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LIVE REPORT

シド ライヴレポート

【シド ライヴレポート】 『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018 ~昭和歌謡曲限定LIVE~』 2018年6月27日 at 豊洲PIT

2018年06月27日
@豊洲PIT

暴れ曲限定、インディーズ曲限定など月日を重ねてきたバンドゆえのスペシャル企画で各地のファンを楽しませてきた全国ツアー『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018』もついに追加公演。豊洲PIT 2デイズの初日である6月27日、“〜昭和歌謡曲限定LIVE〜”が開催された。

思い思いの衣装に身を包んだメンバーが登場し、オープニングはShinji(Gu)のアルペジオに歓声が上がった梅雨の季節にぴったりの切ないラブソング「紫陽花」。マオの艶のあるヴォーカルが活きる切ないミドルチューンだ。続いて演奏されたのは同じく今から約14年前にリリースされた1stアルバム『憐哀-レンアイ-』から叶わぬ恋を綴った「土曜日の女」。レトロで昭和の匂いがプンプンする楽曲がたて続けに演奏された。

“みなさん、たぶんシドのことは僕より詳しいぐらいだと思うので知っていらっしゃると思いますけど、シドは特に初期の頃に昭和歌謡の匂いがする曲がたくさん生まれてきたんです。そういう曲たちを今日はもう1度掘り返して届けたいと思います”。マオの言葉どおり、この日は世代を超えて愛される名曲を数多く生み出してきたシドの原点とも言える初期のナンバーが満載。“ずっと演奏し続けている大好きな曲”と披露された歌謡の王道メロディーが光るバラード「小さな幸せ」はギターと歌のみで始まり、ゆうやのドラムと明希のベースが加わっていくアレンジも素晴らしく、場内も拍手喝采。そんなしっとりした曲をメインに一体になって盛り上がるライヴのキラーチューン「循環」や初期シドを象徴する暴走する女心を歌った「妄想日記」、メジャーデビュー後に生まれた続編「妄想日記2」などを混じえ、懐かしい曲が今のシドの細やかなアプローチ、説得力で披露される一夜となった。

中盤に挟まれた各メンバーのMCではいつもシャウト気味に煽る明希が“こんなに大人っぽく喋ったことがないので今、心臓の音がドックンドックン言ってます”と沸かせたり、Shinjiが愛用していたシャンプー、『ティモテ』のCMソングを歌い出したり、ゆうやが今朝、何を食べたか当てる三択クイズ(正解は昭和らしく納豆ご飯)を出したりと和気藹々。

アンコールもザ・昭和。昔、ライヴのSEに使っていたという井上陽水の代表曲のひとつ「傘がない」をカバーするというレアな展開。まだまだ聴き足りない場内の反応に、メンバーがステージで話し合い、予定になかった「夏恋」を演奏するサプライズもあり、ラストは“俺たちの大事な曲”と胸が締め付けられるバラード「空の便箋、空への手紙」で締められた。

撮影:今元秀明/取材:山本弘子