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LIVE REPORT

雨のパレード ライヴレポート

【雨のパレード ライヴレポート】 『ame_no_parade SUMMER TOUR “Summer Time Magic”』 2019年8月30日 at TSUTAYA O-EAST

2019年08月30日
@TSUTAYA O-EAST

3人体制移行後、2作目の新曲であり雨パレ初のサマーチューン「Summer Time Magic」を携えた久々の全国ツアー。その2カ所目となる8月30日のTSUTAYA O-EAST公演では、すでに「Ahead Ahead」がライヴアンセムに成長していたり、アコースティックコーナーの設置、盟友であるヒップホップクルー・Dos Monosのゲスト出演、さらにはリリース前の新曲の披露など、バンドが今、表現したいことを全方位で解放。その自由度をレポートしよう。

ストイックなのにエモーショナルーー今の雨パレを象徴するのはそんな印象だった。ライヴ冒頭から3人体制移行後初のシングル曲「Ahead Ahead」を配置し、フロアーをジャンプさせる求心力の高い楽曲に成長させていることに、バンドが健全に今の表現を推し進めていることに感銘を受けた。さらに現在の以前より打ち込みを多用しているにもかかわらず、「new place」では叫びに近いヴォーカルを福永浩平(Vo&Syn)が聴かせるなど、むしろフィジカルの強さをうかがわせる場面も。4月のワンマンと比較しても打ち込みの細部の構築と、山﨑山崎康介(Gu&Syn)、大澤実音穂(Dr)のバランスの深度は明らかに増している。ギターの単音やキック&スネアの輪郭がクリアーに聴こえることで、ステージ上もフロアーも確実にグルーブしているからだ。エレクトロと生音の融合が、より有機的でエキスエペリメントな高みに向かっていることは「Reason of Black Color」や「/eɔ:/」で実証されていた。

バンドの自由度は中盤、アコースティックでかのSUPER BUTTER DOGの名曲「サヨナラCOLOR」のカバー、ファンの抽選で「MARCH」を演奏したことや、盟友Dos Monosを招いて彼らのバージョンでの「Hometown」を生披露したことにも顕著。ラストでは新曲「Summer Time Magic」がファンの大きなシンガロングによって活き活き生き生きと彩られ、アンコールでは福永が友人の結婚披露宴に触発されたという新曲「Story」も披露。日々の感情や感覚を肩肘張らずに表出する今の雨パレに、もはや狭義のカテゴライズは不要に感じられた。

カメラマン:八木咲/取材:石角友香

雨のパレード

アメノパレード:2013年結成。16年にメジャーデビュー。インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、TRAPなどエレクトロニック主体の現代ポップミュージックに刺激を受け、バンドという形態に拘らないサウンドメイクを武器に自分達の音をアップデートし続けている。