オープニングを飾った「アナフィラキシーショック」によって、一気に熱く沸き立ったフロア。続いて「シンデレラコンプレックス」と「週末スクランブル」も演奏されて、場内の誰も彼もが汗だく。冒頭の3曲の時点で、早くもすさまじい盛り上がりへと至っていた。そして、刺激的な演奏がさらに続く。奥行き深いドラマを描き上げた「娼年A」。鋭い殺気を漂わせた「グライダー」。松本明人(Vo&Gu)が爪弾くアコースティックギターと歌による瑞々しい幕開けを経て、村田智史(Ba)と大貫朋也(Dr)が合流するや否や、壮大に高鳴った「4月某日」...などなど。様々な曲が絶妙に連なり合ったセットリストであった。
「闇に踊れ」を皮切りに、アグレッシブなナンバーが連発された終盤。「サイレン」の演奏を終えると、メンバーたちはステージから去った。すると、観客の間から“おかわり! おかわり!”というコールが起こる。その声に応えて戻ってきた3人。“本編で全力を出そうと思っていたのでアンコールはやらないんですけど、みんながコールしてくれて、毎回心震わされてます。もう1曲。頭に戻ろうぜ!”、村田が言って、2回目となる「アナフィラキシーショック」がスタートした。曲の途中で“ここで提案があります。《おかわり頂戴》を言って欲しいです。今日をかけがえのない日にしましょう”と観客に呼びかけた松本。皆が全力で歌詞の一節《おかわり頂戴》を叫んで雪崩れ込んだクライマックスは、最高に清々しい完全燃焼を実感させてくれた。