あなたがいるから生きてゆけるんだ、大袈裟じゃなくてそんなとこ。

2人抱きしめた恋を 離せずに永遠の祈りを
あの日あなたに出逢わなければ
愛しさも知らないままに
切なさも恋しさも何もかも 分け合いながら夜を越えて
ずっと2人で生きてゆこう 幸せになれる様
「ずっと2人で…」/GLAY

 こちらは、歌ネットの歴代人気曲としても認定されている1995年のシングル曲。さて、2017年11月22日、そんな名ラブバラードの流れ継ぐ新曲を“GLAY”がリリースしました!バラード集『WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』のリードトラック「あなたといきてゆく」です。今日のうたコラムでは、20年の月日を経たからこその<永遠>の描かれ方の違いや、タイトルに込められた想いに注目しながら、歌詞をご紹介いたします!

「年が明けたら結婚しようよ」
真面目顔あなたからのプロポーズ
意地悪をして「またね」と答えて
慌て顔「嘘よ」頷く私

取り出した指輪の小箱には決断が添えられ
永遠を尋ねてゆくのね 旅立ちを決めたのね
「あなたといきてゆく」/GLAY

 大切な人からのプロポーズの言葉で幕を開ける歌。あなたの<真面目顔>が<慌て顔>に変わり、そして<頷く私>を見て、ホロッと笑顔がこぼれたであろうところまで、映像が頭に浮かんできて、心がじんわりしますね…。また、かつて「ずっと2人で…」には<永遠の祈りを>というフレーズが綴られておりました。でも「あなたといきてゆく」では<永遠を尋ねてゆく>のです。

 つまり二人はこれから、一日一日を無数に重ねながら、少しずつ<永遠>の在りかに近づいてゆくのだということ。もちろん<永遠の祈りを>捧げることが間違いだと言うわけではありません。ただその祈りに、自らの意志と行動が加わることで、歌詞からより一層、強い愛のパワーが伝わってきます。

あなたがいたから生きてこれたんだ
大袈裟に言うとそんなとこ
あなたがいるから生きてゆけるんだ
大袈裟じゃなくてそんなとこ
アイリス
「あなたといきてゆく」/GLAY

 続く歌詞に綴られている<アイリス>とは、山地でたくましく咲く鮮やかな花です。その名はギリシャ語の【イリス(虹)】に由来しており、空にかかる虹のように【希望】を与えてくれる花、という意味があるんだそう。<あなたがいたから生きてこれた>これまでにも<あなたがいるから生きてゆける>これからにも、ふさわしい花言葉を持っているんですね。さらに大切なのは、この歌の<あなた>というワードは、ただひとりを意味するだけではないということなんです。

祖母(あなた)の優しさ決して忘れない
春の陽だまり 貴女のよう

祖父(あなた)のぬくもり決して忘れない
夏の星空 貴方のよう
「あなたといきてゆく」/GLAY

母(あなた)の言葉を決して忘れない
秋の黄昏 貴女のよう

父(あなた)の背中を決して忘れない
冬の厳しさ 貴方のよう
「あなたといきてゆく」/GLAY

 いつも私たちのそばに、当たり前のようにある春夏秋冬。そんなふうにそばにあった、祖母の優しさ、祖父の温もり、母の言葉、父の背中。兄弟や友達、先生、きっと人それぞれ、たくさんの<あなた>がいますよね。だからこそ<あなたがいたから生きてこれた>ことや<あなたがいるから生きてゆけるんだ>ことは、本当に<大袈裟じゃなくて>自分の人生そのものを表しているフレーズです。また、結婚すれば<私>の家族がお相手の家族にもなり、お相手の家族も<私>の家族になり、もっともっと<あなた>はいろんな意味を含んだものになってゆくのではないでしょうか。

私が生まれた日 2人がこぼした
喜びの涙を私達もいつの日か流すのでしょう

あなたといきてゆく
「あなたといきてゆく」/GLAY

 さらにいつかは、二人から新しい命が生まれることもあるでしょう。すると今度は<私達>がその子にとっての、かけがえない<あなた>になるのです。そう考えると<あなたといきてゆく>というフレーズからは、「ずっと2人で…」の<ずっと2人で生きてゆこう>というフレーズとは、また違った繋がりの強さを感じますね…!そしてこれから、ともに生かし生かされ、活かされ活かし。そうやって“生活”をしてゆく二人。ラストの<あなたといきてゆく>が“ひらがな”であることにも、そんな意味が込められているような気がします。
 
 結婚式にもピッタリなこの曲。是非、みなさんにとっての<あなた>を思い浮かべながら聴いてみてください。