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LIVE REPORT

米津玄師

『米津玄師 2016 TOUR / はうる』

2016年12月08日
@Zepp Tokyo

全国ツアー『米津玄師 2016 TOUR / はうる』最終日となるZepp Tokyo公演。映画『何者』の主題歌「NANIMONO (feat. 米津玄師)」の歌唱、自身初の単行本『かいじゅうずかん』の発売など活動の幅を大きく広げ続けている米津は、ライヴにおいても格段の進化を遂げていることを証明してみせた。

スタートは最新シングルの収録曲「ナンバーナイン」。シンセベース、打ち込みのリズム、生のドラム、ギターを融合させたサウンドの中で彼は、コンテンポラリーダンスのような動きを見せながら、シャープかつエモーショナルな歌を響かせる。その後もエレクトロテイストのダンスチューン「アンビリーバーズ」、ダークな心象風景を描き出す「KARMA CITY」、神聖なイメージのサウンドスケープと祈りにも似たヴォーカルがひとつになった「amen」など、明確な世界観を持つ楽曲を次々と披露。的確なライティングも含め、どこかシアトリカルなステージが繰り広げられる。最前列の観客と握手を交わすなど、直接的なコミュニケーションを図ろうとする姿も印象的だった。シングル曲「LOSER」からライヴは後半へ。「Neon Sign」「ゴーゴー幽霊船」といったエッジの効いたギターロックチューンを連発し、フロアーとの一体感を生み出す。演出やMCに頼らず、優れた楽曲と肉体的なステージングによって観客とつながる。音楽の力を信じることで生まれる、純度の高いエネルギーの交歓が確かにそこには存在していた。2017年、2月15日にニューシングル「orion」(テレビアニメ『3月のライオン』新エンディングテーマ)のリリースの発表もあり、さらなる飛躍を果たすことになりそうだ。