検索ワード

検索対象

  • アーティスト
  • 楽曲
  • 歌詞

検索条件

  • を含む
  • から始まる
  • と完全一致

CLOSE

MENU

今日のうた

斉藤和義

どこにでもあるような幸せは、何色で塗ればいいんだっけな。

もう一度つくれますか?
いちど失くした家族。


 これは、現在公開中の映画『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』のキャッチコピーです。物語は、夫(青木崇高)の突然の死によりシングルマザーとなったヒロイン・晶(有村架純)が、彼の連れ子と一緒に、夫の故郷である鹿児島へ向かうところから幕を開けます。そして訪れたのは、まだ会ったことのない、鉄道運転士の義父(國村隼)のもと。

 やがて三人は共同生活を始め、電車好きな息子のために、鉄道の運転士を志す晶。しかし、血の繋がらない息子との関係はなかなか上手くいきません。それでも母として、不器用ながらも真っ直ぐに生きようとするその姿に、これまで家族を顧みず生きてきた義父も心を動かされ…。愛するひとをなくし、一度家族を失った三人は、果たしてもう一度【家族】になることができるのでしょうか。

悲しみの絵の具で描いた街
白黒ばかりで色がないよ
どこにでもあるような幸せは
何色で塗ればいいんだっけな
「カラー」/斉藤和義


 さて、その映画のエンディングを彩る主題歌が、斉藤和義の「カラー」です。2018年11月28日に約20ヶ月ぶりのニューシングルとしてリリースされました。冒頭の<悲しみの絵の具で描いた街>というフレーズからは、大切なひとを失ったひとの瞳に映る景色が見えてきますね。何もかも<白黒ばかり>で、景色や感情の“死”をイメージさせます。
 
 <どこにでもあるような幸せ>の<色>とは、たとえば【家族】はこうあるべき!というカタチだったり、ひとの【幸せ】はこうである!というイメージだったり。自分が<何色で塗ればいい>か決まっていると、思い込んでいるものでしょう。でも、その<色>を忘れてしまったから、上手く手に入らないから、今、心は“モノクロ状態”なのです。
 
 きっと劇中の三人も然り。本音を殺したり、何かに怯えたりしているような<黒>と。現実を曖昧に誤魔化したり、不安や憂鬱な気持ちに陥ったりしているような“灰色”と。何者にもなれない、空っぽのような<白>と。そんな<色>のなかだけで生きております。ただし、曲が進むにつれ、少しずつ<色>を取り戻してゆくのが「カラー」です。

線香花火 打ち上げ花火
儚いのは同じだから
赤や黄色 好きな色に
思うまま 塗るよ

走り出す 風になる
空高く 舞い上がれ
心よ 羽ばたけ
涙の向こう側に
連れて行っておくれ
モノクロのこの空は
もう一度青く塗るよ
「カラー」/斉藤和義

 まず、儚い<線香花火>や<打ち上げ花火>は、ひとの命や生きざま、日々を表しているように思えます。そっと煌くひともいれば、派手に輝くひともいる。静かに過ぎゆく日もあれば、人生のハイライトのような出来事が起こる日もある。いずれにせよ、いつか消えてしまうものだけど、だからこそ<思うまま>好きな色に塗らないともったいない。
 
 そう気づいたとき<色>を思い出すのです。愛情や興奮、情熱や怒りを彩る<赤>。明るい気分、楽しさ、月や星の美しさ、菜の花が咲く季節の気持ちよさが胸に広がる<黄色>。また、サビの<走り出す 風になる>というフレーズでは、もっと様々な<色>を取り戻せるように、心が疾走感と共にどんどん“透き通ってゆく”ようにも感じられませんか? そして<もう一度>、今見える<この空>を新たに<青く塗る>ことができるのでしょう。

モノクロのこの海は
綺麗なオレンジに塗るよ

走り出す 風になる
空高く 舞い上がれ
心よ 翼よ
涙の向こう側に
連れて行っておくれ
モノクロのこの空は
何度でも 青く塗るよ
「カラー」/斉藤和義

 さらに、歌の後半では<モノクロのこの海>が“青”ではなく<綺麗なオレンジ>で塗られてゆくところも印象的です。幸福感、安心感、温もりが滲んでおり、今の心の状態が表れているかのよう。世界は<何色で塗ればいい>かなんて決まってなくて、自分の<好きな色に 思うまま>塗ればいいんだ、という想いも伝わってきます。そして、たとえ色を失ったとしても<何度でも>塗りなおせば良いのです。

悲しみの絵の具で描いた街
白黒ばかりで色がないよ
どこにでもあるような幸せは
僕たちだけの色で塗ろう
「カラー」/斉藤和義

 こうして幕を閉じてゆく歌。一見、冒頭のフレーズと同じですが、ラストが決定的に違いますね。もう<何色で塗ればいいんだっけな>ではなく<僕たちだけの色で塗ろう>という意志が胸に芽生えているのです。それに“僕だけ”じゃなく“僕たちだけ”というところにも、映画の“家族”の物語にとっての希望が含まれている気がしますね…!
 
 是非、あなたにとっての<どこにでもあるような幸せ>の色や、その色を一緒に塗ってゆきたい大切なひとを思い浮かべながら、映画『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』と、主題歌の斉藤和義「カラー」をじっくりと味わってみてください。

◆紹介曲「カラー
作詞:斉藤和義
作曲:斉藤和義

◆47th Single「カラー」
2018年11月28日発売
初回限定盤 VICL-38100 ¥1,800+税
通常盤 VICL-38101 ¥1,000+税