ヤクソクの種

光も届かない遠い場所に
名前さえ知らない花がありました
誰かが約束を守る度に
綺麗な花を咲かせると聞きました

言葉の種がそよ風にのって
今年もこの場所で青く芽吹きます
美しく咲き誇るその花は
誰に愛されることなく

貴方の涙は雨になって
その花を包んでくれるでしょう
小さな願いは遥か遠く
咲き誇る時を信じて

星のない空に言葉を預けた
「いつか僕が迎えに行くよ」と
傷だらけのそのヤクソクの種は
風に吹かれて空へ消え去ってゆく

光も届かない遠い場所に
名前さえ知らない花がありました
誰かが約束を破る度に
枯れ落ちて消えてしまうと聞きました

枯れ落ちたその身は風になって
言葉を生んだ人の元へ還ります
結んだ約束がいつの日にも
忘れられてしまわぬように

貴方の笑顔は太陽になり
その花を照らしてくれるでしょう
小さな願いは遥か遠く
咲き誇る時を信じて

星のない空に預けた言葉は
今も僕を苦しませていた
傷だらけのそのヤクソクの種は
いつか僕の元へと

星のない空に言葉を預けた
僕は僕の心に誓った
傷だらけのそのヤクソクの種は
風に吹かれて空へ消え去ってゆく

光も届かない遠い場所に
名前さえ知らない花がありました
誰かが約束を守る度に
綺麗な花を咲かせると聞きました
×