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LIVE REPORT

くるり

『くるりライブ興行2010 ~地獄の団体戦~』

2010年06月02日
@NHKホール

表題曲に対して実験的で遊び心が満載のカップリング曲。くるりのカップリングベスト『僕の住んでいた街』がオリコンチャートで1位を獲ったというニュースを聞いて、実に彼ららしいと思った。そして、その作品を引っ提げた本ツアーの東京公演1日目。1曲目の「東京レレレのレ」の演奏が始まった瞬間に、スペクタクル(?)な空間が会場を包み込む。どこか沖縄的であり、それでいて無国籍風で、高揚感やお祭り感があって現存のポップスでは説明不可能だが、ロックであることだけは確実で、くるりらしく開放的で...そんな“異空間”に観客を引き込んだ。その後も3ピースという編成で繰り出される、巷に流行るJ-POPやJ-ROCKとは一線を画したストイックなロックナンバーが異空間の深みへと聴く者を誘うと、いきなり新曲が4曲続けてプレイされる。ゆるさとピースフルな空気を漂わせる新曲たちは、かつてのフォークロックやブリティッシュロックのような大らかさやロック臭さを醸し出しながらも、くるりならではの自由度や生活感を感じさせた。そして、「ガロン」や「イメージファイト」などがさらにディープな空間を作り上げると、7月リリースの新曲「魔法のじゅうたん」、初めてライヴで演奏するという「地下鉄」など独特の世界と空気を持った楽曲も披露された。このカップリング曲中心のライヴを観終えての印象も、説明不明なサウンドでもポップスとして昇華しているのがくるりの曲の醍醐味であり、そこからは彼らの“ロックが好きだ!”という思いがにじみ出ているということだった。これにくるりファンはもとより、ロック好きが反応しないはずがない。さすが、オリコン1位!