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LIVE REPORT

amazarashi

『amazarashi 5th anniversary Live Tour 2016「世界分岐二〇一六」』

2016年02月28日
@Zepp Tokyo

アルバムのリリース前に初日を迎える、新たな試みに挑戦した今回のツアー。短い口上代わりの「コンビニ傘」を皮切りに、「タクシードライバー」「季節は次々死んでいく」と、新作『世界収束二一一六』からのハードな曲で緊張感は一気に臨界点へ。前回のツアーよりも明らかにビートが強い。それを突き抜けて歌詞をはっきりと届けてくる、秋田ひろむ(Vo&Gu)の歌も強い。バラードのように始まった「百年経ったら」が後半はエレクトロなダンスミュージックへ変貌し、前作収録の「雨男」もループするビートは予想以上にクール。新境地を強く感じる楽曲とアレンジ。しかし、中盤では「夏を待っていました」「ラブソング」と、スクリーンのアニメーションも当時のままに、変わらぬamazarashiらしさを届けることも忘れない。一転して、「スピードと摩擦」は再び強烈にラウドなロックチューン。新作の中でも重要な位置を占める「エンディングテーマ」や「美しき思い出」など、ドラマチックな大曲が続く。過去曲と新曲とが違和感なく並ぶ。そして、秋田がこの日初めてのMCをする。“みなさんが来てくれるからできること。すごい感謝してます。ありがとう”“一生、これをやっていけたらと思います”。朴訥だが、言葉のトーンがいつになく柔らかい。ラストは「スターライト」、そして新作の中でもっとも悲しく、もっとも平和でもある「ライフイズビューティフル」を魂込めて。メンバーは相変わらず紗幕の向こうにいるが、バンドの存在はどんどんフィジカルなものになってきた。3D映像など、演出も意欲的。次の景色が早く観たい。