2022年10月26日“SAKANAMON”がフルアルバム『HAKKOH』をリリース!今年11月で結成15周年を迎えるSAKANAMON。同アルバムは「発光」をテーマに、15周年経った今でも自らが輝き続ける「発光」と、続け末長く愛される「発酵」の意味が込められております。初回限定盤は、今回のタイトルをテーマに蓄光を施した暗闇などで光る特殊仕様となり、収録曲は15周年にちなんで全15曲を収録する豪華な内容に。
さて、今日のうたコラムではそんな“SAKANAMON”の藤森元生による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「MAD BALLER」に通ずるお話。彼がランニングを始めて実感したこととは。そして、その実感がどのように今作『HAKKOH』に繋がったのか…。ぜひ、アルバムと併せてエッセイをお楽しみください。
毎日酒が抜けなくて気持ち悪くて。
それでも馬鹿丸出しで飲んでしまって。
大袈裟ですが死を意識するほど体調がよくありませんでした。
そんな去年の12月。
デビュー当時の楽曲を収録順に再現するという地獄の様なライブが3ヶ月後に控えていました。
後先考えずにフィジカルだけで曲を作っていたあの頃の楽曲を2時間歌い続ける自信がありませんでした。
だから僕はランニングを始める事にしました。
心肺持久力を高め、かつ健康を取り戻す為です。
痛風とお腹が下りやすいのを言い訳に手を出していなかったのですが勇気を出して走り始めました。
そしたら陸上部だった中学校時代の筋肉が長い眠りから目覚め、体が喜んでいるのを感じました。気持ち良い! 当時は大嫌いだったランニング。人と競わないで好きなペースで走る事がこんなに楽しいとは思いませんでした。まるで人生です。
辛さ、楽しさ、コース、ペース、目標、そして達成感という人生において重要な要素全てを手軽かつシンプルに感じる事が出来るんです。
少しずつ体調が良くなって、少しずつ疲れ辛くなって、結果心配していたライブもなんとか乗り越える事が出来ました。
それ以降「小さな努力を積み重ねる事」がとても好きになりました。
今回のアルバムの制作にあたって目標としたのは収録曲数15曲。
今作の楽曲制作は今までで1番苦しみました。
チームは「15曲じゃなくて良い」と優しく手を差し伸べてくれますが僕は意地とプライドで勝手に一人で苦しんでいました。
でも楽しいんです。どんどんアルバムが理想の形になっていくのが嬉しくて、でも間に合うかどうかがずっとプレッシャーで。
この作品を作り上げた時の感動は稀にみる貴重な達成感でした。
人は皆報われる事を望みます。
僕は前回のコラムで
「努力は無駄にはならない。でも報われるとは限らない。」
と言いましたがここに書き足します。
「それでも努力を惜しまない。」
SAKANAMON結成15周年。
これからも大事に磨き続けて行こうと思います。
綺麗な光を放ちますように。
<SAKANAMON・藤森元生>
<SAKANAMON・藤森元生>
◆フルアルバム『HAKKOH』
2022年10月26日発売
<収録曲>
01.発光
02.MAD BALLER
03.JUNK IN MY HEAD
04.ふれあい(prelude)
05.つつうららか
06.1988feat.たかはしほのか(リーガルリリー)
07.ディスタンス(HAKKOHVer.)
08.南の島のハメハメハ大王
09.幸せな生活
10.FEST
11.ベクトル
12.裏鬼門の羊
13.ZITABATA(サカなもん Ver.)
14.妄想 DRIVER(2022 Ver.)
15.ふれあい