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イチオシ!

アーティストが“歌詞面”で影響を受けたアーティストとは?後編!

夢を碾く わたしのゆめが
どなたかのゆめの地層をなしますように
(佐藤弓生)


 こちらは歌人・佐藤弓生さんの作品。【碾く(ひく)】とは、何かを切ったり削ったりすることや、ひき臼などで細かくすることを意味する言葉です。そうやって、今日もどこかで誰かが“夢を碾き”ながら生きていて、そこから生じる欠片は着々と降り積もっております。そしてその重なりがいつか<どなたかのゆめの地層をなす>ことがあるのです。
 
 たとえば“歌詞”も然り。短歌の中の【ゆめ】というワードを【言葉】に置き換えてみてください。わたしの言葉が、どなたかの言葉の地層をなしますように。そんな繋がりは、実際にあるんです。つまり、誰かの綴ってきた言葉が、誰かの“歌詞”という地層を形成するということ。そこで今日のうたコラムでは、過去の歌ネットインタビューを元に、様々なアーティストの“地層”をご紹介いたします!本日は後編!

【あなたが“歌詞”で影響を受けたアーティストは?】

<柴田淳>

スガ シカオさん!間違いないですね!あの声もズルイよねぇ。大好きすぎて、どの曲が1番とか選べないんですけど、勝手に私と括りつけて聴いていたのが「モノラルセカイ」って楽曲なの。その歌詞にね“ぼくの味方”って言葉が出てくるんですよ(※「ぼくの味方」は柴田淳のメジャー1stシングルのタイトル) 。で、この曲ってすごく素敵な恋に出逢ったっていう歌だから、その相手を「これ私のこと♪」と勝手に思って聴いていました(笑)。

あと「日曜日の午後」っていう楽曲の情景描写の凄いこと!吐き気を催すような気だるさ、憂鬱さ、退屈さが声にまで出ていて、まさに“日曜日の午後”そのものを歌っているんですよ。その世の中に対してイラついているような、ちょっと冷めた感情も私と重なる部分があるんですよねぇ(笑) 口の周りにミートソースをたくさんつけた女が出てくる歌とかも良かったなぁ(「ミートソース」)。もうね、スガさん特集組んでほしい。延々と話せる。

<フレデリック・三原健司>
康司も言ってましたけど、やっぱり“たま”が良いなぁと思っています。「きみしかいない」という曲があって、一応、彼らなりのラブソングなんですけど、すごくひねくれているんですよ。<誰もいないから きみしかいない 誰もいないから きみがこの世でいちばん>っていうフレーズがあったりとか。2コーラス目にも同じサビが来るんですけど<誰もいないから きみしかいない 誰もいないから きみがこの世でいちばんぶす>って終わるんです(笑)。裏を返せば<誰もいないから きみがこの世でいちばんかわいい>とも言えるのに、それを敢えてひねくれた方に持っていくのが“たま”らしいなぁって。

<フレデリック・三原康司>
“松本隆”さんの書く歌詞も好きですね。はっぴいえんどの「風をあつめて」は、もう映像なんていらないなって思うくらい、その時代の風景が浮かんできます。しかも、どのアーティストに提供する楽曲にも必ず鮮やかな色をつけてくれる人だなと思うんです。だからすごく尊敬しています。

<井上苑子>
一番は“SUPER BEAVER”さんですかねぇ。私も何曲か、ボーカルの柳沢亮太さんと一緒に自分の曲を作らせてもらったんですけど、柳沢さんの書く歌詞は毎回すっごいなって思います。なんて言うんだろう…たとえば「赤いマフラー」とかもそうなんですけど、<肌を刺すような風吹く>っていうフレーズが最初にあったら、それを最後にもう一回出すことで物語の芯を作る、というのがすごくお上手なんです。SUPER BEAVERさんの新譜も出るたびにチェックして、歌詞をめっちゃ読むんですけど、全部にうわぁ!やられたぁ!って思わされますね。あと私自身がすごく救われた音楽でもあります。

上京した当時、聴いていて助けられたのは「証明」という曲です。歌詞に<産まれて死ぬまで一人なのは 誰も独りきりでは無いという「証明」>っていうフレーズがあって。一人でいられるってことは、同時に、誰かがいるってことでもあるんだという意味だと私は受け取りました。だから寂しいとき、(今自分が一人ぼっちだと思っていても、きっと気づかないところで誰かに助けられていて、実はそばにいてくれているんだろうなぁ…)とか、そういうことを思わせてくれましたね。今でも大好きな曲です。

<I Don't Like Mondays.・Yu>
めちゃくちゃ王道なんですけど、Mr.Childrenさん、BUMP OF CHICKENさん、RADWIMPSさんはやっぱり三大ですよね。そういえば最近ふと口ずさんでいたのもミスチルさんの曲だったな。“幸せすぎて大切な事が 解りづらくなった 今だから”~♪っていう…「Everything (It's you)」か。そういうフレーズをふと思い出したりもします。

<chay>
一番は、松任谷由実さんですね。小さい頃から家族でライブに行ったりしていました。松任谷さんの歌は言わずもがな素晴らしいですし、物心ついてから歌詞も大好きになったんですけど、小さい頃は歌の内容はそこまで理解できないじゃないですか。でも、パフォーマンスだったり演出だったり衣装だったりっていうところで、すっごく楽しかったんですよね。シンディ・ローパーにも通じますけど、耳だけじゃなく目でも楽しませてくれるエンターテインメント性がとても魅力的で。今でも本当に憧れです。だから私自身のライブでも、視覚的にもワクワクするような演出だったりとか、衣装を7回着替えたりとか、そういう部分もこだわって大切にしています。

<Rihwa>
aikoさんと高橋優さんです。高橋優さんは、私が札幌でインディーズ活動している時にお世話になった方が結構同じだったことがきっかけで知り合ったんですけど、遊び心の部分なんかは高橋優さんに影響されている部分もあると思います。aikoさんは彼女なりの表現で私やリスナーが言いたかったことを上手く言ってくれる。しかも、イメージし易い言葉で言ってくれるので、“こんな言い方があったのか!”っていう驚きと感動を毎回くれるアーティストですね。

<ナオト・インティライミ>
Mr.Childrenの桜井さんの歌詞を見ちゃうと、もう書けなくなる(笑)。「なんだ、これは?」って、自分が書くのが恥ずかしくなっちゃう(笑)。難しい言葉をトリッキーに使ったりとかじゃないんだよね。誰もが知っている言葉なんだけど、組み合わせや表現力で「うわぁ」っていう感動に変わる。あれはもう魔法だね。

<片平里菜>
日本の方だと、中島みゆきさんと松任谷由実さんはすごいなと思いますね。中島みゆきさんの「ファイト!」を聴いた時は、衝撃を受けました。私的なことを歌っているのに、どこか達観しているところやグサっと斬りつけることもできれば、逆にそれで救うこともできるような歌詞を書きますよね。松任谷由実さんは比喩がすごく好きで、人それぞれの受け取り方ができる。答えは松任谷由実さんが知っているんだと思うけど、深いことをポップに喩えて見せてるのがすごいと思います。

<ACE COLLECTION・たつや◎>
高校の頃に聴いた、中島みゆきさんの「時代」です。この歌詞を聴いて、泣きました。なんというか…「頑張ったら絶対にいいことあるよ!」とか「楽しいことが待っているよ!」とかじゃなくて。「つらいよね。でもしょうがないんだよね。わかるわかる…」みたいな寄り添い方。僕自身が、ただ単にポジティブなことを言われても「そんな簡単に前向けないわ!」って思っていた時期だったからこそ、そんな心にも沁みる歌がすごいなぁと思いました。

そして、自分の音楽も誰かにとってのそういうものになればいいなぁと思ったんです。正直「時代」を聴くまでは、どういう歌が世間に気に入られるんだろうとか、ウケるんだろうとか、そんなことばかり考えて曲を作っていました。だけど音楽の魅力って、アーティストの人生がそのまま歌に投影されていて、聴くひとがそれに出会って、共感したり、心癒されたりするところにあるんだなぁって気づかされて。だから僕もその誰かに出会ってもらえるべき音楽のひとつになろうと思うんです。そのためにいろんな経験をして、その都度、歌にして残してゆく。それが自分が歌っていく意味だなって、今は思いますね。

 【前編】【後編】とご紹介いたしましたが、このようにあるアーティストの言葉が、時を経て他のアーティストの言葉の地層を形成するのに欠かせないものとなっていることがわかりますね。新時代・令和でも歌ネットのインタビューで是非、様々な“地層”にご注目くださいませ…!