恵比寿LIQUIDROOMの場内が暗転すると同時に、いきなりパワフルなドラムが鳴り響き、真紅の引幕が開けば、ステージではすでに米田貴紀(Vo&Gu)、町田建人(Gu)、マイケル(Ba)、鈴鹿秋斗(Dr)の4人がキリッと演奏している! いつもはSEで流す「ロシアのビッグマフ」をトップに持ってくることでいい緊張感が生まれ、そのテンションを継いで黄と赤のギラついた照明が輝き出す「Crazy Dancer」へ。メジャーデビューアルバム『DANCEABLE』のアートワークを意識したそんな色使い、「Oh Yeah」でのツインギターのコントラストといった見せ場も多く、早速オーディエンスのハートを掴んでみせた。
ギターはよりラウドに、低音は太く締まっていて、ブラッシュアップされたグルーブも聴きどころ。加えて、“上にジャンプできますか?”と米田が誘い、パンパンのLIQUIDROOMを「By My Side」で揺らしにかかるのだから、もう楽しくてしょうがない。中盤には、「fuckin' so tired」で始まる激熱メドレーを投下! 米田はネクタイを放り投げ、「Only Nineteen」のサビでスウィートに踊らせるなど、フロアーを自在にリードしていく。「B!tch」のあのギターリフを、マイケルが“タラララ ラララーン♪”とコーラスするのもニクいです。もともとシンプルにアガれる楽曲をこれだけおいしくつながれたら、踊らずにいるほうがよっぽど難しい。
そして、米田がいつになくソウルフルで伸びやかな歌声を聴かせる「Dance in the rain」も素晴らしかった。このアダルトな攻め、ゆらゆらと腰をクネらす彼の動きに合わせて、観客はとても気持ち良くノッている。そうした瞬間こそ、『DANCEABLE』の発展がより実感できるというもの。ライヴの反応で、メンバーも手応えがあったに違いない。
もちろん、鈴鹿の喋りも冴えまくり! 特効のスモークを見て、“今日はエイトフォー(『8x4』)がすごいな~! この前フレデリックのライヴ行ったら、「うわさのケムリの女の子」っていう曲でエイトフォーめっちゃ出てたで!!”と笑わせたり、ノリノリで何度も“イエー!”と叫んで盛り上げたかと思えば、“なんか、俺、ORANGE RANGEみたいやな”とこぼし、突如「ロコローション」のイントロを叩き始めたり、さすがのMCモンスターぶりを発揮していた。
他にも、「夜に本気ダンス」で米田がマラカスを振ったり、鈴鹿に負けじと第二のMCモンスターを目指すマイケルが“まいどー!”“おおきに!!”のコール&レスポンスで沸かせたり、形式ばったところはどんどんなくなってきているように見える夜ダン。後半は「Feel so good」「escape with you」のタフなビートナンバーで突っ走り、本編ラストの「戦争」では会場を狂おしいほどに過熱させた。
“今回のツアー、本当に全カ所が最高なんですよ。こういった空間を大切にしたいと思ってます。これからも一緒に踊りましょう”と米田が感謝の言葉を告げ、ダブルアンコールで披露されたのは「Fun Fun Fun」。《駆け出す僕らを止めないで》のフレーズが辺りにキラキラと広がり、ソールドアウトの東京編が大盛況で幕を閉じた。