“ただいま! ヤバい、超楽しいな。やっぱり違うんですよ、地元の横浜でやるのは。あ、手も治ったよ。カメハメ波はもう撃たない(笑)”。
そんな野田洋次郎(Vo&Gu)のMCからも伝わる通り、この日のRADWIMPSは絶好調! アリーナならではの演出や照明で楽しませつつ、序盤からとびっきりの高揚感で会場が包まれる。「DARMA GRAND PRIX」では山口智史(Dr&Cho)と武田祐介(Ba&Cho)による鋼のように強靭なビートが渦巻く中、桑原彰(Gu&Cho)のカッティングが軽快に交わり、野田のヴォーカルも起伏に富んだメロディーの波に乗って駆け抜けていく。一方、「Tummy」「パーフェクトベイビー」といったナンバーは観客の大きな手拍子にも支えられ、ピースフルなムードで好対照に聴かせる。また、スキル面では各メンバーがさまざな楽器をプレイするなど全員がマルチプレイヤーになってきていて、4人で演奏するという強い意志がバンドを急激に進化させていたのは特筆すべき点だろう。中盤以降はキラーチューンが目白押し。イントロのスクラッチノイズで沸いた「実況中継」は“神 vs 仏”の掛け合いをはじめ、そのエキセントリックさに本当にゾクゾクさせられた。
友達との絆、この島国が抱える憂鬱、ラブ&ピースの本質...目の覚めるようなタフな演奏で、その後もたくさんの気付きをくれた4人。最後に深々と頭を下げた彼らに対し、オーディエンスは盛大な拍手と“ありがとう!”の声を返す。ポジティブなエネルギーの交感が、圧倒的で感動的なライヴの成功を物語っていた。