「3272」

 2024年2月14日に“ヤユヨ”が4thミニアルバム『BREAK』をリリース! 今作には、音楽機器メーカーPRIMOの創立70周年記念CMソング「Stand By Me」、全国にある高等学校のダンス部の頂点を決める『第11回 全国高等学校ダンス部選手権』応援ソング「YOUTH OF EDGE」など全6曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたコラムでは“ヤユヨ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾。執筆を担当したのは“はな(Ba.)”です。綴っていただいたのは、収録曲「Cosmic beatle」にまつわるお話。臆病な自身の理想を詰め込んだこの曲。さらに、はなに大きな影響を与えた伊坂幸太郎への愛を明かしてくださいました。ぜひ今作と併せてお楽しみください。



私は臆病だ。
私の臆病が誰かに伝染した時、それを知る機会となる。
私が臆病なばかりに。
だけど、臆病が伝染するように、勇気も伝染するものだから。
だから私は勇気を出す練習に励む。
それでもまだ臆病な部分は全然変わらない。
でも、私が出した少しの勇気があなたに伝染したらいい、って考えている。
 
優しい人になりたい。
対等であり続ける人になりたい。
歩む今が一番でありたい。
臆病な私がありたい理想を詰め込んでいる。
「Cosmic beatle」はそんな歌になった。
 
 
エッセイを書く事が決定した時、嬉しい反面、戸惑いが大きかった。
りこやぺっぺのように歌詞を書いてきたわけではないし、国語はちょっぴり苦手だし。
何を書けばいいんだ?と
 
エッセイ
1.自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想。
2.特殊の主題に関する試論。小論。
 
結論として、伊坂幸太郎への愛を少し書くことにした。(敬称略)
届かなくていい少しのラブレターを書くことにした。
冒頭を読んだだけでも分かると思うが、私は伊坂幸太郎が好きだ。
出会いを遡ると高校1年の夏になる。
 
当時、本を読むことが大の苦手だったのだが、高校1年の夏休みの読書課題で芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を読み切った事を機に自信を持ち、私は小説を買うことを決意した(あれ、めちゃくちゃ薄い本ですけど当時の私にはビッグイベントでした…)。
 
とにかく運命的な出会いをしたかったので題名と裏表紙の説明で選ぶことにした。
その時に手に取り購入したのが伊坂幸太郎の「重力ピエロ」だ。
“何ページまで読めるかな?”
冒頭の一文から惹き込まれた。
捲る手が止まらなかった。
読みやすさ、展開、キャラクター、言葉、全てが私を魅了した。
“小説ってこんなに読みやすくて面白いの?”
自分で文字を読み進め理解し、想像する、この楽しさを私は知らなかった。
その楽しさを伊坂幸太郎は安易に教えてくれた。
登場人物の一人一人が魅力的で、「マリアビートル」の七尾(天道虫)が特に好きだ。
どんな不幸も自分の力で幸に変えていけるような気がしてならない。
 
ここまで話していても分かるように、
「Cosmic beatle」には、私の中の伊坂幸太郎をちょっぴり入れ込んだ。
いや、ちょっぴりどころではない。
匂いまくりである、プンプンだ。
そのプンプンを感じながら聴いてほしい。
これを機にもっとヤユヨの曲に手を出してほしいし、伊坂作品にも手を出してほしい。
 
<ヤユヨ・Ba.はな>


 
◆4thミニアルバム『BREAK』
2024年2月14日発売
 
<収録曲>
1. Stand By Me
2. Anthem
3. チョコミンツ
4. YOUTH OF EDGE
5. Cosmic beatle
6. リプレイ