通勤列車

片道一時間の独りになれる時間
地下鉄潜り込んで届かなくなった携帯

音楽聴きながら眠りについたフリ
誰にも邪魔されたくない瞬間

人生を考えるには少し短すぎるけど
君のこと考えるには少しだけ長すぎるかな

泥だらけ傷だらけ零れ落ちた感情が
僕のほうへ君のほうへ流れて消えてく
通り過ぎた街並みに取り残された僕を
嘲笑うように日常が走る

一人とまた一人降りていく降車駅
行く宛見失った僕を残したまま

毎日毎日を詰め込むその度に
重たく肩を締め付けるカバンは

人生を包み込むには少し小さすぎるけど
君のこと包み込むには少しだけ大きすぎるかな

どれだけの感情と時間を引き換えにしてきたんだっけ
疲れた身体を夢の中まで連れ去ってゆく

泥だらけ傷だらけ辿りついた感情が
僕のこと君のこと明日へといざなう
通り過ぎた街並みに立ちすくむ僕たちを
包み込むように日常が走る

また今日も同じ日常が走る
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