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LIVE REPORT

amazarashi

『amazarashi LIVE「0.7」』

2012年11月30日
@渋谷公会堂

誰もが心の奥底に潜ませるドロドロとした感情を高らかに歌った楽曲群と、リスナーの想像力を掻き立てるアニメーションを軸とした映像が融合することで完成する“ライヴ”という名の芸術作品...何度観ても、その芸術度の高さに惚れ惚れする。
雪道を踏み鳴らす足音から始まる1曲目の「冬が来る前に」では、両手を前に差し出した少女の手中に冬の街並みが灯る。可愛らしい音を響かせながら、切々と歌い上げているのは何とも言えない感情で...ただ、結果としてひと筋の光を見出すことができるので、聴き手は後押しされているように思えてならない。言葉の力が強く打ち出された「ワンルーム叙事詩」も同じく、一曲中で悲しかったり、辛かったり、希望を見付けたり...といろいろな感情が芽生えていくから不思議だ。毒々しくも美しい歌詞世界とざらついた肌触りのバンドサウンドに高揚する。例のごとく、バンドの姿ははっきりと映し出されはしないものの、紗幕越しに伝わる熱量は尋常ではない。不条理な世界で居場所を探しながら、もがき、苦しみ、生き抜く人へ...魂を懸命に振り絞って、音を出していた。“amazarashiもどうなるか分かりませんけど、行けるところまで行ってみようと思います”と謙虚ながらも秋田ひろむが頼もしく語ってくれた。スノードームの中にメンバーがいるような演出で披露された「真っ白な世界」では、実際に雪が舞い落ち、幻想的にバンドを浮かび上がらせる。最後にアコギを片手に秋田ひとりで「終わりで始まり」を力強く歌い上げ、今回の物語を締め括った。2013年5月からは新たな東名阪ツアーが控えているamazarashi。次はどのような世界へ私たちリスナーを連れて行ってくれるのか、楽しみである。