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  • 佐藤千亜妃
    それぞれの帰り道。
    それぞれの帰り道。

    佐藤千亜妃

    それぞれの帰り道。

     2021年9月15日に“佐藤千亜妃”が2ndアルバム『KOE』をリリース!今作は“声”というテーマのもとに制作。フジテレビ系ドラマ『レンアイ漫画家』主題歌の「カタワレ」、『NYLON JAPAN』創刊15周年プロジェクト映画主題歌の「転がるビー玉」など、計12曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“佐藤千亜妃”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は最終回。綴っていただいたのは、アルバムのラストを飾る新曲「 橙ラプソディー 」にまつわるお話です。この曲を聴いた同級生から届いた、とあるメッセージとは。みなさんは“帰り道のワンシーン”というと、どんな光景が頭に浮かびますか…? ~歌詞エッセイ最終回:「 橙ラプソディー 」~  今回は「橙ラプソディー」という曲について書きたいと思う。アルバム『KOE』を締め括る楽曲である。  この曲は、学生時代に実際に経験したシチュエーションと、現在とがオーバーラップする感覚で書き下ろした。現在進行形のように語りながらも、その実は過去の情景を懐古しているというような内容になっている。  この曲の弾き語りをひょんなきっかけからSNSにアップすると、瞬く間に多くのリアクションをもらった。そんな中で、面白いことが起こった。小学校・中学校を一緒に過ごした同級生からメッセージが届いたのだ。未だに仲が良く、地元に帰った際には会ったり、お互いのSNSをチェックしていたり、普段からちょくちょく連絡をとりあっている友達だ。    急になんだろう、と思いメッセージを開くと、そこにはこんなことが書かれていた。「橙ラプソディー凄く良い曲だね!なんか中学校の時の帰り道を思い出して切なくなっちゃった」。このメッセージを読んで、なるほど、そっか、と、腑に落ちる自分がいた。不思議な感情だった。  「橙ラプソディー」は帰り道のワンシーンを描いた歌詞で、それを受け取る人によって想像する帰り道のイメージは十人十色だと思う。ところが、連絡をくれた友達に至っては、きっと、私とほぼ同じ帰り道の情景をイメージしていたのではないかと思う。同じ学校に通い、同じくらいの時間に帰っていた。勿論、帰る家の方角は違うけれど、大体放課後に友達とだべる場所は決まっていたし、同じ景色の記憶を沢山共有している仲間だった。    まさか、この曲が、こんな風に届くことは想定していなかった。似た情景を記憶している友に届くとは。そして私たちは大人になり、あの頃の恋とはサヨナラしているのだ。もう戻れない時間のことを思い、ただただ懐かしく、切なく思う気持ちがシンクロしていた。なんだかちょっと不思議で、面白い体験だった。  ただやっぱり、見えていた色や、匂いは、少しだけ違うのかもしれないとも思う。夕暮れ時の帰り道の記憶は、みんな同じような懐かしさに襲われつつも、それぞれが思い浮かべる景色はちょっとずつ違うんだろう。だからこそ大切で、むず痒くて、二度と戻らないことはわかっていても、どうしても愛しく思ってしまうのだろう。  橙色の帰り道。あの日の、それぞれの帰り道、その景色を思い出しながら聴いて欲しい。「橙ラプソディー」はそんな一曲である。 <佐藤千亜妃> ◆紹介曲「 橙ラプソディー 」 作詞:佐藤千亜妃 作曲:佐藤千亜妃 ◆Newアルバム『KOE』 2021年9月15日発売 通常盤 UPCH-20592  ¥3,300(tax in) 初回限定盤 UPCH-29408 ¥6,380(tax in) <収録曲> 1. Who Am I 2. rainy rainy rainy blues 3. 声 4. カタワレ 5. 甘い煙 6. 転がるビー玉 7. リナリア 8. 棺 9. Love her... 10. 愛が通り過ぎて 11. ランドマーク 12. 橙ラプソディー

    2021/09/24

  • 川村結花
    みんな、それぞれの「今だからこそ」がきっとあるはず。
    みんな、それぞれの「今だからこそ」がきっとあるはず。

    川村結花

    みんな、それぞれの「今だからこそ」がきっとあるはず。

     2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第21回をお届けいたします。 第21回歌詞エッセイ:今だからこそ 9月ももう第4週の週末となりました。2021年も残すところ3ヶ月ほどだなんて。と毎年この時期言っているような気がしますが、皆さま如何お過ごしでしょうか。今回はいつものコラムとはちょっと違うけど、歌詞作りにも通ずるお話をしたいと思います。 ここのところのわたしはといえば、ひたすらに曲を制作し続ける日々です。そんな中で自分でもびっくりなのは、離れた場所の方とリモートで曲作りをしていることです。ていうかそれが自分に出来ていることです。 はぁ?今頃何言うとん?な話ですよね、ええそうでしょうそうでしょう。しかしながらこのアナログ人間&ものぐさ大王のわたしが、「送られて来たトラックに新しいフレーズ足したり楽器足したり差し替えたり」「トラック別々にしてそれぞれwavファイルで送る」などという、以前だったら「ちょっと何言ってるかわからない」なことが出来ている、ということ自体、大事件大進歩なのであります。 いやいや人って、必要に迫られ倒されまくりあげられたら、ちょっとは進歩するのですね。送られて来た音源ファイルを自分とこの音楽制作ソフトにブチこんで、ぶわーっと波形になって画面に出て来た時、おおお!って声出ましたもん。むちゃくちゃ感動したんやもん。それと同時に「今まで何やって来たん自分」とも。 20代30代の若い頃から、新しいこと覚えるのが億劫という基本形が根底にあるが故に、誰かから「そんな面倒なシステムでやってるの。こうこうこう変えてみれば?」などとアドバイスされようものなら「こ、この人なんだか複雑なことやらせようとしてるに違いない」とコンマ1秒で耳をふさぎ、心の扉をガシャーンと締めて来た頑ななわたし。 あほやーーーーーーーーーー。と今なら思えますが、前だったらそれらを身に付けなくても、自分古来のやり方でやれて来たので、きっと新しい作り方を身につけることは出来なかったでしょう。何回かチャレンジはしましたが、途中で「やっぱめんどくさー。今のやりかたでいけるし、まあしばらくはこのまんまでええわ」と挫折。しかも「だいたいそんなん憶える時間あったら曲書くし」という大義名分付き。そら覚えられへんよなー。ラクな方選んでしまうもん。 でも。結局のところ、新しいやり方の方がラクであり、やれることも広がるということを体感してしまった今。もう前のやり方には戻らないだろうなあと思った時、ああ物事のタイミングにはすべて意味があるというのは本当なのだなあ、これら全てコロナ禍の今だからこそ出来たことなのであろうなあ、と、思ったのです。他の人には些細なことかもしれないけれどわたしには大きなことでした。 何が言いたいかというと、停滞しているように見えても、ちゃんと地下茎はその根を成長させていて、地上に出るタイミングを今か今かと待ち構えているのだなあ、ということです。今だからこそ書ける歌詞がきっとあるはず。今だからこそ書ける曲がきっとあるはず。みんな、それぞれの「今だからこそ」がきっとあるはず。そう思うのです。 閉塞感でどうにかなってしまいそうな世の中だけれど。タダでは起きない精神で、お互いにしなやかで逞しく歩んで行けたらいいなと思うのです。今日はなんだかそんなお話を無性にしたかったのでした。歌詞とは直接関係ないけど。それでも。なにしろ元気でまた来月このページにてお会いできますように。そしてここひと月ほどは、来たる秋の味覚を存分に味わいお過ごしくださいね。 <川村結花> ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】 【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回】 【第12回】 【第13回】 【第14回】 【第15回】 【第16回】 【第17回】 【第18回】 【第19回】 【第20回】

    2021/09/23

  • ササノマリイ
    大好きな世界になれたらなと思いながら今日も音楽を作っている。
    大好きな世界になれたらなと思いながら今日も音楽を作っている。

    ササノマリイ

    大好きな世界になれたらなと思いながら今日も音楽を作っている。

     2021年9月8日に“ササノマリイ”がニューミニアルバム『空と虚』をリリースしました。タイトル曲は、ササノマリイ自身が大ファンであるアニメ『ヴァニタスの手記』のオープニングテーマとして書き下ろした1曲。そしてアルバムにはその『ヴァニタスの手記』からインスパイアされて制作された楽曲7曲が収録されております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ササノマリイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は最終回です。初めてのパソコンがやってきたときの高まり、自分の音の表現法がわかったときの感覚…。自分なりに音楽の作り方を見つけていった軌跡、今のササノマリイの音楽に通じている記憶、そしてこれからの意志を明かしてくださいました。是非、今作と併せてお楽しみください! ~歌詞エッセイ最終回~ 眠りたい時に眠れなくて 起きていたい時にとても眠くて うつらうつらとしながら思い馳せる 思い出せるものを少しずつ書き溜める 夜が少しずつ明るくなりはじめて。 とりとめ という言葉はどこかへ。 中学二年生の頃、 我が家にはじめてのパソコンがやってきた。 ノートパソコン。 どうやらパソコンで本格的に曲を作れるらしい、 ということだけは知っていたので、 家族共用ではあるけれど、 そのパソコンで曲を作りたい、という気持ちだけが 頭の中を走り回っていた。 自分が使える時に、 「作曲 ソフト フリー」みたいな簡単な検索をして 紆余曲折あって、あるソフトに出会う。 …ちなみにここでその紆余曲折を しばらく1500字ほど書いていたけど、 かたくるしい用語の説明とともに 次の話に至るまでの遍歴が ずらずらずらと書かれていることに気付き 慌てて大部分を消した。あぶない。 簡単に言うと自分の目的に対して少し違った、 それでも打ち込みとは何ぞやというのを覚えるには とても大切なソフトとしばらく付き合うことになる。 ひとまず、 起動する!音符を置く!音が出る! という体験をしたかった せっかちな中学生の自分は、 目についたいろいろなソフトを試す事にする。 そこで出会ったのが自分の 「パソコン打ち込み音楽体験」の原点、 ミノ式MIDIシーケンサ。 現在では公式のページが 残念ながら無くなってしまっているけど、 このソフトに大変勉強させていただいた。 MIDIの意味はまだよくわかっていなかったけど。 テレビで流れているような音は出ないけど、 自分で打ち込んだものが その通りに再生される事がやっぱり楽しくて。 大きな影響を受けた曲も 耳で覚えている限りで打ち込んだ。 正しい音ではなかったかもしれないけど、 理想の世界がそこにある気分になれた。 そのあたりのソフトで オリジナル曲のようなものを しばらく作りはじめた頃。 「ピストンコラージュ」に出会う。 愛称はピスコラ。 とても独特な操作感のソフトだった記憶。 このソフトは鳴る音自体も 波形データとして用意する必要があったけど、 その仕組みのおかげで作りたい音楽の形に とても近いものが作れる事にものすごく感動した。 思い通りの音で自分の音楽が作れる事が 楽しくて楽しくてしょうがなかった。 はじめてこのピスコラで1曲が形になった時は 自分で聴きながらパソコンの前で 小躍りしていたのを今ぼんやりと思い出した。 サンプリングとか音作りとか、 わからないながらに覚えていけていた。はず。 (気になって調べたら まだ開発を続けていただいていた! また使わせてもらおう) 自分の音の使い方というか、 どういう音の表現をしたいかは このあたりで固まってきたような気もする。 またしばらくして。 高校生になって少し経った頃。 鍵盤で弾いたものがこの譜面になれば 打ち込みが楽なのに、と思い始めた。 このキーボードがパソコンに繋がればなぁ… となにか方法がないか調べたら、 あった。 それこそがMIDIという規格で、 パソコンにケーブルで繋げば 対応しているソフトで打ち込みに使えると。 これだ。 そこからはまた長いことになるので、 はしょりはしょり。 全部手探りで少しずつだけど、 何が正しい作り方のかもわからないけど (今もわからないけど) 音楽を自分なりに作るやり方を見つけていった。 自分の作る音楽を聴いてくれた人に、 いつぞや自分が音楽に感じた 衝撃だったり、影響だったり、安心感だったり、 そういったものを与えられるようになれたら嬉しいな なんておこがましい思いを抱いたりしながら 大好きな世界になれたらなと思いながら 今日も音楽を作っている。 <ササノマリイ>

    2021/09/22

  • Sano ibuki
    好きだけじゃなく、嫌いの反対も無関心。
    好きだけじゃなく、嫌いの反対も無関心。

    Sano ibuki

    好きだけじゃなく、嫌いの反対も無関心。

     2021年7月7日に“Sano ibuki”がニューアルバム『BREATH』をリリースしました。今作には、ドラマ『ソロ活女子のススメ』のオープニングテーマ「Genius」や映画『滑走路』の主題歌「紙飛行機」、映画『ぼくらの7日間戦争』の主題歌「スピリット」「おまじない」を含む12曲が収録。彩り豊かな“BREATH”の世界をお楽しみください…!    さて、今日のうたコラムでは最新作を放った“Sano ibuki”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け。今回は第2弾です。みなさんは誰かのことを「知りたい」と思ったとき、最初にどんな質問を投げかけますか? 「どんな〇〇が好きですか?」と聞くことが多くはありませんか? でも実は“好き”よりも相手の本質に迫ることができるのは“嫌い”なのかもしれない。そんなお話を綴っていただきました…!是非、今作と併せてお楽しみください。 ~歌詞エッセイ第2弾~ おはようございます、こんにちは、こんばんは。Sano ibukiです。歌ネットさんのコラムに登場させて頂くのは二度目で、一度目は「音楽について」という主題で自分なりにエッセイ風な文を書かせていただきました。その際、ろくに自己紹介もしないままだったので今回しようと思います。 さて、早速していこうと思うのですが、何から話しましょうか。血液型、誕生日、どれが良いでしょうね。“好きな”食べ物とかどうでしょうか。そういえば、はじめましての際に使われる質問として、「好きな~は何?」という質問、実にポピュラーですが、あまり“人を知るため”“人に知ってもらうため”の手段として効果的では無い気がします。 そもそも“好き”って言葉、広すぎると思いませんか? “少し”といった副詞、喩えを使って表すことはありますが、それにしたって海くらい広大ですし、深いです。 例えば、好きな音楽はなに? という質問。そもそもその人が音楽をどれくらい好きなのか理解していないといけない質問じゃないかなと思うのです。音楽を愛してるぜ!って言っても、恋人や家族、大切なもの、自分自身よりも愛してるか? と聞かれれば、ほとんどの人がそうではない、と答えるでしょう。同じように映画、食べ物、動物に比べたらそうでもないかな、という場合は多々あるわけです。 そうなれば、きっとその人と音楽の話をしたところで広がらないでしょう。早々に撤退して切り替えた方が良い。それほど“好き”には幅があり、その尺度を知らないといけないことを忘れがちです。好きなものはなに? の質問は簡単そうで、実は深くまで相手のことを理解していないと膨らまない難しい質問なのです。 でも話はしたい。どうすればいいかわからない。その人のことを詳しく知りたい!と思うのであれば、寧ろ嫌いなものを聞いてみた方が効果的な気がします。僕は苦手な文化ですが、往々にして好きな人の事を話すよりも愚痴を話す方が盛り上がります。屋上で好きな人を叫ぶ番組がありましたが、教室で嫌いな人の陰口をする。という行為のアンチテーゼに見えるほど、“嫌い”は学校文化や社会で盛り上がり、尚且つ、人同士の距離が近付く理由が出てきやすい話の一つでしょう。 僕にも経験がありますが、例えば、“好き”で触れた音楽について。昔、音楽に興味のないほぼ初対面の方に苦手な音楽を聞いてみたら「昔、コンビニでバイトしていた頃、ずっと流れていたBGMでノイローゼになりかけて、それからちょっとその曲が苦手なんですよね」とすっと答えが出てきたことがありました。 音楽以外に、バイト遍歴、それも店内BGMがノイローゼになるほど長い期間コンビニ勤務し、そしてそこまで長らく勤めたバイト先を辞めている。そんな膨大な情報を一発の質問で引き出せたのです。悲しいかな、それほど負の質問には人が食いつきやすく、答えやすいのです。 故に逆手に取るのです。“嫌い”を聞くことが大切ではありません。寧ろ、“嫌い”に潜んでいる、その人が大切にしている物、者、事を見つけることが重要です。 好きな理由など無いことがほとんどです。「だって好きなんだもん。仕方ないじゃん!」その通り。ただ、嫌いなものには思い出が付き纏っていることがほとんどです。恋人を好きになった瞬間は意外と覚えてなくても、嫌いになった瞬間は覚えているものでしょう。その瞬間を知りたいと思うのです。そこを知ることが近づくことの大きな一歩になるとも思うのです。 わざわざ“嫌い”を聞く必要はないかもしれません。けど、“嫌い”にこそ主観や、直感、時間が詰まっている気がします。そして、“好き”を共有するよりも“嫌い”に共感できる人との方が、友人でも恋人でも仕事仲間であってもより深い付き合いになることが多いです。 愛するなら勇気を持って、人と接する。これは僕のモットーの一つです。“嫌い”に踏み込むことも人と関わる上で大切で、なによりも重要なことなのかもしれません。偉そうに語っておいて、僕には友達が少ないです。きっとそれは“嫌い”を言える、聞ける勇気がないからでしょう。気をつけないといけませんね。 あれ、結局、ほとんど自分の紹介をしていないですね。最後にしておきましょう。 好きな食べ物はさつまいもです。 好きなことは寝ることです。休日はずっと寝てます。 あと本も好きで、アニメとゲームも好きです。 沢山好きなものがあります。 Sano ibukiです。宜しくお願いします。 嫌いな場所は人の多い所です。人で溢れた場所でどんなに好きなもの、例えばさつまいもとか出されても美味しく食べられないですね。というかそもそも食にそんなに興味ないのかも知れません。ご飯は忘れてしまう事がほとんどで、知らぬ間に一週間、断食してたことがあったくらいです。Sano ibukiです。宜しくお願いします。 どちらの僕の話の続きを聞きたいですか? <Sano ibuki> ◆2ndフル・アルバム『BREATH』 初回仕様 UPCH-29396 ¥3,300(税込) 通常仕様 UPCH-20586 ¥3,300(税込) <収録曲> 1. Genius 2. ムーンレイカー 3. ジャイアントキリング 4. pinky swear 5. lavender 6. あのね 7. おまじない 8. 伽藍堂 9. スピリット(BREATH ver.) 10. emerald city(BREATH ver.) 11. 紙飛行機 12. マルボロ

    2021/09/21

  • 佐藤千亜妃
    言葉ひとつで救えたらいいのに。
    言葉ひとつで救えたらいいのに。

    佐藤千亜妃

    言葉ひとつで救えたらいいのに。

     2021年9月15日に“佐藤千亜妃”が2ndアルバム『KOE』をリリース!今作は“声”というテーマのもとに制作。フジテレビ系ドラマ『レンアイ漫画家』主題歌の「カタワレ」、『NYLON JAPAN』創刊15周年プロジェクト映画主題歌の「転がるビー玉」など、計12曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“佐藤千亜妃”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 rainy rainy rainy blues 」についてのお話です。夢を追うことが苦しくなったとき、彼女が考えた“歌うこと”“音楽をすること”の理由とは…。歌に込められた祈りを、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 rainy rainy rainy blues 」~  今回は「rainy rainy rainy blues」という曲についてお話ししたいと思う。とても思い入れが深い曲だ。この曲をアレンジした日は、ちょうど雨が降っていた。そして、古くから親交のある音楽仲間を失った、とても悲しい日でもあった。去年の秋のことである。前回に引き続き、少し重い話になってしまうので書こうか迷ったけれど、やはりこのことを伝えずして、この曲について語ることはできない。  去年、音楽を止めたくない思いで闇雲に駆け抜けている間に、本当にめまぐるしく色んなことを経験した。勿論、ミュージシャンだけではなく、どんな人間でも一抹の不安を抱えながら、なんとか日々をしのいでいたと思う。そんな状況の中、“夢を追う”という行為そのものが苦しくなってしまっている自分がいた。昔からたまに、ガソリン切れのように、うっすらとそんな思考回路になることはあったけれど、コロナ禍の中では明確に、“全て放棄して逃げたい”という諦めのようなものを感じていた。焦燥感は昔からあるが、焦燥感よりも諦めの方が先に立つのは初めての経験だった。    「夢さえなければ」と、夢の存在を呪いのようにすら感じた。「夢があるから今まで生きてこれた」と思っている自分からすれば、真逆の方向へ気持ちが押し流されていくのは、信じがたくもあり悲しくもあった。きっと、心が疲弊していたのだと思う。そんな感情が「rainy rainy rainy blues」の歌い出しあたりの歌詞に表れている。  でもふと、目標よりも理由について考えた。これは昔から癖付けている思考法で、“どうしたらなれるのか”ではなく“どうしてなりたかったのか”を自分の中で掘り下げてみるのだ。初心に返る意味合いが強い。どうして音楽をしたかったのか。歌いたいという欲求そのものがスタートであることは揺るぎないが、その先がやはりあって、それは誰かに伝えることだ。歌で、何かを伝えたいのだ。    そんなことをぐるぐる考えていると、サビの歌詞が出てきた。言葉ひとつで伝わればいいのに。言葉ひとつで救えたらいいのに。この曲が言いたいことは、この歌詞の部分に尽きる、と断言してしまってもいいかもしれない。でも、言葉だけでは救えない瞬間があるのだ、人間には。だから、私は音楽をしようと思った。また改めて思った。言葉の代わりになるような、かたちのない、でも温かいものを手繰り寄せて、みんなに生きて欲しいと願っている。  この曲をレコーディングし、ミックスし、マスタリングし、何度も何度もチェックの機会があった。その度、一緒にアレンジをした河野さんと私だけ、あの日に戻ってしまう。雨が降り止まなかったあの日に心が戻ってしまう。もっと早くこの曲を作り上げて、聴いて欲しかったと何度も思う。そしてやっぱり泣いてしまうのだ。何度聴いても。私たちにとって「rainy rainy rainy blues」はそんな曲である。 <佐藤千亜妃> ◆紹介曲「 rainy rainy rainy blues 」 作詞:佐藤千亜妃 作曲:佐藤千亜妃 ◆Newアルバム『KOE』 2021年9月15日発売 通常盤 UPCH-20592  ¥3,300(tax in) 初回限定盤 UPCH-29408 ¥6,380(tax in) <収録曲> 1. Who Am I 2. rainy rainy rainy blues 3. 声 4. カタワレ 5. 甘い煙 6. 転がるビー玉 7. リナリア 8. 棺 9. Love her... 10. 愛が通り過ぎて 11. ランドマーク 12. 橙ラプソディー

    2021/09/17

  • Ms.OOJA
    愛することは信じること。布袋さんはそう伝えてくださった。
    愛することは信じること。布袋さんはそう伝えてくださった。

    Ms.OOJA

    愛することは信じること。布袋さんはそう伝えてくださった。

     メジャーデビュー10周年を迎え、来年3月27日(日)に初の日本武道館単独公演開催を発表した“Ms.OOJA”が、7ヶ月連続でデジタルシングルを配信リリース!2021年9月16日に最後を飾る楽曲「鐘が鳴る」をリリースしました。同曲は、布袋寅泰の楽曲提供・プロデュースによるミッドバラード。Ms.OOJAが布袋のライブに足を運んだことがきっかけで親交が深まり、Ms.OOJAからの熱烈なオファーで制作が実現!聴く人の心にあたたかな光を灯すような楽曲に仕上がりました。    さて、今日のうたコラムではそんな“Ms.OOJA”による歌詞エッセイをお届け。今回はその最終回。綴っていただいたのは、新曲「 鐘が鳴る 」にまつわるお話です。布袋寅泰に曲を依頼するまでの気持ち、コロナ禍で立ち止まって見えてきたもの、今の彼女が歌いたかった想い…。是非、歌詞と併せてエッセイを受け取ってください…! ~歌詞エッセイ最終回:「 鐘が鳴る 」~ Ms.OOJAメジャーデビュー10周年記念企画7ヶ月連続配信の締めくくりは、あの布袋寅泰さんに書き下ろしていただいた「鐘が鳴る」という曲だ。布袋さんといえば、誰しもが知るビッグアーティストであり、数々の伝説や名曲で音楽の歴史を作り上げてきた人だ。そしてデビュー40周年を迎える今もその勢いは留まるところを知らない、永遠のカリスマだ。 2017年12月25日横浜アリーナに初めてライブに伺った、その圧巻のステージはもちろんのこと、ファンのみなさんの一体感に圧倒されたのを覚えている。終盤のバンド紹介の際に、布袋さんに憧れギターを始め、憧れ続けて今や布袋さんの右腕とまで呼ばれるようになったOOJAバンドでもおなじみのギタリスト、アッキーこと黒田晃年氏の紹介をする時に、アッキーを褒め称えたあとで、それでも自分はまだまだ超えられない壁で居続けるから全力で挑んでこい!というようなことをおっしゃっていて、かっこよすぎて体の芯まで痺れたのを覚えている。第一線を走り続け、時代を築き、今なお他の追随を許さない。そんな姿に憧れを抱き追いかけたくなる、男の中の男!そんなふうに思った。 布袋さんに曲を書いてほしい!と思うようになったのは、その翌年の2018年に今井美樹さんのライブを観たのがきっかけだった。美樹さんの伸びやかで包み込むようなボーカルに酔いしれながら聴いた数々の名曲達。その中で「あなたはあなたのままでいい」という新曲を歌われていて、そのメロディーと歌詞のまっすぐな強さと潔さ、今の美樹さんが歌う意味が込められているような気がして本当に感動した。女性の凛とした美しさを引き出す楽曲を作るのは、これぞ男の中の男だと感じた布袋寅泰さんだった。布袋さんのプロデュース能力の凄まじさをひしひしと感じた瞬間だった。 2020年新型コロナウィルスの蔓延により、世界中がストップした。当たり前のように流れていた時間が止まった。自分だけではない、日本だけではない、世界中が同じ事態に見舞われたのだ。かつてない経験に私自身ももちろん多いに戸惑った。でも戸惑いながらも立ち止まることで見えてきたものがあった人は、少なくないのではないだろうか。 今まで何かに急かされるように働き、競うように何かを生み出し、競うようにそれを消費し。それはいつのまにか自分自身すらも消費し、すり減らし続けていたことに気づいた。一体何が大切で何が要らないものなのか、そんな心の整理も出来ないまま、ひたすら走り続けてきた。自分の頭で考えるより流れに身を任せる方が楽だったのかもしれない。 突如として訪れたストップモーションのような時間。別の時空に入り込んだような不思議な感覚だった。1日中自宅で待機する、たまに昼間に散歩をする、軒先でテイクアウトのご飯や野菜を売っている店がある、夜になれば早々に店が閉まり街から明かりが消える、逆に各々の家に明かりが灯る、映画で観た『ALWAYS 三丁目の夕日』のようだった。みんなが同じように不便で、ある意味で平等な社会だった。でもそこには人と会えないという不思議な隔たりがあった。 人と会えないということが、いかに人と会うことが大切だったかを教えてくれた。配信ライブをやったり、観たりして、そこでの満足感はもちろんあるけれど、100回配信しても1回の会うには敵わないということを知った。 医療従事者の方々にとっては怒涛の凄惨な世界だろう、命がけで従事してくれているみなさんには感謝の気持ちしか無い。感染してしまうのは悪いことではないけれど、出来るだけ感染はしたくない。そしていつ感染してしまうかと怯えながら暮らす日々にも疲れていく。身動きの取れない状態で、「あの頃にはきっと」と信じた未来がなんの変化もない今になり、そして過去になる。状況が長引けば長引くほど不安が心を支配していった。 そんな時、布袋さんに曲を書いていただけることになり、リモートでロンドンと繋いでお話をさせていただいた。あんな曲やこんな曲、ずっと妄想してきたことがついに実現する。「どんな曲が良いですか?」との布袋さんからの問いに、緊張の中すぐに出たのは「愛を歌いたいです。」という言葉だった。 数日後、布袋さんから送られてきたデモには、メロディーとサビにだけ仮の歌詞が添えられていた。シンプルだけどとても強いメロディーとサビのメッセージ。聴いた瞬間に心を掴まれた。 すぐに自宅で仮歌を録ってお戻しした。私の声で聴くそのメロディーはすでに強さを増していた。それからメールでのやりとりをして曲が完成していく度に、見たこともない素直な私がキラキラと輝いているように歌が響いた。オートクチュールとはその人にぴったりとサイズを合わせて作るだけではなく、その本人すらも知らない本質的な魅力を引き出すためにあるものなのだと知った。 レコーディングを経て、最終調整のトラックダウンの作業で布袋さんに再会した。スタジオで完成した曲を聴いた時、思わず涙がこぼれた。確認のためにもう1度聴いた、もう1度涙がこぼれた。自分の歌で涙することなんて一生に何度もあることじゃない。 今、私が1番ほしくて1番届けたい言葉とメロディーがそこにはあった。愛することは信じること。布袋さんはそう伝えてくださった。とても難しいからこそ大切なこと。シンプルだからこそ強い。そして私が歌うから意味がある。そんな大名曲をいただいた。 大切なことはなにか、愛とはなにか、立ち止まるこの世界に希望の鐘のように、この歌が響き渡り、愛する人達を守る光になると信じている。 <Ms.OOJA> ◆紹介曲「 鐘が鳴る 」 作詞:Tomoyasu Hotei 作曲:Tomoyasu Hotei

    2021/09/16

  • 椎名慶治
    生きて 生きて また会おうぜ。
    生きて 生きて また会おうぜ。

    椎名慶治

    生きて 生きて また会おうぜ。

     2021年9月15日に“椎名慶治”がオリジナル5thフルアルバム『and』(よみ:あんど)をリリース!2つの世界(現在、過去)を知ることで、より深く、より強くつながる。今を生き抜くために、後ろを振り返り、【そして】前を見据える。2つの世界をありのままに感じさせる2 in 1な作品となっております。2020年11月10日にソロ活動10周年を迎え、新たなスタートを切る椎名慶治の最新作をぜひお楽しみください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“椎名慶治”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け。第2弾では、アルバムに収録される全11曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。その歌詞が生まれたきっかけ。核となるワンフレーズ。楽曲に込めた想い。是非、今作と併せてエッセイをお楽しみください! ~歌詞エッセイ第2弾~ 01:Knock and Opened 椎名ソロのアルバムは高確率で短いSE的なオープニングが収録されます。そしてその短い曲を英詞で少し歌ったりが多い。今回も英詞を用意していたんですが、歌は次曲の「アイムリアル」まで取っておいて、勿体ぶる形にしようと共同プロデューサーの宮田'レフティー'リョウと話をして結局英詞はボツに。 その英詞で言いたかった思いは、サンプリングしたドアの音で表現する形になりました。開かなかったドア、それに苛立つような舌打ち。シャウトからの鍵の解放、そしてドアが開く。一筋の光すら見えてきそうな曲ではないですか? あれ、そうでもない(笑)? 02:「 アイムリアル 」 ソロアルバム制作にあたり、2019年、2020年とSURFACEとしてフルアルバムを立て続けにリリースしていた事もあり、頭の中がソロに集中出来ていない、ソロに振り切れない感覚がありました。 今のまま歌詞を書き始めたらSURFACEとの線引きが出来ない!と、作詞家の野口圭(小学1年からの付き合いで、過去作のSURFACEや椎名慶治でも共作していますが、JET SET BOYSでは7割以上にも及ぶ作詞を担っています。以下:野口)に打診。とにかくデモを聴いて思うように歌詞を書いてみてとお願いしたのがスタートでした。 その時の野口から返ってきたタイトルが既に「アイムリアル」。1番までのラフスケッチ的なその歌詞を見て「面白い」と素直に感じ、そこから二人で微調整を繰り返しながら描き切った歌詞で、意外と大変だったのを覚えてます。大変ではない曲って書いてハイ、おしまい!って事もあるんですよ(そこまで多くないが)。 アイムリアルに関してはディテールに凄いこだわりましたね。一貫して「俺はホンモノになりたいんだ!」って想いを歌い上げる。途中でその信念がブレる事なく、だけど暑苦しくない、風通しの良い言葉達になるように心掛けていたのを思い出します。 野口と歌詞を書く時は必ずなんですけど精査するのは俺の役目で。野口は「後はご自由に」ってタイプで(笑)。そして俺が精査したモノに文句を言ってきた事は一度もないです。他の作詞家さんと共作したら多分こんなに円滑に話は進まないんだろうなって。初めからアルバムのオープニング、またはSEが1曲目なら2曲目!ってデモテープの時から疑う余地のない曲でした。そしてそれはアルバムが完成した今も変わらないです。うん、今回のアルバム1推しですね。 03:「 一旦紅茶飲む 」 リフがとにかくエンドレスで鳴り続ける曲で、展開が大幅に変わらず淡々と過ぎていく感じというか。一部分こそ展開はあるもののバッキング(ボーカル以外の楽器陣)は淡々と、その中を自由に泳ぐメロディーだけで押し切る!みたいな曲です。時が進まない感じというか、このどこまで行っても展開が変わらない無限ループ的なサウンドからインスパイアされて言葉にしてみたって感じですね。 この曲の中の主人公とヒロイン?のやり取りは、本当にこの曲の長さぐらいの話なんだろうなぁって思っています(笑)。3分ぐらい(笑)。 野口にメッセージにて「一度全部書いたんだけどなんか気になるところある?」って質問したら、「またお前は面白い歌詞を一人で書いてるなぁ」と。なんかそれを聞いたらOK!って満足してしまい書き直ししませんでした(笑)。 音楽生活23年の中でチョイチョイ顔を出す「クズ男」が居るんですけど(笑)、この曲も「クズ男」です。どうします? 過去の「クズ男」が全部同一人物だったら(笑)。ちょっと過去作品かき集めてライブで一気に歌い上げてみたいですね(笑)。ツアー名は「KUZU -時を超えて今集うクズ達-」とか無駄に長くダサいサブタイトルも付けますか(笑)。 04:「 DOUBT!!(Album Ver.) 」 男を翻弄する悪女と言うか、これまた椎名の歌詞の一つにある、「女に振り回される」情けない男の歌です。情けない男ではありますが、信念は貫いてますよね。それでも好きなんだからもうしゃあない(笑)。意外と椎名はこのタイプに当てはまりますぞ(どうでもいい)。 アカペラでデモを作ってる時からZERO(後輩ラッパー)にラップ入れてもらおうかなって考えてた曲でしたね。なんかラップが似合うんだろうなぁって感じで。アナザーバージョンではLUV K RAFT (ラヴクラフト)も参加してくれて、デジタルリリースバージョン(ギターレスなアレンジ)、アナザーバージョン(LUV K RAFT が自由にアレンジしたバージョン)、アルバムバージョン(「and」に収録されたバージョン)の実は3バージョンもある謎の曲でもあります。 歌詞で言いたい事は「特になく」このメロディーを邪魔しない程度の言葉が欲しかったのも覚えてますね。歌詞のストーリーに重きを置くんではない、音として捉える手法は今回が初めてでは無いですが、久々な気もします。サビの<oh baby DOUBT!>がカッコイイのでもう全部OKなのです(笑)。そうだろう? 05:「 「ここは ぶきや です」 」 タイトルに何か深い意味でもあるのかと勘繰ってくれた方も多いかも知れませんね。ないです(キッパリ)。元々「WALL」と言うタイトルで一人で歌詞を書き上げて終わっていたんですがどうもシックリこず。一旦放置して他の歌詞を書いてたりしました。俗に言う「寝かす」ってやつです。数日経って冷静に見た時に思ったより良いじゃん!?とかあるかも知れませんから。 数日後… やはりシックリこない(笑)。何がいけないでもない、でも良くもない。書き上げて終わっている「WALL」を野口にも見てもらう。特に違和感もないし野口も否定はしない。 野口:「この曲とは関係ないんだけど」 と切り出した。 野口:「ここは ぶきや です ってタイトルで歌詞を書きたくてさ」 と。 俺は直ぐその意味深なタイトルに食いついた。そして話を聞いてみると下らない冗談のような歌詞かと思いきや目指してるゴールはなかなかに深い。 椎名:「あのさ、このWALLの歌詞全ボツで良いからそのタイトルの曲で書き直せないかね?」 野口:「え(笑)」 そこからはキャッチボールを何度もして新たな歌詞が生まれたわけです。こう書いてみると意外と苦労してるぅ(笑)!!そして多分「この曲とは関係ない」って言って切り出した野口は何処かでこの曲調ならこの歌詞イケる!って思ってたんじゃないか?と勘繰ったりしてみるのである(笑)。 06:「 I and I 」 アルバム制作終盤戦に作ったデモで、アルバム名が『and』と決定した後に生まれた曲。 ならばタイトルに「and」が付くような曲があれば、更にアルバムとのリンク性を高められるなぁって思っていて。 『and』のジャケットデザインが[and]みたいに囲われてる感じが「I and I」っぽく見えなくもないなぁって野口に「I and I ってタイトルで歌詞書いて」って発注(笑)。モチーフは「I and I」であり、スラングな言葉だと言う話。意味的には運命共同体ってザックリ言えなくもないかなって感じらしい。野口からは言葉遊び的なものとはまた違ったパッと聞いて分からず、歌詞を読んでも分からずみたいなモノが届いた(笑)。 「mushroom or bamboo」 はて?となりそうだ。 それに対して俺は、 「red or green」 と返した。 9条や原発、カジノなど日本らしい政治的要素すら垣間見えたり、あまり触れないようにしたい部分を少しだけ出して来てる感が上手いなと(その辺りは野口のリリック)。とにかく一筋縄な歌詞ではないし、一筋縄な曲でもない。そんな中レフティからの案でラップまで飛び出した。お相手はBACK-ONのTEEDA。俺の地元の後輩だ。会った事ないけど(笑)。 まぁラップの上手いこと上手いこと。また彼のライムも面白く、この曲の一筋縄じゃいかない空気を更に高めて孤高の謎曲へと導いていく。そう、謎曲なのよね。ロック?ヒップホップ? ブラック? ジャンルが分からない。まさに「I and I」なのかも知れない。と、上手くまとめたつもりかも知れない。まとまってないかも知れない。 07:「 GOOD GIRL 」 昨年2曲のデジタルリリース、「KI?DO?AI?RAKU?」と「DOUBT!! w/ ZERO」の制作時に既に作っていた曲。SURFACEがアルバムリリースをする時期と被ってしまいそうだったのでリリースまで至らなかったんですが、デモテープはソログッズ購入者にプレゼントしていたので既存の曲という認識の人もいたのかも知れませんね。リリースされてなかったんですよ(笑)?コロナ禍を俺なりの思いを込めて書き上げました。 <生きて 生きて また会おうぜ> 全てはこの1節に込めてると言っても過言ではないですね。 08:「 「そんなに好きなら好きって言っちゃえば?」 」 2019年の冬のツアーで披露していたので2年ほど前の曲って事ですかね。アルバムを見据えてる時期でもなく、普通にみんなが楽しんでくれる曲、歌詞にしようと。 結末を描き切らずに終わる歌詞が昔から多いんですが、この曲の二人も結局どうなるんでしょうね?(問うな)。とにかくこの曲に限らず「二人の行方が気になる歌詞」をちょいちょい書いて来たわけですが、俺自身が毎回結末を考えず書いてるので、まず俺が結末気になってしゃあないです(笑)。 だからこそ「あの曲とあの曲は繋がってる?」とかリスナー側が憶測で歌詞を繋げてくれたりもすることもある。過去の曲にもスポットが当たったりする。過去を過去として終わりにするんではなく、新しく書いた歌詞のおかげでもう一度輝きを取り戻すなんて素敵やん? 今後も「あれ?この歌詞ってあの曲と似てない?」とか色々散りばめていきたいなぁって。 09:「 アイクルシイ 」 ヤマと曲を作った時から「めっちゃ良い曲なりそう…」って確信に近い感覚があり、そういう時って歌詞に重圧が凄いんですよ。そんな時は野口ですね(笑)!! 「禁断の愛」的な歌詞は数あれど、今回が1番苦戦したんじゃなかろうか?と。野口とのメッセージのやりとりの中で「実は俺達こう言う歌詞苦手だよね(笑)」なんて言葉も飛んできた。世間のイメージでは結構「禁断の愛」的な歌詞も書いているし、不得手とは思われてないかも知れない。でも、毎回とにかく時間のかかる歌詞はこう言った「禁断の愛」的な、それでいて美しくも儚いモノが多いのも事実。 そんな中、この「アイクルシイ」はメロディー(字数)が多いのがまた更に難しさを増長していた気がする。多いけど少ない!って分かりづらいけども、例えば2番サビでブレスも出来ないぐらいに詰め込んだメロディーに対し、2番サビ終わりは2文字ずつしか歌わないみたいな。起伏の激しい文字数で。 それでもしっかり形作れたのは、他ならぬ野口のおかげであります。出来上がって読み返した時に伝わる歌詞であり、切ないなぁって自分が思えるかどうかがとても大事。そしてこの曲のエンディングでの歌詞の先が気になって仕方がない。 <愛して…> と語尾を言わずに終わる。そこまで様々な想いを感情豊かに紡いできたのちのコレ。書いた自分も分からないのに誰が分かろうか!! 愛して いる 愛して いた 愛して ほしい 上記の中に正解はあるのだろうか? どうしよう、 愛して るっちゃ とかラムちゃんだったら。 それはそれで俺は嫌いではないが(笑)。 10:「 それだけ 」 とにかく難しい歌詞にしたくなく、如何にシンプルな歌詞出来るのか? を考えていたのを覚えてます。だけど淡白になり過ぎないように工夫もしたつもりで。二人のやり取りが想像しやすいんじゃないかな?と。 そんな中で作詞家としての遊び心として色んな意味で「それだけ」って言う言葉を使ってみる。韻を踏むとか一昔…いや、もっと前に流行った技法ではなく、同じワードを違う形で様々な場所に散りばめるって形を取りました。問題!様々な場所に散りばめられた「それだけ」の数は一体幾つでしょうか? 正解は…自分で数えてみて(笑)。 多分かなり多いよ!!(でしょうね!!) 数年前からライブでは披露されていた曲が、遂にCDに収録されるって事で、どう歌えば正解だろうか? なんて考えながら歌ったのを覚えています。「それだけ」の数だけじゃなく、その辺りにも注目して聴いてほしいですね。 11:「 KI?DO?AI?RAKU?(Album Ver.) 」 昨年の7月に急遽デジタルリリースされた曲です。コロナ禍を受けて疲弊してしまっている人が本当に多く見受けられて(自分自身もですが)日本を少しでも元気に出来る曲をって事で俺なりの応援歌を作った次第です。ですが、コロナを直接題材にはせずに、誰にでも当てはまるような日本人の忍耐みたいな部分を取り上げて突ついていく歌詞にしました。 コロナ禍で疲弊してる時に、コロナ禍を題材にしつつ応援歌って難しくないですか(笑)?日本人の忍耐力が高いのは良いんですけど、いつか破裂しちゃうんじゃ…って歌詞にも書いてますね。 俺の事を知ってくれている人がこの曲を聴いて、少しでもホッと出来るようなそんな思いを込めて。アルバムに収録にするにあたり改めてもっと元気な歌声をレコーディングしたって感じです。2021年の下半期に突入してもコロナが消える気配がなく、まだまだ心折らずにいくしか無い中で、これから先、貴方の応援歌になってくれれば良いなぁって。 <椎名慶治> ◆オリジナル5thフルアルバム『and』 2021年9月15日発売 HWCL-0046 ¥3,300(税込)

    2021/09/15

  • 坂口有望
    あまりに切実なその一つ一つに、ある使命を感じた。
    あまりに切実なその一つ一つに、ある使命を感じた。

    坂口有望

    あまりに切実なその一つ一つに、ある使命を感じた。

     2021年8月13日に“坂口有望”が新曲「#ボクナツ」を配信リリースしました。約9ヶ月ぶりの新曲リリースとなっており、まだ収束しないコロナ禍の状況で、行き場のない思いを綴った楽曲。坂口有望のエモーショナルな歌声に疾走感溢れるバンドアレンジが加わったロックチューンとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“坂口有望”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 #ボクナツ 」に込めた想いです。胸の内にたくさんの「コロナのせいで…」を抱えているあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ:「 #ボクナツ 」~  今朝、ベランダで、蝉が仰向けになっていた。いつもならヒャッと甲高い声を出して、騒ぎ立てるところだが、悲しい気持ちの方が勝ってしまい、わたしはいたって冷静だった。夏は、思わぬ速さで、過ぎていってしまう。  八月。世間がお盆休みの期間に、わたしが世の中へ放ったのは、デジタルシングル「#ボクナツ」である。新曲を出すのは、久しかったので、わたしはソワソワしながら待ち構えていた。それだけでなく、リスナーに届く瞬間を、いつもよりずっと敏感に見守っていた。この曲は、彼らの曲だったから。  去年、コロナへの鬱憤を歌った「2020」という楽曲をリリースして以降、曲の感想と共に、自粛生活を嘆く声が多く届いた。今年に入ってもなお、パーソナルな悩みや愚痴を吐露してくれているメッセージは絶えなかった。    ライブで声が出せない今、ミュージシャンとリスナーの交流はSNSに移行してきている。そう思った時、それならとことん歩み寄ろうと、こんな内容のストーリーズを更新した。回答欄を貼り付けた「コロナのせいで…」という文言。信じられないほど多くの回答が届いた。翌日、高速スクロールした画面録画(約7分半に及ぶ)を保存し、じっくり読み込んだ。    「コロナのせいで…」部活の大会が、留学が、人生の計画が、など、あまりに切実なその一つ一つに、ある使命を感じた。今の彼らに寄り添える曲を書かなければと。    そして、サビの<僕らの夏を奪わないで>をキーワードに「#ボクナツ」という曲が完成した。高校三年生の夏、わたしは17歳だった。戻れるなら戻りたい、そう思える最高の夏だった。しかし今、その代の人たちに、そんな夏があるんだろうか? 想像するだけで、悔しくてたまらなかった。<まだ走っていたいよ 背番号17を>の背番号17とは、そんな意味を込めて綴った。  九月。まだ暑さは手を抜かないばかりか、日に日に本気を出しているように思う。言葉に、想いに、スポットを当てながら、是非コメント欄には貴方自身のことを綴ってほしい。 <坂口有望> ◆紹介曲「 #ボクナツ 」 作詞:坂口有望 作曲:坂口有望

    2021/09/14

  • ササノマリイ
    この頃から貯めていたお金をCDの「ジャケ買い」に使うようになった。
    この頃から貯めていたお金をCDの「ジャケ買い」に使うようになった。

    ササノマリイ

    この頃から貯めていたお金をCDの「ジャケ買い」に使うようになった。

     2021年9月8日に“ササノマリイ”がニューミニアルバム『空と虚』をリリースしました。タイトル曲は、ササノマリイ自身が大ファンであるアニメ『ヴァニタスの手記』のオープニングテーマとして書き下ろした1曲。そしてアルバムにはその『ヴァニタスの手記』からインスパイアされて制作された楽曲7曲が収録されております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ササノマリイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。中学時代に“CDを買う”という楽しみを覚えたころの話、自分の耳と脳が一気に気に入った曲、自身の曲作りの奥底にあるもの…。今のササノマリイの音楽に通じている記憶を明かしてくださいました。是非、今作と併せてお楽しみください! ~歌詞エッセイ第2弾~ そこからしばらく歩いて なにか違う景色の場所へ 明確に変わったわけではなく 季節が変わっていくような そのくらいの変化で いろいろあった事はすっ飛ばし とりとめもなさすぎるかもしれない ふわふわとした話をつらつらと 追懐。 しばらく時が経って 中学生になり、一人遊びが得意なまま 車が好きだったり、カーボン紙を使って絵を コピー用紙に写すのが好きだったりしたけれど、 音楽は未だ最も楽しいおもちゃであった。 親が買ってきた洋楽メインの ノンストップミックスCDを聴いて尚の事 音楽への興味が止まらなくなる。 音楽のジャンルという存在は まだ音ゲーでとりあえず覚えはじめたくらい。 とりあえずドラムンベースは 好きだと言う事はわかっていたので、 ド直球にDRUM'N'BASSと グラフィティ風に書かれただけのジャケットの 古いコンピレーションCDを中古屋で見つけて 買ってみたりして。 なにやら知ってるドラムンベースと 雰囲気が違うな?と思ったら、 それこそが純粋なドラムンベースの原点で、 その流れでそれは「ジャングル」っていう ジャンルだったっていう知識が増えたり。 CDを買う事で知らない世界を知る事に 楽しみを覚えてしまった中学生の自分は、 この頃から貯めていたお金を、 CDを所謂「ジャケ買い」することに使うようになった。 新品から100円の中古CDまで分け隔てなく、 一目見ていいな、と思った ジャケットデザインのCDを見つけるたび、 とりあえず買ってみていた。 話が少し逸れるけれど、 テレビで聴いたコールドプレイの なにかの音楽が気に入って、 曲名を聞きそびれ、まだ家にはパソコンもなかった頃。 大変失礼ながら名前をうろ覚えのまま CDショップに行って、これだ!見つけたCDを買って、 ワクワクな足取りで帰って冷静にジャケットを見たら そこにはコールドカットの名前。 …だってジャケットがおしゃれだったから…! アルバム名はCOLDCUTのSound Mirrors。 Man In a Garageのなんとも気怠げな 乾いたアガり方をする曲調がとても好き。 似ているわけではないんだけど、新居昭乃さんの曲、 その編曲をされている保刈久明さんの サウンドがたまらなく好きな 自分の耳と脳が一気に気に入った。 ギターとストリングス。有機的な音と無機質で タイトなビートの空間がとても好き。 今久しぶりにCDを引っ張り出して 聴いているけど、わりとこれに影響を受けた音作りも 無意識のうちに自分もしてるかも、と思ったり。 …気を抜くと好きな音楽を 書き殴る日記みたいになってる 元から? 話を戻して。 このミスによるコールドカットとの出逢いがまた、 自分にとってサンプリング系の音楽に もっとハマるきっかけになってしまったり。 どうやら自分が好きなジャケットのCDは 中身も好きな音楽たちに多かったみたいで。 アシッドジャズ、ハウス、 ビッグビート、エレクトロニカ。 ちょっと偏ってるかもしれないけど、 自分の中の奥底にある泉にはゲームミュージック、 アニソン、ダンスミュージックが今も泳いでいる。 そんな事を繰り返していた当時のその頃。 まもなく、家にはじめてのパソコンがやってくる。 大好きな世界の周りで飛び跳ねたり 寝転がったり指でつついてみたりしていた自分が、 大好きな世界に落っこちて溶けていくのはまた次の話。 <ササノマリイ>

    2021/09/13

  • 佐藤千亜妃
    SNS殺人。
    SNS殺人。

    佐藤千亜妃

    SNS殺人。

     2021年9月15日に“佐藤千亜妃”が2ndアルバム『KOE』をリリース!今作は“声”というテーマのもとに制作。フジテレビ系ドラマ『レンアイ漫画家』主題歌の「カタワレ」、『NYLON JAPAN』創刊15周年プロジェクト映画主題歌の「転がるビー玉」など、計12曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“佐藤千亜妃”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Who Am I 」に通ずるお話です。人の生き死にに関わるショッキングなニュースがきっかけで生まれたこの曲。わたしたちは何のために言葉を選ぶのか。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 Who Am I 」~  言葉を選ぶ、ということの難しさに常日頃ぶつかる。自分だけでは無いと思う。昔はこんなに、誰かを傷つける恐れが無いか逡巡しながら話していただろうか。正直きっと、そうでもなかった。今思えば恐ろしいことだ。しかし、こういった意識の変化を感じている人は、昨今増えているのではないだろうか。自分の経験値から思うこともあるし、時代的側面も無関係ではないだろう(本来、時代的な事象としてではなく、昔から全人類が本質的に協議すべき課題だったのだとも思う)。  そこで今回は、「Who Am I」という曲について話させてもらいたいと思う。この曲を作ったのは去年の5月だった。きっかけは、テラスハウスというリアリティーショーに出演していた、木村花さんの死である。自殺だった。未だに全くもって記憶から消えない、自分にとって物凄くショッキングな事件である。  当時、発信は一切しなかったが、思うことは色々あった。まず、私がテラスハウスを毎週見ていたこと。そしてSNSが炎上していく様をリアルタイムで感じていたこと。死を予感させる投稿を彼女がしていたこと。そして本当に死んでしまったこと。"まさかこんなことになるとは"、と呆然としたこと。  SNSで彼女は一部の人間に叩かれていた。死を選んだ理由は本人しか知りえないが、おそらく数えきれないアンチの言葉に殺されたのだろう、と、事件を知るほとんどの人がそう理解したのではないだろうか。彼女の母親が、言葉に思いやりを持ってほしい、とSNSで投げかけていたことからも察することが出来る。アンチの人々の心無い言葉は、確実に彼女の心を切り刻んだと思う。事件を受け止めきれず、悲しみや怒りや喪失感が襲い、本当に長い期間呆然としていた。  しかし、自分はどうだったろう。と、考え始めた。テラスハウスを呑気に見ていた自分は、この事件に加担していたことにはならないだろうか、と。しばらく頭の中はそのことでいっぱいになった。見る人がいるから、そのコンテンツは生まれるのだ。彼女の苦悩も知らずに、のうのうと番組を見ていたんじゃないのか、と、自分を恥じた。アンチが投げた言葉は最悪なものばかりだったが、自分だって正義のヒーローじゃないではないかと、思ってしまったのだ。ここでの自分はただの傍観者であった。  何も手につかない日々が続いたけれど、破片だけ出来ていた楽曲を仕上げようと思った。渦巻く感情を絞り出すような作業だった。コロナ禍で混沌としている世界の片隅で、自死について考えていた。同時に生きることについて考えていた。眠れなかった。弱さ、不甲斐なさ、何者でもない自分のことを思った。そうして生まれた曲が「Who Am I」だ。  生きることと向き合えば、他者とも向き合うことになる。たかがネットだアングラだSNSだ、嫌なら見なければいい、と、そんな言い訳は通用しない。外に発信し、自分以外の誰かが読める時点で、独り言の域はとうに超えている。言葉は世界を形成し、自分を形成する。そして他人を殺したりもする。救うことだってある。だからこそ、言葉のやりとりがある場所は、等しく思いやりが必要である。今強くそう思う。  そして、自分は何者なのか?と問いかける時、自分に恥ずかしくない答えを持っていたいと思う。人を嘲笑うだけのアンチです、と名のりたい人間なんて居ないはずだ。ただの傍観者でした、なんてふうに名のりたくもない。だから私はこの曲を歌うことで、今のあなたに問い、同時に自分自身に問いかけ続けようと思っている。 <佐藤千亜妃> ◆紹介曲「 Who Am I 」 作詞:佐藤千亜妃 作曲:佐藤千亜妃 ◆Newアルバム『KOE』 2021年9月15日発売 通常盤 UPCH-20592  ¥3,300(tax in) 初回限定盤 UPCH-29408 ¥6,380(tax in) <収録曲> 1. Who Am I 2. rainy rainy rainy blues 3. 声 4. カタワレ 5. 甘い煙 6. 転がるビー玉 7. リナリア 8. 棺 9. Love her... 10. 愛が通り過ぎて 11. ランドマーク 12. 橙ラプソディー

    2021/09/10

  • ササノマリイ
    自分がまだ知らない“大好きな世界”を知った日だった。
    自分がまだ知らない“大好きな世界”を知った日だった。

    ササノマリイ

    自分がまだ知らない“大好きな世界”を知った日だった。

     2021年9月8日に“ササノマリイ”がニューミニアルバム『空と虚』をリリースしました。タイトル曲は、ササノマリイ自身が大ファンであるアニメ『ヴァニタスの手記』のオープニングテーマとして書き下ろした1曲。そしてアルバムにはその『ヴァニタスの手記』からインスパイアされて制作された楽曲7曲が収録されております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ササノマリイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。音楽を好きになったきっかけ、子どもの頃のワクワクした気持ち、初めて曲に恋をしたときの思い出…。今のササノマリイの音楽に通じている記憶を明かしてくださいました。是非、今作と併せてお楽しみください! ~歌詞エッセイ第1弾~ きっとなんでもない話。 誰かの、なにかしらのなにかになればと おこがましくも思いながら つらつらと 気がつけばいつも朝になっている 子供の頃、鍵盤ハーモニカずっと苦手だったなとか 音楽、好きになったきっかけはなんだっけと考えながら 人間として生まれてから自分が自分であると認識して、 気づいた頃には子供向けの 電子ドラムパッドつきのテープレコーダーで遊んでた。 赤と青の本体、真後ろに付く黄色いスピーカー、 4つのなめらかな砂消しゴムのような手触りのパッド、 再生速度が変えられるテープレコーダー。 懐かしいな、確かソニーのだ。名前なんだっけ。 ここまで書いてる途中でいよいよ気になってしまって、 曖昧な言葉で検索を始める。 思ってたよりヒットしないまま、 10分ほどかけてようやく見つかった。 my first Sony TCM-4050。これだ、懐かしい。 思い出がわらわらと集まってきた。 パッドを叩いて遊ぶのはそこそこに、 レコーダー機能でひたすら遊んでた。 気に入った音楽がテレビで流れたら 付属のマイクで録音して、ひたすらに聴いて、 再生速度を変えたり、数少ない友達に ゲームボーイのソフトを持ってきてもらって、 スピーカーにマイクを向けて ただただ録音させてもらったり。ただただ。 なにかを録音して再生する行為、というものが 自分にとっていちばんの楽しい遊びだった。 その遊びは今も続くことになるけど、 その道の途中に出会ったゲームボーイソフト。 思えば今こうして自分がこんな生き方をすることになる 元凶だったかもしれない。 ポケットカメラ。 広告で見てまっさきに欲しくなった理由が 「DJモード」。 「テクノしちゃおう!」が正しかったっけ。 16ステップのシーケンサーで音符を打ち込む、 波形を描いて音色を作る機能までついた、 しっかりとしたもの。 小学何年生だったかな。忘れちゃったけど、 自分が手にした初めての “作りたい音楽を作って記録できる手段”だった。 ひたすら作曲ごっこをして、 ひたすら単3電池を転がしてた。 それをカセットテープに録音して遅めに再生すると、 なんか自分の好きな音になるな、って 気付きもあったりして。 そんな日々で。 なにか好みの音楽は流れないかという いつもの録音目的でテレビをつけて チャンネルを回していたところ。 あるアニメの本編が終わり、 ちょうどエンデイングテーマが流れ始めた。 それは今もなお自分の音楽の「好き」に 間違いなく根を這って息をしている。 新居昭乃さんの「覚醒都市」という曲。 エレクトリックピアノという名前の 楽器の音色だと知るのはもっと後だけど。 はじまりの音たちの動きを聴いて、 音楽を聴くという行為の上で それまでになったことのない心の状態になった。 恋なんかその時は概念も持っていなかったけれど、 それは完全に無垢な恋だった。 音の重なりが泳ぐような、 音が先へ先へ行くたびに胸が苦しくなった。 それをコード進行という言葉で 表せると知ったのもしばらく生きた後。 歌の言葉も、意味までは子供の自分には 読み解けなかったけど、 確かに言葉とともに胸を刺していた。 恋をしてしまった。 放心をして録音するのも忘れてしまった。 終わってしまって、 あの音をどうにかして聴きたい、と我に返った。 曲名を調べる術は家に無かったけど、 寝床の隅に置きっぱなしのモノを思い出し飛んでいく。 リサイクルショップで買ってもらった 小さめの電子キーボードの前にしゃがみ込んで、 「それ」をここに自分の手で召喚できないものか、と 鍵盤を何度もおさえて唸った。 習ったわけでもない。 まったくあの恋はそこに降ってきてくれなかったけど。 自分が初めて心に宿した、 「あの音の世界に自分も入って寄り添いたい」 という気持ちと。 自分がまだ知らない “大好きな世界”を知った日だった。 <ササノマリイ>

    2021/09/09

  • Hakubi
    私が、あなたに救われてきたのだ。
    私が、あなたに救われてきたのだ。

    Hakubi

    私が、あなたに救われてきたのだ。

     2021年9月8日に“Hakubi”がメジャーデビューアルバム『era』をリリース。先行配信シングル「アカツキ」「在る日々」「道化師にはなれない」、そして映画『浜の朝日の嘘つきどもと』の主題歌「栞」を含む全12曲を収録。バンドが歩んできたこれまでの歴史と、図らずもこの1年、一変した生活。その中で、自らと向き合いながら、それでも前に強く突き進んでいく、これから先の“時代”へのメッセージを詰め込んだ意欲作です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Hakubi”の片桐(Vo.)による歌詞エッセイをお届けいたします。今回は最終回。アルバム『era』を制作する前の気持ち、最終レコーディングのための締め切りが迫ってきた頃に気づいたこと、そして今とこれからの想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください…!   ~歌詞エッセイ最終回:『era』~ お久しぶりです。Hakubi vo./gt. 片桐です。 3ヶ月連続で書かせていただいている エッセイなるものも今回で最終回となります。 1st Album "era" が今日発売となりました。 やったー 自分はリリースの直前に 嬉しいのに楽しみなのに大丈夫だってわかってるのに 不安になったり、焦りを感じたりする 『リリースブルー(マリッジブルーのようだから)』が発生します。 今回のリリースブルーも強敵でしたが アルバムのフラゲの連絡をたくさんの方にいただいて、 自分を取り戻し、打ち勝つことができました。 ですので、最終回となるHakubi 片桐のエッセイなるもの 安心して(?)お付き合いください。 "era" 2020年 誰もが孤独で行く当てのない悲しみを抱えた。 孤独の悲しみのその逃げ場が、よりどころが せめて自分の音楽を信じてくれる人にだけでも 音楽がそんな場所になれたら良いと、 私はあさましくも差し出がましくもそう考えていた。 あなたの神様になりたい。 あなたの救世主になりたい。 本気で思っていた。 けれど、いくら言葉にしても安っぽく伝わらない。 その理由もわからず2、3ヶ月がすぎ、 最終 レコーディングのための締め切りが迫ってきた頃、 ふと今まであれほど考えてきていた、 「救いたい」という気持ちは 「救わなければいけない」と思い込んでいたことは お門違いだったことに気づく。 私が、あなたに救われてきたのだ。 肯定されてきたのだ。 愛を受け取ってきたのだ。 生きる意味をもらってきたのだ。 聴いてくれている、知ってくれている、 それだけで私には大きな救いになっていたのだ。 やっと本当の形が見えた気がした。 私は私を、自分自身を切り刻んだ音楽を作り続ける。 あなたのためと歌い続ける。 その歌をここで聴いてはくれないだろうか。 私が歌い続けられるのはあなたがいるから だから、ここで一緒に生きてはくれないだろうか。 私にとってeraは、この時代を生きた証明。 変わらずこの調子でいくよ。 まずは、1st album リリース。 これからもどうぞよろしく。 7月からの三ヶ月間、 お付き合いありがとうございました。 自分は、文章を読むのも書くのも好きなので、 連載が終わるのはとても残念ですが、 月末からは全国ツアーに出発するということで、 各地で直接皆さんにお会いできたら幸いです。 また、ライブハウスでお会いしましょう。 お元気で。 <Hakubi gt./vo. 片桐> ◆メジャーデビューアルバム『era』 2021年9月8日発売 初回限定盤 WPZL-31869 ¥4,000(税込) 通常盤 WPCL-13298 3,000(税込) <収録曲> 1 栞 2 在る日々 3 辿る 4 フレア 5 :|| 6 道化師にはなれない 7 color 8 灯 9 mirror 10 誰かの神様になりたかった 11 悲しいほどに毎日は 12 アカツキ

    2021/09/08

  • postman
    その根っこを誇りに思えるような人生を。
    その根っこを誇りに思えるような人生を。

    postman

    その根っこを誇りに思えるような人生を。

     2021年8月25日に“postman”が配信シングル「アネモネの根」をリリース!前作の第103回全国高等学校野球選手権愛知大会テーマソング「ダイヤモンド」に続く新曲です。花を咲かせるために土の中でもがく葛藤と苦悩、そして決意が込められたミドルバラード。バンドの新たな方向性を導き、メッセージ性を全面に打ち出した楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“postman”の寺本颯輝による歌詞エッセイを3回に分けてお届け。今回は最終回。綴っていただいたのは、新曲のタイトル「 アネモネの根 」にも通ずる3つの“ご自身のルーツ”について。その三つ目は漫画のお話。影響を受けている作品、そして、音楽と漫画に通じている点とは…? 是非、歌詞と併せてお楽しみください! ~歌詞エッセイ最終回~ どうも寺本颯輝です。三週に渡って書かせていただいているこの「うたコラム」も遂に最終回となってしまいました。8月25日に配信リリースした新曲「アネモネの根」に寄せて、寺本颯輝の根っこ=ルーツ、つまり“テラモトの根”についてお話ししてきました。もう三回目なんだからこのネーミングセンスには慣れてね。 第一回は「野球」、第二回は「お笑い」。どちらの根も、今の自分の音楽に繋がっている大切な部分だったので、いつかどこかで話しておきたいと思っていました。そして最終回である今回は、本業である音楽のルーツを掘り下げてこのコラムを締め括ろうと思っていましたが、音楽のルーツはそこかしこで話している気もするし、折角いただいた機会なので音楽とは別の分野にすることにしました。 最終回に相応しい三つ目のテラモトの根は、“漫画”である。 ミュージシャンになりたいと思う前、野球選手の他になりたかった職業があった。それは漫画家であり、postmanは少年野球チームで組んだ幼馴染バンドと各所で話しているが、実は楽器を手にする前、四人で漫画を描こうとしていた時期もある(前回のうたコラムを読んでもらえばわかるが、いわたんばりんではなく前任のドラマーのたまちゃんを含んだ四人)。僕は小さな頃から絵を描くのが大好きで、友達と野球をしている時以外はずっと絵を描いている少年だった。何故か自由帳ではなくスケッチブックに描くのが格好いいと思っていた。 ではまず根っことして、人間性の部分に影響を受けている作品を挙げてみよう。ずばり、宮崎駿先生『風の谷のナウシカ』、井上雄彦先生『リアル』、空知英秋先生『銀魂』、森恒二先生『自殺島』の四つである。 作者が伝えたいメッセージ、世界観、愛の描写、重んじるべき仁義、など様々な要素に影響を受けていて、その中でも特に主人公の生き方や考え方にはそれぞれ見習うべきものがあり、こんな人間になりたいと切望している(銀さんは見習っちゃダメな所多いけどね)。 そんな漫画というものがどうして音楽に繋がるのかというと。夜や雨といった自然の情景やどこかで見たノスタルジックな風景、はたまた生きていて一度も見たことのないような想像の世界。そんな絵が目を閉じた時、瞼の裏に映し出されるような音楽を作りたいということ。そしてその空想と現実世界で起こる出来事を重ね合わせたメッセージを音楽に込めたい、という想いが僕の中にあるからである。 全て聴き手の解釈と想像で構わないので曲の例は出さないが、常にそんなことを考えながら作っていて、メンバーも楽器でそれらをどこまで表現出来るか試行錯誤する。あと何と言っても漫画は少年にさせてくれる。ワクワクなしでものづくりは出来ないのだ。 では最後に。譲れない頑固な思いや拭いたくても拭い切れない過去、護り抜きたい信念や諦められない夢、大切な人や場所やモノに対する深い愛情や願いなど、それは誰の手でも、何人かかっても、何年かかっても決してひっこ抜けない根っこみたいなものだと思います。その感情や月日なくしてはきっと花は咲かない。 どんな不格好な姿形をしていても、どれだけ泥まみれでも、いつか大きな花を咲かす為の根っこです。その根っこを誇りに思えるような人生を。 前作に引き続きこの「うたコラム」という素敵な場所をご用意して下さった歌ネットさん、本当にありがとうございます。そして皆さま最後まで読んでいただきありがとうございました!「アネモネの根」沢山聴いてください!ライブハウスで逢いましょう。 <postman・寺本颯輝> ◆紹介曲「 アネモネの根 」 作詞:寺本颯輝 作曲:postman

    2021/09/07

  • 武藤彩未
    信じることができるのが幸せなのです。
    信じることができるのが幸せなのです。

    武藤彩未

    信じることができるのが幸せなのです。

     2021年9月15日に“武藤彩未”が3rdミニアルバム『SHOWER』をリリース!レトロポップを掲げる彼女がいろんなカラーの爽やかなシティーポップを集めた1枚。透明感のあるストレートな歌声で歌う、誰もが共感したくなるようなセンチメンタルな恋愛ソングが収録されております。また、10月24日にはリリースを記念したワンマンライブ『武藤彩未 Release Party ○SHOWER○』も開催予定…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“武藤彩未”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作のタイトル曲「 SHOWER 」のお話です。恋人を想う主人公の気持ちを描いたラブソング。お風呂に入っているとき、眠りにつく前、つい好きなひとのことを考えてしまうあなた。是非、その想いを重ねながらこの歌詞とエッセイをお楽しみください! ~歌詞エッセイ:「 SHOWER 」~ 新曲「SHOWER」について、コラム書かせていただくことになりました!最後まで読んでいただけたら嬉しいです。 この曲は9月15日にリリースされる私の3rdミニアルバムに収録される1曲です。ミニアルバム自体、約10ヶ月ぶりの制作でとっても楽しく充実したものになりました。 今作は「日々感じている不安や葛藤を洗い流せるような、爽やかなレトロポップ」をコンセプトに制作が始まりました。新曲は、そんな全6曲収録のミニアルバムのリード曲になっていて、タイトルもミニアルバムと同じ「SHOWER」です。 このコンセプトにぴったりだなぁと思って、今回maeshima soshiさんに依頼をしました。本当にイントロから世界観に引き込まれるサウンドになっていて、とっても気に入っています。全体を通しておしゃれなのですがそれだけでなく、そこに浮遊感、力強さ、儚さ、いろんなものを詰め込んでいただきました。 作詞には、今回も私が挑戦させていただきました。恋人への気持ちを歌っています。正確には恋が楽しくて仕方ない時期です(笑)。憧れの松本隆先生に少しでも近づけるように、情景の浮かぶ言葉を心がけて綴りました。 1番はタイトルの通り、お風呂場での様子を描いています。お風呂の時って、1人で考え事をする人も多いと思います。今回の主人公は、好きな人の匂いに包まれたくて同じシャンプーを買ってしまう女の子なのです。歌詞みたいに、大好きな気持ちを泡に閉じ込められたらどんなにいいか…!この気持ち、1度は恋したことのある女の子なら共感していただけると思います! 2番は寝る前の出来事。特に気に入っているポイントは、<水玉模様のナイトキャップ>。これはよくハマったなぁと自分でも感動しました(笑)。よりリアルな歌詞を書けたらと思って、実際に私が最近購入したものを選びました。 ナイトキャップは、寝ている間の髪の摩擦を防いでくれたり、寝癖がつきにくかったり、とっても女子力の高いアイテム。好きな人にいつ呼ばれても素敵な姿を見せたいという主人公の想いを想像して、歌詞に盛り込んでみました。 夜は、なにかと考え事をしてしまう時間が多い気がします。特に恋している時は、恋人のことで頭がいっぱいになりがちですよね。この曲の主人公は、1人じゃなくて2人で過ごせる夜はいつかなって。次誘ってくれないなら、私から言ってしまいそう。と強気なタイプの女の子を描きました。でも実際、目の前にしたらきっと言えないんですよね(笑)。 この曲の1番の見せどころは最後の転調サビ部分です!未来のことは誰にもわかりません。ただ信じることはできます。信じることができるのが幸せなのです。この曲の主人公と恋人、2人の未来が明るくなりますように。という想いを込めて作詞しました。 MVも曲にぴったりな映像になっているので、是非ご覧ください。ちなみに使用している水玉模様のナイトキャップは最近ゲットした私物です(笑)。みなさんの日々にこの曲が少しでも寄り添えますように。 <武藤彩未> ◆紹介曲「 SHOWER 」 作詞:武藤彩未・小倉祐人 作曲:OHTORA・maeshima soshi

    2021/09/06

  • BLUE ENCOUNT
    じいちゃん、不甲斐ないのは俺だったよ。
    じいちゃん、不甲斐ないのは俺だったよ。

    BLUE ENCOUNT

    じいちゃん、不甲斐ないのは俺だったよ。

     2021年9月8日に“BLUE ENCOUNT”がニューシングル「囮囚」(読み:ばけもの)をリリース!タイトル曲は、唐沢寿明が主演を務める土曜ドラマ『ボイスII 110緊急指令室』の主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞には楽曲の世界観に合わせた当て字の漢字を使用した“言葉遊び”が多数散りばめられております。シリアスな楽曲に詰まった“言葉遊び”をご堪能あれ!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“BLUE ENCOUNT”の田邊駿一による歌詞エッセイをお届け!どいつもこいつも「ばけもの」ばかりだと思っていたけれど、本当の「ばけもの」とは何なのか…。新曲「 囮囚 」に通ずる、大切な気づきと意思を綴っていただきました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 囮囚 」~ 「実に不甲斐ない世の中だ。」 父方の祖父と祖母と 二世帯住宅で生活していた頃の幼き私は よくこの言葉を耳にしていた。 書斎でロッキングチェアーに揺られながら テレビの政治番組を見る祖父の口から 毎度出てきた呪文のようなもの 「実に不甲斐ない世の中だ。」 こんな言葉は無関係だと思ってた幼少期、 歳を重ね辿り着いた今。 テレビのインチより何まわりも小さい、 手のひらサイズほどの画面を見ながら 大人になった私は 祖父と同じ呪文を唱えてしまっていた。 ロッキングチェアーではなく、 様々な思想や立場や価値観とやらの上に揺られながら。 「今」が悪いということではない きっと昔からこの世には悪しき部分はたくさんあった。 私は単純にそれらに気づけてなかっただけなのだ テレビをつければ悲しいニュース ネットを見れば匿名の輩が 言葉という刃物で切りつけ合い どいつもこいつも「ばけもの」ばかり。 こんな世の中の悪にやっと気づけて良かった、、、 ん? 待てよ。 何かおかしいな。 『気づけた』? 幼い頃、全てが光り輝いてた。 夏の朝の匂い 遊び疲れたあとに飛び込んだ布団の心地良さ 母に抱きしめられた時のぬくもり 父とよく手をつないで歩いた名もない畦道の景色 言い出したらキリがないほどの 些細な事が全て嬉しかった もちろん嫌なこともたくさんあったであろう。 でもあの頃の私はそんなのを忘れるほどに、 喜びや楽しみばかり取捨選択していた。無意識に。 私は知らぬ間にあの頃の私を見失っていった。 積んだ経験に比例して捨てていった希望。 期待しない方が楽だと吐き散らかした絶望。 輝きだけであんなに満たされていたのに 大人になった私は、 己や誰かの哀しみや怒りをエサにしていた そうだ。 結局、 そんなことしなくて良いのに テレビをつけ、無意識に悲しいニュースに チャンネルを合わせたのは自分だった。 そんなことしなくて良いのに スマホをスクロールして、無意識に中傷を 探しているのは自分だった。 悪に気づけたのではなく 悪を自ら求めてしまっていたのだ そのくせに世の中のせいにして 傍観者のふりしていたのは自分。 なんだ、私こそが「ばけもの」ではないか。 じいちゃん、不甲斐ないのは俺だったよ。 でもね、それに気づけたことは唯一の救いだったよ。 嫌なら見なきゃいい。 昔ならそれがなんとか通用した。 しかしながら今の世界は、 指を少し動かしただけで全てが覗けてしまう。 望んでないのに自分自身に負けそうになることがある これから大切になってくることは 心の中の ばけもの とどう戦っていくかだ 一人一人が心の中のそいつに 打ち克つことができれば、 きっともっと今は良くなるはず。 抗おう。 囮に囚われてはいけない。 あの日捨ててしまった希望を、 あの日選択できなかった喜びと楽しみを、 私たちは取り返すことができるんだ。 <BLUE ENCOUNT・田邊駿一> ◆紹介曲「 囮囚 」 作詞:田邊駿一 作曲:田邊駿一

    2021/09/03

  • ハジ→
    来年の夏こそは、僕らまた会おう。
    来年の夏こそは、僕らまた会おう。

    ハジ→

    来年の夏こそは、僕らまた会おう。

     2021年8月4日に、ハジ→が新曲「来年の夏。」をリリースしました。歌詞に綴られているのは、コロナ禍を生きるすべてのひとへ贈るメッセージ。さらに9月17日には『来年の夏。- Next Summer Remix EP -』をリリース!原曲の王道バラードをFuture Base、Hiphop(Chill)、Reggae、3種類のジャンルにリアレンジ。Hiphop(Chill)、Reggaeに関しては原曲とは大幅に歌詞がリメイクされている部分などもあり、3曲通して聴きごたえのある作品になっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ハジ→”による歌詞エッセイをお届け!夏の始まりに「 来年の夏。 」をリリースし、夏の終わりを迎えようとしている今の本音を明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 来年の夏。 」~ 来年の夏。 すごく大切な曲が仕上がりました。 昨年、コロナ禍に入ってから作った曲です。 会いたいけど会えない。行きたいけど行けない。 いつも通りにいつも通りのことができない。 そんな現在を過ごす日本中の皆さんに、 今まさに、届けたい一曲です。 “来年の夏こそは 僕らまた会おう” と、夏をテーマにした曲ですが、 家族愛や出逢いと別れの宿命についても歌っており 夏が終わって、秋、もしかすると冬まで 聴いていられるような 曲になっていると思っております。 実はこの楽曲のリリースは、8月4日。 夏の始まりでした。 今思えば、夏の始まりに、  “来年の夏こそは 僕らまた会おう” ??? まだ今年の夏終わってないんだけど・・・・!! とも、感じさせてしまったかもしれません笑。 そして、リリースするまでは 感じていなかったのですが、 今改めて聴くと、 この曲を聴いて希望を感じめっちゃ元気になれる!! というよりは、 少し切ない気持ちになるような部分が 強くなってしまっていたかなぁと。 それは僕自身もこのコロナ禍において 悲しい気持ちや、残念な気持ちが 強くなっていたからかもしれません。 もう少し、聴いてくださる方に 元気を届けたかったなぁ・・・ というのがリリース後の僕の今のリアルな感情です。 夏の終わりにリリースするべきだったかな、 ・・・とも。笑 自分の直感に従って生きていても、 間違ったかなあ・・なんて気持ちになること、 人生において多々あります。 でも後から考えると全てに意味があったなぁと 思わされることばかりです。 そんな『来年の夏。』のリミックスEPを 9月17日に配信リリースさせていただきます。 もう一回、『来年の夏。』を この秋口のタイミングで耳にしていただきたい思いと 楽曲のアレンジが変わると同じ歌でも ここまで違って聞こえるんだということを感じながら 改めてこの歌を受け取っていただきたいです。 原曲と合わせて、 Future Base、Hiphop、Reggae、にリアレンジされた 全4パターンの『来年の夏。』を 受け取っていただけましたら幸いです。 <ハジ→> ◆紹介曲「 来年の夏。 」 作詞:ハジ→ 作曲:ハジ→ ◆「来年の夏。- Next Summer Remix EP -」 2021年9月17日配信リリース <収録曲> M1.来年の夏。- Future Base Remix - (feat.Devincy) M2.来年の夏。- Chill Remix - (feat.Devincy) M3.来年の夏。- Reggae Remix - (feat.Devincy)

    2021/09/02

  • ハルカトミユキ
    その約束の日には、「不要不急」という名前がついた。
    その約束の日には、「不要不急」という名前がついた。

    ハルカトミユキ

    その約束の日には、「不要不急」という名前がついた。

     2021年8月25日に“ハルカトミユキ”がニューアルバム『明日は晴れるよ』をリリース!約4年2カ月ぶりとなる今作。日本テレビ系『NNNストレイトニュース』のウェザーテーマ曲「夏にだまされて」を含む全8曲が収録。新作についてハルカ(Vo, G)は「『わかんないけど、晴れるよ、大丈夫』このアルバムを通して、自信満々にそう言いたい」、ミユキ(Key, Cho)は「“ラブソング"と“応援歌”がテーマの今作、ど真ん中に勝負を挑む気持ちで曲を作りました」とそれぞれコメントしております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“ハルカトミユキ”のハルカによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は最終回。綴っていただいたのは、アルバムのラストを飾る「 約束 」に通ずる想いです。今も、大切な「約束の日」を待ち続けながら、日々を過ごしているあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように。 ~歌詞エッセイ最終回:「 約束 」~ 人を待つことの心細さを、「長い待ち合わせ」という曲に書いたことがある。約束の時間になっても、一人ぼっち、待ちぼうけしているという歌だ。 “待つ”というのは本当に疲れる。連絡の返ってこないスマートフォンを握りしめながら、背格好の似た人が歩いてくるととっさに目で追いかけ、次の瞬間には赤の他人だと気がついて肩を落とす。その繰り返し。不安、心配、怒り、寂しさ、そのすべてが一気に押し寄せてきて、さっきまで胸の中でパンパンに膨らんでいた期待という名の風船が、しょぼしょぼとしぼんでいくのを感じる。 昔、恋人を長時間待ち過ぎて、やっと現れた相手に泣きそうになりながら近づいて行ったら、杖をついたおばあさんだったことがある。どこも似てないじゃないか。 それくらい、待つということは、心がすっかり疲れ果てるのだ。あの曲を書いた頃は今より若くて幼かったけれど、人を待つことを異常に心細く感じてしまうのは今も変わらない。 待つのは「人」ばかりではない。私たちは大なり少なり、予定された次の約束の日を心待ちにしながら生きている。友達とランチに行く日を。趣味の一人旅に出かける日を。遠くに住んでいる恋人と久しぶりに会える日を。大切な大会の日を。最後の修学旅行の日を。そして、大好きなアーティストのライブの日を。 丸印をつけたカレンダーを眺めながら、あと何週間、あと何日、あともう少し頑張れば約束の日が来ると信じて、その日のために準備をしながら。 そんな、ささやかでもかけがえのない「約束の日」を、奪われてしまった一年半だった。 その約束の日には、「不要不急」という名前がついた。一体どれだけの人が、自分にとっての大切な約束の日に「不要不急」のハンコを押し、歯を食いしばりながら仕事に向かったのだろうか。予定のなくなった週末に向かって、どんな気持ちで日々を過ごしたのだろうか。一人ぼっち、来ない誰かを信じて待ち続けるように、そのはち切れそうな心を一体どこに押し込めたのだろうか。 カレンダーに上書きされたバツ印は、その日一日だけのバツではない。その人にとってみたら、それまで指折り数えて頑張ってきたすべての日々に付けられたいくつものバツ印だ。 遠距離恋愛とライブは、どこか似ている。やっとその日を迎えても、楽しい時間は瞬く間に過ぎ去ってしまう。幸せな余韻と切なさに包まれながら歩く帰り道で、ゆっくりと元の日常に引き戻されていく。 そんな時、次の約束があったら、どれだけ心強いだろうか。だから、約束をしよう。もしも叶わなかったらまた約束をしよう。それも叶わなかったら、また、何度でも何度でも約束をしよう。 <ハルカトミユキ・ハルカ> ◆紹介曲「 約束 」 作詞:ハルカ 作曲:ミユキ ◆4thアルバム『明日は晴れるよ』 2021年8月25日発売 QAIR-10178 ¥3,000(税込) <収録曲> 1. RAINY 2. 鳴らない電話 3. 夏にだまされて 4. 言えたらいのに 5. TIME 6. 君に幸あれ 7. あの場所で 8. 約束

    2021/09/01

  • postman
    忘れかけていた大切な気持ちをお笑いライブで思い出せた気がした。
    忘れかけていた大切な気持ちをお笑いライブで思い出せた気がした。

    postman

    忘れかけていた大切な気持ちをお笑いライブで思い出せた気がした。

     2021年8月25日に“postman”が配信シングル「アネモネの根」をリリース!前作の第103回全国高等学校野球選手権愛知大会テーマソング「ダイヤモンド」に続く新曲です。花を咲かせるために土の中でもがく葛藤と苦悩、そして決意が込められたミドルバラード。バンドの新たな方向性を導き、メッセージ性を全面に打ち出した楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“postman”の寺本颯輝による歌詞エッセイを3回に分けてお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲のタイトル「 アネモネの根 」にも通ずる3つの“ご自身のルーツ”について。その二つ目はお笑いのお話。ミュージシャンとお笑い芸人の共通点とは…? 是非、歌詞と併せてお楽しみください…! ~歌詞エッセイ第2弾~ どうもお世話になってます。postman・寺本颯輝です。8月25日、配信シングル「アネモネの根」遂にリリースされました。もうお聴きいただけたでしょうか? シンプルで骨太なサウンドに、苦悩の中で見つけた前向きかつ気楽な詞を乗せた、正に自分の根っこを音にしたと言えるような潔い楽曲が出来上がりました。 このコラムでは「アネモネの根」に寄せて、寺本颯輝の根っこ=“ルーツ”、そう「テラモトの根」について書かせていただいております。ダサイのはわかってるって。引き続き廊下に立ってなさい。 では第二回である今回は二つ目の「テラモトの根」、“お笑い”について。音楽の次に好きなものは何かと問われれば、真っ先にお笑いと答えるだろう。それは音楽、そして第一回で書いた野球と同じく両親が大好きなもので、物心つく前からいつも側にあったのだ。 漫才、コント、新喜劇、大喜利、モノマネなどジャンルを問わずお笑い番組が大好きな一家で、毎晩食卓のテレビは何かしらのお笑い番組だった(しかし昨今はネタ番組がめっきり減ってしまった為、家族で食卓を囲む際「今日は◯◯年のにしよっか」と過去のM-1 グランプリをリアルタイムさながらの雰囲気で楽しんでいる)。 そこで今回着目したいのは、ミュージシャンとお笑い芸人の共通点である。一つ目は“ライブを中心としていること”、二つ目は“センスと技術のバランス”、三つ目は“世代による需要と供給の変化”、四つ目は“即興的な発想力”、最後に“流行や大衆性に対する模索と葛藤”。 細かく見ればもっと沢山あるが、大きく分けてこの五つが特に共通していると考えた。ライブハウスと劇場。曲とネタ。ブルースと寄席。ジャムとアドリブ。メジャーシーンとテレビ。 この中で最も深く触れにくい問題ではあるが、この場で敢えて赤裸々に語らせていただきたいのが、最後に挙げた“流行や大衆性に対する模索と葛藤”について。これは今回リリースした「アネモネの根」とも深く関わってくる事柄であると思う。 「売れる為にはわかりやすく!一人でも多くの人の好みに合うように!そう、そうそう!流行りも忘れずに取り入れるんじゃ!」 と、同時に 「自分のやりたい事を貫け!他人に惑わされるな!そう!ん、いいや!あ、そう!わかる人にだけわかればいいんじゃ!」 といった具合で、天使でも悪魔でもない自分の中に住み着く頑固腹巻きおじさんが取っ組み合いを始める。誰にも真似できないオリジナリティや、ルーツによる自分の好みの部分を欠かずに、一人でも多くの評価を得る為には何を意識すべきか。ミュージシャンもお笑い芸人も良いものを作る為、これが最も悩む所ではないのだろうか? しかし考え過ぎもよくない所も共通点である。あくまでもユーモアの上で藻掻き、悩み、苦しみ、生み出すのだ。 漫才を観に一人で大阪へ行った時の話を。隣に座っていた女性も一人で来ていて、その方は何となくお笑いライブへよく行くように見えた。全出演者の全ボケ、全ツッコミを声に出して笑っていたからだ。その姿は、お目当ての出演者を観に来たというより、心からお笑いそのものが好きな方なんだな、と思った。そして、その方と同じタイミングで声を出して笑った時、どこかで感じたことのある気持ちになったのだ。 名前も年齢も知らない人とタイミングよく声が重なり合うその瞬間は、まるでライブの大合唱のようで感動を覚え、その時、「この人といま同じ気持ちなんだな」と思うとどこか嬉しい気持ちになり、その後は僕も人目を少しもはばからず、大きな声で笑っていた。音楽で擦り減らし、忘れかけていた大切な気持ちをお笑いライブで思い出せた気がした。 現在、皆と声を出して歌うのは難しいご時世になってしまったが、皆の中でもこんな気持ちが生まれる瞬間を想像して曲を作り続けようと思います。ちなみにその日の僕のお目当ては、祇園、ニッポンの社長、見取り図、銀シャリでした。最高に良かった。 第三回へ続く。 <postman・寺本颯輝> ◆紹介曲「 アネモネの根 」 作詞:寺本颯輝 作曲:postman

    2021/08/31

  • KEYTALK
    仮タイトルは「キラーピアス」だった。
    仮タイトルは「キラーピアス」だった。

    KEYTALK

    仮タイトルは「キラーピアス」だった。

    2021年8月25日に“KEYTALK”がニューアルバム『ACTION!』をリリースしました。既発配信シングル3曲に加えて、バンド初期作品に回帰したセルフプロデュースの新曲が多数収録された、まさに原点回帰の意欲作。アルバムタイトルには、バンドとしての初期衝動を今一度奮い起こすべく、強い想いが込められております。その想いを伝える様々な音色を耳にしたとき、きっとリスナー自身にも様々な「ACTION!」が起こるはず…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“KEYTALK”の首藤義勝による歌詞エッセイをお届けします。綴っていただいたのは、作詞に苦戦したという収録曲「 大脱走 」のお話です。この曲の仮タイトルの意外な由来とは。そして歌詞を書くことの醍醐味とは…。是非、今作と併せてエッセイをお楽しみください。 ~歌詞エッセイ:「 大脱走 」~ ありがたいことに歌ネットさんから歌詞にまつわるコラムの依頼がきた。 元々書き物は好きで、以前も別媒体でコラムを連載させてもらっていたのだが、例えば漫喫でバイトしてた時代に客席から唸り声が聞こえた話だとか、TSUTAYAでムカデ人間2のDVDを借りたけど怖くて観れずにそのまま返却した話だとか、おおよそ音楽と関係ないことばかり書いていたら終わってしまった。それ以来初めてのコラムだ。 アルバム『ACTION!』収録曲の作詞も佳境に入るなか、全然歌詞が書けない曲があった。のちに「 大脱走 」と名付けることになる曲だ。この曲の仮タイトルは「キラーピアス」だった。キラーピアスというのは、ドラクエに出てくる武器の名前だ。特に深い理由はなく、その時ドラクエ5をやっていたのと響きがカッコいいから付けた。 ちなみに「 愛文 」の仮タイトルは「ビアンカ」だった。ビアンカというのは、ドラクエ5で主人公と結婚するかもしれないヒロインのうちの1人だ。ドラクエ5で仮タイトルを決めまくりだ。結局「愛文」の歌詞は若干ドラクエ5に引っ張られた内容になった。そんな感じで仮タイトルは重要だったり、全然重要じゃなかったりする。 作詞というのは大体の場合、すでにメロディーが完成している状態で書く。この「キラーピアス(仮)」に関してはサビの「たーたったー、たーたったー」の歌詞がとにかく重要で、そこさえ決まればもう書けたも同然といったところだった。 ただ僕はそういうパターンほど書けないタイプだった。プレッシャーに弱いから重要な箇所ほど筆が止まってしまうのだ。「たーたったー、たーたったー」のメロディーが、呪文のように脳内をかけずりまわって頭を抱える日々が続いていた。 そんななか、メンバーの武正がスタジオで「たーたったー」のメロディに勝手に歌詞をつけて「もういっちょ~…もういっちょ~…」と歌い始めた。武正は、以前から作詞する前のメロディーに勝手に変な歌詞をつけて作詞者を混乱させてくる癖があった。 しかもその時すでに「 もういっちょ 」という別の曲が存在していたりで、もうややこしくて完全に訳がわからなくなっていた。あれは本当にやめて欲しい。 そんなわけで紆余曲折あったが、その後ひょんなことからヒントを得て「キラーピアス(仮)」は「大脱走」として完成し世に送り出すことが出来た。 僕はどちらかというと作詞は苦手で、時間もかかってしまう方だ。楽しいですかと聞かれたら答えに詰まってしまう。ただ、メロディーにピタッと言葉がハマる瞬間は、何事にも耐えがたい爽快感がある。脳汁が出るというやつだ。 これを読んでくれている方の中で、今まで人生において作詞をしたことがあるよという人は少ないと思うけど、とても面白くて奥深い作業なのでおすすめしたいです。気が向いたら歌詞、書いてみてください。 それではまた! <KEYTALK・首藤義勝> ◆紹介曲「 大脱走 」 作詞:首藤義勝 作曲:首藤義勝 ◆ニューアルバム『ACTION!』 2021年8月25日発売 <収録曲> 1 宴はヨイヨイ恋しぐれ 2 サンライズ 3 大脱走 4 ラグエモーション 5 FACTION 6 流線ノスタルジック 7 もういっちょ 8 不死鳥 9 Orion 10 あなたは十六夜 11 愛文 12 照れ隠し

    2021/08/30

  • 緑黄色社会
    ボーカルの長屋晴子には、こんな説明はしていません。
    ボーカルの長屋晴子には、こんな説明はしていません。

    緑黄色社会

    ボーカルの長屋晴子には、こんな説明はしていません。

     2021年8月25日に“緑黄色社会”がニューシングル「LITMUS」をリリースしました。タイトル曲は、木曜ドラマ『緊急取調室』の主題歌として書き下ろされた楽曲で、作詞を小林壱誓(Gt.)、作曲を小林壱誓・穴見真吾(Ba.)が担当。劇中で真摯に目の前の事件と向き合い、容疑者の動機解明にまい進していくキントリメンバー。そのキントリの世界に彩りを添えるのが、緑黄色社会の「LITMUS」です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“緑黄色社会”の小林壱誓による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、自身の作詞理念と新曲「 LITMUS 」のお話です。いつもはあまり歌詞については説明したくないという彼ですが、今回は歌詞に込めた意図、そしてアフターストーリー考察まで、明かしてくださいました。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! ~歌詞エッセイ:「 LITMUS 」~ はじめまして。緑黄色社会、ギターの小林壱誓です。今回は新曲「LITMUS」の歌詞について書いていきたいと思います。 まず、先日、霜降り明星のせいやさんとテレビ番組の企画で一緒に作詞をしたのですが、自分以外の目線を曲に取り入れるという、今までやってこなかった作業を通して様々な気づきがありました。 せいやさんとの共作過程で、「作詞は漫才と似ている」とおっしゃっていたのを強く覚えています。ゴールから考えて、そこに対して肉付けをしていく。その過程が漫才のネタ作りに似ていると。 たしかに、間の使い方、耳に残るワードチョイス、オチの作り方、言い出したら切りがないほど似ている点が多いと思いながらも、「漫才の方がもっと高度なことをしているよなぁ」なんて思いながら聞いていました。 さて、せいやさんとの制作を経て、自分の書き方とより向き合えた気がする小林壱誓の歌詞エッセイ(韻踏んでます)、スタートです。 僕の作詞の理念は、 「余白を持たせて、でも具体的に。」 「具体的に」というのは“説明をする”ではなく、聴き手の視覚・嗅覚・触覚、そして記憶にコネクトするということです。 たとえば、新曲「LITMUS」においては、まさにリトマス紙というアイテムを使って、赤と青を視覚的に表現しています。具体性とは僕にとってそういうことです。 (“白黒”はっきりさせるということの比喩表現で“赤青”のリトマス紙を“緑黄色社会”が歌ってるのですから色渋滞極まりないんですけども…。) 余白をもたせるというのは、言い換えれば多くを語りすぎないということで、「秘密」をテーマにした『LITMUS』ではそれがどんな秘密なのかは語っていません。 歌詞について本当はあまり明かしたくないのですが、こういう機会も中々ないので今回はいつもより少し説明をしたいと思います(歌詞考察サイトみたいなテイストでいきます)。 想えば想うほど隠れてしまう いつぞやの朧月の背中へと 「朧月」というのは、雲や霧で霞んで薄く光るような月のことですが、これは“秘密”の隠喩であると同時に、薄い布団をまとった女性の姿を重ねていました。 その手を その目を その輝きをそのままに 怒涛の「その」攻め。 別れも告げずに 離れてしまえたらいいのに 主人公は、かなり後ろめたいことをしてしまったんです。取り返しのつかないこと。でももし隠し通すことができたなら、目の前の「あなた」は変わらずに済む。とても馬鹿です。でも、とても人間です。 どれほどあなたを想っていても リトマスの紙は翳せないまま わたしはそれでも あなたの側に居てしまう 卑怯です。どうすべきかは分かっているのに、自分の愛した“輝き”ともいえるその無垢な姿を壊したくない、という言い訳を盾に、秘密を明かさない選択を続けていきます。 何も言わずに 何も触れずに 全て透かされているかのような夜だ 本当は知られているのかもしれないと思ってしまうほど、何も聞いてこない。触れてこない。これは、曲の最後へ繋がります。 嘘はついてない 本当にも触れない あなたにだけ言えない 秘密がある 「あなた」が何も聞いてこないから、嘘をつく必要もないんです。こういった経験のある人は分かると思うのですが、とても恐ろしいことです。これからこの主人公はどんな選択をしていくのか…。 ここからは前代未聞、作者による曲のアフターストーリー考察です。 きっと、主人公の口から“秘密”を打ち明けることはできません。しかし打ち明けずとも、何かを呼び水に、全てが明るみに出てしまいます。そして何もかもが音を立てて壊れる。一度ついた大きな傷は消えない。一生許されることもない。一生「あなた」に信じてもらえることはない。物語は深い絶望へと沈んでいきます。 ただ、そこからどうなっていくかは、 主人公と「あなた」次第かな。 はい。 かいつまんだ説明にはなりましたが、「LITMUS」ではそんなことを書いています。歌詞の中で答えを出さないのも、余白です。 ボーカルの長屋晴子には、こんな説明はしていません。長屋晴子の歌にしてほしいからです。だから、この記事は長屋には絶対に読まれたくないです(笑)。 みんなとの秘密ができましたね。 バレないように祈ります。 では! <緑黄色社会・小林壱誓> ◆紹介曲「 LITMUS 」 作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓・穴見真吾

    2021/08/27

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