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LIVE REPORT

Mr.Children

『Mr.Children DOME TOUR 2009~SUPERMARKET FANTASY~』

2009年12月27日
@東京ドーム

ふと、思う...。結成20周年。Mr.Childrenというバンドが歌い奏でてきた思いに心救われた人って、どのくらいいるんだろう?

実に4年振りとなるドームツアーも最終日。今ツアーは、HP上に異例と思えるステージセットの大枠をイメージ画付きで公表していた。初のセンター花道が設けられ、その周りがスタンディングブロックである、と。屋内最大級施設のドームでツアーということは、単純に最高峰に位置するアーティストということであり、愛し愛される存在ということでもある。だけど、遠く感じさせない。それが、ミスチルが織りなし紡いできた想いだ。

心拍音がシンクロしたCG映像と同時に暗転。大歓声を尻目に、アニメ映像に切り替わりスーパーマーケットの中をカゴが走り抜ける。そして、EXITを強行突破。瞬間の静寂、注がれた幾筋ものピンライトの先には花道にひとり佇む桜井和寿(Vo)。割れんばかりの歓声と吐息は、同時に桜井の第一“声”を聞き逃すまいとする緊張感を含み、「声」のメロウなイントロに溶け込む。ある意味静かに立ち上がったが、間奏後に左右100メートル、花道35メートルの広さを無邪気にはしゃぎ突っ走りまくる爽快な姿は、うれしさとともにド派手なステージの全貌を意識させる。“ファンキーに! 最高の夜にするよ”と煽るセリフも勢い余る感じだ。前半戦をこれでもか!と走り続け、「ニシエヒガシエ」では、照明、ビジョンも一段と派手さを増したところで、特効で花火を打ち放つ。そして、解放された心に染み入る「CANDY」で優しくも切なく抱きしめてくれる。

直後のMCで、ドームの前が後楽園遊園地であることに触れ、“乗り物ついでに見る、なんとかショーみたいに...。シンプルに近くで歌いたい”と、花道に集まりメンバー紹介を交え「Simple」をはじめ3曲を観客と一緒に歌い奏でた。

終盤戦突入は「fanfare」~「箒星」~走る走る...。観客もゴールを肌で感じて負けじと突っ走る。当然6曲30分ほどは、あっという間に過ぎ去り「終わりなき旅」で本編が幕を閉じた。観客は当然のアンコール待ちで、息を整える。ビジョンが光り映し出される数字の数々。世界の人口~生死~男女比~HIV感染者等々。数字という妙な現実感が身体の動きを押さえていく。だが、最後に救ってくれた数字は、人々が1年間で愛し合える日数「365日」。新曲のタイトルだ。ニクいとしかいえない演出。緊張が解かれた心は、素直に歌声を吸収する。「and I love you」と続き、ラストソングには「GIFT」。愛情、感謝、そして自分と向き合う勇気を贈りドームツアーを締め括った。