君が遠くに行ってしまって、もう会えないとわかっていたって。

運命の人が僕じゃなくても、僕はあなたを守りたい。

 そんなキャッチコピーが綴られているのは、3月1日から公開の映画『九月の恋と出会うまで』です。物語はある日、突然ヒロイン(川口春奈)の部屋から“未来からの誰かの声”が聞こえてきたところから展開してゆきます。その声により、命を救われた彼女。しかし、その不思議な現象の問題点に気づいたのが、小説家を志す隣人の男性(高橋一生)。

 訪れるはずだった未来が変わってしまったことで<タイムパラドックス>が生じ、このままだと助かった日からちょうど365日後に、彼女が消えてしまう。彼は、その運命から彼女を守るため、自分が“声の主=運命のひと”ではないと知りつつも、必死に回避策を探るのです。お互いに一途が想いがあるからこそ、すれ違ってゆく二人の結末は…。

物語が僕を拒んだって
誰かが運命を定めたって
会いに行くよ
どこにだって
探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように
恋するよ
「Koi」/androp

 さて、その映画『九月の恋と出会うまで』主題歌として書き下ろされたのは、2019年2月27日に“androp”がリリースしたニューシングルのタイトル曲「Koi」です。たとえ、愛するひとの<物語>から拒まれようと、たとえ、自分の<運命>が定められていようと、それでも<恋をする>主人公の姿は、まさに劇中の彼にも彼女にもリンクしますね。
 
 尚、andropの楽曲タイトルは、これまで全英語であり、今作も「Koi」という表記。すると、見慣れていた知っていたはずの【恋】という言葉の意味を、改めて考えさせられる気がしませんか? だからこそこの曲は「恋ってなんだっけ?」「誰かを好きになるってどういう気持ちだっけ?」という方にこそ、聴いていただきたい歌でもあるんです。

何もいらない
何もいらないんだよ
君以外は
本当にそう思う

二人並んだ写真にも
写せやしない想いがあるの

終わりまで守ろう
約束をするよ
まだ見えない未来でも
「Koi」/androp

 1番の歌詞だけでも「Koi」は、様々な“<恋する>とは”を教えてくれます。まず<恋する>とは、何より【自分の価値観が変わること】だと言えるでしょう。もし<君>に出会わなければ、必要だと思うものが人生には、無駄に溢れていたのかもしれません。地位や名誉、仕事、お金、趣味。選択肢は山ほどあるけど、最も大切なものはわからずに。

 しかし<君>に<恋する>ことで<僕>は、世界に対する価値観がガラリと変わりました。何が一番かと訊かれたら<何もいらないんだよ 君以外は>と、即答・断言できるほど。そして<終わりまで守ろう>というフレーズからは“君より長く生きよう”という想いや“自分の人生の意味は君を守ることだ”という想いが伝わってきます。その意志や覚悟は<二人並んだ写真にも 写せやしない>ものですよね。

春にほころぶ小さな蕾
夏の暑さに 眩しい光
秋の彩り
冬の冷たさ
そんな当たり前が
君となら特別に変わる
ずっと一緒にいてほしい

忘れるなら
忘れるくらいなら
君じゃなくて誰でもいいのに

君の仕草も約束も
くだらないことだって覚えてる
「Koi」/androp

 さらに、2番の歌詞からは<恋する>とは【些細なできごとに胸が高鳴ること】や【当たり前の幸せを噛み締めること】でもあると気づかされます。<春にほころぶ小さな蕾>の香り。<夏の暑さ>で肌を伝う汗。<秋の彩り>に揺れる瞳。<冬の冷たさ>を和らげるため繋ぐ手と手。すべて<君>と過ごした季節だから、五感が覚えているのです。<君の仕草も約束も くだらないことだって>胸を高鳴らせた、宝物なんです。

君が遠くに行ってしまって
もう会えないとわかっていたって
僕は探すよ
君の姿を
君じゃなければだめなんだ
出会えた頃とまた同じように
恋して 恋して
また笑ってよ

物語が僕を拒んだって
誰かが運命を定めたって
会いに行くよ
どこにだって
探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように
恋するよ

恋するよ
「Koi」/androp

 そして、サビでは<恋する>エネルギーが歌声になって、溢れ出します。他の誰かでは絶対にダメで<君じゃなければだめなんだ>と思うこと。相手に望むのは<ずっと一緒にいてほしい>、<笑って>いてほしい、ただそれだけであること。どのフレーズでも“<恋する>とは”どういうことなのかを伝えていることがわかりますね。
 
 また、この歌では“守りたい”とか“会いたい”という願いを歌っているわけではないんです。もう<終わりまで守ろう>、<僕は探すよ>、<会いに行くよ>、<探し続けるよ>、<恋するよ>、と最後の最後まですべて、言い切っているのです。そんな強さが心に生まれることこそが“<恋する>とは”の一番の答えなのではないでしょうか。
 
 今、恋をしているひとにも、恋なんて忘れてしまったひとにも、届いてほしい、andropの「Koi」。是非、劇場で『九月の恋と出会うまで』と併せて、ご堪能ください…!

◆紹介曲「Koi
作詞:Takahito Uchisawa
作曲:Takahito Uchisawa

◆new single「Koi」
2019年2月27日発売
初回限定盤 UPCH-7482 ¥1,944(税込)
通常盤 UPCH-5958 ¥1,296(税込)

<収録曲>
01. Koi
02. For you 
03. Image Word (solo acoustic ver.)