シングル「Catch me if you can?」をリリースしたばかりのメトロノームが令和を迎えた翌日の5月2日に東京・TSUTAYA O-EAST でライヴを開催! 『メトロノーム ワンマンツアー2019 寂滅ヰラクyAtrA』の初日を新たな時代の幕開けとともにオーディエンスと楽しみ尽くした。昨年結成20周年のアニバーサリーイヤーを迎え、ひと区切りどころかバンドへの意欲は増す一方。これまでのテクノでサイバーなコスチュームを一新して和装に挑戦。今後のライヴも立て続けに告知されシャラク(VOICECODER)のパリピ宣言(?)も飛び出すなどサプライズ盛り沢山の一夜となった。
客電が落ちると即、そこはメトロノームの世界。ステージに掛かった紗幕と左右のビジョンに幾何学のCGが映し出され、トランス感覚に陥る中、“コンニチワ、メトロノームデス”というロボットヴォイスが繰り返し流れる。武将風新衣装で登場かと期待が高まる中、ライヴは幕が掛かったまま、新曲「Catch me if you can?」でスタート。メンバーの姿は時おり透けて観えるもののMVのシーンが映し出されたりと映像と音とのコラボレーションで魅せる演出だ。やがて幕が落ち、MCをはさまずに新旧織り混ぜたナンバーが立て続けに投下されていく。
また、アジアンテイストのシュールな映像とともに披露された曲など、フクスケ(TALBO-1)とリウ(TALBO-2)のテクニカルな楽器陣の絡みやシャラクの歌声の七変化も刺激的だ。MCではシャラクが令和に変わるタイミングでフクスケと渋谷で“令和風”の写真を撮ろうと思いきや、スクランブル交差点で“れ・い・わ”コールの渦の中、もみくちゃになり期せずしてパリピになってしまったという爆笑(苦笑?)エピソードも明かされた。
そして、リウがキーボードとベースを鮮やかに操った新曲「さくらん」。令和カウントダウンを体験したフクスケ考案の“れ・い・わ”振り付けもレクチャーされ、「豆腐メンタル」は会場を巻き込む令和バージョンへとアップデート。後半に向かうにつれライヴは熱気を帯び、「孤独氏」「不安の殿堂」「絶望さん」の3連発でみんなネガティブを解放し、すっきりと笑顔に。フクスケがテルミンを操る新曲「楽観ばっか」も披露されたアンコールでは、シャラクが“じゃあ、ツアー行ってきます。もしくは一緒に来なさい”と挨拶。ダブルアンコールまで和装でやりきり、勢いを増すメトロノームの今を提示した。
撮影:Hidemi Otsuka/取材:山本弘子
メトロノーム
メトロノーム:1998年結成。東京を中心に活動開始。メンバー全員が黒/黄の衣装を着用しており、音楽性はテクノポップの影響下にある独自のサウンドをプレイ。ニューウェイヴやパンクロックからの影響も感じさせる唯一無二の個性を放つJ-ROCK/POPバンド。09年5月31日の渋谷C.C.Lemonホールでのライヴを最後に無期限活動停止となったが、16年9月19日、チケットが瞬殺となった満員のZepp Tokyoワンマンライヴで再起動(活動再開)。18年に結成20周年を迎え、7月にフルアルバム『廿奇譚AHEAD』をリリースした。