいてゆくのではないでしょうか。 今はきらい oh yeah でも私は生きていく 生み出したい oh yeah この小さな体から 夢が見たい oh yeah 明日に行かなくちゃ 憧れは手放さないまま 格好いい私になれ 「Ambitious」/Superfly  歌の終盤。さらに“希望”や前向きな“意志”を含んだ言葉が放たれておりますね。<私は生きている>が<私は生きていく>になり。手に入れたり、手放したりではなく<生み出したい>と想いが生まれ。<夢はきらい>が<夢が見たい>に変わり。そして“大変な大人たち”をどこか俯瞰で見ていた主人公が<格好いい私になれ>と“自分事”で捉えるようになっているのです。  大人になって、夢や憧れを手放してしまっているかもしれないあなた。きっと新しいチャンスはどこにでもあります。いくつになっても<格好いい私>になることはできます。そのために頑張る力を与えてくれる、Superfly「Ambitious」がその心に届きますように…! ◆紹介曲「 Ambitious 」 作詞:越智志帆・jam 作曲:越智志帆 ◆25th Single『Ambitious』 2019年6月12日発売 通常盤 WPCL-13049 ¥1200(税抜) 初回限定盤DVD WPZL-31609~10 ¥2300(税抜) 初回限定盤Blu-ray WPZL-31611/2 ¥2800(税抜) <収録曲> 1.Ambitious 2.覚醒 3.氷に閉じこめて

    2019/06/12

  • イチオシ!
    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は後編!
    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は後編!

    イチオシ!

    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は後編!

    大事なことには出会い続ける。 たぶん、四十になっても、五十になっても、 出会うんだろう。だけど、 若い頃に出会った大事が人生を決めてしまう。 幼い胸に刻まれた大事に従って、 ひとは生きていくんだと思う。 (宮下奈都『つぼみ』より引用)  こちらは作家・宮下奈都さんの小説『つぼみ』に綴られていた一節です。ひとの性格は二十歳を過ぎるとほとんど変わらなくなるとはよく聞きますが、それは二十歳以前の『幼い胸に刻まれた大事に従って』生きてゆくからなのでしょう。そして音楽もまた、それぞれのアーティストの『若い頃に出会った大事』が大きな“核”になるのだと思います。    そこで今日のうたコラムでは、これまでの歌ネットインタビューをもとに、様々なアーティストの“子ども時代”についての回答を一挙ご紹介いたします!本日の【後編】では、ビッケブランカ、吉澤嘉代子、大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)、井上苑子、MACO、片平里菜、海蔵亮太、大原櫻子の言葉をピックアップ。じっくりとご堪能ください…! <ビッケブランカ(2018年取材)> 僕は小学校の頃が人生で一番楽しかったと思っていて、そこがピーク。仲良しのみんなで、何の責任もなく、本当にこう…シンプルに人間関係を楽しめていたときですよね。それは恋愛も同じで、僕が小学校の頃、好きだったヤスヨちゃん…。でもヤスヨちゃんはこないだ消防士と結婚したので、僕の初恋は終わりました…。 恋愛でも僕はその時代を一番美しいと思っているところがあって。僕はあのヤスヨちゃんへの「好き」こそ、本当の「好き」だと思ってしまっているわけです。大人になると、もちろん体の関係もあれば…ね? お金もかかってきて。結婚とかはもっと先の話になるとしても、いろんな要素が混ざってくるじゃないですか。 <吉澤嘉代子(2014年取材)> 妄想が激しくて、かなりエキセントリックな子供だったと思います(笑)。おじいちゃんから聞いた話なんですけど、私は近所の公園にいた鯉を自分のペットだと思っていたみたいで、鯉に手紙を書いたこともあったみたいなんですよ。妄想と現実がいつもごっちゃになっている感じでしたね。幼稚園の頃には「せっちゃん」という男の子が夢に出てきて。 (夢で)せっちゃんと私は居酒屋で働いていて、まわりに内緒で付き合っていたんです。それで起きてからもせっちゃんが本当に居ると思い込んでしまっていて、お母さんに「私の彼氏を紹介するわ」って言って、せっちゃんは居ないのにお母さんにずっと紹介していたんです。そしたら、お母さんが泣いてしまって…。せっちゃんの顔がハッキリと思い出せなかったので、その後も、男の子を見つけると「本当はせっちゃんなんだよね?」って話しかけたり、かなり痛い子どもだったと思います(笑)。 <Mrs. GREEN APPLE 大森元貴(2017年取材)> 兄貴がいるんですけど、僕は三兄弟の末っ子で、真ん中と7才差、一番上とは14才も年が離れているんですよ。だから幼い頃は、兄貴が家や車で流している音楽を自然に聴いていましたね。とくにモンパチ(MONGOL800)さんは大好きで、僕が音楽を始めるきっかけにもなりました。あとお父さんも高校の頃、ドラムをちょっとやっていたりもしたし。特別に音楽一家というわけじゃないんですけど、そういうところからいろんな曲に触れる機会が多かったんです。 <井上苑子(2016年取材)> お母さんが専門学校のボイストレーナーで、小さい頃から私もそのスクールに通うことになったんです。ちょうど子ども教室の生徒数が足りなかったらしく、連れられていって。そしたらオーディションがあり、入賞したら授業料が免除ということで、お母さんに「免除になったら通っていいよ」って言われました(笑)。そこで大塚愛さんの「PEACH」を歌い、みごと入賞することができてスクールに通うようになり、すぐ路上ライブを始めましたね。路上ライブを始めたからには、もうこれしかないんだろうなぁというか、私は歌で生きていくんだろうなぁと思いました。 <MACO(2014年取材)> 小さい頃は、両親がフォークや洋楽をよく聴いていたので、小さいながらに真似して歌っていて、中学・高校生になった時には、学際に出て歌うぐらい、歌うことが大好きになっていました。洋楽をちゃんと聴くようになったのは、中学生の時で、ブリトニー・スピアーズ、ビヨンセ、アヴリル・ラヴィーンが来日したのがきっかけです。 <片平里菜(2014年取材)> 本当に人見知りで内向的な性格でした。独りで絵を書いたり、段ボールで何か作ったり、物語を書いたり…。そういうのは昔から好きでしたね。中学3年の頃から「音楽でプロを目指す」と決めていたので、私の中で学校は正直どうでもよくて、高校の3年間はバンド活動をしながら、歌の練習をしたり、オーディションを受けたりしていました。 <海蔵亮太(2019年取材)> 幼稚園の頃から、毎週水曜日、キャッツというカラオケ屋さんで歌っていました。僕は上に兄と姉がいるんですけど、毎週リリースされるいろんなアーティストの新曲を、僕に歌わせようと二人して持ってくるので、それを覚えなきゃいけないという任務がありまして(笑)。食わず嫌いなしで何でも。 たとえばかつて放送されていた音楽番組『THE夜もヒッパレ』で発表されるランキングの上位5曲ぐらいは、毎週何かしら覚えて歌っていましたね。ぶっちゃけ、小学校の頃なんて、学校の課題もあるのに新しい歌も次々と本気で歌えるようにしなきゃいけないという状態で、もはやカラオケという課題に追われている感じでした(笑)。多分、今以上に忙しかったと思います。 <大原櫻子(2015年取材)> (小さい頃)歌手になろうと思ったことはなかったんですよ!ずっと女優になりたくて。でも歌は大好きで、子どもの頃から英語の曲だったり演歌だったりいろんなジャンルの曲を聴いていました。一番最初に買ったCDが、ミュージカル「アニー」のものだったと思います。まず、アメリカの映画の方を観て衝撃を受けて、それからミュージカルのCDも買いました。「アニー」は女優を目指そうと思ったきっかけの作品でもあるんですけど、「ハイド・アンド・シーク」っていう、ロバート・デ・ニーロさんとダコタ・ ファニングさんの出演している映画がありまして、その映画もお芝居を始める大きなきっかけになった作品です。  いかがでしたでしょうか。子どもの頃に夢中だったもの。とりまいていた環境。習慣。幼いながらに抱いていた価値観。様々なものがそのひとの人生の年輪の“中心”となっていることがわかるのではないでしょうか。みなさんの『若い頃に出会った大事』といえば、どんなものですか? それは“今”にどのように繋がっていますか? 【前編】はコチラ!

    2019/06/11

  • イチオシ!
    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は前編!
    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は前編!

    イチオシ!

    あのアーティストの“子ども時代”とは…?本日は前編!

    大事なことには出会い続ける。 たぶん、四十になっても、五十になっても、 出会うんだろう。だけど、 若い頃に出会った大事が人生を決めてしまう。 幼い胸に刻まれた大事に従って、 ひとは生きていくんだと思う。 (宮下奈都『つぼみ』より引用)  こちらは作家・宮下奈都さんの小説『つぼみ』に綴られていた一節です。ひとの性格は二十歳を過ぎるとほとんど変わらなくなるとはよく聞きますが、それは二十歳以前の『幼い胸に刻まれた大事に従って』生きてゆくからなのでしょう。そして音楽もまた、それぞれのアーティストの『若い頃に出会った大事』が大きな“核”になるのだと思います。    そこで今日のうたコラムでは、これまでの歌ネットインタビューをもとに、様々なアーティストの“子ども時代”についての回答を一挙ご紹介いたします!本日の【前編】では、田邊駿一(BLUE ENCOUNT)、見田村千晴、米津玄師、奥華子、尾崎世界観(クリープハイプ)、erica、Rihwaの言葉をピックアップ。じっくりとご堪能ください…! <BLUE ENCOUNT 田邊駿一(2019年取材)> 小学生の頃からカラオケがめちゃくちゃ好きで。家族も歌が好きなので、よく連れて行ってもらったんですね。中学生になってからは、お小遣いを貰うようになり、毎週土日は友達とカラオケに行っていました。音楽というより、ただただ歌うことが大好きだったんです。あと、あの校区で一番歌が上手かったという自信もあって(笑)。結構、人気者だったんですよ!みんな「田邊とカラオケ行きたい!」って誘ってくれるし、音楽の時間も僕の取り合いだったりして。あの頃、ハモネプが流行っていたこともあり、合唱コンクールの取り組みもまるでスポコンでしたね。歌に関する良い思い出は、すべて中学のときに詰まっている気がします。 <見田村千晴(2013年取材)> 小さい頃から親にクラシックをやらされていて、練習が嫌いでクラシック自体も好きになれなかったんです。でも、歌うことは大好きで、流行りのJ-POPをよく歌っていました。なかでも、一番影響を受けたのが、矢井田瞳さんです。すごく楽しそうで自由に大きく歌っている感じが好きで、歌詞も人柄というか、不器用な感じに惹かれました。 <米津玄師(2015年取材)> ずっと絵ばかり描いている子どもでした。ドラえもんとか「少年ジャンプ」のナルトとかワンピースが大好きで、マンガ家に憧れていましたね。絵は、幼稚園くらいのときから自然に描いていたんですけど、母親が教員免許を持っていてイラストを描くのも上手かったので、そういう血なのかなと思います。 一番最初に影響を受けたのは、小学5年生のときに流行った「FLASHアニメーション」で、なんかしょうもないイラスト映像に音楽が乗っている動画がたくさん投稿されていたんですよね。それまではあんまり音楽を聴かない子どもだったんですけど、アニメは好きだったので、そこのアニメーションを通じて音楽にも興味を持つようになっていきました。 <奥華子(2019年取材)> まだ幼稚園に行く前くらいの話になってしまうんですけど、父親が童謡大好きでいつも歌っていましたね。私はそれにピアノで適当に伴奏をつけたり、一緒に歌ったりしていたんですよ。だから実は自分のルーツも童謡で。短い言葉で深い意味を伝える。そして、聴いたらすぐに歌える。覚えやすい。そういうところは、歌詞を書く面でも大切にしてきたところだと思います。 <クリープハイプ 尾崎世界観(2015年取材)> 他の教科は全く出来なかったけど、国語だけは得意でした。まず文を読むのがすごく好きで、授業は聞いていなくてもいろんな教科書の文章を読んでいましたね。駅に置いてあるフリーペーパーを取ってきて読んだりもしますし。文字を読んでいると落ち着くんですよね。ウトウトしているときに周りで人が話しているのも子守唄のようで心が安らぐんですけど、それに近い感覚です。 あと、子どもの頃から家で“かぐや姫”というグループの曲が当たり前に流れていたので、音楽ってこういうものなんだろうなぁとなんとなく思っていました。それから自分でもCDを買ったりして、改めて聴いてみたときにすごくいいなぁと思いました。自分の個人的な気持ちを語りかけるように表現するというところでも影響を受けていますね。 <erica(2019年取材)> 私は、両親が仕事で忙しくてほとんど家にいなかったので、おじいちゃんとおばあちゃんに育ててもらっていたんですね。学校の送り迎えとか、お弁当とか。そして、車のなかではいつも演歌が流れていました。その世界観には大きく影響を受けていると思います。だからルーツは天道よしみさんとか美空ひばりさんの曲なんですよ。自分がわかりやすいシンプルな言葉をチョイスするというのも、きっと演歌に通じている気がしますね。 <Rihwa(2015年取材)> もしタイムマシンがあったら戻りたいと思うのは、幼稚園、小学生の頃で、常に(歌詞を書くとき)その頃の自分に問いかけている感じはありますね。あの頃は、自分のお城でいつもワクワクしながら遊んでいて、人生のなかで一番クリエイティブだった時期なんですよ。だから“その時の自分だったら何するだろう?”って問いかけたり、逆に今の自分があの頃の自分に言ってあげたいことなんかを歌詞に落とし込んでいくことが最近は多くて、そうすると良いものが出来ている感じがしますね。どんなにイライラしていても、あの頃の自分に何か言うって考えると、姿勢を正さなければっていう気持ちになる。小さな頃の自分にいつも支えられています。 【後編に続く!】

    2019/06/10

  • 海蔵亮太
    自分が知らなかった自分に出会える旅をしている感覚。
    自分が知らなかった自分に出会える旅をしている感覚。

    海蔵亮太

    自分が知らなかった自分に出会える旅をしている感覚。

     2019年6月5日に“海蔵亮太”がニューシングル「愛のカタチ」をリリースしました。彼は、カラオケ世界大会(KWC)で2年連続世界チャンピオンに輝き、数々の地上波カラオケ番組でも賞を総なめにしてきたヴォーカリストです。今回のうたコラムでは、そんな海蔵亮太にインタビューを敢行!第1弾~第3弾に分けてお届けいたします。    第1弾では、歌が好きになったきっかけやカラオケ世界大会についてのお話。第2弾では、ニューシングルタイトル曲「愛のカタチ」についてのお話。第3弾では、今作カップリングのオリジナルソングや今後の活動・目標についてのお話をお伺いいたしました。何より“楽しむこと・楽しんでもらうこと”を大切にする彼の言葉をご熟読ください!本日はラスト・第3弾! ― 今回のニューシングルには【プレミアム盤】と【スペシャル盤】がありまして、それぞれ2曲ずつ、計4曲の“オリジナルソング”が入っています。4曲ともまったくテイストが違いますね。 デビューしてからこの1年間で本当にいろんなところでリリースイベントをさせていただきまして。それはすごくありがたいことです。ありがたいことなんですけど…そのなかでこう…自分の心に一瞬だけ「あ、この路線で歌い続けていったら、安定ではあるな。楽だな」という気持ちが芽生えてしまった時期があって。でもそれだと2年目、3年目、4年目となってきたときに、自分も応援してくださっている方々も飽きてきちゃうんじゃないかなって感じたんです。それはダメだと思って。だから2019年はいろんなことに挑戦しようという意思を、カップリングで表明してみました。 Just one more time We're meant to be together もう一度 巻き戻せるなら Just one more time 誰かのものになる前の 君に逢いたい だって僕は Just a friend 「Just a friend」/海蔵亮太 ― とくに「Just a friend」なんて「愛のカタチ」からガラッと雰囲気が変わりますもんね。聴いていて「こっちのほうもしっくりくる!」と驚きました。 ですよね!僕は最初にお話したとおり、実は最初に好きになったアーティストがEGO-WRAPPIN'だったりするので、R&Bの音楽も好きで、意外とそういう曲もすんなり歌えたりするんです。だから多分これから、編曲会議をするときにいろんな大人のひとたちが次はどんな路線で行くか迷うんじゃないかなって気がします(笑)。 ― このカップリングの4曲はどのように収録が決まったのですか? まず「Just a friend」は、僕が歌いたい曲のテイストを、いつもすごく良くしてくださっている作曲家の方にお伝えして、何回も話を練って作りましたね。で「イッショケンメイ」を作ってくれたのは、redkinokoという韓国人制作集団なんです。なんかJ-POPっぽくない音の作り方で、とても新鮮だったのでこれは絶対に歌いたいと思って収録させていただきました。 イッショケンメイ イッショケンメイ イッショケンメイ 泣いて笑うのさ 今日の痛み迷い悩み 追い風にして イッショケンメイ 「イッショケンメイ」/海蔵亮太 時間を戻せても 僕はきっとわからない 壊れない幸せの上手な 作り方 失くした時でなきゃ 見えてこないってことかな 流れ去る僕らの景色は ストライプ 「Stripes」/海蔵亮太 あと「Stripes」は、デビューしたときに小倉良さんという松田聖子さんとかのギターをやっていた方が「こういう曲が似合うんじゃないか」ってデモを作ってくれて。それがとても素敵なメロディーだったので「ぜひ、歌いたいです」という感じで制作が進んでいきました。そして「コーヒーカップ」は、いろんな曲を聴いていくなかで「このメロディーのフレーズ良いな!」と思ったところから、広げていった感じです。これはもう“ザ・J-POP”っぽく歌いたくて。 向かい合わせに置いた コーヒーカップのなかから 静かに湯気が揺れている なにもない穏やかな午後 暮らし始めた頃に お揃いなんて照れるねと 笑いながらも真剣に 何軒も探したね 「コーヒーカップ」/海蔵亮太 ― 歌詞もそうですね。亮太さんがお好きな槇原敬之さんっぽさも感じました。 そうそう!この歌詞は最初ちょっと、昭和のラブソングチックだったんですよ。でもそれだとストレートに愛を伝えすぎていて、令和の新時代には合わないかもしれないなって。それで「この感じはやめませんか?」とお伝えして「たとえば、テーマとしてコーヒーカップがあって、そこから回想シーンや物語が広がっていくような歌詞とかどうですかね?」とご提案したら、本当にそうなりましたね。 ― もうご自身でも歌詞を書けそうな気がします。 いや、書けません(笑)。僕はちょっと提案しただけなので、そこからここまでの世界観を作り上げるなんて普通できませんよ!ただ、個人的に日記みたいなものは書いてはいます。だけど大体、僕は病んでいるんですよねぇ。無印で買ったノートに「なんであのときあんなこと言われたんだろう、悲しかったな」とかブワーッと書いているんです。逆に「あれ嬉しかったな」と書き始めても「でももしかしたら実は…」って疑心暗鬼な文章になっちゃって。なので歌詞を書くようになったら、病みソングばかりになるかもしれません(笑)。 まぁでも今は、シンガーとしてちゃんとやっていきたいというのが一番かな。器用な人間ではないので、いろんなものをつまみ食いするというのは難しいんですよね。だからまずは与えていただいた曲を自分なりに解釈して、表現できる人間になりたいと思っています。それが自分で十分に納得できるレベルに達したら、作詞や作曲やセルフプロデュースといった、いろんなことに挑戦していきたいですね。まだ僕は余白だらけの人間なので、自分が知らなかった自分に出会える旅をしている感覚で。自分でもまだまだ楽しみですね。 ― 今、シンガーとして挑戦してみたいなと思っていることはありますか? タッグを組んでみたいですね!異性じゃなくて、同性と。あとまったく違うジャンルのひととか。今、僕はポップスを歌っていますけど、たとえばHIP-HOPをやっているひとと一緒に音楽を作れたら面白そうだなとか思います。音楽以外の面でもいろんな才能を持った方々がいらっしゃるので、何か共に取り組めたらと思います。 ― ありがとうございました!最後に、亮太さんのこれからの目標を教えてください。 僕自身はあまり、将来の自分をイメージするタイプではなくて。なんかお金とか、賞とか、会場の大きさとか、チャートの順位とか、あんまりこだわりがないんです。結果としてついてくれば嬉しいですけど、それはメインではなくて、やっぱりより“楽しく”音楽を続けていくことが変わらない目標かな。あと逆にみなさんに目標を与えてほしいです(笑)。ポンポン要望を投げてもらって「じゃあちょっとやってみようかな!」っていうぐらいの感覚で。それを最短距離では叶えられないかもしれないけど、回り道をしながら、楽しい旅をしていけたらなと思っています。 【第1弾】はコチラ! 【第2弾】はコチラ! ◆ニューシングル「愛のカタチ」 2019年6月5日発売 プレミアム盤 CRCP-10430 ¥1,852+税 スペシャル盤 CRCP-10431 ¥1,111+税 <プレミアム盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. Just a friend 3. コーヒーカップ 4. 愛のカタチ (Original Karaoke) <スペシャル盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. イッショケンメイ 3. Stripes 4. 愛のカタチ(Original Karaoke)

    2019/06/07

  • 海蔵亮太
    実は夫婦の絆って子どもが思うより深いのかなって。
    実は夫婦の絆って子どもが思うより深いのかなって。

    海蔵亮太

    実は夫婦の絆って子どもが思うより深いのかなって。

     2019年6月5日に“海蔵亮太”がニューシングル「愛のカタチ」をリリースしました。彼は、カラオケ世界大会(KWC)で2年連続世界チャンピオンに輝き、数々の地上波カラオケ番組でも賞を総なめにしてきたヴォーカリストです。今回のうたコラムでは、そんな海蔵亮太にインタビューを敢行!第1弾~第3弾に分けてお届けいたします。    第1弾では、歌が好きになったきっかけやカラオケ世界大会についてのお話。第2弾では、ニューシングルタイトル曲「愛のカタチ」についてのお話。第3弾では、今作カップリングのオリジナルソングや今後の活動・目標についてのお話をお伺いいたしました。何より“楽しむこと・楽しんでもらうこと”を大切にする彼の言葉をご熟読ください!本日は第2弾! 桜舞い散る 春待たずして もしもあなたが この世を去ったら 実り黄金の 秋待たずして あたしは あなたを 追うのでしょう 夏の夕暮れ 裏通りへと あなたが散歩に出かけたなら あたしは庭の 錆びたベンチで あなたの帰りを 待つのでしょう 「愛のカタチ」/海蔵亮太 ― ニューシングルのタイトル曲「愛のカタチ」はもう何回も歌ってこられた曲だそうですが、初めて聴いたときにはどんな感想を抱きましたか? 正直、最初はよくわからなかったんです。この歌詞がどんな物語を伝えようとしているのか。「行方不明者を待っているのかな?」とも思いました。この歌は、カラオケの世界大会の日本代表に選ばれて、どの曲を歌おうか考えていたときに、教えてもらった曲なんですね。で、最初はあまり歌詞を読み込まずに、音の運びとかメロディーの美しさ的なものに魅力を感じていました。 だけど、実は“認知症を発症してからも、65年連れ添った夫の名前を生涯忘れなかったという妻の実話をもとに書かれた”という背景を知って、すごく素敵だなと思って。それと同時に「自分だったらこう歌いたいな」という気持ちがブワーッと沸いてきたんです。今までそんな感覚ってなかなかなくて。じゃあこれを世界大会はもちろんですけど、もし何かしら歌う機会があったときに、そこで披露できるくらいの、いわゆる“持ち歌”にしたいなと思ったんですよね。 ― 歌詞は<桜舞い散る 春>、<実り黄金の秋>、<夏の夕暮れ>、<冬の夢>など“春夏秋冬”が美しく描かれており、日本ならではなのですが、そのニュアンスは海外の方々にも伝わるものなのでしょうか。 そうですねぇ…。やっぱりはっきりと歌詞の内容は伝わってないと思います。だけど、カナダの方とお話したときに「言葉はわからないけれど、日本語の音の響きがすごく美しいし、それをピアノだけで表現する曲が良い意味で新しい」ということを言ってくれて。向こうの国の方々って、わりとサウンドより歌詞を重要視するひとが多かったりするので「どんな歌詞なの? もっと知りたい」みたいなことを言ってもらえたりもしました。そうやって歌の芯が伝わっているような感覚はなかなか新鮮でしたね。 ― また、この曲は“認知症”という実話がもとになっている歌詞ではありますが、それを知らなくてもいろんな立場で聴ける歌だなぁと感じました。個人的には<あたし>として、そんなふうに夫を愛し尽くせる人生だったらいいなぁと思ったのですが…。 そうですか…!?そうなんですね…!いやぁ…僕は正直こんなには…。だからこそ最初に歌詞を読んだとき、なんか不思議な感じもあって。夫婦といえど、結局は他人なので、ここまで想うのは逆にちょっと怖いなと思ったりしていたんです(笑)。だって<もしもあなたが この世を去ったら><あたしは あなたを 追うのでしょう>とか、結構すごいこと言ってないですか? 自分の母親を想像すると、絶対にそんなこと言わないだろうなと思いますもん。むしろ一緒の墓に入りたくないわ!ぐらいの…。 ― たしかに、自分の親を想像すると…(笑)。 ですよね(笑)。でもおっしゃる通り、認知症というテーマは関係なく、ただただ誰かが誰かを想う歌としても捉えてもらえたらいいなというのは僕もすごく感じます。もちろん認知症の当事者の方や家族の方やヘルパーさんに聴いてほしい。だけどそれだけじゃなく、好きなひとと一生添い遂げることができたら、こういう関係でありたいと想像していただいても素敵ですし。親から子どもへ、もしくは子どもから親への想いを重ねていただいても嬉しいですし。いろんなベクトルがある歌なんだなぁと感じるようになりましたね。 愛なんて あたしには 愛なんて 似合わないけれど 一人で居る時にあなたを 思う事が愛ならば これは愛です あなたが教えてくれた事 言葉には 何もないけれど あなたが教えてくれた事 それは本当の「愛のカタチ」 「愛のカタチ」/海蔵亮太 ― 亮太さんの歌声で、初めてこの歌を知ったという方も多かったのではないでしょうか。 それが…そうなんですよ。ここは否定しようかと思ったんですけど(笑)。一番最初に歌ったのは世界大会で。それからアマチュアの頃に、テレビのカラオケ番組に出て、その決勝まで残ることができて、最後にこの歌を歌ったんですよ。そうしたら放送後にすごく反響があって、いろんなひとから「こんな良い曲があるんだ!」と言ってもらえて。純粋に嬉しかったですね。 ― どんな感想が多かったですか? なんか僕が最初に「愛のカタチ」を聴いたときに抱いた感想と似たコメントをくださった方が多かった気がします。歌詞の内容は深くわからないけれど、とにかく良いというような。なんか、感動ってそういうところからスタートするんだなって。背景が解明されすぎちゃっても、音楽の捉え方が狭まってしまうので、逆にわからない状態で聴いたほうが良かったりもする。そこが音楽の楽しさであり、不思議なところですね。 ― ご両親を見ていて“愛のカタチ”を感じる場面はありますか? …いや(笑)。まぁ僕が小さい頃なんかは本当によく喧嘩をしていて、なんで離婚しないんだろう、なんでこのひとたちは結婚したんだろうとか思っていました。だけど結局、今もなんだかんだ上手くやっているし。もはや上下関係が逆転して、母親のほうが強いし。こう…表には見えないけれど、お互い心のなかで認め合っているというか、ちゃんと好きなんだろうなぁというのは感じますね。 ― 不思議ですよね。とくに冠婚葬祭などのときって、ふと並んでいる姿を見て“あ、夫婦だなぁ”と感じたりしませんか? あー、わかりますわかります!たとえば父親のほうの両親が亡くなったときは、やっぱり父は悲しんでいるから、母がそっとサポートしていたり。その逆もありましたし。そういうのを見ると、実は夫婦の絆って子どもが思うより深いのかなとか思います。まぁ自分は結婚してないのでそのへんはまだよくわからないですけど、そういう目に見えない“愛のカタチ”もあるんだろうなって。 ― 亮太さんご自身は、どんな立場・気持ちでこの歌を歌っていますか? 僕は歌うときって結構、誰かひとりのことを思い浮かべながら歌うことが多いんですね。そして「愛のカタチ」の場合は、まさに認知症だったおじいちゃんのことです。だから<あなた>と<あたし>は僕とおじいちゃんの関係ですね。なんか…身近なひとが亡くなってしまうと、最初の1~2年は頻繁に思い出すけど、だんだんそれが少なくなって、やがて忘れちゃうじゃないですか。 でもこういう歌を歌うことによって、その都度、思い出せるんですよね。僕もおじいちゃんが亡くなって、きっとこれから何年も月日が過ぎてゆくなかで、忘れる時間が増えていくと思います。ただ、この歌があるおかげで故人を思い出せるんです。僕にとっては「愛のカタチ」は“リメンバーソング”みたいな意味合いもありますね。 【第1弾】はコチラ! 【第3弾へ続く!】 ◆紹介曲「 愛のカタチ 」 作詞:中村つよし 作曲:中村つよし ◆ニューシングル「愛のカタチ」 2019年6月5日発売 プレミアム盤 CRCP-10430 ¥1,852+税 スペシャル盤 CRCP-10431 ¥1,111+税 <プレミアム盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. Just a friend 3. コーヒーカップ 4. 愛のカタチ (Original Karaoke) <スペシャル盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. イッショケンメイ 3. Stripes 4. 愛のカタチ(Original Karaoke)

    2019/06/06

  • 海蔵亮太
    歌を通して審査員の方と名刺交換をしている感覚なんです。
    歌を通して審査員の方と名刺交換をしている感覚なんです。

    海蔵亮太

    歌を通して審査員の方と名刺交換をしている感覚なんです。

     2019年6月5日に“海蔵亮太”がニューシングル「愛のカタチ」をリリースしました。彼は、カラオケ世界大会(KWC)で2年連続世界チャンピオンに輝き、数々の地上波カラオケ番組でも賞を総なめにしてきたヴォーカリストです。今回のうたコラムでは、そんな海蔵亮太にインタビューを敢行!第1弾~第3弾に分けてお届けいたします。    第1弾では、歌が好きになったきっかけやカラオケ世界大会についてのお話。第2弾では、ニューシングルタイトル曲「愛のカタチ」についてのお話。第3弾では、今作カップリングのオリジナルソングや今後の活動・目標についてのお話をお伺いいたしました。何より“楽しむこと・楽しんでもらうこと”を大切にする彼の言葉をご熟読ください!本日は第1弾! ― 亮太さんのこれまでのインタビューを拝読しましたところ、歌を好きになったきっかけは子どもの頃に家族と行っていたカラオケだそうですね。 そうなんですよ。幼稚園の頃から、毎週水曜日、キャッツというカラオケ屋さんで歌っていました。僕は上に兄と姉がいるんですけど、毎週リリースされるいろんなアーティストの新曲を、僕に歌わせようと二人して持ってくるので、それを覚えなきゃいけないという任務がありまして(笑)。食わず嫌いなしで何でも。 ― ではヒットチャートは常に網羅しているような状態だったのですか? はい、たとえばかつて放送されていた音楽番組『THE夜もヒッパレ』で発表されるランキングの上位5曲ぐらいは、毎週何かしら覚えて歌っていましたね。ぶっちゃけ、小学校の頃なんて、学校の課題もあるのに新しい歌も次々と本気で歌えるようにしなきゃいけないという状態で、もはやカラオケという課題に追われている感じでした(笑)。多分、今以上に忙しかったと思います。 ― 家族の方が歌われていた楽曲だったり、当時覚えた楽曲だったりで、とくに印象的だった曲って覚えていますか? 姉は結構パワフルな歌手が好きだったので、MISIAさんとか広瀬香美さんのような歌い上げる系の方の歌ですね。とくに広瀬香美さんの「ストロボ」という曲があるんですけど、それを覚えろ言われたときは一番大変でした。ご存知のとおり、めちゃくちゃキーが高いんですよ。まだ僕が小学校2年生くらいのときで、変声期の前だったので、一応は歌えたんですけど。すごく大変だった。 あとは僕自身が初めてカラオケでどっぷりハマッたのがEGO-WRAPPIN'さんの「くちばしにチェリー」という曲でしたね。あれは小学校5年生ぐらいだったかな。そして今でも大好きなのは槇原敬之さん。カラオケの大会で「LOVE LETTER」を歌わせていただいたこともあるんですけど、小学校1~2年生のときから歌っていた曲だったので、それを大人になって披露できたことすごくが嬉しかったですね。 ― 亮太さんにとって、歌うことの魅力とは何でしょうか。 当時は、家族が喜んでくれることが一番でした。新しい曲をどんどん歌えるようになれば喜んでくれるから、大変だったけど楽しかったんです。そして今はその感覚が家族というカテゴリーから飛び出して、友達や応援してくださっている方々にまで広がっている気がします。正直、自分の気持ちを表現したいとか上手くなりたいとかは昔も今もあまり考えたことがなくて。「こうやって歌ったら喜んでくれるんじゃないかな、楽しんでくれるんじゃないかな」というワクワクが常に歌の魅力の根本にありますね。 ― これまで、アカペラのコンクールでも、カラオケ世界大会でも、カラオケ番組でも、アーティストとしても活躍してきたわけですが、それぞれの場で大切にすることって多少は変わってきますか? うーん、根本の“楽しむ”というところは一緒だと思います。でもまずアカペラは、音楽というより何より“人間関係”というところがあるので(笑)。グループの仲が良かったら良い音楽を作れるし、ちょっとギクシャクしていれば不思議と聴いているひとにも伝わるので、そこが一番かもしれないです。だから、楽しむためにも人間関係を大切にしないといけませんね。 カラオケの場合は、原曲をリスペクトして歌うことかな。で、機械の採点だとワンフレーズのなかでチェックされる要素がいっぱいあって、より細かいんですよ。だけど審査員の方がいる場合は、曲全体を見てくださるので。細かいミスがあっても「どういうふうにこの曲を伝えたいのか」という意図がちゃんと表現されていれば、評価はしていただけます。なんか、歌を通して審査員の方と名刺交換をしている感覚なんです。「僕はこういうものです」って。そこは同じ審査でも、機械と人間では大きく違うなと思いましたね。 ― そしてアーティストとして大切になさることは、やはりさっきおっしゃっていた“楽しむこと”と“楽しんでもらうこと”ですかね。 それに尽きると思います。あと最近思うのは、自分の歌うときのモチベーションがそのまま聴いているひとに伝染するんだなということで。僕がすごく楽しくて気分が良く歌っているときには、みなさんも同じような気持ちであるように感じるのですが、逆にちょっと体調が良くないときに歌ったりすると「ちょっと疲れていますか?」とか「大丈夫ですか」とか言われることがあって。あ、バレているんだなって。だから楽しむためには、自分の心身の管理もちゃんとしないといけないなと思うようになりました。 ― ちなみに、カラオケ大会やカラオケ番組のために歌う曲を選ぶ、自分なりの基準ってあるのでしょうか。 いや僕の場合、自分が楽しければいいので、歌いたいものを歌ってきました。でも、大会の常連さんたちはわりと“大会ウケする曲”をいろいろ知っていらっしゃって。戦略を練っている方が多かったです。たとえば結構みなさんが歌っていたのは、MISIAさんやSuperflyさん。男性ならB'zさんとか。聴き応えのある歌をセレクトされていましたね。 でも僕はまったくそこを考えなかったし、しかも原曲とはガラッと違う感じの歌い方をしてしまったので、実は世界大会の予選も落ちるかもしれなかったんです。後日談で「本当は決勝に残らないはずだった」と教えてもらいまして。でも「ある審査員の方だけは猛プッシュしてくれて、ギリギリ入れたんだよ」って。怖いですよねぇ(笑)。 ― その猛プッシュしてくださった方は、どんなところにグッと来られたんでしょうね。 やっぱりカラオケの大会という場では、原曲を再現する正確さが大切なので、僕の歌はアレンジが効きすぎていたんですよ。だからそこは評価されなかったんですけど、その方は「そういう表現もできるなら、オリジナルに寄せた歌い方もできるんじゃないか」みたいなことを言ってくださったみたいです。もし、その方がいなかったら、僕はその大会に落ちていますし、人生が違ったと思います。今ここにもいないし、普通に会社で働いていたはずですね。 ― その予選では何を歌われたのですか? Le Coupleさんの「ひだまりの詩」です。それをジャズというかボサノヴァというか、とにかく思うがままに歌いましたね。この歌って、メロディーなどの面でそこまで起伏があるかといったら、そうではないじゃないですか。だから他の方々がソウルフルな曲を歌い上げているなかでは浮いていて、「今までカラオケの大会でこの歌を歌ったひとは初めてだ」とも言われました。だからそのときは「なんであえてこの曲を選んじゃったんだろう…」とも思ったんですけど、逆にそのおかげで、良い意味で目立つことができました。 ― これまでずっと“楽しむ”をモットーに歌ってこられた亮太さんですが、はっきりと「歌で食べていこう」と思ったのはいつ頃なのでしょうか。 え!今でも思っていないですね(笑)。いついなくなってもおかしくないと思っています。いや、僕はもともと就職していたので、会社員として働いていたときは、優先順位として“お金”って結構上にあったんですよ。上に行くにつれて、どんどん責任も増えていくんだから、それに見合った昇給はあってほしいな、とか。でも音楽の世界に入ってからは、お金の順位がものすごく下がりました。というか、お金が欲しかったら多分、この世界はやっていないだろうなということはすごく感じます。 それよりも、人前で歌うことができるなんて、なかなかみんなが出来ることじゃないじゃないですか。だからまずそれが自分に出来ていることが嬉しいし、しかも聴いてもらって感謝していただくなんて、会社員のままの人生では絶対になかったことなので。僕にとってはそういう価値のウエイトが大きくて。だからこれからも「音楽で食っていくぞ!」と思うことは、ない気がします。 ― それはもうあくまで“後からついてくるもの”なんですね。 そうそう!あるに越したことはないけれど、まぁ結果的にあればラッキーかなという感じです。自分がやりたいことを、楽しみながらしっかりやっていれば、自然となんとなく生きていけるんじゃないかなって。まぁもしもの話ですけど、一文無しになってしまったとしたら、路上でもどこでも歌って、みなさんからハンバーガーなどを恵んでいただいて、生きていこうと思えばいくらでも道はあると思えますね。もう音楽は日常生活の一部ですね。 【第2弾へ続く!】 ◆ニューシングル「愛のカタチ」 2019年6月5日発売 プレミアム盤 CRCP-10430 ¥1,852+税 スペシャル盤 CRCP-10431 ¥1,111+税 <プレミアム盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. Just a friend 3. コーヒーカップ 4. 愛のカタチ (Original Karaoke) <スペシャル盤 収録曲> 1. 愛のカタチ 2. イッショケンメイ 3. Stripes 4. 愛のカタチ(Original Karaoke)

    2019/06/05

  • イチオシ!
    歌詞の中に出てくる“虫”で一番多いのは…!?
    歌詞の中に出てくる“虫”で一番多いのは…!?

    イチオシ!

    歌詞の中に出てくる“虫”で一番多いのは…!?

     6月4日は【6(む)4(し)】の語呂合わせから【虫の日】とされております。漫画家・手塚治虫さんらの呼びかけで、1988年に設立された“日本昆虫クラブ”が制定したものであり、昆虫が住める街づくりを目指しているものだそう。そこで、今日のうたコラムでは、歌詞のフレーズ内に何らかの【虫】の名前が登場する楽曲に注目してみました。    ところで、先日放送された『水曜日のダウンタウン』はご覧になりましたか? そこでテーマに挙げられていたのが【歌詞の中に出てくる髪形ポニーテールがダントツ説】というもの。実際に検証した結果、AKB48「ポニーテールとシュシュ」をはじめ、全102曲に<ポニーテール>というワードが登場し、見事“歌詞中髪型ランキング”の1位でした。 【歌詞の中に出てくる髪形ポニーテールがダントツ説】 1位:ポニーテール(102曲) 2位:パーマ(54曲) 3位:ショートカット(53曲) 4位:坊主(46曲) 5位:リーゼント(42曲) 6位:ツインテール(39曲) 7位:ロングヘア(37曲) 8位:アフロ(36曲) 9位:ドレッド(15曲) 10位:角刈り(9曲) (※番組調べ)  そこで今回は歌ネットでも、歌詞の中に出てくる【虫】は何が一番多いのか!?という調査を行ってみました。パッとおもいつくのは、aikoの「カブトムシ」やポルノグラフィティ「アゲハ蝶」などでしょうか。では、まずランキングの10位~6位までを一気にご紹介いたします。尚、検証には歌ネットの“歌詞の一部のフレーズで検索”機能を使用。 【歌詞の中に出てくる“虫”ランキング】 6位:蜘蛛(クモ) 7位:蟻(アリ) 8位:蝿(ハエ) 9位:蚊(カ) 10位:毛虫(ケムシ)  髪型のワードと違い、虫を含む楽曲を探すのは非常に難しい…。何故なら、同音異義語やその字を含む別の言葉が多数存在するためです。たとえば6位の蜘蛛は、クモやくもで検索してしまうと“雲”を意味するものや“モクモク”といったワードも引っかかってしまう。7位の蟻なんて、ありやアリで検索してしまうと膨大な楽曲がヒット。    というわけで、確実な楽曲数はご提示できませんが、漢字検索のヒット数を元にランキングを制作いたしました。ちなみに圏外の「カブトムシ(かぶとむし)」は49曲。「天道虫(てんとうむし)」は46曲。「キリギリス」は42曲。「ゴキブリ」は40曲という結果に。キリギリスやゴキブリ…意外と多いような気がしますね。では、ランキングの続きです! 5位【蜂(ハチ・みつばち・ミツバチ)】【蜻蛉(トンボ・とんぼ)】 花から花へと飛び交い 命を繋げるミツバチ 言葉が 心と心を結ぶ糸であるように 「 蜜蜂 」/コブクロ ビキニで焼けてるしましまの背中 あなたが撫でながら “みつばちみたいだ 刺すなよ”って笑う あなたの方が刺してるくせに 「 みつばち 」/DREAMS COME TRUE 4位【蜻蛉(トンボ・とんぼ)】 ああ しあわせのとんぼよ どこへ お前はどこへ飛んで行く ああ しあわせのとんぼが ほら 舌を出して笑ってらあ 「 とんぼ 」/長渕剛 海辺で拾ったシナリオを 二人で広げた恋模様 夏の終わりを告げるように 飛んでいった赤とんぼ 「 赤とんぼ 」/C&K 3位【蛍(ほたる・ホタル)】 何のために己を断って 魂だけが帰り来るの? 闇に飛び交う蛍に連れられ 君が居た気がする 「 蛍 」/サザンオールスターズ 星が輝くあの道を 昨日一人で歩いてみた あの輝きを思い出すと 今も恋焦がれるけれど 真っ暗の中で光る蛍は まるで私の体の中の 悪い部分のようにいつだって 「 惚たる蛍 」/チャットモンチー 2位【蝉(せみ・セミ)】 ただ、もう一度、言えないままで また蝉が鳴く 「 夏蝉の音 」/KANA-BOON 今日も朝から蒸し暑く 寝汗をかいている 窓に張りついた蝉が鳴く 命もからがらに 彼女の姿が見えないが 別に気にも止めず 何かが飲みたいと思うけど それすら分からない 「 蝉 」/斉藤和義 学校の坂道の下のバス停 まだ夏服着てた いっしょに帰った9月の蝉しぐれ 哀しい なきやんでしまわないで ああ 一途な面影よ 深みどりがまたひと刷毛 薄れるみたい 「 9月の蝉しぐれ 」/松任谷由実 1位【蝶(蝶々・チョウ・ちょう)】 紋黄蝶飛ぶ昼間の時 ちょうど今目が合ったよね それはきっと恋があるからさ 麗し君 大空に振る舞う君 どんな花に留まるだろう 待ってみよう 「 蝶々結び 」/aiko 青い蝶の羽の色 鮮やかな虹色に光るってこと それが本当の事かどうかなんて まだ僕にもわかってないんだ 「 青い蝶 」/秦基博 忘れた花には止まらない 舞い上がる蝶になる あなたが望むままに 今 「 蝶 」/柴田淳 ヒラリヒラリと舞い遊ぶように 姿見せたアゲハ蝶 夏の夜の真ん中 月の下 喜びとしてのイエロー 憂いを帯びたブルーに 世の果てに似ている漆黒の羽 「 アゲハ蝶 」/ポルノグラフィティ 【歌詞の中に出てくる“虫”ランキング】 1位:蝶(チョウ) 2位:蝉(セミ) 3位:蛍(ホタル) 4位:蜻蛉(トンボ) 5位:蜂(ハチ) 6位:蜘蛛(クモ) 7位:蟻(アリ) 8位:蝿(ハエ) 9位:蚊(カ) 10位:毛虫(ケムシ)  1位に輝いたのは【蝶】でした。美しさ、儚さ、脆さ、気まぐれ、大空へ舞い行く姿、どこかへ去ってしまう姿、どんな情景を表すにも、ふさわしい生きものなのでしょう。また、歌詞の中に“虫”が登場する場合、その虫の特徴や習性を、わたしたちの心や言動になぞらえていたり、その虫を季語として表現していたりといった面白さもございます。    他にも【動物】や【花】の種類で検索してみても、様々な発見があるかと思いますので、みなさまもぜひフレーズ検索機能で調査をしてみてください…!

    2019/06/04

  • ハルレオ
    あふれそうな言葉を、慌ててたばこに火をつけ塞いだ。
    あふれそうな言葉を、慌ててたばこに火をつけ塞いだ。

    ハルレオ

    あふれそうな言葉を、慌ててたばこに火をつけ塞いだ。

     2019年5月22日に“ハルレオ”がEP『さよならくちびる』をリリースしました。彼女たちは、5月31日から公開の映画『さよならくちびる』の劇中ギターデュオ。門脇麦が演じる“ハル”と、小松菜奈が演じる“レオ”による女性2人組であり、現実でも奇跡のデビューを果したのです。タイトル曲の作詞・作曲・プロデュースは“秦基博”が担当!    この映画は、インディーズで人気のハルレオ(門脇麦×小松菜奈)と、ふたりの付き人・シマ(成田凌)の青春音楽ストーリー。物語は、なんと【解散】から幕を開けます。さよならツアーに出発する、ハル、レオ、シマ。強い絆で結ばれていたふたりに一体、何があったのか。旅を重ねるうちに、明らかになってゆく本音とは。そしてツアーの結末は…? 体温の上昇が 伝わっている気がして 目蓋を開けるのを躊躇した 二秒後の私たち これが最後だとわかって 無理して ふたりとも ほほえんだ この棘は抜けないままでいい ずっと 忘れないでいるから 「さよならくちびる」/ハルレオ  さて、今日のうたコラムでは、そんな物語にとって大切な1曲となるであろうこの歌をご紹介。まず、歌詞から伝わってくるのは<これが最後>の時間だということ。また、おそらくふたりは同じ気持ちを抱いているということです。感情の高揚、湧き上がってくる情熱、熱くなる目頭、愛、それらを含む<体温の上昇>がこの場を満たしてゆきます。    しかし、どうしてか<私たち>はお互い、自分の“<体温の上昇>=本当の気持ち”が伝わってしまうことを<躊躇>しているのです。だからこそ<二秒後>に<無理して ふたりとも ほほえんだ>のでしょう。これが“三秒”だとダメな気がします。ちなみに【見つめ合う】というのは、三秒以上目が合うことを意味するのですが、見つめ合ってしまえば、本音が届いてしまいそうで、本音に気づいてしまいそうで。    だから目が合って二秒後、本音が伝わる前に、誤魔化すように、吹っ切るように、無理して微笑んだのではないでしょうか。その秘めた本音を表すのは、胸の内に刺さっている<棘>でしょう。これまでの痛み、現在の痛み、これからの痛み、きっと<君>に関するすべての痛みが、大切なのです。どんなに痛みを伴っても、すべてを<ずっと 忘れないで>いたい。それこそがふたりの本音なのだと思います。 さよならくちびる 私は 今 誰に 別れを告げるの 君を見つめながら さよならくちびる 私は 今 はじめて ここにある痛みが 愛だと知ったよ 「さよならくちびる」/ハルレオ さよならくちびる それでも まだ 君に 心が叫ぶの 離れたくないよと さよならくちびる あふれそうな言葉を 慌てて たばこに火をつけ 塞いだ 自分の弱さを 重ねて ごまかして これ以上はもうダメだよね 「さよならくちびる」/ハルレオ  そしてサビでは、歌のなかでだけ伝えられる本音がポロポロと溢れ出します。胸の内の<この棘>による<痛みが 愛だと知った>こと。本当はまだ<離れたくない>こと。それでも、自分のために、<君>のために、<私たち>のために、<あふれそうな言葉を 慌てて たばこに火をつけ 塞いだ>こと。様々な感情を噛み締めた上で<これ以上はもうダメだよね>と、お互い心で確かめ合って、終止符を打つのでしょう。 つめたいくちびる 君は 今 なんて 優しく 悲しい 眼差しをしてるの ほどけるくちびる 私は でも 確かに 救われてたんだ さよならくちびる 私は 今 誰に 別れを告げるの 君を見つめながら さよならくちびる 私は 今 私に 別れを告げるよ ありがとう さよなら 「さよならくちびる」/ハルレオ  こうして幕を閉じてゆく歌。最後に別れを告げたのは、他の誰でもない<私>自身にです。ずっと<弱さを 重ねて ごまかして>いた自分に。まだ<君>への想いがあふれそうな自分に。また、同じ気持ちを抱き合っている<私>に似た<君>に。ちゃんと感謝と別れを告げ、新たな道へ進んでいくのです。    物語のなかで、この歌はどのように響くのでしょうか。ハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)の重なる歌声が、いっそう切なさを膨らませる、ハルレオ「さよならくちびる」を是非、劇場でご堪能ください。 ◆紹介曲「 さよならくちびる 」 作詞:秦基博 作曲:秦基博

    2019/06/03

  • ハルカトミユキ
    ボロボロにされた今がある。でも絶対に欲しいものがある。
    ボロボロにされた今がある。でも絶対に欲しいものがある。

    ハルカトミユキ

    ボロボロにされた今がある。でも絶対に欲しいものがある。

     2019年5月29日に“ハルカトミユキ”が初のベストアルバム『HARUKATOMIYUKI BEST 2012-2019』をリリースしました。今作は、彼女たちの全キャリアから選曲されたフルボリュームの2枚組。さらに、YouTubeのみで限定公開し話題となった「どうせ価値無き命なら」、LIVEで披露されていたものに加筆して完成した「LIFE 2」の初スタジオバージョン、書き下ろし新曲「二十歳の僕らは澄みきっていた」という新録3曲も収録。そんな過去と未来を繋ぐ全32曲入りの作品です。  さて、今日のうたコラムでは、そのベストアルバムに収録される新曲 「LIFE 2」 をご紹介いたします。今回は 第1弾 と 第2弾 に引き続き、最終章・第3弾としてハルカトミユキの“ハルカ”さんが歌詞エッセイを執筆。第1弾では「二十歳の僕らは澄みきっていた」について、第2弾では「どうせ価値無き命なら」について綴ってくださいました。是非、歌詞と併せて、ご熟読を。 ~「LIFE 2」歌詞エッセイ~  彼女は多才だった。子供の頃から足が速くて、スポーツをやらせればある程度器用にこなせたし、学校のテストはどの教科もいつも90点以上をとった。何となく書いた絵は地域の展覧会で表彰され、おまけに歌も上手かった。くりっとした大きな瞳で屈託のない笑い方をする子で、誰からも可愛がられる容姿をしていたが、その生まれ持った才能のせいで彼女を妬む子達も少なくなかった。    小学生の頃の水泳大会で、スイミングスクールに通っていた友達に勝ってしまったとき、彼女に向けられたのは賞賛ではなくある種の諦めに似た視線で、負けた友達はそれからその子を避けるようになった。それ以来、彼女は自分の才能を隠し、何をするにもわざと手を抜くようになる。  彼女の家庭は恵まれているとは言えなかった。学校が終わると小さな団地の一室に帰って行き、そこには誰も待っていなかった。あるとき彼女は、歌手になりたいと言った。歌うことが好きだった。どうしたら歌手になれるのかわからぬまま、本屋さんで見つけたオーディション雑誌に載っていた住所に自分の写真を送った。  しばらくして、あるファッション雑誌に読者モデルとして小さく彼女の写真が載るようになる。到底自分では買えない可愛らしい洋服を身にまとい、同世代の華やかな女の子達に囲まれて、彼女はあの頃と同じ笑顔で笑っている。雑誌でその姿を見かけてから数年が経った頃、ある深夜番組に数人の女の子が出演していて、その中に懐かしい顔があった。彼女は水着姿で、男性タレントの卑猥なギャグに手を叩いて笑っていた。  彼女が歌手になることはなかった。その子が一番欲しかったものは何だっただろうか。その子を妬んでいた子供達が一番欲しかったものは何だっただろうか。今大人になって、あの頃の子供達と、そして私自身が、手に入れたものは何だろうか。  人生は、「あるもの」と「ないもの」でできている。「LIFE」という言葉について考え続け、最終的に私がたどり着いた結論はそれだった。どんなに考えたってそれ以外のことは何もわからない。幸せがどんな形であっても、そこにあるのは「あるもの」と「ないもの」だけだ。邪魔なのに捨ててしまえないもの。欲しいのに手に入らないもの。生きていて悩むのはいつだってこの二つのことについてだった。  だからそればかり繰り返し繰り返し歌ってきた。人生、命、生活、という意味の言葉を前にしたとき、自分自身はあまりにも小さく無力で、そこにあるものとないものをひたすら羅列していくしかできないと思った。そしてそれをどうしたって、希望として書きたかった。  私は彼女の人生と自分の人生を、何故だか重ねてしまう。妬んでいたのは自分だったか彼女だったか、妬まれていたのが自分だったか彼女だったか、わからなくなるときがある。恵まれた才能を持ちながら何にもなれなかったのは私かもしれない。最後に一番欲しいものを手に入れて幸せに暮らしているのは彼女かもしれない。二人の人生がパラレルワールドのように存在しては、どこかで交差して入れ替わっては戻ったりを繰り返す。  人生で何よりも欲しいと願ってきたものを、私はまだ手に入れていない。それを後からきた誰かがいとも簡単に手にして「こんなもの別にいらないんですけどね」と涼しい顔で笑っている。他人にあるものとないものを数え、羨み、時に蔑んで、自分にもあんなに才能があったはずなのにと、苦しくてたまらなくなる。    でも結局私たちにできるのは、今自分にあるものとないもので生きていくことだけだ。それなら。私にはまだやりたいことがある。ボロボロにされた今がある。でも絶対に欲しいものがある。まだまだ見たい景色がある。あるものがこんなにある。そう言ってやりたい。ほらまだ全然、時間があるじゃないか。 <ハルカトミユキ・ハルカ> ◆紹介曲「 LIFE 2 」 作詞:ハルカ 作曲:野村陽一郎 ◆『BEST 2012-2019』 2019年5月29日発売 初回盤 AICL-3703~3705 ¥4,500(税込) 通常盤 AICL-3706~3707 ¥3,200(税込) <Disc-1: Honesty> 1.17才 2.世界 3.光れ 4.どうせ価値無き命なら (新録) 5.ヨーグルト・ホリック 6.シアノタイプ 7.春の雨 8.Vanilla 9.夜明けの月 10.ドライアイス 11.肯定する 12.宝物 13.感情七号線(フラワーカンパニーズカバー) 14.種を蒔く人 15.手紙 16.LIFE 2 (新録) <Disc-2: Madness> 1.二十歳の僕らは澄みきっていた (新録) 2.ニュートンの林檎 3.振り出しに戻る 4.Hate you 5.インスタントラブ 6.マネキン 7.その日が来たら 8.Pain 9.奇跡を祈ることはもうしない 10.絶望ごっこ 11.わらべうた 12.バッドエンドの続きを 13.DRAG & HUG 14.近眼のゾンビ 15.青い夜更け 16.終わりの始まり <Disc-3: Early Years> ※初回限定盤のみ 1.夏のうた 2.僕達は(from 1st DEMO) 3.アパート 4.空 5.水槽 6.僕達は(from 2nd DEMO) 7.マゼンタ 8.MONDAY 9.POOL 10.385

    2019/05/31

  • 菅田将暉
    まちがいさがしの正解の方じゃ、きっと出会えなかったと思う。
    まちがいさがしの正解の方じゃ、きっと出会えなかったと思う。

    菅田将暉

    まちがいさがしの正解の方じゃ、きっと出会えなかったと思う。

     2019年5月14日に“菅田将暉”が新曲「まちがいさがし」を配信リリースしました。この歌は、米津玄師が作詞・作曲・プロデュースをしており、現在放送中の火曜ドラマ『パーフェクトワールド』主題歌となっております。各所配信ストアでは1位を席巻し、デイリーチャート32冠を達成。歌詞アクセスも日に日に増え続け、ランキング上昇中です。    ドラマ『パーフェクトワールド』は、自らの障がいが原因で恋を諦めた主人公(松坂桃李)と、車イスに乗った初恋の相手に恋心が再燃したヒロイン(山本美月)がつむぐ愛の物語。障がいなど関係なく、愛し合おうとする二人。しかし目の前には、さまざまな困難が立ちはだかり、お互いを幸せにしたいと想えば想うほど、すれ違ってしまうのです…。 まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気でいたけど まちがいさがしの正解の方じゃ きっと出会えなかったと思う 「まちがいさがし」/菅田将暉  さて、そんなラブストーリーに寄り添うのが、この歌。みなさんも<まちがいさがし>ゲームって、一度はやったことがあるでしょう。並んだよく似た絵から、いくつかの“違っている部分”を探すというあれです。だけど、ときにわたしたちは、お遊びでない<まちがいさがし>をしてしまうこともあるんですよね。人と人の<まちがいさがし>を。  誰かと比べてみたとき、<僕>が持ってないもの、できないこと、いわゆる“普通”に思われないこと…。それらを実感するたび、自分は<まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気>に陥るのです。言い換えれば“劣等感”なのかもしれません。また、周りからいつも<間違い>ばかり探されているように感じる肩身の狭さも伝わってきます。  でも、その価値観を変えたのが<君>という存在です。まだ自分にとっての<間違い>は拭えはしない。けれど少なくとも<正解の方じゃ きっと出会えなかった>と思えるようになった。その変化はまず“<間違い>=劣等感”や“<間違い>=肩身狭さ”という、これまで抱いてきた気持ちを薄れさせてくれたのではないでしょうか。そして“<間違い>=君と出会えたきっかけ”という希望的な意味合いを新たに持ち始めたのです。 君の目が貫いた 僕の胸を真っ直ぐ その日から何もかも 変わり果てた気がした 風に飛ばされそうな 深い春の隅で 退屈なくらいに何気なく傍にいて 「まちがいさがし」/菅田将暉  ずっと誰かから<間違い>ばかり見られている寂しさや悔しさがあったとすると、きっと<僕>は少しでも“正しくあろう”と無理をしていたところもあったのでしょう。ただし<君の目が貫いた>のは、上辺の<間違い>ではなかった。<間違いの方>だと思い込んでいる<僕の胸を真っ直ぐ>に見つめて、ちゃんと<僕>の本質に触れたのだと思います。 君の手が触れていた 指を重ね合わせ 間違いか正解かだなんてどうでもよかった 瞬く間に落っこちた 淡い靄の中で 君じゃなきゃいけないと ただ強く思うだけ 「まちがいさがし」/菅田将暉  さらに<君の手が触れて>、二人の<指を重ね合わせ>ると、まるで<君>の心が移ってゆくかのように<僕>も変わってゆくのです。もう<間違いか正解かだなんてどうでもよかった>。もう「まちがいさがし」は必要ない。誰にとって間違いに見えようが、正しく見えようが、大切なことはひとつ、<君じゃなきゃいけない>、それだけなのです。それが<僕>にとっての世界で一番の“価値”となったのです。 君の目が貫いた 僕の胸を真っ直ぐ その日から何もかも 変わり果てた気がした 風に飛ばされそうな 深い春の隅で 誰にも見せない顔を見せて 君の手が触れていた 指を重ね合わせ 間違いか正解かだなんてどうでもよかった 瞬く間に落っこちた 淡い靄の中で 君じゃなきゃいけないと ただ強く思うだけ 「まちがいさがし」/菅田将暉  歌のラスト<君じゃなきゃいけないと ただ強く思うだけ>と、力強く伝える声からは、まったく劣等感も肩身の狭さも感じません。今、抱くのは揺るぎない“価値=愛”のみ。菅田将暉「まちがいさがし」は、そんな自分の存在意義や価値観を<何もかも>変え得る、出会いの尊さを教えてくれるのです。自分も<まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気で>いるアナタへ。どうかこの歌が届きますように…! ◆紹介曲「 まちがいさがし 」 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

    2019/05/30

  • イチオシ!
    令和の歌詞ランキングを動かしてゆくアーティストたちは!?
    令和の歌詞ランキングを動かしてゆくアーティストたちは!?

    イチオシ!

    令和の歌詞ランキングを動かしてゆくアーティストたちは!?

     新時代・令和になってから早1ヶ月。ついに、歌ネットの歌詞ランキングも音楽シーンの新章を表すかのように、動いてまいりました!そのまえに、昨年からずーっと勢い衰えないのが、米津玄師の「Lemon」です。同曲は、2018年3月14日にリリースされ、2018年2月19日付け~11月19日付けウィークリーランキングにて、なんと40週連続で1位を独走。 あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ そのすべてを愛してた あなたとともに 胸に残り離れない 苦いレモンの匂い 雨が降り止むまでは帰れない 今でもあなたはわたしの光 「 Lemon 」/米津玄師  今年に突入しても歌詞アクセスはまだまだ上昇。2019年3月31日付けのウィークリーから、平成最後の日を越え、令和を迎え、5月19日付けのランキングまで8週連続で首位を記録したのです。総アクセス数は847万回を突破。全アーティストの歴代人気曲で2位にランクインしております(1位はback number「クリスマスソング」の約888万回)!    しかし、そんな米津玄師の「Lemon」とバトンタッチした楽曲が令和に誕生いたしました。Official髭男dismの「Pretender」です!2019年5月15日にリリースされたシングルタイトル曲であり、映画『コンフィデンスマンJP』主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞先行公開がスタートしたばかりの時点(4月28日付け)では、ウィークリー35位でした。 グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない 辛いけど否めない でも離れ難いのさ その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや グッバイ それじゃ僕にとって君は何? 答えは分からない 分かりたくもないのさ たったひとつ確かなことがあるとするのならば 「君は綺麗だ」 「 Pretender 」/Official髭男dism  翌週(5月5日付け)は19位。それが5月10日(金)放送の『ミュージックステーション』へ出演し、同曲を披露すると、一気にアクセス数が急上昇!5月12日付けのウィークリーランキングでは4位に、5月19日付けでは3位にランクイン。さらに、歌詞先行公開中の楽曲が対象となる【注目度ランキング】では2週連続で首位に君臨しておりました。    そして、5月26日付けのウィークリーランキングでは、とうとう米津玄師の「Lemon」を押さえ、1位に輝いたのです。令和の歌詞ランキングを動かし、ヒゲダン旋風を巻き起こしています。Twitterでは首位君臨に対し「嬉しい!おめでとう!」の声と共に「紅白が見えてきた…!」とのコメントも多数。令和初の紅白には彼らの姿がありそう…!ですね! 真っ白に全てさよなら 降りしきる雪よ 今だけはこの心を凍らせてくれ 全てを忘れさせてくれよ 朝目覚めたら どっかの誰かに なってやしないかな なれやしないよな 聞き流してくれ 「 白日 」/King Gnu  また、5月26日付けのウィークリーランキングで、同じく米津玄師の「Lemon」を押さえ、2位に輝いた楽曲がございます。King Gnuの「白日」です!こちらは2019年2月22日にリリースされた配信限定シングルであり、ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』主題歌として書き下ろされた楽曲。すでにリリース時から人気のある楽曲ではありました。    ただ、4月26日に(金)放送の平成最後の『ミュージックステーション』に出演し、同曲を披露したことで、圧倒的なパフォーマンスが話題となり、いっそう歌詞アクセス数が上昇。歌詞の総アクセスは、76万回を突破。MVの再生数は、2660万回を突破!彼ら史上最大のヒット曲となったのです。今後のさらなる新曲にも期待が高まりますね…! まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気でいたけど まちがいさがしの正解の方じゃ きっと出会えなかったと思う 「 まちがいさがし 」/菅田将暉  さて、着々と歌詞アクセス数を高め、ウィークリーランキングを6位(5月19日付け)→5位(5月26日付け)と上昇しているのは、菅田将暉「まちがいさがし」です。2019年5月14日にリリースされた配信シングルであり、現在放送中のドラマ『パーフェクトワールド』主題歌として書き下ろされた楽曲。米津玄師が作詞・作曲・プロデュースを担当しました。  同曲は、各所配信ストアにて1位を席巻し、デイリーチャート32冠を達成。今後もまだまだ歌詞アクセス数を伸ばしていくことでしょう。菅田将暉は、2019年7月10日に2nd アルバム『LOVE』もリリース。俳優としてのみならず、音楽アーティストとしても新時代の歌詞ランキングを盛り上げていく予感がします…!    ちなみに、米津玄師「Lemon」も、Official髭男dism「Pretender」も、King Gnu「白日」も、菅田将暉「まちがいさがし」も、誰かを想う美しさ切なさという点で通ずるものがあるように思えます。いわゆる王道“胸キュンラブソング”ではないのです。もしかしたらそこに現代の“ヒットの鍵”が隠れているのかもしれません。今後の歌詞ランキングも、是非是非、ご注目ください…!

    2019/05/29

  • イチオシ!
    何故、マクドナルドでは満足のいく歌詞が書けるのか。
    何故、マクドナルドでは満足のいく歌詞が書けるのか。

    イチオシ!

    何故、マクドナルドでは満足のいく歌詞が書けるのか。

    居場所をきれいに整えることは 居心地をよくしてその場所を 味方につけるようなものだ。 (宮下奈都『スコーレNo.4』より引用)  作家・宮下奈都さんの小説『スコーレNo.4』の一節です。みなさんも勉強をするときや仕事をするときに【居場所をきれいに整えること】ってありませんか? それは必ずしも整理整頓するということではなく、あくまで“自分にとって【居心地】がよい場所”を作り上げるということでしょう。するとその場の空気が作業の【味方】になるのです。  同様に“作詞”をする際にも、アーティストにとって【その場所を味方につける】ことは大切。さて、これまで歌ネットのインタビューや人気コーナー『言葉の達人』では、プロたちがどのように環境づくりをし【居心地をよく】作詞をしているのかお伺いしてきました。それぞれに必須な仕事道具や環境、場所とは…? 今日のうたコラムで一挙ご紹介! <杉山勝彦> 曲とセットで作る場合が多いので、音をあてはめてイメージしていくのにピアノがある方がいいですね。言葉のイントネーション等の確認も早くなります。ゼロからアイデアを練る時は、カフェに行くこともあります。僕は花粉症持ちなので、花粉の季節は沖縄のホテルに避難して、ホテルから一歩も出ずに部屋にこもって、ひたすら曲を書いていることもあります。基本的に場所にこだわりは無いのですが、コーヒーは必須です。 <新藤晴一(ポルノグラフィティ)> 自分用の作業用のスタジオです。考えている時間、うなったり、ソファに飛び込んだり、タバコ吸ったり。カフェや人前では書けないです。 <槇原敬之> 出来ればおいしいコーヒーとチョコレートがあればいいなと思いますね(笑)あと、できるだけ静かじゃないところの方が集中できる気がします。犬がガシャガシャ遊んでいる音とか、テレビの音とか、人が話している声があるほうが集中しやすいかもです。逆にシーンと静まり返った場所にいると、「んぎ~~~っっ!!」となっちゃいますね。 <マシコタツロウ> 作詞に行き詰まると、リビングのソファに座りPCをひざの上に置いて、TVのワイドショーを流したりします(効果音やBGMが少ないものがベター)。コメンテーターや街の人が口にしたインパクトのある言葉を、制作中の歌詞に放り込んでみると、急に内容が展開して世界がガラッと変わったりします。その後の着地(結び)はかなり難しいのですが(笑)。金魚の水槽にサメを入れたり、フレンチディナーにカップラーメンを登場させるようなびっくり感です。そこからドラマが生まれることもあります。 <宮川弾> デスクトップをいじってみたり新しいコーヒー豆にしてみたり、形から入りたくていろいろやってみるのです。でもボクの実力が振りまわす小手先の付け焼き刃では、歯がたたない。結局のところ泥酔した翌朝に床に落ちた殴り書きを見つけ、そのなかにちょこっとだけヒントがあることが多いです。 <家入レオ> 私の場合は家かスタジオで書くのがほとんどです。で、前までは4Bの鉛筆で書いていたんですけど、最近はもうパソコンで書いちゃいます。だからMacのパソコンが必須アイテムですね!あと、私は少し神経質なので、誰かがいるとこの歌詞どう思われているのかなって考え始めちゃうから、必ず一人で書きます。スタッフとかに「どんな感じ?」とか見られると、もうダメですねぇ、急かされている気持ちになっちゃう(笑)。 <鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)> 作詞は必ずマクドナルドです。それで自分なりに考えてみたんですよ。何故、マクドナルドでは満足のいく歌詞が書けるのかって。それは、家で書くと今の日本のリアルとは全然かけはなれた歌詞になってしまいがちだからなんです。でも、マクドナルドで作詞をしていると、ずっと店内で時間を潰している女子高生や、もう世を捨てているような人がいて。窓の外を見れば、忙しく信号を渡っていくビジネスマンもいて。そういう景色を見ながら作詞をすると、ちゃんと日本を書けているような気持ちになってくるんです。 そういう情報(日本のリアル)を遮断して作詞をすると、自分の思い込みの世界のものが出来上がってしまうので。たとえば「深夜二時の渋谷交差点に今日も男女が行き交う」と書いていたとしても、実際にマクドナルドの窓から景色を見てみたら「そんなに女性はいないなぁ…男性ばっかりだなぁ」ということに気づけたりするかもしれないし。それなら「深夜二時の渋谷の交差点 男しかいない」って書いた方がリアルというか。だから、マクドナルドで書くことで、歌詞がみなさんの中に入っていきやすいものになると思っています。  家でひとりで書くのが好きな方、カフェやマクドナルドなど他者がいる場所で書くのが好きな方、相反するそれぞれの“居心地の良さ”がおもしろいですね。また、多くの方から“コーヒー”というワードが出ているのが印象的。調べてみると、コーヒーの香りにはリラックス効果があり、かつ脳の働き、頭の回転を活性化する効果があるんだそう!    みなさんの好きなあの曲も、もしかしたらコーヒーの香りが誕生の支えになっていたのかもしれませんね…!これからもいろんなアーティストの心地良い“環境”作りについて、引き続きお伺いしてまいりますので、是非是非、チェックしてみてください。 【前編】はコチラ!

    2019/05/28

  • イチオシ!
    エスプレッソのダブルに砂糖を4~5杯くらい入れたのがあれば…。
    エスプレッソのダブルに砂糖を4~5杯くらい入れたのがあれば…。

    イチオシ!

    エスプレッソのダブルに砂糖を4~5杯くらい入れたのがあれば…。

    居場所をきれいに整えることは 居心地をよくしてその場所を 味方につけるようなものだ。 (宮下奈都『スコーレNo.4』より引用)  作家・宮下奈都さんの小説『スコーレNo.4』の一節です。みなさんも勉強をするときや仕事をするときに【居場所をきれいに整えること】ってありませんか? それは必ずしも整理整頓するということではなく、あくまで“自分にとって【居心地】がよい場所”を作り上げるということでしょう。するとその場の空気が作業の【味方】になるのです。  同様に“作詞”をする際にも、アーティストにとって【その場所を味方につける】ことは大切。さて、これまで歌ネットのインタビューや人気コーナー『言葉の達人』では、プロたちがどのように環境づくりをし【居心地をよく】作詞をしているのかお伺いしてきました。それぞれに必須な仕事道具や環境、場所とは…? 今日のうたコラムで一挙ご紹介! <Sally#Cinnamon> よほど大きなBGMが流れている場所でなければ、ある程度騒がしくても静かでもどこでも書けます。手書きではなく、ほとんどスマホで書きます。場所を選ばないし、無機質な文字ほど集中できるので。 <水野良樹(いきものがかり)> MacOSの標準アプリなのですが、スティッキーズというメモ用ソフトがあって。それをいつも使って作詞しています。作詞は手書きから始めて、ある程度まとまったところでスティッキーズに打ち込んでみる流れです。同じ色のメモ用紙に、同じフォントの同じサイズで、どの楽曲の歌詞も書きます。それはなぜかというと、前に書いた歌詞と比較するためです。同じフォーマットですべてを書いていれば、フォント自体が持っているイメージとかに左右されず、微細な雰囲気の違いなどを比べやすいんですね。画面上に何曲も歌詞を並べて、見比べるときもあります。 <平義隆> 毎朝、モーニングのあるお店を巡回して2時間位、詞を書いています。 <michico> 仕事道具は携帯電話。 いつでもどこでも書けるので、拘りはありません。マイクには拘っています。機内で作った曲も多いです。 <玉井健二> 甘めのコーヒーとちょっと不自由な環境です。エスプレッソのダブルに砂糖を4~5杯くらい入れたのがあれば最高です。それを持って決してベストではない環境で軽くストレスを感じるくらいの方がはかどります。すぐ近くでわりと大声で打ち合わせをされている、とか。 <高橋優> 喫茶店で知らない人たちの会話を聞きながら書くのが最近は好きでした。 <志倉千代丸> 背もたれ付きのベッドとPC。あとはデジタルではなく紙で出来た、いくつかの辞典です。作詞はもちろんシナリオ執筆などもするので必須なんです。今の時代とてもユニークな発想から作られた辞典も多く、逆引きのように言葉を探し、突き当たった言葉をそのまま使うのではなく、そこからさらにヒントを得て一手間考えて落とし込んで行く感じでしょうか。 <大宮エリー> コーヒーを豆から挽いていれるのが儀式のようになっています。喫茶店を転々として書くことが多いのですが、歌詞は実は、飛行機の中がいちばん、はかどります。なぜか。あとは移動中の電車とか。移動と集中により歌詞が生まれますね。 <さだまさし> 場所も時間も道具もこだわりはありません。飛行機や新幹線の移動中、また、仲間と呑んでいても歌詞やメロディが浮かぶことがあります。そういうときには頭の中にメモるだけで、何かに書き留めることはしません。後で思い出せないものは「きっとつまらないもの」と思うことにしています。 【後編】に続く!

    2019/05/27

  • イチオシ!
    ボクのせいいっぱいのキラキラしたいよ隣じゃなくても。
    ボクのせいいっぱいのキラキラしたいよ隣じゃなくても。

    イチオシ!

    ボクのせいいっぱいのキラキラしたいよ隣じゃなくても。

    「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日 (俵万智)  こちらは歌人・俵万智さんの有名な一首です。なんでもない日が、大切なひとのたった一言で、オリジナルの“記念日”になるほどの嬉しさ。君の声のトーンや表情を味わう幸せ。そんな気持ちが伝わってきます。ところで、現代ではこの「いいね」という言葉が、みなさんご存知のとおり、より身近で頻繁に触れるものとなっておりますよね。 きみがいいねくれたら きみがいいねくれたら みっともない じっとしていれないの 離れたくない ボクのせいいっぱいの キラキラしたいよ 隣じゃなくても 「 きみがいいねくれたら 」/きゃりーぱみゅぱみゅ  たとえばこの歌も「いいね」という言葉がキーワード。2019年5月10日に“きゃりーぱみゅぱみゅ”が配信リリースした最新曲であり、現在オンエア中のドラマ『向かいのバズる家族』主題歌です。ドラマは“SNS”をテーマに展開してゆく内容。その物語に沿うように、歌詞にも“投稿に「いいね」をもらえたときの歓び”が表現されています。  つまり、現代では「いいね」といえば“SNS”なのです。目の前で【「この味がいいね」と君が言った】わけではなくても、サラダの写真を投稿して、好きなひとが「いいね」してくれたら、その日はちょっと特別になる。昔より手軽な、新しい幸せの生じ方と言えるでしょう。さらにSNSの「いいね」が使われている楽曲は、まだまだございます。 君がいいねしてくれた夜は ふわふわして 眠れなくなるよ また 明日会ったら何話そうって つぶやいちゃいそうになるよ 「 いいね! 」/足立佳奈 いいね! それっていいね! いいね! だけ信じて それ以外 気にしない 何回だってトライしよう 「 #いいね! 」/板野友美 好きになったら『好きだ』と言おう 君と僕とを繋ぐ “SNS” タイムラインに 君の笑顔が流れてくれば PUSH『いいね x 2』 恋のルールは “SNS” 「正直」と「熱意」と「素直さ」で 出してみました 恋人申請 承認してくれたら『いいね x 2』 スマホの中のラブレター 「 スマホの中のラブレター 」/DISH//  いずれの歌でも「いいね」がプラスの意味で描かれておりますね。好きなひとからの「いいね」で高まったり、いろんなひとからの「いいね」で前向きになれたり、逆に自分の恋心を込めて「いいね」を押したり。また、セットで<つぶやいちゃいそう>や「#(ハッシュタグ)」や<タイムライン>といった現代的ワードが綴られているのも印象的。  ただし、このようにたった1プッシュでわたしたちの感情を揺さぶる「いいね」は、必ずしもプラスに作用するばかりではありません。逆に言えば<君がいいね>してくれなかった夜は、それはそれで眠れなくなるのでしょう。さらに「いいね」が少なくて落ち込んだり、むやみに「いいね」をしすぎて相手に疎まれてしまったりすることもありそう。 夕暮れ電車に乗った ドアに背を向けて立った ほぼ全員がスマホとにらめっこ 何か事件でもあった?“いいね!”の数が気になった? 窓の外はまさにマジックアワー 「 アレ 」/斉藤和義 気にしてる「いいね!」の数 けど「いいね!」の中身に真意はねぇ いらねぇぜそんな意味ねぇ声 こちとら「フツウ」に本気の本音 「 BooOOO!!! 」/SANABAGUN. きっと 本当のSOSは見えるところには 誰も見せちゃいなくて 「いいね」一つじゃ消えないものがあるから 君に会いたくて ここにいるんだよ 「 あのね 」/THE BEAT GARDEN 便利な時代になったもんだ あまり会えなくたって SNSを開いて顔見たら なんだか会ったような満足感に いつの間にか心が満たされて 「いいね!」って… ほんとにそれで「いいの?」かな? 「 メリーゴーランド 」/シクラメン  「いいね」による新しい幸せの在り方を描いた歌もあれば、一方でこうして<それで「いいの?」かな?>と、現代に問いかける歌もあるんです。SNS上の「いいね」を気にするのもいいけど、そのせいで<窓の外>の美しさを見逃してしまう、本気の本音に気づけない、会ったような満足感に満たされてしまう。それは「よくないね」ですよね。    指ひとつで伝えられる「いいね」ではなく、やっぱり直接【「この味がいいね」と君が言ったから】こその幸せにはかけがえないものがあります。そんな当たり前だけど忘れがちなことを、改めて教えてくれるのも「いいね」ソングの魅力。他にもまだ様々な「いいね」ソングがございますので是非、歌詞検索をして、描かれているメッセージの違いを楽しんでみてください…!

    2019/05/24

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