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LIVE REPORT

間々田優

『事が起こるその前に』

2009年11月23日
@原宿アストロホール

のっけから洒落っ気で炸裂。スクリーンに放たれた前座刺客は、2次元グラドルB88 W59 H89のナイスバディ“ままゆう”。もちろん、曲は「アイドル」。先日アプローチされたアルバム『予感』からのキラーチューンだ。昭和歌謡チックなイントロに乗り、歌い出てくるは3次元の間々田。ギャップを感じさせず弾けまくり、“今日はハメはずしていこうぜぇ~!”と煽りを入れ妄想を吹き飛ばす。続くは「ロスタイム」。間々田節ど真ん中だ。だけど、打って変わって艶っぽくて、ちょい惚れ。そして、「ボーダー」。“どんなに心がひとりになっても、ひとりじゃなかったね”と締め括る歌。“みんなと私をつなぐ曲です、声をください..”と淋しがりの一体感を求めて合唱。と、幕開けの3曲だけで女心のバイブレーション満載。人生劇場に間々田優が佇む。だが、そんな多重人格性アプローチの振り切りが彼女のバランスを保ち、歌心の独創性を生み出す根源でもある。有り余る才能は“この曲”という形で感情パーツに分散され、一曲だけではスタイルを掴めない。その後も試行錯誤の感情論が矢継ぎ早に披露されていく。彼女が発する衝動は、今時の“頑張ろうソング”ではない。勝手な解釈だけど、もがいて自分探しに頑張ってるのは間々田自身で、相手に残すのは、頑張れの思わせ返し“ひとひらの勇気”なのかと...。パーツの紡ぎは、本編ラストの「夕」で間々田優の人型を成す。そして、彼女のステージにソデに戻ってのアンコール出はない。贈物として、新たなパーツ「二人のビッグショー」で会場を沸かせ、自分の壁と向き合えたと感じられる「カコ」で想いを遂げ、明日の間々田優へと歩き出し、締め切った。