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LIVE REPORT

ASIAN KUNG-FU GENERATION

『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2012 「ランドマーク」』

2012年12月21日
@神奈川県民ホール

前作『マジックディスク』のツアーは、震災の影響で残りあと数本というところで中止になった。あれから1年7カ月振りに開催されたツアーは、ダブルアンコールまで含めて全27曲、約3時間に及ぶ大ボリューム。オープニング曲は、ツアー開始前に日記で伏線を張っていたベックのカバー。ハンドマイクを持つ後藤正文(Vo&Gu)のラップは力強く、それはまるで『マジックディスク』ツアーのやり残しを精算する叫び声のようでもあった。パーカッションやシンセなどのサポートメンバー3人が加わったことで、幅広く多彩な音が表現されたステージ。曲によってはギターが3本になり、実に分厚い音で観客を圧倒した。ライティング演出にはLEDやプロジェクターなどさまざまな技術が使われ、まるで会場全体がひとつのプロモーションビデオの中に入ってしまった感覚。全てにおいて格段にスケールアップしたステージは目を見張るばかりで、魅了された多くの観客が手を挙げて歓声を送っていた。MCでは、この1年7カ月をどのような想いで音楽と向き合ってきたか、被災地は今も苦しんでいること、震災後に音楽が不謹慎だと言われる中で、横浜のランドマークスタジオでアルバム『ランドマーク』が録音されたことなど、さまざまなことが語られた。“そのスタジオからすぐ近くの、この会場でやれることがすごく嬉しい”と後藤。ラストに歌われた新曲「今を生きて」は、明るく温かみのあるビートと歌声が心に優しく火を灯してくれるようなナンバー。1年7カ月を経て導き出した彼らの答えのようで、非常に心に染みた。