カフェ・カルデサック

レンガの路地の奥に
読めない看板(なまえ)のカフェ
重いドア 開けるたび
じゃ香の匂いがした

初めて会話(はな)したのは
休暇の過ごし方ね
夕焼けの色をした
リキュール口にして

19になるのと 嘘をついた
なぜか私 若さが後ろめたくて

出口のない恋なら
いつかは泣くしかない
そんなこと今ならば
少しは判るけど

引き返すための 勇気だった
キスのあとで その手を振り切ったのは

秋風 吹く頃には
きれいなビルに変わる
跡形もないけれど
あなたを思い出す
ひとりで立ち止まり
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