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LIVE REPORT

NoGoD

『NoGoD TOUR -2016-「Renovation」』

2016年06月20日
@新宿ReNY

“NoGoDの歴史の縮図”と団長(Vo)がインタビューで語っていたアルバム『Renovate』を引っ提げたツアーの最終公演。ある意味、NoGoD自身も“Renovation=改修”したのか、実に“らしい”ステージだったと言える。

オープニングを飾ったのは『Renovate』と同じく、「VAMPIRE」「絶頂マスカレード」。感情的なハイトーンヴォーカル、ソリッドなリフ&テクニカルなプレイで攻め込む2本のギター、ズンズンと下腹部に響くベース、ツーバスの高速ドラム...とHR/HMサウンドの神髄を発揮したようなサウンドがフロアーを焚き付けると、観客はこれにヘドバンで応戦。さらに、もはやライヴにおける起爆剤的な「STAND UP!」で拳が突き上がり、“お前ら馬鹿になれるのか?”という煽りからの「イピカイエ」ではタオルが旋回し、コール&レスポンスが巻き起こった。序盤にして熱気と笑顔が会場全域を制覇していたことは言うまでもない。

一転、中盤では深淵なサウンドスケープを描く。「方舟」のディープで重厚な音像が観客ひとりひとりを飲み込み、ドラマチックなインストナンバー「時を越えて」では楽器陣の華麗な演奏で観客を魅了。さらに、団長曰く“誰のためでもない、みんなのための曲”という感動的なバラード「光」では、涙を拭いながら聴き入るファンの姿もあった。激しく“攻める”だけでなく、圧巻の演奏力と圧倒的な表現力で観る者を酔わせるのもNoGoDの持ち味である。

終盤戦はドライブするポップチューン「魔法」から。続く「万黒深層大サァカス」で大合唱を誘い、“ぶっ壊していこうぜ!”と投下された「最高の世界」では場内に何度目かのヘドバンの嵐を呼び、大きくフロアーの床を揺らし、本編ラストはキラーチューン「神風」が締め括る。7弦ギターを嘶かせるKyrieや5弦ベースを操る華凛の超絶テクだったり、Shinnoのサウンドに厚みを加えるユニゾンやKのダイナミックなドラムなど、観せ場&聴かどころ満載のステージングで、当然の如く観客のテンションは最高潮に達した。

そして、アンコール。この日が誕生日ということで、華凛がサウングラス&ハンドマイクでRADIO FISHの「PERFECT HUMAN」を披露したのはご愛嬌だが、団長の超舌のMCも含め、観客を楽しませるエンターテインメント性もNoGoDの大きな特性。当然、その後はライヴを桃源郷に例えた「桃源郷へようこそ」など、HR/HMナンバーの猛ラッシュ! オーラスに向かって、観客の残っている体力やエナジーはもちろん、日常の鬱憤から不安まで全てを放出させるような怒濤の展開に。“あなたは何を信じて生きていますか?”との問いかけからのオーラス「ノーゴッド」では、団長がフロアーにダイブする場面もあり、バンドも観客も完全燃焼したのだった。

“NoGoDの歴史の縮図”と語るアルバムのツアー、それもファイナルということもあってか、NoGoDの全てを体感したと実感。メタルもJ-POPも昇華したサウンドと、観客を笑顔にするエンターテインメント、その全てに振り切っているのが、現在のNoGoDなのだろう。そんなヘヴィメタルやビジュアル系というカテゴリーを超越する彼らだからこそのアクトを十二分に楽しませてもらった。