タダじゃないの。
ENVii GABRIELLA
タダじゃないの。
2023年6月28日に“ENVii GABRIELLA”がメジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』をリリース。本今作には既発シングルの「BL」「Symphony」「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」「オリビアを聴きながらを聴きながら」「APHRODITE」に新曲5曲を加えた計10曲が収録されております。 さて、今日のうたコラムではそんな“ENVii GABRIELLA”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第2弾、執筆はTakassyが担当。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 PAY ME 」にまつわるお話です。Takassyが音楽を作る上で大切にしているマインドとは。みなさんは自分の価値をお金に換算してみたことはありますか…? 私、音楽を作るって仕事してる。 仕事っていうくらいだから、お金もらってる。 でも、スーパーに並んでいる商品のように目に見えるものじゃないものを作って売ってるから、その価値が正当に評価されなかったり、蔑ろにされたりする時もある。 「ちょっと歌ってよ」 「ちょっと曲作ってよ」 「ちょっと動画作ってよ」 「ちょっとやってよ」 幾らくれるの? 市場価格をご存知? 私の価値をあなたが考えてお金に換算した時に幾ら? タダっていうことは私の才能は無価値だって笑って言ってるってことなの。 軽く頼んでくるけど、その仕事をするのに 私が何日、何時間費やしてるか考えたことある? タダじゃないの。 私の時間はあなたと同じように消費されてるの。 私が今の作品を生み出すために、自分の価値を高めるために、どのくらいの月日とお金を掛けたか、考えてみてよ。 どんなに馬鹿にされても、蔑ろにされても、無視されても、歯を食いしばって、涙を堪えて自分を磨いてきた。 何度もやり直しては、行き詰まってやっとの思いで絞り出してる。 そんなことわざわざ言わせないでよ。 毎月美容代に幾ら掛けてるかわかる? 身につけるものを自分で稼いだ金で揃えてる。 何十年と修行した料理人のお店には大金を注ぎ込んで食べに行く人が、私には「高くない?」って言うの。 馬鹿にしてる。 私は私のために無償で作品を生み出すこともある。それが一見誰かの依頼だったとしてもね。 最終的に自分の利益になるなら。 でもそれを決めるのは私でしかない。 私は覚えてるよ。ちゃんと。 ねえみんな。 自分の価値を 誰かのために犠牲にした自分の作業工数を 悪意なく無礼に使われる自分の存在意義を 過去の自分の苦悩を、努力を、涙を その全てをお金に換算したことある? ないよね。 賤しい意地汚い話だと思う? そんなことない。 評価は正当に受けるべき。 認められる価値は主張すべき。 あなたの優しさが消費されてゆく前に、あなた自身があなたを救うの。 あなたがあなたの価値を信じるの。 「私なんか」「私の技術なんか」「私の存在なんか」 そんなこと思わないでいい。だって世界はあなたが何もしなかったら、全く違う形になってしまう。 私がこんな好感度ダダ下がりな文章を書くこともない世界になっていたかも。 (それはそれでいいかも) あなたが砕いた優しさで誰かが、得をしてる。 感謝もなくね。 悔しいじゃない? だからこのマインドよ。 「金出しな。」 そうそう。 世の中には適正価格ってもんがあるから、そこんところは上手くやりなさいね。 <ENVii GABRIELLA・Takassy> ◆紹介曲「 PAY ME 」 作詞:souljuice 作曲:souljuice ◆メジャー1stフル・アルバム『ENGABASIC』 2023年6月28日発売 <収録曲> 01.APHRODITE 02.オワッテンネ 03.Toxygen 04.PAY ME 05.90's 06.BL 07.オリビアを聴きながらを聴きながら 08.The Crown -No necesito, No queiro- 09.あなたが私を綺麗にする訳じゃないの 10.Symphony