“私を見つけてくれて、ありがとう。私の曲を愛してくれて、ありがとう”。突然の無期限活動休止を発表した藍井エイル。活動休止前ラストとなる日本武道館公演で彼女は、大粒の涙を流しながら、この5年間の軌跡を辿るスペシャルライヴを行なった。歌われるのは「AURORA」や「シンシアの光」など、これまでリリースしてきた彼女の代表曲たち。その全ての曲で、どんなに辛いこと、苦しいことがあっても、光に向かって手を伸ばそうと暗闇からの光を歌ってきた。その歌詞が、今の彼女とファンの心情と何度もリンクする。その全ての曲が、彼女の真骨頂とも言える高音を活かしたものだからこそ、ライヴは失速することがない。途中、新曲の「アカツキ」と「レイニーデイ」をはさみ、ほとんどMCはなく、21曲を怒涛の波が押し寄せるように歌い、叫ぶ。それに応じようとファンたちは必死に喰らい付く。そして、アンコールで彼女は重い口を開いた。そこでは、まず、体調を崩し、活動を休止したことを謝り、すでに発表されている無期限の活動休止に入ることを自身の言葉で報告した。すると客席からは無数の“待ってるよ!”との声が飛び交い、彼女は堪えていた涙腺が崩壊。美しい顔をくしゃりと歪ませ、泣きながら、みんなへの感謝をゆっくりと、じっくりと伝えてくれたのだ。最後に“私たちはどんなに離れていても、いつだってつながっているよ!”と叫んだあと、深く深く頭を下げて、ステージをあとにした。いつか、また会える日まで。それまで、私たちは、彼女の残した楽曲を聴いて待っていることとしよう。彼女が歌うように、光を信じて。