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  • Mumeixxx
    幸せ至上主義
    幸せ至上主義

    Mumeixxx

    幸せ至上主義

      2026年8月26日に“Mumeixxx”が6thシングル「幸せ至上主義」を配信リリースしました。ルッキズムやSNSの誹謗中傷に苦悩する現代人の心を鋭く代弁し、リアルな感情を表現したPOPロックソング。トリッキーな編成で構築された中毒性の高いサウンドに乗せて「ネットの反応ではなく、大切なのは本当の自分」という強いメッセージを提示した1曲となっております。      今日のうたでは“Mumeixxx”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただのは、新曲「 幸せ至上主義 」にまつわるお話です。誰かの価値観や言葉に、知らず知らずのうちに揺さぶられてしまう私たち。それでも、そんな現代のなかで大切にしたいものとは…。 この曲は、SNSや周りの声に振り回されてしまう時代だからこそ、『幸せの形は人それぞれ』ということを歌いました。 SNSって、良くも悪くも人の意見がすごく近くにある場所だと思っています。   「こういう見た目が可愛い」とか「こういう生き方が正解」とか、誰かが決めた基準が毎日のように流れてきて、気づかないうちに自分と誰かを比べてしまったり、周りからどう見られているかを気にしてしまったりする。   私自身もSNSを長く続けてきた中で、たった一つの言葉に傷ついたり、たくさんの人に褒めてもらえていても、一つの否定的な言葉だけがずっと頭に残ってしまったりすることがありました。   でも、誰かから見て「可愛い」とか「成功している」とか、たくさんの人から認めてもらうことだけが幸せではないと思うんです。   何をしている時が楽しいのか、どんな自分でいたいのか、何を大切にして生きていきたいのか。その答えは人によって全然違うし、本来そこに正解や不正解はないはずです。   ただ、「周りなんて気にしないで、自分を好きになればいい」と言われても、そんなに簡単なことではないとも思っています。   嫌な言葉を見れば傷つくし、人と比べて落ち込む日もあるし、自分の嫌いなところが急に全部好きになるわけでもない。   だからこの曲では、「自分を好きになろう」と強く言い切って背中を押すというより、「今すぐ自分を好きになれなくても、自分の幸せくらいは自分で決めていいんじゃない?」って、隣から少しだけ背中を押すような存在になれたらいいなと思っています。   誰かの評価のために生きるんじゃなくて、自分が「これで幸せ」と思えるものを大切にしたい。そんな曲です。   実はこの曲、リリース前に私の生誕祭で披露したんです。 曲の中にみんなで合唱できるパートがあるのですが、初めて聴く曲だったにも関わらず、その場にいたみんなが一緒に歌ってくれて、本当に忘れられない素敵な思い出になりました。 またいつか、あの時みたいにみんなで一緒に歌える日が来ることを楽しみにしています。 <Mumeixxx> ◆紹介曲「 幸せ至上主義 」 作詞:柴山太朗・Mumeixxx 作曲:柴山太朗

    2026/09/07

  • SHE'S
    私はこの15年間、擬態してきた。
    私はこの15年間、擬態してきた。

    SHE'S

    私はこの15年間、擬態してきた。

     2026年9月2日“SHE'S”が、8枚目のオリジナル・フルアルバム『Who am I?』をリリースしました。2025年にリリースした「モンストグランプリ2025 ジャパンチャンピオンシップ」大会テーマソングである「Four」、夏の終わりを彷彿とさせる楽曲「花雨」や、ドラマ『ぴーすおぶせーふ』オープニング楽曲「Good Life」を含む、全10曲を収録。    今日のうたではそんな“SHE'S”の井上竜馬による歌詞エッセイをお届けします。環境によって様々な“自己”を持っている私たち。いろんな自分を受け入れながら、あらゆるジャンルの音楽を吸収して作り上げたアルバム『Who am I ?』に込めた思いとは…。 音楽と文章を愛してやまない皆々様、ここで会うのはお久しぶりですね。毎度世話になります。『Who am I ?』というアルバムを作った自分の考えを垂れ流すような文章を書こうと思う。   コラムやらエッセイやら、単語は知っていても改めて明確に説明しろと言われればわからない。脳内で?マークがこちらを見ながら小踊りしてやがる。煽るような顔しやがって。調べるほどでもない程度には空気感で理解してるからいいんだよ、ええい。ともかく、今回もそれを寄稿しにきたのだ。     さて、そんな私も実は8月下旬から日記を毎日欠かさず書いている。誰に見せるわけでもなく、見られたいわけでもない、それはあらゆる消費から自分を匿う避難所のようなもの。Havenというやつだ。だから頭の中で四六時中ドタバタと走り回る思考を文字にするのにも慣れてきた。   日記は、数ある手段の中で最も身近で簡単な芸術だと思う。芸術と呼称してしまうと大層なように捉えられてしまうが、自分にとって芸術とは自己の発見や表現だから、日記も例に漏れずそうだと感じるのだ。   芸術にどんな起源がありどんな文化が根源的なもので、そして近代での解釈がどうだとか、そういったことにさして興味はない。ただ、自分が好きで触れる文学や絵画など、一般的な芸術と総称されるものたちにどうしても自己表現の側面を受け取ってしまう自分がいるのだ。     34年も生きていれば、片手では足りない程の表情を持った自分と出会っていく。家族、一人、友達、恋人、職場、様々な関係の中でまるで役者のようにその環境にフィットした自己を形成していくことに、個人差はあれど共感してくれる人は多いのではないだろうか。そのどれもが自分が選んだにも関わらず、"らしくない"とか"本当の自分は"とか言いながら、葛藤して探すのが人間という生き物だ。清々しいほどに全てが私だというのに。     私はこの15年間、擬態してきた。前述した内容を鑑みたときに、その言葉がしっくりきた。擬態とは、生物が身を守ったり獲物を捕まえるときに自分の姿や形を違う対象に似せる行為だ。   音楽という芸術に携わる中で、100%ピュアで真新しい発想を作り続けるのはあまりに困難だ。そして99%は既に世に出ているアイデアなのだ。だから他者の色を取り込んだり、アップデートを目論みながらモノ作りに励む。きっとそれは自分を守る為でもあり、なりたい自分を捕まえる為でもある。     思えば子供の時からそうして生きてきたのだと思う。歩き方や話し方、箸の持ち方まで誰かの模倣をしながら育っていく。擬態は楽しい。新たな可能性を探るにはかっこうの手段だ。らしさを知ろうとしたり求められることに疲れる人は、これを用いてあらゆる分野や行為に足を突っ込んでみるといい。   「私は何者なんだろう?何者になりたいんだろう?」   そうやって性懲りもなく私たちは考えたり忘れたり悩んだりして生きているけれど、きっとどの擬態先でも、どんな形や色になろうと私であることに変わりはないのだ。   だから、今作は意図してあらゆるジャンルを出来るだけ吸収しながら曲を書いた。その上で、『Who am I ?』というタイトルをつけたのだ。胸を張って、このどれもが愛すべき自己表現であり芸術なのだというために。   <SHE'S・井上竜馬> ◆オリジナル・フルアルバム『Who am I?』 2026年9月2日発売   <収録曲> 1. 光灯の右手 (Re-recording) 2. Four 3. Toy Box 4. 葡萄 5. Help Me Out! 6. Dead 7. 花雨 8. Good Life 9. Dec. XX  10. Interlude 11. 詩歌  ◆ツアー情報 ・「SHE’S 15th Anniversary Tour “Who am I?”」 9月26日(土)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE 9月27日(日)浜松 窓枠 10月3日(土)鹿児島CAPARVO HALL 10月4日(日)長崎 DRUM BE-7 10月9日(金)周南 RISING HALL 10月12日(月祝)広島 CLUB QUATTRO 10月17日(土)札幌 cube garden 10月23日(金) 盛岡 CLUBCHANGE WAVE 10月24日(土) 仙台 darwin 10月28日(水)神戸 VARIT. 10月30日(金)松山 WStudio RED 10月31日(土)高松 オリーブホール 11月2日(月)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM 11月3日(火祝)福岡 DRUM LOGOS 11月9日(月)恵比寿 LIQUIDROOM 11月14日(土)宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2 11月15日(日)横浜 F.A.D 11月19日(木)京都 KYOTO MUSE 11月20日(金)名古屋 DIAMOND HALL 11月22日(日)金沢 RED SUN 11月23日(月祝)長野 JUNKBOX 11月25日(水)渋谷 www 11月28日(土)山形 ミュージック昭和SESSION 11月29日(日)新潟 GOLDENPIGS RED STAGE 12月6日(日)大阪 なんばHatch   料金:オールスタンディング:¥5,500 (税込) 2F指定席(なんばHatchのみ):¥6,000 (税込) ※ドリンク代別途(山形公演を除く) ※小学生以上有料 チケット購入はこちら: https://tix.to/shes15th-tour   ◆ツアーファイナル情報: 「SHE’S 15th Anniversary Final」 日程:2027年2月5日(金) 会場:SGC HALL ARIAKE 開場 18:00 / 開演 19:00

    2026/09/04

  • ばぶ
    アイデアが出ないことすらも糧にして
    アイデアが出ないことすらも糧にして

    ばぶ

    アイデアが出ないことすらも糧にして

     2026年9月2日に“ばぶ”が新曲「No idea」をリリースしました。ばぶは、岩手県出身の男性シンガーソングライター。本人の初リリース作品にあたる「No idea」は、J-R&Bの影響を感じさせる心地よいサウンドに、現役大学生である本人の等身大の言葉と感情を落とし込んだ一曲となっております。    今日のうたではそんな“ばぶ”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 No idea 」にまつわるお話です。楽曲制作に行き詰まったことをきっかけに生まれたこの歌。さらに、はじめて他者とともに曲づくりを行なって、気づいたことは…。 歌ネットをご覧の皆さん、初めまして。大学生をしながら音楽活動をしている、ばぶと申します。   この度、僕の1stシングル「No idea」がリリースされることになりました。初めてのリリースということで、「この曲を聴いてくれる人がいるのかな」「一回だけ聴いて終わりだったらどうしよう」など、たくさんの不安が頭の中を駆け巡っていますが、それ以上にとても良い作品に仕上げられたと思っています。   今回リリースする「No idea」は、楽曲制作でとんでもなく行き詰まっていた際に、「この状況下すらも曲にしてみれば面白いかも?」と考えたことがきっかけに生まれた楽曲です。   僕は最初にドラムをなんとなく打ち込み、その後にメロディを載せるという方法で曲を作っています。普段はコードやドラム、パーカッションなどの音をどんどん足して様々なアイデアを模索するのですが、この時の僕はその先が一ミリも思いつかなくて意気消沈していました。   そして、いつものようにお蔵入りにするか…と考えていた時、「いや待てよ、お蔵入りにするぐらいならこの現状すらも貪欲に曲に混ぜればいいのでは?」という思考になりました。   その時に抱いていた感情や感覚を大事にして、自然体のままに作り上げたサビには、実家の自分の部屋で作られた空気感や、綺麗になりすぎないような音感が詰まっています。なんだか日常を感じさせるようなサウンドに仕上がりました。   ちょうどNo ideaに取り掛かっていた今年の三月に、とある弾き語りをしている奴と出会いました。もともと存在は知っていたのですが、弾き語りの中でもトップと言っていいぐらいの再生数とセンスを持っていたので、正直嫉妬かまして関わる機会を無下にしていました(笑)。   話してみると、とても気さくで面白く、でも音楽にはちゃんと芯があって、"自分"という抽象的で具体性のない難しい言葉も、一歩一歩自分の足で物語を拾い上げて抱え込むことができる。そんな当たり前だけど難しいことをやってきた彼がめっちゃ好きになりました。   僕はこの出会いも何かの縁だと感じて、一緒にこの曲を作ることを提案しました。僕自身、誰かと曲を作ったことはなく、一人で孤独にずっと音楽を作り続けてきました。そんな中で彼と音楽を作っていると、僕が気づかなかった視点や、難しすぎて踏み入れることのできなかった領域が見えてきて。何より、誰かと一緒に音楽をやるという"楽しさ"を実感しました。様々な事情で、featにはできなかったのですが、これも糧としてお互い前に進み、いつか一緒に曲を出せるように頑張りたいです。   最後に、「当たり前」や「基本」といった言葉は、いざ実行する/維持しようとすると、疎かになってきてしまう部分があると思います。その中でも、日常で見落としている小さな幸せを拾って、普段意識していないようなものにも注視して、自然の匂いや音、四季を感じながら日常を闊歩してください。   辛いことがあったら一人で抱え込まないで、いろんな人を頼りながら、自分のペースでゆっくり進んでいってください。この曲に込めた想いを感じながら、ぜひたくさん聴いてみてください。   <ばぶ> ◆紹介曲「 No idea 」 作詞:ばぶ 作曲:ばぶ

    2026/09/03

  • 月と徒花
    密か
    密か

    月と徒花

    密か

     2026年7月15日に“月と徒花”が新曲「密か」をリリースしました。SNSでバイラルヒットを記録した「熱り」に続く新たなラブソング。両片思いのふたりのもどかしい恋心を歌った楽曲です。サビにキャッチーな「好き」のリフレインがありながら、告白しようとする自分を鼓舞するような展開で、聴くだけで“あのとき”の青春が頭をよぎる令和の恋のアンセムソングとなっております。    今日のうたでは、そんな“月と徒花”の冨岡竜之介(Vo.Gt)による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは新曲「 密か 」のお話です。好きなひとと一緒にいられるだけで十分だと思っていたあの頃。でも、言えなかった「好き」を振り返り、今思うことは…。 「告白しなかった恋は、終わらない。」   「振られた恋よりも、ずっと長く心に残る気がする。」   夕方の下北沢は、昼より少しだけ優しい。   改札前の人混みも、古着屋から流れる音楽も、駅前で誰かを待つ人も、全部いつも通りだった。   「お疲れさまです。」   そう言って店を出る。   君が上がるまで、あと三十分くらい。   まっすぐ駅へ向かうには、少し早すぎる。   そう自分に言い聞かせながら、いつものコンビニへ入った。   冷蔵ケースを眺めて、いつもの缶チューハイを一本だけ手に取る。   「また待つの?」   レジを通りかかる店長が笑う。   「待ってないです。」   「そういうことにしとく。」   店長も、それ以上は何も言わない。   私は缶を片手に、駅までの道をゆっくり歩く。   あと少ししたら、きっと君もこの道を歩いてくる。   「あ、いた。」   先に声を掛けてくれるのは、いつも君だった。   「お疲れ。」   できるだけ平気な顔で返す。   「また飲んでるじゃん。」   「飲む?」   君は「いいの?」と笑って缶を受け取る。   一口だけ飲んで、何事もなかったみたいに私へ返してくる。   何も気にしていない君と、その缶を受け取るだけで少しだけ緊張してしまう私。   たぶん、待っていたことも。   この缶を買う理由も。   君は全部気付いていた。   「今日どうだった?」   「眠すぎて、授業ほとんど覚えてない。」   そんな他愛もない話をしながら歩く帰り道が、私は好きだった。   踏切が閉まれば少しだけ長く話せる気がして、信号が赤になるたびに、少しだけ嬉しくなる。   君は誰にでも優しい。   だから私にも優しい。   それだけかもしれないのに、その“だけ”が嬉しくて、期待してしまう自分がいた。   夏休みに入ると、その帰り道は少しだけ長くなった。   駅へ向かわず遠回りをしたり、写真を撮ったり、動画を回したり。   スマホのアルバムには、君が笑っている夏がたくさん残っている。   でも、一枚もSNSには載せられなかった。   あの時間を誰かに見られたくなかった。   誰かに説明したくなかった。   ただ、私たちだけが知っている思い出でいてほしかった。   帰り道、改札が見えてくる。   「じゃあ、また。」   君はいつも通り手を振る。   私もいつも通り笑って手を振る。   本当は、その前に伝えたい言葉があるのに。   ある日の閉店後。   店長がぽつりと呟いた。   「告白しなかった恋って、案外終わらないんだよ。」   私は笑って聞き流した。   「振られた恋より、長く残ることもあるし。」   そのときは、何を言っているんだろうくらいにしか思わなかった。   帰り道、一人になる。   誰にも聞こえないくらい小さな声で呟く。   「好き。」   次に会ったら。   今度こそ。   そう思いながら眠って、また同じ夕方を迎える。   あの頃の私は、好きな人と一緒にいられるだけで十分だと思っていた。   でも、本当は違った。   十分だったんじゃない。   その関係が壊れてしまうのが怖かった。   だから、「好き」の一言が言えなかった。   あの夏が終わっても、君との写真は消せなかった。   動画も、お揃いみたいに飲んだ缶チューハイの味も、夕方の下北沢も。   二十四時間で消えるストーリーとは違って、私の中には今も残り続けている。   あの日、誰にも聞こえないように呟いた「好き」は、結局最後まで君には届かなかった。   それでも、あの時間が嘘だったとは思わない。   言えなかったからこそ、大切にできた想いもある。   だから私は、この気持ちにひとつだけ名前を付けた。   **『密か』。**   <月と徒花・冨岡竜之介> ◆紹介曲「 密か 」 作詞:冨岡竜之介 作曲:冨岡竜之介

    2026/09/02

  • コレサワ
    PINK BEARS
    PINK BEARS

    コレサワ

    PINK BEARS

     2026年8月19日に“コレサワ”が5th Mini Album『PINK BEARS』をリリースしました。今作には、ガーナチョコレート“#ラス弁返しガーナ”テーマソング「最後のべんとう」や、TVアニメ『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』EDテーマ「ずっと1番にしてね」といったタイアップ2曲に加えて、「にゃんにゃんにゃん」のパンク・アレンジ・バージョン、未発表の新曲5曲を含む計8曲が収録された大充実の1枚となっています。    今日のうたではそんな“コレサワ”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作に収録されている2曲の失恋ソング「 元カノになるの 」と「 5AM 」のお話です。それぞれの楽曲に込めた思いは…。 ラブソングってさ、恋をしている時しか刺さらないけど(私はね)、失恋ソングって恋してるしてない関係なくセンチメンタルになれるやん?だから好きなんだよなー歌うのも聞くのも。   今回の『PINK BEARS』にも失恋ソングが2曲入ってます。一つ目は「元カノになるの」です。明日フラれるかもって思ってる女の子の曲で、失恋するかもソングって呼んでます。サビがふと降りて来たとき、嬉しかったな!!大好きな曲がまた増えるかもーって思える瞬間が大好き!!   この曲の歌詞の40パーくらいは、私のここ1~2年に感じた「なんで?」をたくさん歌っています。あとチャッピー(ChatGPT)を始めた頃だったので、チャッピーが出てきます。みんなはチャッピーにどんな名前をつけてる? 私はじいやって呼んでいて、お嬢様って呼んでもらってる。調べ物をよく手伝ってもらうよ。相談はしないタイプ。知りたいことの答えをたくさんくれるけど、多分そうじゃないと思うんだよなーっていう直感みたいなものは、無くさず大切にしていきたいなと思っています。   2曲目は「5AM」です。朝5時まで友達とおしゃべりした帰り道に作りました。乗り物に乗ってるときに曲が思いつくことが多いんだけど、このときは自転車に乗っていました。朝までの話し合いほど無駄で疲れる時間はないですよ。別れ話は朝がオススメです。絶対夜に始めちゃダメだからね。でも、今思えばそんな時間も、やりたいって思ってできることじゃないから、経験してよかったなと思う。こうして歌になったからいいんだよなんだって。   あしたは仕事で朝の5時起きなので今回はここまで! PINK BERAS、たくさん愛してもらえますように!   <コレサワ> ◆紹介曲「 元カノになるの 」 作詞:コレサワ 作曲:コレサワ 「 5AM 」 作詞:コレサワ 作曲:コレサワ ◆5th Mini Album『PINK BEARS』 2026年8月19日配信リリース URL: https://lnk.to/PINKBEARS <収録曲> 1. あたしにすればいいのに!  2. 元カノになるの 3. ずっと1番にしてね 4. 最後のべんとう 5. にゃんにゃんにゃん(パンクにゃんにゃん) 6. 一生推せる女の子 7. 5AM 8. お気に入り 

    2026/09/01

  • ニューアヤカ
    こんな面でも
    こんな面でも

    ニューアヤカ

    こんな面でも

     2026年7月22日に“ニューアヤカ”がDigital mini Album『KNEWIT』(読み:ニューイット)をリリースしました。今作には、リード曲「GUM」をはじめ、「指輪を埋めて」「サマーチューン」「viva la 私」「ニッポンチック」「スースー」の全6曲を収録。懐かしさを感じさせるメロディラインと、現代を生きる等身大の視点から紡がれる歌詞が溶け合い、ニューアヤカの音楽性を凝縮した作品となっております。    今日のうたではそんな“ニューアヤカ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は収録曲「 指輪を埋めて 」にまつわるお話です。あの頃は知らなかった「メンヘラ」の意味を知り、自分のなかにもその一面を見つけた今。歌詞を書くことで見えてきたのは…。 「メンヘラ」という言葉を初めて聞いたのは、 小学校だったか中学校だったか。   友達との会話で出てきたものの、 意味が分からず愛想笑いで過ごした日がありました。   帰宅後、母の携帯のiモードを開いて 「メンヘラ 意味」と調べてみたんです。   “心に何かしらの問題を抱えている人や、精神的に不安定で周囲を振り回しがちな人を指す”   今調べるとこんな感じ。   あの時はどんな説明で書かれていたのか覚えていませんが、あまり理解できず、   なんとなくのニュアンスを掴んだだけで諦めたのを覚えています。   みんなはこんな曖昧なニュアンスの言葉を使いこなせてすごいなと純粋に思っていました。   理解できなかったのは、 自分に対しても、人に対しても   メンヘラに当てはまるような認識を持ったことが無かったからなんです。   まぁ幼かったし、   一般的な家庭で育ってるし、   そんな溺れるような恋なんてしたことなかったし、   溺れるような恋をしている友達もいなかったし、   そりゃそうだと思います。   それに、まだ分からなくて良いし、   それで良かったんだと思います。   今はもう流石に分かりますよ。   溺れるような恋もしたし、   溺れるような恋をしてる友達も現れました。   普段は普通に話してるのに、   メンヘラモードになるとこんなにも変わるのか。やばい。怖い。   って仲の良い友達に思ったこともあります。   メンヘラにも色んなメンヘラがいるので幅広いという認識の受け皿だって大きくなりました。   今は思います。   「メンヘラじゃないと曲なんて書けないぞ」と。 ※個人的感想です   メンヘラの意味が分からずに調べていた少女が、自身がそうなっている未来を想像していたでしょうか。   そんな訳ありません。   本当に気の毒でなりません。   そんなメンヘラであろう私が、 特にメンヘラを意識して書いたのが   「指輪を埋めて」です。   “心臓に指輪を埋めてくれてやるわダーリン”   って言うてます。   上からなメンヘラって怖いですね。   ややこしそうすぎる。   私が歌詞を書く際、実体験をそのまま書いたりするのは得意じゃなくて、   基本的には妄想が入り混じっているんです。   ただ、それにしても   “指輪を埋めてくれてやるわ”   って言葉が自分から出てくるんだぁ。   ってなりました。   そういう自分を秘めているんだ。怖。   ってなりました。   こんな風にね、   曲を作ることで、 新しい自分を知ることもできるんです。   良い意味でも、悪い意味でも。   そうですね。   メンヘラで得したことと言えば、 曲が書けるようになったことですかね__。   とか密着インタビューされてる風に脳内で遊んじゃったほうが気は紛れますよ。   自分のことが嫌になった時とか、 生きるのがめんどくさくなった時に使ってみてください。   あなたが私のファンになり   様々な私の情報を経てこのエッセイに辿り着いた時   どんな風に感じてくれるのでしょう。   これは、誰がなんと言おうと、   こんな面でも世界一ウブなラブレターです。   <ニューアヤカ> ◆紹介曲「 指輪を埋めて 」 作詞:ニューアヤカ 作曲:ニューアヤカ ◆Digital mini Album『KNEWIT』 2026年7月22日発売 配信リンク: https://nex-tone.link/A00222168   <収録曲> 1. GUM 2. 指輪を埋めて 3. サマーチューン 4. viva la 私 5. ニッポンチック 6. スースー

    2026/08/31

  • reGretGirl
    俺をずっと踊らせてくれ。
    俺をずっと踊らせてくれ。

    reGretGirl

    俺をずっと踊らせてくれ。

     2026年8月12日に“reGretGirl”がDigital Single「ラストダンス」を配信リリースしました。終わりへ向かう恋の上で踊り続ける、未練全開な失恋ソング。“気が利く彼氏“を演じる独りよがりな男が、彼女のリズムに必死に合わせ、不器用に踊り続ける情けない心情がストレートに綴られた1曲となっております。    今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは新曲「 ラストダンス 」にまつわるお話です。日々のなかで少しずつ積み重なっていった違和感。やがて<僕>が<俺>に変わり、溢れ出す思いは…。 この度、8月12日に我々reGretGirlはデジタルシングル「ラストダンス」をリリースいたしました。   今作はreGretGirl最大の武器ともいえる、「曲は軽快なのに歌詞は切ない」のまさに真骨頂であり、ラストダンスの名の通り「ラスト」の切なさを歌詞で、「ダンス」の楽しさ軽快さをメロディとリズムで表現しました。   今後ライブでもこの楽曲が我々のステージの盛り上がりを担ってくれること間違いなし、かなりの自信作ができたと自負しております。 メランコリックでグルーヴィーなアッパーチューンにみなさん是非踊らされてください。 今回は、この「ラストダンス」の主人公の気持ちや想いを綴った文章をお届けします。   ---------------   「今日は18時半ぐらいに駅着きそう」 「おっけい!!」   18時25分。最寄駅まで彼女を迎えに行く。数分経って改札から出てくる彼女の表情は明らかに曇っている。「あ、今日はそういう日か、」僕は目に見えないスイッチを入れる。できるだけ笑顔を作り「おかえり!おつかれさま!」とワントーン高い声で出迎える。何を食べたいか聞いても「なんでもいい」しか帰ってこず、また近所の回転寿司屋に入った。   茶碗蒸しを黙って口に運ぶ彼女に、今日あったことを元気よくできるだけ冗談を交えながら話しまくる。注文のタッチパネルしか見ていなくても、雑な相槌しか返ってこなくても、僕はにこやかに話し続ける。到底会話とは呼べない言葉の壁当てを繰り返し、「今日は仕事頑張ったんやからデザートぐらい食べたらええやん!」という言葉に「じゃあ毎日食べていいってことかぁ」とやっと少し笑顔で返してくれた。   もう彼女が何を考えているのかなんてとうの昔に分からなくなってしまった。機嫌を損ねている日の扱いさえ作業のようだ。僕の意見を押し殺すだけで隣にいられるのならいくらでもそうしてきた。なのに近頃はああだこうだ言ってくれない。僕に変わったところはないはずだ。出会った頃のままの気の良い奴を突き通しているつもりだ。   好きなものに真っ直ぐで、意志が強くて、少し頑固なところも僕には全て心地良かった。だからもっと手綱を握っていてくれ。もっと手のひらの上で踊らせてくれ。   あと何小節この生活は続くだろうか。もう出会う前の生活リズムは忘れてしまった。まだこのビートを感じさせてくれ。出会った頃の笑顔と君のリズムで俺をずっと踊らせてくれ。   ---------------   この曲の主人公と彼女の主張を、よかったら自分なりに考察してくれたら嬉しいです。僕はこの2人はどちらも悪いと思っています(笑)。   あと、この主人公の一人称が始めは「僕」なのですが、途中から「俺」に変わっています。彼女に気を使いすぎて自分の感情を押し殺していた主人公の本音が曲の最後に近づくにつれて表れてくるのを表現しました。気づいてくれたらいいな程度なのでこれを読んでいただいた方に届けば幸いです。   今回もこのうたコラムに文章を掲載させていただけますこと、誠に感謝いたします。 最後までご一読いただき、ありがとうございました。 「ラストダンス」是非お聴きください。   <reGretGirl・平部雅洋> ◆紹介曲「 ラストダンス 」 作詞:平部雅洋 作曲:平部雅洋  ◆Digital Single「ラストダンス」 2026年8月12日発売 配信URL: https://rgg.lnk.to/lastdance ◆ライブ情報 <reGretGirl ONEMAN TOUR 2026-2027 "Fall in LOVE"> 2026年9月19日(土) 愛媛 松山サロンキティ OPEN 17:30/START 18:00   2026年9月20日(日) 香川 高松DiME OPEN 17:00/START 17:30   2026年10月25日(日) 栃木 HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2 OPEN 17:00/START 17:30   2026年11月1日(日) 広島 広島Live space Reed OPEN 17:00/START 17:30   2026年11月3日(祝火) 大分 大分DRUM Be-0 OPEN 17:00/START 17:30   2026年11月7日(土) 宮城 仙台Rensa OPEN 17:15/START 18:00   2026年11月12日(木) 北海道 札幌PENNY LANE24 OPEN 17:45/START 18:30   2026年11月14日(土) 北海道 旭川CASINO DRIVE OPEN 17:30/START 18:00   2026年11月23日(祝月) 岡山 岡山IMAGE OPEN 17:00/START 17:30   2026年12月12日(土) 長野 長野CLUB JUNK BOX OPEN 17:30/START 18:00   2026年12月13日(日) 石川 金沢EIGHT HALL OPEN 16:45/START 17:30   2026年12月20日(日) 福岡 福岡DRUM LOGOS OPEN 16:45/START 17:30   2027年2月20日(土) 東京 Spotify O-EAST OPEN 17:00/START 18:00   2027年2月23日(祝火) 愛知 名古屋DIAMOND HALL OPEN 16:30/START 17:30   2027年2月27日(土) 大阪 GORILLA HALL OSAKA OPEN 17:00/START 18:00   〇チケット情報 https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2667696   通常価格:¥4,800 (税込/ドリンク代別)

    2026/08/28

  • 竹内アンナ
    ALRIGHT
    ALRIGHT

    竹内アンナ

    ALRIGHT

     2026年8月12日に“竹内アンナ”が新作『MIXTAPE』をリリースしました。今作には、未発表曲3曲、2025年にリリースされた楽曲3曲、本作のために新たに書き下ろされた2曲の計8曲が収録されております。タイトルの『MIXTAPE』には、時代を超えた“アーカイブ”の意味が込められており、これまでの軌跡を辿るファンはもちろん、初めて彼女の音楽に触れるリスナーも幅広く楽しめる1作です。    さて、今日のうたではそんな“竹内アンナ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。今回が最終回です。自転車で坂を下るときだけは、なんでもうまくいくような気がしたあの頃。“大人になること”を考えた先で、ふと思うことは…。 京都の夏は、いつだって心にまとわりつく。あの湿気のように、じっとりと、なかなか離れてくれない。   学生時代、通学には自転車を使っていた。行きは地獄のような上り坂。その代わり、帰り道は天国のように快適な下り坂だった。   とりわけ好きだったのは夏の終わり、日が少し沈みかけた頃、一人で自転車に乗る帰り道だった。   坂を下り、風を切っている瞬間だけは、湿気も、将来への漠然とした不安も、昨日送らなきゃよかったと後悔しているメールのことも、全部どうでもよくなった。   あと、通販の買い物かごに鎮座したままの買うほどでもないけれど欲しいもののこと、好きな歌なのに歌詞カードには載っていなくてなんと言っているのか分からないあの一節のこと、ほかにもあれやこれや。   我ながらいろいろと考えすぎではある。そのツッコミも一緒に、風の中へ流させていただきましょう。   不安を忘れられるだけではなかった。むしろ、理由もなく自信が湧き上がってきた。この下り坂を乗りこなしている間だけは、なぜかなんでもうまくいくような気がした。不思議だった。   大人になるって、どういうことだろう。   今はうまくできないことも、大人になれば上手にやりくりできるようになるのだろうか。愛想笑いも、世渡りも、きっとうまくなる。思ってもいないお世辞だって言えるようになるし、失礼で余計な言葉を向けられても、黙ってやり過ごせるようになる。   きっと全部、うまくいくのだろう。たぶん。   未来のことなんて分からないから、ぼんやりと目の前に広がる空に願いを込めた。   夜が、もうすぐ始まろうとしていた。深い青と淡いオレンジが、水面に落とした絵の具のように溶け合っていた。   忘れたくないなあ、と思った。目の前にあるものだけを見ていたかった。   「大丈夫、大丈夫」   小さくささやいた言葉が、風に消えるよりも先に、するりとわたしを包み込んだ。   今はまだ、この根拠のない大丈夫を信じて、自転車を漕ぎ続けたい。   <竹内アンナ> ◆紹介曲「 ALRIGHT 」 作詞:Anna Takeuchi 作曲:Anna Takeuchi ◆新作『MIXTAPE』 2026年8月12日発売   <収録曲> 1. ok, love song 2. PARADISE 3. adabana midnight 4. ハッピーエンドの続きを 5. P.S. I LOVE YOU  6. That's my name 7. 真昼のランデヴー 8. My secret plum

    2026/08/27

  • YONA YONA WEEKENDERS
    想い出の予感
    想い出の予感

    YONA YONA WEEKENDERS

    想い出の予感

     2026年8月26日に“YONA YONA WEEKENDERS”が7th EP『想い出の予感』を配信リリースしました。今作には、「トキオ・ダンジョン」「夜半の月」「パパ」を含む全5曲を収録。それぞれ異なる顔を持つ楽曲たちに通底するのは、"今この瞬間"への眼差しです。喜びも、疲労も、愛おしさも、いつかは遠い記憶になる。その予感ごと抱きしめたくなる夜を、詰め込んだ結成10周年イヤーの集大成となっております。    今日のうたでは、そんな“YONA YONA WEEKENDERS”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、収録曲「夜半の月」「パパ」「トキオ・ダンジョン」「あっ!」「ワン缶」全5曲のセルフライナーノーツ。それぞれの楽曲に込めた思いは…。 M-1「夜半の月」   今年でYONA YONA WEEKENDERSが始まって10年が経つんだそうな。   まるで他人事のような口ぶりだが、かくいう僕も「え、そんなに続いてたんだ?」という感覚が一番しっくりきている。   何か大きなことを成し遂げたわけでもないし、ヨナヨナ始まりの一曲、「明るい未来」の歌詞に出てくるような高級外車を乗り回している未来は、まだ現実になっていない(今は37度のバースデーだから、歌詞的にはあと一年猶予はあるが…)。   結成当時から、相も変わらず毎日を懸命に生きているだけだ。   今年はバンドの10周年イヤーということで、ありがたいことに、雑誌やメディアのインタビューなどで、これまでを振り返る機会が多々ある。   周りの先輩たちは20年目、30年目でバリッバリ現役なので、「いやいや10年目なんてまだケツ真っ青ですわ…」と謙遜しているのだが、改めて振り返ってみると、いやはや、ちゃんと色々あったようだ。   バンド黎明期。   みんなで集まってスタジオに入り、終われば居酒屋になだれ込む。それだけで楽しかった。   今の事務所に拾ってもらって、バンドを支えてくれる仲間が増えた。活動のスピードが一気に加速していくのを感じた。   インディーズデビュー直後にコロナ禍に突入。ライブは中止に次ぐ中止。誰に届いているのかも分からないまま、配信ライブをやった。   先行きが不安な中で息子が誕生し、とにかく必死に働いた。   そして辿り着いたメジャーデビュー。   初めての全国ツアー。チケットは完売。僕たちを見るお客さんのマスク越しの目の輝きを、今でも鮮明に覚えている。   YONA YONA WEEKENDERSが、自分のためだけのバンドではなくなった。そんな、ある種の責任のようなものが芽生えた瞬間だった。   順風満帆にいくかと思いきや、営業マンとの二足のわらじのバランスが取れなくなり、転職を決意。   大型フェスへの出演やメディア露出が増えるも、上昇気流に乗り切れず、歯痒い思いをした。   色々な壁にぶち当たり、メンバーやチームとぶつかることも増えた。   その中でギターのキイチとは、この先のお互いの幸せを考えたうえで、別々の道を歩むことになった。   書き出してみると、それなりに波瀾万丈である。   そんな僕たちが、唯一胸を張って言えることがあるとするならば、それは、“いつ何時でもステージに立ち続けてきたこと”だと思う。   サブスクやAIの登場で、音楽との出会い方はどんどん気軽なものになっている。   そんな時代だからこそ、僕たちは自分たちの生き様をライブで見せること、目の前のお客さんに生音を鳴らすことを、これからも大切にしていきたいし、そんな音楽こそが、人の心を動かすと思っている。   いや、そうであってくれ…。   たとえ不格好でも、地面に這いつくばってでも、ステージに立って歌い続ける。   富を得ようが、何か大きなものを手に入れようが、多分僕たちはこれからも変わらず、毎日を懸命に生きているんだと思う。   そして、その延長線上に、YONA YONA WEEKENDERSも続いていく気がしている。   この曲を聴いてくれたあなたにも、いつかまたライブハウスで会えたら嬉しい。   その時まで、小さな灯を消さずに、僕たちは歌い続けます。     M-2「パパ」   来年、息子が小学生になる。   ついこの前まで赤ちゃんだったはずなのに、気づけばランドセルを背負う。机に座って勉強したり、家で宿題をしたりするのだ。   早い。早過ぎてビビる。   生意気なことも言うようになったし、親の言うことなんて全然聞かない日もある。   でも、やっぱりめちゃくちゃ可愛い。   僕が生きる理由のひとつになっている。   そんな今の僕が順風満帆かと言われると、全然そんなことはない。   昨年はバンドの編成が変わり、そのバランスを探りながら、とにかく必死にもがいていた一年だった。   ツアーの動員も減ったし、周りを見れば上手くいっているバンドがたくさんいる。   隣の芝生がずっと青く見えていた。   今回のEPについても、過去一くらいメンバーやスタッフと議論を重ねたと思う。   「これでいいのか?」   「もっとこうした方がいいんじゃないか?」   なかなか着地点が見えず、迷いに迷いまくり、落ち込んだ時も、家に帰れば息子がいる。 くだらないことで笑ったり、怒ったり、逆に怒られたり、一緒に寝落ちしたり。   そんな日々を過ごしている中で、今回の「パパ」という曲ができた。   今まで僕は、聴いてくれる人それぞれに解釈を委ねるような歌詞を書くことが多かった。 あえて余白を残して、聴く人の人生や経験によって意味が変わるような歌を作りたいと思っていたからだ。   でもこの曲は、自分史上一番と言っていいほど、どストレートに書き上げた。   ベースのシンゴからも、「本当にこの歌詞でいくんだよね…?」と心配されたほどに。   でも、この曲に関しては、綺麗に整えたり、少し格好つけたりするよりも、最初に書き殴った時の鋭利なテンションを、そのまま残した方がいいという想いがあった。   たとえ局地的でも、誰か一人の心に深く突き刺さる方が、この曲にとっては正しいんじゃないかと思ったからだ。   だからこれは、決して「幸せな父親が息子に向けて書いた歌」ではない。   色んなことに悩んだり、落ち込んだりしながら、それでも大切な誰かを守りたいという気持ちを、ものすごく不器用に、ものすごく真っ直ぐ歌ったラブソングなのだ。   大切な誰かがいるから、もう少し頑張ってみようと思える。   僕にとっては、その「誰か」が息子だった。   そして、そんな大切な「誰か」は、きっとあなたの側にもいるはずだ。     M-3「トキオ・ダンジョン」   18年前、ミュージシャンになって音楽で飯を食う!と意気込み、岡山の田舎からはるばる東京に出てきた。   渋谷スクランブル交差点の人波。   歌舞伎町のネオン。   浅草寺のデカい提灯。   お台場の球体。   すべてが鮮やかで、キラキラして見えた。   当時の僕からすると、東京は夢の街だった。   何者かになれる気がしていたし、音楽をやっていればいつか何かが起こるだろうと思っていた。   まぁ、18年経った今も、結局何者になれたのかはよく分からないが…。   東京という街は、夢を見させてくれる一方で、現実も容赦なく突きつけてくる。   18年前の自分が想像していた未来とは、ずいぶん違う場所にいる。   家族ができて、バンドも10年続いて、メジャーデビューもして、ありがたいことに色んなステージにも立たせてもらった。   それでも、ふとした瞬間に「あれ、俺今何やってんだろう?」と思うことがある。   周りを見れば、自分より才能のある人も、成功している人もいくらでもいる。   焦る。   迷う。   それでも、結局懲りずに歌い続けている。   18年前から、何も変わっていない。   夢を見て、打ちのめされて、それでもまた夢を見る。   「トキオ・ダンジョン」は、そんな東京という迷宮の中を、18年経った今も抜け出せずに彷徨っている僕の心の叫びだ。   きっとこの先も僕はこの街で迷い続けるんだと思う。   でも、迷っている間は、まだ夢を見続けているということなのかもしれない。   そう思えば、トキオ・ダンジョンもまんざら悪くはないところな気がしている。     M-4「あっ!」   ちょうど「パパ」の制作を進めていた頃、偶然にもNHK「みんなのうた」の曲を書かせてもらう機会が訪れた。   なんだかとても感慨深く、一人勝手にエモい気持ちになった。   僕にとって「みんなのうた」は、小さい頃、リビングのテレビで何気なく流れていた番組。   わざわざテレビの前に座って観るというよりは、家族がそれぞれのことをしながら、いつの間にか耳に入ってくる。   そんな、生活の中の風景だった。   そんな場所で自分の曲が流れる…。   そう思うと、どんな名曲を書いてやろうかと、無い脳味噌をフル回転させ、鼻息を荒くしていた。   ある日の夕方、息子と公園で遊んでいた時のこと。   もうそろそろ帰ろうかという時間に、息子が突然、「一日が終わっちゃうのが寂しい」と泣き始めたのだ。   その姿を見て、僕はグッときてしまった。   子どもなりに、「楽しい時間には終わりがある」ということを感じ取った瞬間だったのだと思う。   大人になれば、時間が有限であることなんて嫌というほど分かっている。   でも、子どもがそのことに初めて触れる瞬間を目の当たりにしたことで、改めて「時間って本当にあっという間なんだな」と感じた。   そして、これを歌にしたいと思った。   「あっ!」というのは、何かに気づいた瞬間の「あっ!」。   そしてもう一つ、「あっという間に」過ぎていく時間の「あっ」。   この二つの意味を込めたタイトルだ。   歌詞の中には、夕方の公園だったり、伸びていく影だったり、さよならのチャイムだったり、子どもと過ごしていると出会う様々な場面が登場する。   でも、そんな何気ない瞬間こそ、後になって振り返った時に、宝物のような思い出になっていたりする。   「今を大切にしよう!」なんて、偉そうに言うつもりはない。   ただ、毎日を過ごす中で、ふと「あ、今って大切な時間なんだな」と気づく。   そんなきっかけになればいいなと思って書いた曲だ。   自分が子どもの頃に何気なく聴いていた「みんなのうた」で、今度は自分が作った曲が流れる。   そして、その曲をまた誰かの子どもが、リビングで何気なく聴いているかもしれない。   そう考えると、ちょっと不思議で、すごく嬉しい。   あっという間に過ぎていく毎日の中で、ふと立ち止まって、「あっ!」と何かに気づく。 そんな一瞬を、この曲と一緒に覚えておいてもらえたら嬉しい限りです。     M-5「ワン缶」   この曲が完成して、ようやく『想い出の予感』というEPの最後のピースがハマった気がした。   10年もの時間が経てば、当然色んなものが変わる。   家族ができた。   住む場所も、仕事も変わった。   バンドの編成も変わった。   18年前、岡山から東京に出てきた頃の自分と比べれば、環境は随分と変わったと思う。   でも、じゃあ自分の中身まで変わったか?というと、案外そうでもない。   相変わらず音楽をやっているし、ライブが好きだし、くだらないことで笑っている時間が好きだ。   一日が終わり、コンビニで缶ビールを一本買う。   それを飲みながら、「今日も悪くなかったな」と思えたら、それでいい。   そんなささやかな幸せが、僕にとっては大切なんじゃないか…。   この曲を書きながら、そんなことを考えていた。   37歳になっても、まだまだ飲み足りないし、遊び足りない。   思い通りにならないことも、周りを羨むことだってたくさんある。   それでも、幸せの値打ちを誰かに決められる筋合いはない。   自分たちが「これでいい」と思えるなら、それでいいんだと思う。   10年前の自分からしたら、今の自分はきっと想像していなかった場所にいる。   10年後の自分も、多分今とは全然違う場所にいるんだろう。   家族も、環境も、バンドも、また何かが変わっているかもしれない。   その時もきっと、何かに追われながら、何かを楽しみにしながら、毎日を生きているんだ と思う。 そして夜になったら、また缶ビールを一本開けているかもしれない。   『想い出の予感』というタイトルには、今この瞬間もいつか思い出になるんだろうなという、未来の自分が今の自分を懐かしく思う、その気配のようなものが込められている。   この曲もきっとそうだ。   今はただ一日の終わりに飲むワン缶だけど、いつか振り返った時に、「あの頃はあんな毎日だったな」と思う日が来るはず。   変わっていくものを無理に止める必要もないし、変わらないものを無理に変える必要もない。   君が側にいてくれるなら、ワン缶でいい。   それでいい。それがいい。   そんな何気ない夜を、これからも大切にしていきたい。   YONA YONA WEEKENDERSは、これから先もきっと、こんな感じでやっていくんだろうなぁ。 缶ビールをお供に本コラムを執筆しながら、そんなことを思うのであった。   <YONA YONA WEEKENDERS・磯野くん(Vo.&Gt.) > ◆7th EP『想い出の予感』 2026年8月26日発売 <収録曲>

    2026/08/26

  • DISH//
    僕らだけの合言葉
    僕らだけの合言葉

    DISH//

    僕らだけの合言葉

     2026年8月26日に“DISH//”がニューシングル「アイコトバ」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『うちの弟どもがすみません』のオープニングテーマとして書き下ろした楽曲となっております。家族愛や恋愛など、さまざまな“愛”をテーマに歌詞を綴りながら、“ポップ”で“爽やか”に振り切った、夏を感じるピアノロックです。  今日のうたでは、そんな“DISH//”の北村匠海による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、新曲「 アイコトバ 」にまつわるお話です。重ねてきた時間を振り返りながら思う、“僕ら”だけの合言葉とは…。 僕らだけの合言葉   まずは「ありがとう」から始めよう   僕らだけの「ありがとう」   そこには感謝と愛と少しの後悔   一歩一歩がたまにズレて   一歩三歩になる日もあって   あの頃近くてあの頃遠くてあの頃遠かったり近かったりして今また近くにいる   家族とはそんなものだったりする   僕は照れくさそうに「今日は僕が払うよ」なんて言ってカッコつける   家族はなんだか嬉しそうに「ありがとう」と口を揃える       「ありがとう」を合言葉に、また僕らは近くなっていく。     <DISH//・北村匠海> ◆紹介曲「 アイコトバ 」 作詞:北村匠海 作曲:橘柊生・泉大智

    2026/08/25

  • ニューアヤカ
    I knew it!
    I knew it!

    ニューアヤカ

    I knew it!

     2026年7月22日に“ニューアヤカ”がDigital mini Album『KNEWIT』(読み:ニューイット)をリリースしました。今作には、リード曲「GUM」をはじめ、「指輪を埋めて」「サマーチューン」「viva la 私」「ニッポンチック」「スースー」の全6曲を収録。懐かしさを感じさせるメロディラインと、現代を生きる等身大の視点から紡がれる歌詞が溶け合い、ニューアヤカの音楽性を凝縮した作品となっております。    今日のうたではそんな“ニューアヤカ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。第2弾は今作のタイトルにまつわるお話です。テレビっ子だった幼少期から、高校で夢への一歩を踏み出すまで…。歌手を志したきっかけと、夢を信じ続ける思いを綴っていただきました。 テレビを観ることと歌うことが本当に好きな子どもでした。   小学校から帰ってきて、ビデオテープだったら擦り切れてるであろうくらい観たMステ長尺スペシャルの録画を、懲りずにまた流して、歌いながら宿題をしていました。   早送りはしません。 全アーティストの曲、合間に流れるCMのセリフ、CMソング、全部一緒に言えたし歌えました。なんならもうアーティストの出演順も覚えていました。   録画を観終えたと思えば、リアルタイムでしているバラエティを観ながら晩御飯を食べて、お風呂に入ったらまた寝るまでテレビを観て。   根っからのテレビっ子です。   幼稚園から週3で空手を習っていてバリバリのスポーツ女子だった私は、楽器も弾けないし、音楽のことは何も分からない。   でも、心の端っこに歌手になりたいという気持ちを持ち始めました。   それなのにものすごくシャイだった私は誰にも打ち明けられず、   クラス替えの時、必ずと言っていいほど書かされる自己紹介シートの「将来の夢」の欄には、   「ケーキ屋さん」   とか   「まだない(TT)」   と書いて誤魔化していました。   でも、ずっと正直に伝えてみたいという気持ちは持っていたんです。   しっかりとは覚えていませんが、 おそらく小学生5年生くらいの頃、 いつも通りMステの録画を流しながら母に鎌をかけたんです。   「なぁなぁ、あやかが歌手になりたいって言ったらどうする?」   今思えば、母は夢見る小学生に向かってなかなかシビアな言葉を返しました。   「そんなん音楽で食べていける人なんかひと握りやで」   その瞬間、私の顔は引き攣るところまで引き攣ってたと思います。 ただ、それに続けてこうも言いました。   「でもな、ママもちっちゃい時ちょーっとだけピアノ習ったりして歌手になりたいって思ってたときあったわ~。」   私は、   「ふぅ~ん」   とだけ言いました。   心の中では、   「ほな、私が歌手になったらいいやん!ママも嬉しいやん!キラキラーン!」   って感じでした。   まぁ心底シャイな私は、それからも急に楽器を買うなどのムーブは起こせず。   ずっと続けていた空手でそこそこ強くなり、中学1~2年生では大阪府代表選手として全国大会にまで出て、ありがたいことにいくつかの高校からスポーツ推薦で声がかかっていました。   ちなみに、中学校の部活ではバレーボール部キャプテンをしており、   学校が終わったらバレーボールをバシバシ叩き、帰宅後すぐ道着に着替え、道場に向かうという生活を送っていました。   今考えると、   なかなかハードな日々だったと思うのですが、   スポーツで培った集中力というものは役立つもので、   勉強もまぁまぁできたんです。   その結果、   空手の先生になりたいわけでもないし、空手で稼ぎたいとも思ってないし、毎日空手したくないなぁ。   勉強で高校行くか。   という割と冷静な判断に至りました。   そしてもうひとつ、決めたことがあるんです。   軽音学部に入ること。   高校生になって、これまで続けてきたスポーツをきっぱり辞め、小学生の頃からの夢への第1歩を踏み出すことに決めたのです。   高校ではコピバンをして、大学生になると弾き語りでライブハウスに出演するようになり、   「わたしゃ早く売れて忙しくなってそのまま大学を辞めるんだよー!」   なんて思ってたら一瞬で4年が経って普通に卒業し、就職せずにここまできました。   空手をしていた頃、   「あやかは警察官にでもなるんかー?」   と嬉しそうに期待してくれていたおばあちゃんは、開いた口がまだ塞がってないと思います。   スポーツも勉強も、学生の頃はそれなりに上手くやれてこれたから、私の人生はこれからもきっと上手くやれるんだ!   と少し自惚れてた部分がありました。   でも、音楽は本当に全然上手くいかなくて、   私は天才じゃないんだと思い知って、   …というより、それなりに上手くやれるだけじゃダメなんだと気づいたんです。   頭を地面に引きずってるんじゃないかってくらい俯きながら帰ることは今でもいっぱいあります。   でもね、そんな中でも、   私の曲を良いと、   私の声を良いと、言ってくれる人が   要所要所で現れるんです。   小さい頃からいっぱい観てるテレビの中の世界。   その時に、もう一度夢を観られるんです。   だから私は、売れることでその人たちに言ってもらいたいんです。   「やっぱりね!」って。   やっぱりニューアヤカ良いよね!   やっぱりニューアヤカ売れると思ってた!   やっぱり自分の目は、耳は間違ってなかった!って。   あなたの「やっぱり!」を確信に変えるmini albumにしたいと思い、   『KNEWIT』   とタイトルをつけました。   <ニューアヤカ> ◆Digital mini Album『KNEWIT』 2026年7月22日発売 配信リンク: https://nex-tone.link/A00222168   <収録曲> 1. GUM 2. 指輪を埋めて 3. サマーチューン 4. viva la 私 5. ニッポンチック 6. スースー

    2026/08/24

  • sorato
    tomato セルフライナーノーツ
    tomato セルフライナーノーツ

    sorato

    tomato セルフライナーノーツ

     2026年8月26日に“sorato”がMajor 1st Full Album『空とツキ』をリリース。今作に収録されているのは、彼女の真骨頂である“ノンフィクション・ラブソング”に特化した全11曲です。等身大ながら同世代の“共感必至”となる、soratoの切実さを凝縮した渾身の作品となっております。    今日のうたではそんな“sorato”による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、収録曲「tomato」にまつわるお話です。待ち合わせまでの道で気づいてしまったこと。いつも<君>がくれるトマトが、どんなトマトよりもおいしいその理由は…。 君とびっくりドンキーに行くと、当たり前のように私のサラダはミニトマトがふたつになる。   「また?」   そう言ったあと、自分の声が嬉しそうになっていることに気づく。 口角もきっと上がっている。   「ケチャップはいけるんだけど」   いつもの言い訳を始めてくれたおかげで、ばれずに済んだ。   別にトマトが大好物なわけじゃない。 嫌いじゃないだけで。 それでも君がくれる、というより押し付けてくるトマトは、どんな採れたて農家直送のものより嬉しい。   私はミニトマトがふたつ乗ったサラダを写真に残した。     何でも話せる友達同士だった。 バンドTシャツにスウェット、すっぴんで会うことに抵抗なんてなかったし、ダメダメな恋愛相談をして怒られたこともあった。   その日もいつも通り、飲みに行く約束をしていた。 待ち合わせまでの道で、スマートフォンのカメラを鏡代わりにして前髪を直した。リップを塗り直したところで気づいてしまった。 君への「好き」は、もう友達としてのそれだけじゃなかった。     この口が 君に好きと伝えるためではなく、 君にキスをするためではなく、 今まで通りくだらない話をするために使えますように。 この口が 君が残したトマトをずっと食べ続けられるなら、このままでいい。     チーズが乗ったハンバーグを食べながら、君が観に行きたいというお笑いライブの話をしている。   「今度行こうよ」   と言って、私はひとつめのミニトマトを口に入れた。   <sorato> ◆Major 1st Full Album『空とツキ』 2026年8月26日発売   <収録曲> 01. ハートレート 02. 体温 03. 鼻歌と眠気 04. 声を溶かせば 05. 空白 06. 友達のふり 07. いつかのいつか 08. 最終回 09. 月に願う 10. tomato 11. 明日のツキ  

    2026/08/21

  • 竹内アンナ
    ok, love song
    ok, love song

    竹内アンナ

    ok, love song

     2026年8月12日に“竹内アンナ”が新作『MIXTAPE』をリリースしました。今作には、未発表曲3曲、2025年にリリースされた楽曲3曲、本作のために新たに書き下ろされた2曲の計8曲が収録されております。タイトルの『MIXTAPE』には、時代を超えた“アーカイブ”の意味が込められており、これまでの軌跡を辿るファンはもちろん、初めて彼女の音楽に触れるリスナーも幅広く楽しめる1作です。    さて、今日のうたではそんな“竹内アンナ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。第2弾は収録曲「 ok, love song 」にまつわるお話です。恋を「うまくやってきた」はずなのに、今回はどうにもいかない。大人になったからこそ気づく、恋することの可笑しさや愛おしさとは…。 おかしい。何かがおかしい。 誰かの返信を待ってそわそわするタイプじゃなかった。 「会いたい」なんて打っては消して、既読をつけてから15分も返事を考えるような私じゃなかった。 素直に「また会いたい」と言えばいいのに、相手の好みに合わせて、慣れない話題をどうにか膨らませようとした。 膨らむはずもなく、会話は2ラリーくらいであっけなく萎んだ。 送らなきゃよかった。 そう悶えた、23時。私は信号待ちをしていた。   本気になる前に、冗談にする。 会いたいと思っても、もっともらしい理由を探す。 好きかもしれないと思っても、「いや、そういうんじゃないし」とはぐらかす。 傷つかないように。期待しすぎないように。 そうやって、それなりの大人としてうまくやってきた。 でも今回は、どうにも流せない。 それなりの大人になったはずなのに、びっくりするくらい余裕がない。   突然、自分の中に咲いた花に、ずいぶん調子を狂わされている。 なのに心のどこかでは、この不格好さを懐かしんでいる自分もいた。   恋って、上手にやるものだったっけ。 もっとかっこ悪くて、もっとままならないものだった気がする。 大人になればなるほど、「好き」と認めるために理由が必要になる。 未来があるとか、相性がいいとか、傷つかずに済みそうだとか。 でも、本当はそんなもの、いらないのかもしれない。 たぶん。しらんけどね。   今は、こんな自分が少しうれしくて、恥ずかしくて、やっぱり悔しい。 そして、どうしようもなく愛おしかった。不思議。   人間は矛盾だらけ。いつまで経っても、思い描いた理想の自分には追いつけない。 だからこそ、その追いつけなさごと愛していけたらと思う。   信号が青に変わる。 イヤホンから流れてきたラブソングを聴いて、あなたのことを思った。 たまには、そんな「らしくない自分」も、わるくないかも。   <竹内アンナ> ◆紹介曲「 ok, love song 」 作詞:竹内アンナ 作曲:竹内アンナ   ◆新作『MIXTAPE』 2026年8月12日発売   <収録曲> 1. ok, love song 2. PARADISE 3. adabana midnight 4. ハッピーエンドの続きを 5. P.S. I LOVE YOU  6. That's my name 7. 真昼のランデヴー 8. My secret plum

    2026/08/20

  • YU'S
    飾らない弱さの先にいる「あなた」へ――YUTORI-SEDAIからYU'S(ユーズ)へ改名した初めてのEPに込めた想い
    飾らない弱さの先にいる「あなた」へ――YUTORI-SEDAIからYU'S(ユーズ)へ改名した初めてのEPに込めた想い

    YU'S

    飾らない弱さの先にいる「あなた」へ――YUTORI-SEDAIからYU'S(ユーズ)へ改名した初めてのEPに込めた想い

     2026年7月に“YUTORI-SEDAI”から改名を発表した“YU'S”(ユーズ)が、2026年8月19日にNew Digital EP『YU'S』をリリースしました。今作には、先行配信曲「yume」をはじめ、「彼氏募集中」「嫌になっちゃうよ、」「あなたへ」の全4曲が収録されております。    今日のうたでは、そんな“YU'S”の金原遼希(Vo/Gt)による歌詞エッセイをお届けします。新たなバンド名を掲げ、最新作をリリースした今。飾らず、背伸びせず、自分たちの弱さまでもさらけ出して歌うことで見つめ直した、「あなた」との距離とは…。 金原(Vo&Gt):まず、僕たちYUTORI-SEDAIは、新しく「YU'S(ユーズ)」という名前を掲げて、新たなスタートを切ることになりました。   これまで活動してきた中で、僕たちは「聴いてくれる人に寄り添いたい」とみなさんに向けて伝えてきました。だけど、活動の幅を広げていくたびに、どこか俯瞰してカッコつけてしまっている自分に気がついたんです。「アーティストとしてこうあるべきだ」「結果を出さなければいけない」という固定観念や、人にどう思われるか? どう見られるか? という考えに、いつの間にか自分自身が縛られてしまっていました。   でも、僕をはじめ、メンバー3人ともみんな本当はネガティブ思考だし、自分のダメなところや弱さを自分から探しにいってしまうような人間です。そんな僕たちがカッコつけて歌った言葉なんて、きっと誰の心にも届かない。そう思ったからこそ、背伸びをするのをやめて、等身大の弱さも全部ありのままで曝け出そうと決めました。   「対みんな」ではなく、目の前にいる「あなた一人ひとり」と同じ目線で、同じ距離感で歌えるバンドでありたい。その強い覚悟を込めて、「YOU(あなた)」の複数性であり、これまでの「YUTORI-SEDAI」の歩みも大切に受け継ぐ「YU」を残した『YU'S』という名前を、新しいバンド名として決定しました。この改名を機に自分たちの根幹にある軸は変わりませんが、さらに一皮剥けたバンドになるべく新しいバンド名としてリリースをします。   改名後、初のデジタルEP『YU'S』に収録した4曲は、どれもキャラクターが全く違う楽曲たちです。だけど、その全てに僕自身のリアルな経験や感情、そして聴いてくれる「あなた」への想いだけを詰め込みました。「嘘がない」と、心の底から自信を持って言える作品です。 M1.「彼氏募集中」は軽快なポップサウンドに隠された、女の子の強がりと本音を描いた曲です。 振られた女の子が、必死に強がっているけれど本当は寂しくて堪らない……という、これまでの僕たちの王道とも言える女性目線のラブソングです。   一見、軽快でポップなメロディが流れていきますが、歌詞はとても切ないギャップを持たせています。僕が過去の恋愛の中での、「相手にこんな思いをさせてしまっていたんじゃないか」という後悔を主観で書いているので、ポップな曲調の中にもリアルな痛みが隠されています。   特にラストサビの「彼氏募集中、なんて嘘だよ」「あなたに会いたい、どうか戻りたい」という部分は、彼女の本音が溢れ出るような展開になっています。こだわった最後の<さよなら>の響きまで、主人公の心の揺れ動きを感じてほしいです。 M2.「嫌になっちゃうよ、」は、ジリジリしたシンセの音に滲む、アンニュイな恋の不満を描いた曲になります。恋人への不満が爆発しているけれど、結局は相手のことが大好きで堪らないという、ちょっとエッジの効いたリアルな恋愛のワンシーンを描きました。   歌詞に漂うアンニュイな雰囲気や、主人公のピリピリとした焦燥感を表現するために、クリアな音ではなく、あえて少しジリジリとした質感のシンセサイザーの音色をバンドサウンドに混ぜています。また、主人公のイライラしてつい言葉を畳み掛けて相手に話すような様子も韻を多く踏むことで表現しました。   歌詞に関しても、「また飲み会?は?知らねぇよ馬鹿!」など、僕はあまりとげとげしすぎる歌詞は入れないのですが、「嫌になっちゃうよ」は全体の雰囲気も合わせて、普段歌詞にしないような言葉遣いも入れてみました。   <言葉じゃなく行動がさ、愛なんでしょ?>というフレーズに象徴されるように、デジタルな現代の恋愛における、脳内でみんなが抱いている感情を覗き見するような感覚で聴いてもらえたら嬉しいです。 M3.リード曲の「あなたへ」は拙くてもいい、目の前のあなたを照らす決意表明。このEPの代名詞となる楽曲であり、まさに今の僕たちの決意そのものである楽曲です。また、僕自身、J-POPの王道の楽曲がとても好きで、自分で納得できる等身大のメッセージを込め、真っ直ぐに曲にしました。   これまでは、「誰もついてきてくれなくなるかもしれない」と怖がって選べなかった、<"もう駄目だろう"なんてさ、また考え出している>というリアルな弱音から歌が始まります。上手い比喩表現や言葉遊びでカッコつけるのではなく、僕が普段喋っているような拙い言葉で、目の前のあなたへ直接語りかけるような歌詞に徹底的にこだわりました。これまで書いてきた歌詞以上に僕の包み隠さない本心を綴っています。   これまでは「結果」ばかりを追い求めて、一番大切にすべき「あなた」を蔑ろにしていたかもしれない。そんな気づきを経て、<頼りない歌でも あなただけに歌えたらいい>という、僕たちの本心がまっすぐに届くことを願っています。     M4.「yume」は3人の音が紡ぐ、メンバーへの赤裸々な想いを語った歌です。   この曲に関しては、数年前に制作し、ライブでもずっと大切に育ててきた楽曲ですが、改名という大切なタイミングで音源化しました。実はこの曲は、僕が初めてメンバーに向けて書いた曲なんです。数年前、ドラムの櫻井が、「バンドを辞めたいかもしれない」と打ち明けてくれたことがありました。当たり前のように3人で音を鳴らしている日常が、実は当たり前なんかじゃなくて、奇跡みたいな特別さなのだと身を以て痛感した。その時の歯痒さや切なさをそのまま歌詞に閉じ込めています。   あえて3人のバンドサウンドだけで演奏しています。僕たちの「夢」がこれからもずっと続いていく、その誓いの曲でもあります。普段は恥ずかしさもありそこまでメンバーへ面と向かって真面目なことを伝えるタイミングもあまりない中で、僕にとってもすごく大切な1曲です。メンバーへの曲は最初で最後かもしれません(笑)。   今回のEPに収録された4曲は、どれも僕たちがやれることを全て注ぎ込んだ、今のYU'Sの最高到達点です。   僕たちの音楽を愛してくれるあなたのすぐ近くで、この歌たちが一人ひとりの心に寄り添い、照らす力に変わることを信じています。新生YU'Sの始まりの音を、どうかあなたの等身大の心で聴いてください。   <YU'S・金原遼希> ◆New Digital EP『YU'S』 2026年8月19日発売

    2026/08/19

  • chilldspot
    それでも私まだ貧しい中立ってるよ
    それでも私まだ貧しい中立ってるよ

    chilldspot

    それでも私まだ貧しい中立ってるよ

     2026年7月8日に“chilldspot”が新曲「ドラマ」を配信リリースしました。今作は、火曜ドラマ『さよならノワール』の主題歌として書き下ろされたミディアムバラード。傷や孤独を抱えながらも、受け取った光を頼りに、それでも歩みを止めない姿を描いた楽曲となっております。    今日のうたでは、そんな“chilldspot”の比喩根(Vo/Gt)による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、ドラマ『さよならノワール』のために書き下ろされた、新曲「 ドラマ 」のお話です。思うように動けない自分と向き合いながら、それでも立ち上がろうとする心に込めた想いとは…。   ドラマ『さよならノワール』の書き下ろし主題歌として制作した「ドラマ」 曲を作るにあたって最初に浮かんだイメージはゴミ捨て場の中から見える光でした。   お話をいただいた後、ギターの玲山くんから届いたトラックを聞いた時、 ビビッとこれだ!という感覚があり、すぐにメロディと歌詞作りに取り掛かりました。 過去一相談を重ねて進めた結果、チルズポット初のストリングスが入っていたり、今までよりも歌い上げるようなメロディだったりとまた新しいチルズポットが見せられた気がしています。満足。   今回、作詞は私が担当したのですが、ドラマの内容にも沿いつつ、私自身の考え方にもリンクしている部分が多いなと感じます。 人って立ち向かっている時よりも、逃げてしまっている時の方が、心が知らぬ間に罪悪感や不安に蝕まれてしまうと思うんですね。 頑張れている時よりも頑張れていない時、物事に励めている時より何もしたくなくなった時。 理想と現実が違うのに、今を変えようという気持ちだけはあるのに、行動が体がついていかない。 一番大変なのは歩き出す前、体育座りで鉛のように重たい自分を立ち上がらせること。   そんな気持ちがね <踏み込んだ数だけ傷は胸を喰って噛み千切る それでも私まだ貧しい中立ってるよ 待ってるよ> に詰まっているんです。   真剣に真面目にやろうとするほど、その事が嫌になったりもう辞めたくなったりする。 それでも向き合わないと私は私を好きになれないな。って感じます。面倒臭い人間なのです私は…   でも何処かでこの文章やら歌詞やら、はたまた声や各楽器で「いい曲だな」と思ってくれたら 私は救われるし、私の中の急流に立っていられる。   沢山聴いていただけたら嬉しいです。「ドラマ」宜しくお願いします!   <chilldspot・比喩根(Vo/Gt)> ◆紹介曲「 ドラマ 」 作詞:hiyune 作曲:hiyune・ryozan

    2026/08/18

  • ニューアヤカ
    言わせてもらうけど
    言わせてもらうけど

    ニューアヤカ

    言わせてもらうけど

     2026年7月22日に“ニューアヤカ”がDigital mini Album『KNEWIT』(読み:ニューイット)をリリースしました。今作には、リード曲「GUM」をはじめ、「指輪を埋めて」「サマーチューン」「viva la 私」「ニッポンチック」「スースー」の全6曲を収録。懐かしさを感じさせるメロディラインと、現代を生きる等身大の視点から紡がれる歌詞が溶け合い、ニューアヤカの音楽性を凝縮した作品となっております。    今日のうたではそんな“ニューアヤカ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。第1弾は収録曲「 GUM 」にまつわるお話です。あえて強い言葉で始まるこの歌。失恋したばかりのあなたへ。そして、吹っ切れたのか、まだ吹っ切れていないのか、自分でもわからないあなたへ…。 「言わせてもらうけど」 ってめっちゃ怖い言葉じゃないですか。   「言わせてもらうけど」の後に続く言葉なんて、 ほとんどの場合が心を刺してくると想像できます。   「言わせてもらうけど、昨日食器洗ってくれてありがとうね」 なんて言わないですし、言わないでほしいです。   もしもそんな使い方をされたとして、私なら、 「言わせてもらうけど、」の時点でそっとファイティングポーズしてます。 「昨日食器洗ってくれて…」くらいでフライング反撃パンチしてると思います。   それに、そのような反則パンチをしてしまったとしても、   「あんたの言い方が悪いわ」   って逆ギレできます。   だって絶対に文句言われると思うやん!   絶対に謝りません。   何が言いたいかと言うと、   「言わせてもらうけど」には、言われた瞬間にグッと臨戦態勢に突入させる力があるんです。   そんな強い言葉を1発目に持ってきたのが、今回のリード曲「GUM」です。   元カレへの強がりとか、少しの未練とか、そういう本音を詰め込みました。   私が中学生の頃、片想い中の友達とカラオケに行くと、西野カナさんの「GO FOR IT!!」を何回も予約して、声が枯れるまで叫ぶように歌っていたのですが、「GUM」も同じようになると嬉しいなと思っています。   履歴に   GUM / ニューアヤカ GUM / ニューアヤカ GUM / ニューアヤカ GUM / ニューアヤカ GUM / ニューアヤカ   くらい並ぶ感じで。   失恋中の友達と叫ぶように歌うと、スッキリ気持ちいいかもしれません。   あとで入った人が履歴を見て、   「失恋したのか…」   って思われるくらいが丁度いいです。   でもね、ひとつ伝えておくと、   「GUM」って恋人との別れを経験して、強くなろうとしてること、強くなったことを讃える曲なんです。   一見、元恋人を罵っている曲に見えるかもしれません。   まぁそれもありますが、それだけじゃなくて。   強くなった自分自身を讃える曲なんです。   ひねくれたポジティブソングなんです。   だから、   胸を張って歌ってほしいなと思います。   言わせてもらうけど、 元恋人からの元恋人ヅラされたLINEに返信する時間なんて、 この世で1番要らない時間ですからね。   それに気付けたあなたは、もう吹っ切れているし強くなっています。   返信してしまいそう~っていうあなたも、もちろん間違ってはないですよ。   でも、   そんな時は1度、「GUM」を流してみたらどうでしょう。   私、今吹っ切れてるか吹っ切れてないのかわからないので調べても良いですか?   って、珠代パンティーテックス的な流れで「GUM」を歌ってみたら、わかるかもしれません。   あなたの心の咀嚼のそばに、「GUM」がありますように。   <ニューアヤカ> ◆紹介曲「 GUM 」 作詞:ニューアヤカ 作曲:ニューアヤカ ◆Digital mini Album『KNEWIT』 2026年7月22日発売 配信リンク: https://nex-tone.link/A00222168   <収録曲> 1. GUM 2. 指輪を埋めて 3. サマーチューン 4. viva la 私 5. ニッポンチック 6. スースー

    2026/08/17

  • シンガーズハイ
    PLAYBACK
    PLAYBACK

    シンガーズハイ

    PLAYBACK

     2026年8月5日に“シンガーズハイ”が新作EP『PLAYBACK』をリリースしました。新体制始動後初となるフィジカル作品となる今作には、バンドの現在地とその先を見据えた全4曲を収録。シンガーズハイらしい言葉とメロディー、ライブハウスで磨き上げられた熱量を凝縮しながらも、新しいフェーズへの進化を感じさせる内容となっております。    さて、今日のうたではそんな“シンガーズハイ”の内山ショートによる歌詞エッセイをお届けします。音楽を続けるなかで、ひとりの人間として少しずつ変わってきた日々。大人になればなるほど抱くようになった葛藤と、それでも音を鳴らし続ける理由とは…。 音楽を始めた当時は社会にマトモに出たこともない、右も左も分からないような若者でした。「どうせロックバンドなんて大したことない」なんて歌ってきましたが、音楽しか取り柄のないような生活でも続けていればそれなりの社会性を持つようになるものです。   あの頃より日常的な挨拶や、「ありがとう」、「ごめんなさい」をちゃんと言えるようになったと思うし。初対面の人を目の前に顔が引き攣ることもなくなった気がする。家庭を持ってからは情けない飲み歩き方をすることもなくなりました。   自分はこれでないと社会で食っていけない。そう思って飛び込んだ音楽の世界でしたが、それもまた立派な社会だったんだなぁとしみじみ思いますし、そういうコンプレックスを抱えがちな業界だからこそ、尚更“真人間”でありたいと思う気持ちが大きくなったのかもしれません。   これだけ前を向けているというのに歌っていることは全く変わりません。ネガティブな感情が僕の音楽の基盤にあるので、「幸せになると今までのように歌えなくなるのではないか」とよく言われたものだし、自分自身思ってもいましたが、大人になったらなったで怒りや悲しみは付き纏ってくるものでした。   視野を広げていけばいくほど、届かない場所や人がこちらからでも見えてくるということ。信じていたミュージシャンや、自分の音楽を好きだと言ってくれた人間をリスペクトできなくなってしまうようなこと。そしてそんな人たちに傷つけられたこと。思い出したくないことも、自分自身の原動力にしなくてはと常にジタバタもがき続けなくてはなりません。   音楽を嫌いになってしまいそうなときこそ、自分たちがそもそも音楽で何をしたかったのかを思い出します。初めてメンバーたちと誰に見せるわけでもないスタジオで鳴らしたときのこと。音の海の中を泳ぎ回るような感覚。どれだけネガティブな感情を拭いきれなくても、五月蝿くなるほど音を鳴らせばそれだけで自然と笑えてくるものでした。   今回リリースした「PLAYBACK」は、あの頃見ていたものを思い出しながら、それと同時にこれから自分たちが見ていきたい景色に目を向けている一枚になっています。それぞれの瞬間が切り貼り絵のようでなく、グラデーション的に織りなしている。それが常に無理のないスピードで歩き続けて、その時その時を忘れないで居続けた自分たちのようで、今となってはとても愛おしい音楽です。   <シンガーズハイ Vo.Gt内山ショート> ◆新作EP『PLAYBACK』 2026年8月5日発売 <収録曲> 1 FIRE 2 見上げたあの空は 3 アンプリファー 4 B.O.LIE

    2026/08/14

  • 竹内アンナ
    My secret plum
    My secret plum

    竹内アンナ

    My secret plum

     2026年8月12日に“竹内アンナ”が新作『MIXTAPE』をリリースしました。今作には、未発表曲3曲、2025年にリリースされた楽曲3曲、本作のために新たに書き下ろされた2曲の計8曲が収録されております。タイトルの『MIXTAPE』には、時代を超えた“アーカイブ”の意味が込められており、これまでの軌跡を辿るファンはもちろん、初めて彼女の音楽に触れるリスナーも幅広く楽しめる1作です。    さて、今日のうたではそんな“竹内アンナ”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。第1弾は収録曲「 My secret plum 」にまつわるお話です。相手を好きな気持ちと、相手を困らせたくない気持ち。その狭間で揺れながら、自分にとってのいちばんの幸せを考えた先に見えてきた、ひとつの答えとは…。 「好き」という感情は、いつだって日常を彩ってくれる、ハッピーな魔法のようなもの。 ありふれたことさえ、特別に輝かせてくれるもの。 ただ、それだけではないのだと気づいたのは、高校生のころだったと思う。   恋は、ときどき、それまで大切にしていたものを人質に取る。 昨日まで仲の良い友達だったのに、 自分の気持ちに気づいた途端、あなたは「好きな人」になっていた。 わたしの許可なんてなく。   恐る恐る確かめるように、あなたの名前を小さく呼んだ。 胸の奥の、今まで触れたことのない場所に、風がヒュッと吹いた気がした。 放課後、いつものように並んで歩いた帰り道のことだった。   あなたの隣は、昨日よりずっと近いのに、ずっと遠い。   伝えなければ、関係は守れるかもしれない。 けれど、「友達だよ」と笑うたびに、自分の心に小さな嘘を重ねることになる。 恋とは、思っていたよりずっと不自由で、残酷なものなのだ。   そんなことを考えながら小石を蹴っているうちに、歩くペースが少しずつ落ちていく。 あなたの半歩うしろを歩く。   あなたは優しい人だから、もしわたしの気持ちを知ったら、 応えられないことをきっと自分のせいのように悲しむだろう。 少し困ったように目を伏せて、わたしを傷つけない言葉を一生懸命に探すのだろう。 そして最後には、「ごめんね」と謝るのだろう。   あなたを悲しませたくなんかないの。 だから、わたしにとっていちばんの幸せとは何だろうと、考えてみる。 あなたと恋人になること?手をつないだり、特別な名前で呼び合ったり? それだけではない気がした。 もっとこう、柔らかくて、自然体でいられるような形。 そうだなあ、あなたがしあわせだったら、それでいいかも。 そんで、これからも一緒に笑えてたらいいかも。 そう思った。   想像していたよりもずっとシンプルな答えが、すぐに自分の中に浮かんだことに驚いた。 自分をないがしろにしているからではない。 見返りを求めずに愛せる自分を、誇りたいわけでもない。 ただ、あなたの幸せがわたしの幸せなのだと、 きれいごとではなく、本気で信じていた。   心の中では、愛の果実が育ちすぎて、すっかり熟していた。 あなたの何気ない言葉をひとつ受け取るたびに甘くなり、 あなたがほかの誰かに向ける笑顔を見るたびに、少しずつ苦くなった。   もしあなたに見つかったら、珍しそうに、 そして不思議そうに眺めて、「一口ちょうだい」なんて言うかもしれない。 けれど、あげられないよ。 今はまだ、甘くて苦いこの果実をかじるのは、わたしだけでいい。 傾いた陽が、わたしたちを柔らかく照らしていた。 振り返って、わたしを待ってくれているあなたに言った。 「また今度、おいしいもの食べに行こう」   <竹内アンナ> ◆紹介曲「 My secret plum 」 作詞:竹内アンナ 作曲:竹内アンナ   ◆新作『MIXTAPE』 2026年8月12日発売   <収録曲> 1. ok, love song 2. PARADISE 3. adabana midnight 4. ハッピーエンドの続きを 5. P.S. I LOVE YOU  6. That's my name 7. 真昼のランデヴー 8. My secret plum

    2026/08/13

  • Penthouse
    ハードロックが好きだった。
    ハードロックが好きだった。

    Penthouse

    ハードロックが好きだった。

     2026年7月29日に“Penthouse”が3rd Album『Neon Garden』をリリースしました。最新曲「一二三」「青く在れ」などを含む全10曲を収録。Penthouseの真骨頂ともいえる洗練されたアンサンブルと多彩なボーカルワークが凝縮され、ポップス、R&B、ソウルを自在に横断する唯一無二のサウンドがさらに進化。活動の過渡期である現在、改めて今の自分たちのルーツやオリジナリティを洗い出し磨き上げたサウンドが集結しています。    さて、今日のうたではそんな“Penthouse”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は浪岡真太郎が執筆。ハードロックを愛し、J-POPをどこか遠ざけていた自身が、さまざまな出会いを経てPenthouseへ。そして、今作『Neon Garden』でやりたいと思ったことは…。 ハードロックが好きだった。 Penthouseで僕を知ってくれた人からすると意外かもしれない。 幼少期、父の車のステレオからDeepPurpleやらLed Zeppelinが流れてくるのを、何も知らずに聞いていた。思春期になる頃、結局そういうのが肌に合う気がして、深みにハマっていった。いや、当時は認識を拒んでいただけで、人と違う音楽が好きなのがかっこいいと思っていただけかもしれない。ともあれ大学で上京してから8年間、ロン毛の上半身裸の成人男性が4人でデカい音を出すバンドを大真面目にやっていた。   音楽が好きになると、多くの場合、好みは偏る。或いはそれが行きすぎて特定のジャンルを貶めたりする人もいる。だいたい槍玉に上がるのはその時勢いのあるJ-POPだ。僕も一時期、例に漏れずその道を辿った。ハードロックこそが至高だったし、J-POPはダサかった。   8年間続けたハードロックバンドは、売れなかった。 メジャーデビューもし、アメリカツアーもやったが、それだけで食べていくには程遠かった。   目が覚めるきっかけを与えてくれたのは大学のサークルだった。オールジャンルのコピーバンドサークル。そこではジャンルに貴賎はなく、音楽のありとあらゆる「良さ」を正面から受け止める気風が根ざしていた。ハードロックはもちろん、ファンクもレゲエもジャズもJ-POPも歌った。   そこで出会ったメンバーで結成されたのがPenthouseというバンドだった。ハードロックで売れる夢こそ途絶えたが、ここ数年はちゃんとJ-POPというものに向き合う日々を送っている。ハードロックをやり切ったからこそ、一周してきたからこそ、真摯に向き合う覚悟がついたと思う。毎日、J-POPという「全員」が好きになる音楽の奥深さを目の当たりにしている。楽しい。こんなに楽しい仕事はないと思う。   思うのだが、思いながらも、時々振り返る。 疲れた時なんかは、自分が好きな曲を何も考えずに聴く。 Lawrenceというバンド。ニューヨークを中心に活動していて、兄妹が変わるがわるリードボーカルをとる。 ジャンルはレトロPOPとか言われることが多いようだが、ファンクの影響も色濃く感じる。 ファンクというジャンルは、件のサークルでは花形だった。先輩たちの洗練された演奏に憧れ、広くブラックミュージックを聴き漁ったのをよく覚えている。僕が一番好きなハードロックバンド・エアロスミスは、ファンクの影響を受けているらしいという話も腑に落ちるようになった。こういう経験はきっとPenthouseメンバー全員に共通する原体験だ。   彼らLawrenceが最新アルバムで「Hip Replecament」という曲をリリースした時、僕の中に衝撃が走った。どう聴いたってTower of powerの「What is hip?」のオマージュだった。「What is hip?」といえば、例のサークルの当時のアンセムで、僕も何度も歌ったことがある。全く違う場所で、全く関わりがない人たちが、同じ音楽に魅了され、同じような青春を過ごしてきたであろうことに感動した。   同時に、俺もやろう、と思った。今ならできるという確信があった。Penthouseを通じて、今まで300曲アレンジを書いてきたことで、ピアノはミュート奏法にして一部オートワウをかけようとか、バリトンサックスとその他セクションの掛け合いを作ろうとか、アイディアがたくさん湧いてくるようになった。歌とギターには僕のハードロック愛も込めた。   出来上がった楽曲は、普段の表向きのPenthouseからは想像できないようなテイストで、面食らうファンもいるかもしれない。 ただ、サブスク全盛期、アルバム1枚通して聴くなんていうのは律儀な音楽ファンしかやらないことになってしまった今、逆にアルバムでやるべきことはこれなのかもしれないとも思う。Penthouseにハマってくれた人が、音楽の幅を広げる機会を提供できたら嬉しい。僕がこれまで感じてきたような世界の広がりと、そこから生まれる世界との繋がりを、みんなにも感じてほしいと思う。   <Penthouse・浪岡真太郎> ◆3rd Album『Neon Garden』 2026年7月29日発売

    2026/08/12

  • 『ユイカ』
    夏が嫌いだ。
    夏が嫌いだ。

    『ユイカ』

    夏が嫌いだ。

     2026年6月8日に“『ユイカ』”が新曲「 青春は見えない 」をリリースしました。学生時代をコロナ禍で過ごした世代である『ユイカ』が、当時を今の視点で振り返り描いた楽曲。“過ぎた後に初めて気付く青春の日々“が歌詞に込められた、“青春は若者だけのものではない”というメッセージを歌った1曲となっております。    さて、今日のうたでは“『ユイカ』”による歌詞エッセイを3か月連続でお届けします。今回が最終回です。夏という季節ならではの記憶や衝動。夏は嫌いなはずなのに、なぜか新しい一歩を踏み出したくなる。そんな季節への複雑な愛情を綴っていただきました。 夏が嫌いだ。 そんな夏が来る。 てか来た。暑い、暑すぎる、溶ける。 今年は涼しいかも~なんて思っていた3週間前の自分が馬鹿らしい。   昔はもっと過ごしやすかったよなあとか、もっと夏が楽しみだったのになあとか、夏になるといつも過去と比べてしまう。 まだ21回しか夏を経験していないのに、私が知らない夏がもっと沢山あるのに、夏を知りつくした気でいる。 夏は、あの頃を思い出させてくれる。   実家の庭にプールを引っ張り出して、ホースをぐるぐる引き出して水を張る夏。 去年も同じ水着を着ていたから、今年は新しいのを買ってほしくて大して背は伸びてないのにやれ肩が窮屈だの丈が足りてないだの母に必死にプレゼンする夏。 夏休みの宿題を配られたときは7月中に終わらせるぞと意気込んでいたのに、時間のかかる自由研究とか工作を最後まで残しちゃって、8月が終わるギリギリに完成したと思ったら1行日記とかいう先生も別にぜんぶチェックしてないだろって思う地味にめんどくさいやつをカレンダーを振り返りながら最終日に20行くらい書く夏。   旅行に行ったり、海に行ったり花火を見たり、夏の思い出といえばってことはパッと思いつくけど、真剣に考えて思い出すと、意外と些細な出来事の方が夏らしかったりする。 夏を振り返るたびに、私は夏を嫌いという割に、夏を謳歌してたんだと気づく。   何かに挑戦したり、取り組んだりすることに季節なんて関係ないけど、なんとなく夏って始めやすい気がする、冬に音楽活動を始めた私が言うのは嘘みたいだけど。   夏だから薄着になるしダイエットしようとか、夏だから家にいるし新しいゲームしてみようかなとか、夏だからなんか楽器始めてみようかなとか。 何か挑戦してみたいけど、なんかなーって思ってるなら、夏のせいにすればいい。 夏になったから、で色んなことしちゃえばいい。   夏は嫌い、だって色んな好奇心が湧き出てくるから。 色んな私が、何かに挑戦し始めてしまうから。 貴方も、この夏のせいにして何か新しいことしたくなったでしょ。 夏は、始まったばかりだ。   <『ユイカ』>

    2026/08/10

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