いつかまた会えるなんて嘘。もう会えないんです。

 2020年12月23日に“柴田淳”がニューアルバム『蓮の花がひらく時』をリリース!デビュー19周年を迎えた彼女が、前作『ブライニクル』より約2年ぶりに届ける今作。これまで以上に感情を前面に出した歌、そして多重コーラスによって美しい世界を鮮明に演出した楽曲など、バラエティに富んだ全10曲が収録されております。柴田淳ヘビーリスナーはもちろん、今から柴田淳を耳にする人、すべてを虜にする作品がここに完成…!

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“柴田淳”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、収録曲「可愛いあなた」に通ずるお話。みなさんは、運命の人っていると思いますか? その運命の人とは、どんな存在の人のことを意味していると思いますか? 最後まで読むと、ほんの少し胸が痛い、でもどこか清々しい気持ちにもなる…。そのエッセイを是非、リリースより一足早くご堪能ください。

~歌詞エッセイ:「可愛いあなた」~

いつかまだどこかで会えるよね
生まれ変わってもあなたを必ず見つける
別れても運命の人

そんな歌が世の中には沢山溢れてるよね。
別れても繋がってるって。
でも、最近そうかなあ?って思うんですよね。

世間で言う運命の人って、結婚して生涯を共に歩む人の事を指してるんだと思うんだけど、運命の人って各分野にそれぞれいると思うんだ。

「彼と別れさせる為だけに現れた運命」の人とか、「誰かを呼び寄せるためだけに現れた運命」の人とか、「トラブル起こすだけに現れた運命」の人とか、「自分に試練を与える為だけに現れた運命」の人とか。その中で「運命の人」と言われるのって、大抵結婚相手のことなんだろうなと思うんだ。

だけどさ、そんな人、本当にいるのかなって思うの。運命の人だと思って結婚するのに、離婚する人が沢山いるわけで。そして、生涯愛する事を誓って裏切る人の多いこと多いこと。仮に生涯遂げたとして、幸せだったかは別だったりするし。結婚する運命の人だったけど、愛する運命の人ではなかった、って感じに。

そうしたら本当の運命の人っているのかなってね。そもそも見つけられるものなのかなってね。ファンレターでも「僕としばじゅんは運命の相手なんです!」って何通も頂いた時期も若い頃はありました(遠い目(笑))。つまりその数そのものが運命の人なんていないという証なんでね。

結局、運命の人なんていなくて、結婚したい時にそばにいた人が結婚相手になるだけなんじゃないかなって思う。だから、結婚したいなら適齢期の人のそばにいるのが一番近道なんじゃないかなって思う(笑)。

そんな私は、遠く遠く離れた場所で、遅すぎる真実を知り、二度も終わりが来た恋がありました。今更どうしようもない。後悔すらしようがない。相手も私も変わった。もうあの時の二人はいない。そんな遅すぎる完全失恋を経験して、書いた曲が「可愛いあなた」です。

そこで書いた一節が<いつかまた巡り会えることは、きっともう無いと思う。運命なら。>です。

いつかまた会えるなんて嘘。もう会えないんです。そーゆー結ばれない運命の人だったんなら。どんなに好きでもね。そう言い切る歌もあっていいんじゃないかなって思って書きました。厳しいかもしれないけど、清々しい思いもするかも。どうぞ聴いてください。

<柴田淳>

◆紹介曲「可愛いあなた
作詞:柴田淳
作曲:柴田淳

◆ニューアルバム『蓮の花がひらく時』
2020年12月23日発売
初回限定盤 VIZL-1836 ¥4,200+税
高音質SHM-CD+CD LPサイズジャケット仕様 VICL-65456 ¥3,000+税

<収録曲>
M1.はじまりはじまり
M2.ループ
M3.ハイウェイ
M4.紫とピンク
M5.真っ白な真っ黒
M6.私が居てもいい世界
M7.シャンデリアの下で
M8.珈琲の中
M9.可愛いあなた
M10.エンディング