Uta-net

ライブレポート

検索

メニューを開く

LIVE REPORT

Mrs. GREEN APPLE

『Mrs. ONEMAN TOUR ~東と名と阪~』

2015年12月24日
@恵比寿LIQUIDROOM

緊張しすぎて、納得のいくできではなかったという9月の初ワンマンから3カ月後の東名阪ツアーは、いわばリベンジ。1曲目「ナニヲナニヲ」から半端ない気合の入り方で、フロント3人はステージを暴れ回り、大森元貴(Vo&Gu)は“かかってこい!”とフロアーを挑発。ポップバンド? いや、めちゃくちゃロックでしょ。「リスキーゲーム」の間奏で“きよしこの夜”のメロディーを奏でたり、クリスマスイブ仕様のアレンジにオーディエンスも大喜びだ。とにかく踊る気満々のヤングな客層は、EDMアプローチを取り入れた「Speaking」や、テクノポップ風の「アンゼンパイ」で大はしゃぎ。リキッドルームはすっかりダンスフロアー化。そんな明るいムードが一変したのは「恋と吟(うた)」。元貴の情念込めたカオスな叫びに鳥肌が立つ。弾き語りの「えほん」からはアコースティック編成で、未発表曲「ノニサクウタ」は軽快なカントリータッチの新境地だ。続く「うブ」も未発表曲で、なんとびっくり、完全なEDM仕様のダンスチューン! 山中綾華のクールなドラミングがカッコ良い。この1年間での5人の演奏力の向上には、本当に目を見張らされる。

「道徳と皿」を歌う前に、“有名になりたくてやってる”“みんなが聴いてくれて、初めて曲を作った意味がある”と、音楽へのアンビバレンスな感情を元貴が告白した。さまざまな感情と膨大な情報量を抱えて突っ走る、底知れぬ可能性に満ちたミセスの音楽。アンコールのラスト、待望のフルアルバム『TWELVE』収録の「パブリック」を聴きながら、期待と戦慄が交錯する。このバンドはどこまで行ってしまうのか?