繊細だけど大胆、と相反する魅力を持つシンガーソングライター焚吐。冒頭からハードなナンバー「クライマックス」で、マイク1本のアグレッシブなパフォーマンスを見せる。2曲目「子捨て山」からはギターを持ち、フレッシュなバンドメンバーと息の合ったプレイを行ない、会場を盛り上げていった。一方、ギターの弾き語りコーナーでは、ささやくような声からグンと伸びやかなヴォーカルまで、シンガーとしての焚吐の持ち味を観客にじっくり聴かせる。また、壮大なイントロから始まるラブソング「ふたりの秒針」では、会場を包む空気が一層濃くなっていく。彼にとってスケールの大きいこの曲は、今後キーになっていくのではないかと思う。焚吐としては、100本目の出演となった本公演。さらに発展する可能性を数多く感じさせ、次の景色も早く見たくなった。