「風、花」がどんな言葉が浮かぶ曲だったのかシノダに聞いてみた。

 2022年5月25日に“ヒトリエ”がニューシングル「風、花」をリリースしました。さらに、6月22日には約1年4か月ぶりのニューアルバム『PHARMACY』をリリース!2カ月連続でのリリースとなります。シングルタイトル曲「風、花」は、テレビアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』エンディングテーマ曲。ドラムのゆーまおが作曲、ボーカル・ギターのシノダが作詞を手掛けた1曲です。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“ヒトリエ”による歌詞エッセイを2カ月連続でお届け。今回は【前編】です。執筆はゆーまおが担当。綴っていただいたのは、新曲「風、花」にまつわるお話。自身が作詞を手掛けた楽曲に、この歌詞がついた理由とは。そして、フレーズの奥にある想いとは…。貴重なメンバー同士の会話を、ぜひ歌詞と併せてお楽しみください。



「ゆーまおの作曲は真水のようなメロディを作るよね」とシノダから何度も言われているし確かに他のメンバーと比べたらストレートなメロディを思いつく自覚もある。
 
近頃、歌詞を自分自身で書いてみたい気持ちもほんの僅かだが湧いているので「風、花」がどんな言葉が浮かぶ曲だったのかシノダに聞いてみた。
 
ゆーまお「この曲を俺が作って渡した時、どんな歌詞が合うと思った?」
 
シノダ「編曲をして曲が具体的になって全体像が見えてから考えるけど、明るい曲だけど切なげな歌が合うと思ったよ。一人では切なくなれないから対象となる相手が必要と思ってこの歌詞になったね。」
 
ゆーまお「その切なさは異性に対して思う切なさなのかなと感じたけどどうなの?」
 
シノダ「そもそも色恋ではないよ。自分や対象となる相手が前向きな目標や時が進んでいく中で致し方なく発生していく別れの切なさだよ。ピュアな思いから生まれる別れだね。」
 
ゆーまお「なるほど。今回の曲は俺の曲だけど
何か俺をイメージするような部分ってあったの?」
 
シノダ「この曲に関してはゆーまおの要素は全くないね。」
 
ゆーまお「風と花が歌詞でも顔になってる曲だけど、なぜこの言葉を選んだの?」
 
シノダ「“さよなら風よ、花よ 眠ることのないストーリーよ”が語呂も流れも良いフレーズが浮かんだなって所が最初だけど、風が吹くことに理由はないし、その風によって花のおしべからめしべに運ばれていく過程も全て偶発的な出来事であって、それは人間関係も同じような時間が流れているなと思ったのよ。」
 
ゆーまお「ありがとう。具体的に歌詞の内容なんて聞かないからなんか変な感じするよね。野暮なこと聞くなよ、とか察してくれよ的な。」
 
シノダ「意図しない捉え方の声が大きい場面もたくさんあるけど、それはごく一部で本当に察してくれてる人もたくさんいるよね。一本筋の通った意志を持っておくことが大事だと感じるよ。」
 
ゆーまお「メンバーとしても全体感がいいのかどうかくらいの指標を揃える話をするくらいだから今回は良い機会だったよ。」
 
俺自身はストーリーを考えたり何か細かい人物設定を考えるのがすごい苦手だが、近しい人間の言葉を聞くと背中を押されるような感覚になる。前向きに創作に反映させていこうと思う。

<ヒトリエ・ゆーまお>



◆紹介曲「風、花
作詞:シノダ
作曲:ゆーまお